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第三章 入学。そして、避妊具開発への道!

絶倫皇女、童顔美男子と知り合う

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「お疲れ様、インジー。ダンス、とてもお上手でしたよ」
「ありがとう。でも、緊張したわ……」
「フフッ! でしょうね。インジーの緊張がこちらにまで伝わってきましたし……」

 そう言ってグレンはクスクスと笑った。

 うぅ、やっぱりバレてた。そりゃあ、あれだけ緊張していれば分かるよね……。

 私はテーブルの上に並んでいた豪華な料理の中からジャーマンポテトを皿に取り、頬を少し赤らめながら黙々と食べていた。

 無事にダンスを終えた私達は二階のプライベートルームで休憩中である。下のダンスホールでは新入生同士がペアを組み、楽しそうに踊っているようだった。

 でも正直な話、パートナーがグレンじゃなかったらここまで上手く踊れていなかったと思う。彼は緊張も見せずに私をフォローしてくれた。今も汗一つかかず、赤ワインを口にしているし……私も彼みたいに強心臓になりたいものである。

「なんでもできて羨ましいな……」
「そんな事はありません。私だって苦手な事はありますよ」

 そう言いながら涼しげに笑うのを見て、私は嘘だと思いながら咀嚼しているとノックが三回鳴った。

 グレンが「入れ」と声をかけると、扉からひょっこりと顔を出したのはアイスブルーの瞳を持つ童顔の好青年が現れたのである。

「グレン。今、いいかな?」
「ヒューゴか」

 俺もいるぞ……とアランもヒューゴの背後からこっそりと現れ、一緒に歩み寄ってきた。

 こ、この可愛らしいイケメンはどちら様ッ!?

 私はヒューゴと呼ばれた青年に釘付けになった。ネイビーの髪にアイスブルーの目。アランとは違い日に焼けていない白い肌。グレンに比べたら背は少し低いけど、利口そうな印象の青年であった。

 私の性癖にどストライクッ! いやーーーーん♡ ヒューゴって言ったっけ!? 前世に私がやってたアイドル育成ゲームのキャラクターそっくりじゃない♡ この世界はイケメンパラダイスか!? なんなら、帝国でアイドル事務所でも作っちゃおうかしら……それで、ドSのグレンを主体に色んな男の子と掛け合わせて……グフフ♡

 脳内で妄想に浸っているとヒューゴは私の前で跪き、私の手の甲にキスを落としてきた。

「初めまして、イングリッド様。ヒューゴ・ディアスと申します。姫様の隣にいるグレンの親友です。さっきのダンスとても素敵でした」

 はぁぁぁぁぁぁんッ♡ 駄目っ♡ こりゃもう、たまらんわ。性格とイケメンすぎて、つらい。何このイケメンはッ!?

 ジュルリ……ハッ、いけないわ。皇女がニヤケて涎が垂れそうになるなんて事務所NGよ! 皇女としてちゃんとしなければ……!

「こちらこそ初めまして、イングリッド・マルセイユ・グラン・サクリファイスです。お褒め頂き光栄ですわ」

 冷静を装いつつ笑顔でヒューゴと挨拶を交わしたが、脳内では妄想とムクムクと湧き上がる性欲と戦っていた。

 なんて可愛いの、ヒューゴッ! アランとグレンとは違うジャンルの可愛さね! 身長は二人に比べたら少し低いけど、そんな事気にならないくらい魅力的だわっ♡

  フフッ、貴方の股間もきっと魅力的に違いないわねぇ……。

 ヒューゴの可愛い笑顔に見惚れていると、グレンがいきなり私の腕を掴んで自分の側に引き寄せた。

「で、用件は?」

 あ、あれ……グレンなんか冷たくない? どうしたんだろ?

 その様子を見たヒューゴは不思議そうな顔をしたが、グレンの冷たい反応をすぐに理解したのか、クスクスと笑っていた。

「僕は忠実な君の家臣なんだから、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。イングリッド様と僕は同じ医学部だから挨拶しておかなきゃって思っただけだし」

 な、なんですと!? ヒューゴと私が同じ学部なら、毎日ハッピーなキャンパスライフを送れるじゃない! あぁ、楽しみだなぁ……♡

「まぁ、そうだな。ヒューゴ、お前は問題ない。問題があるのはお前だ、アラン」
「うぇ!? お、俺!?」

 いきなりグレンに指摘されたアランはかなり驚いていた。隣にいるヒューゴも苦笑いしながら「……うん、そうだね」と意味深に呟く。

「な、なんなんだよ……皆してさ! 俺のどこに問題があるんだよ!?」

 アランが憤慨していたが「上着を脱いでみろ」とグレンに命令されると、態度を一転させて動揺した。

「う、上着……?」

 アランの視線が色んな所に泳いでいるのを見たグレンとヒューゴは、私をすぐに背後に隠した。

「ほら、さっさと脱げ」
「い、嫌だ嫌だ! 嫌だーーーー!」

 結局、アランはごねまくった末に顔をトマトのように真っ赤にさせながら「分かったよ、もう……」と渋々上着を脱ぎ始めた。

 グレンとヒューゴが見つめる先はアランの股間の膨らみ。
それを見たグレンはハァ……と呆れ、ヒューゴはどういう状況なのか私に見えないように全力で阻止していた。

「ほら見ろ。やはり、お前はイングリッドにとって危険な人間だ」
「うぅ……一体、何の羞恥プレイなんだ……やめてくれよぉぉぉぉ!!」
「アラン、貴様は姫に近づくのは禁止だ」
「そ、そんなぁ……あんまりだぁぁぁぁ!!」

 ショックを隠しきれないアランは頭を抱えて膝から崩れ落ちたのであった。
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