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第三章 入学。そして、避妊具開発への道!
絶倫皇女、ワンコ君と友達になる
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「失礼しました……」
学年担当教授からやんわりと注意を受けた私達。隣にいるグレンはなんだか機嫌が良さそうだが、まさかこういう事で注意を受けるとは思っておらず、恥ずかしすぎて私は項垂れる事しか出来なかった。
あ~~~~~~! 18歳にもなってこんな注意をうけるだなんてっ!
「もう! グレンがいきなりキスなんてするから……」
「ふふっ、可愛くてつい。それにインジーも悪いんですよ? そんなに愛想を振り撒いてたら他の男が寄って来るじゃないですか。だから、さっきのキスは虫除けです」
そう言って、またキスをして来ようとするんだから! もーーーー、私の心臓がもたないじゃない!
私は顔を真っ赤にしながら、慌ててグレンから距離をとった。
「ちょっと待って! 私達は婚約してて、貴方はこの国の皇太子! 私はサクリファイス帝国の第一皇女! 貴方以外の人間が手を出して来る方がおかしいですよ!」
「でも、婚姻じゃないですし。私達がしてるのは婚約でしょ? 確かに手を出してくる輩は頭のネジが一本飛んでいる早死にしたい方でしょうから。ま……そんな奴、即座に首を刎ねてやりますけどね」
…………もう、この人は。真顔でサラッと怖い事を言ってのけるんだから。
私が途方に暮れていると、背後から「おーい、グレン!」と声をかけて来る者がいた。
誰だろうと思って後ろを振り向くとグレンよりも背の高い、見るからに人懐こそうな男がこちらに手を振りながら近付いてきた。
何、あのワンコ君は!?
赤い髪を刈り上げた短い髪に大きな琥珀色の目。そして、いかにも体育会系です!という底抜けの明るさを持つ犬のような大男が現れたのである。
ジュルリッ……ハッ! わ、私の良い男レーダーが反応している……だと!?という事は……この男! 巨根の持ち主かもしれない!
そんな私の視線に気が付いた赤髪の大男は、用があったグレンよりも先に私に頭を下げて挨拶をしてきたのだった。
「あ、初めまして! グレンの幼馴染やってます! 帝国騎士団に所属しているアラン・アルヴァレズです!」
いやーーん、可愛い♡ 色男はやっぱり自分から挨拶できるわよねーー! 女性から挨拶しなきゃいけないっていう謎文化なんかクソ喰らえよねーー!
……おっと、危ない危ない。姫としての品格を保たねば。
私は垂れそうになった涎を静かにすすり、お淑やかに振る舞いつつ頭を下げて挨拶をした。
「は、初めまして……イングリッド・マルセイユ・グラン・サクリファイスです」
「宜しくお願い致しますね、姫さ……いてっ!」
ペチンッ!と快音が鳴った。握手をしようとアランが伸ばした手をグレンが叩き落としたのである。
「……インジーに気安く触れるな」
「え~~~~、握手くらいいいじゃんか」
「駄目だ」
即座にグレンに拒否されて涙目になるアラン。
うん、めっちゃ可愛い。大人しくしていれば、めちゃくちゃモテるのにワンコのようなギャップがかなりグッとくる!
なんならグレン×アランでも良いくらい。いいぞ、もっとやれ……って、なんでBLを考えてるんだろ。
いけないと思いつつ、私は二人の話している内容に意識を向け始めた。
「アハハッ、でもグレン! イングリッド様に本気でベタ惚れなんだな」
「当たり前だろう。インジーは私の全てで唯一。誰にも渡さない」
ギロッと険しい顔をするグレンを見て、珍しいと言わんばかりに目を丸くするアラン。
「そんな事言ってたらアイツらにめちゃくちゃ揶揄わられるぞ~~? あの赤血の騎士と呼ばれた皇太子が女にベタ惚れだって。あ、でも実際言い訳できないくらいベタ惚れだもんな!」
「…………ふん」
あ、グレンの耳が真っ赤。相当恥ずかしいみたい。ふふっ、私の婚約者はとても可愛い。なんなら婚約じゃなくて婚姻でも良かったなぁと今でも思う。
そんな彼らのやり取りを微笑ましく見ていると、アランがいきなり「あっ!」と大きな声をあげた。
「こんな事してる場合じゃなかった! 今夜、歓迎パーティが開かれるから皆で行こうって誘いにきたんだった!」
「パーティ……ですか?」
そういえば、午後6時からそんなイベントがこのミラージュ国立大学で開催されるって言っていたような気がする。
「イングリッド姫様に会いたいっていう人間が沢山いてるんで! あ、大丈夫ですよ! 皆、グレンの親友ですから! それに姫様と同じ医学部の奴もいるんで、姫様が嫌じゃなかったら是非!」
頭を掻きながら早口でそう言われるあたり、アランは私に対して緊張し、気を遣っているようだ。
「友達も少ないし、是非紹介して欲しいな」
「是非ッ! じゃあ、グレンに姫様! 皆でお迎えに行きますから、また後でお会いしましょう!」
アランはこちらに手を振りながら廊下を猛ダッシュ。
あっという間に彼の姿が見えなくなったが、職員室から「こら! アラン・アルヴァレズ、廊下を走るな!」という教授の怒号が廊下に響き渡った。
学年担当教授からやんわりと注意を受けた私達。隣にいるグレンはなんだか機嫌が良さそうだが、まさかこういう事で注意を受けるとは思っておらず、恥ずかしすぎて私は項垂れる事しか出来なかった。
あ~~~~~~! 18歳にもなってこんな注意をうけるだなんてっ!
「もう! グレンがいきなりキスなんてするから……」
「ふふっ、可愛くてつい。それにインジーも悪いんですよ? そんなに愛想を振り撒いてたら他の男が寄って来るじゃないですか。だから、さっきのキスは虫除けです」
そう言って、またキスをして来ようとするんだから! もーーーー、私の心臓がもたないじゃない!
私は顔を真っ赤にしながら、慌ててグレンから距離をとった。
「ちょっと待って! 私達は婚約してて、貴方はこの国の皇太子! 私はサクリファイス帝国の第一皇女! 貴方以外の人間が手を出して来る方がおかしいですよ!」
「でも、婚姻じゃないですし。私達がしてるのは婚約でしょ? 確かに手を出してくる輩は頭のネジが一本飛んでいる早死にしたい方でしょうから。ま……そんな奴、即座に首を刎ねてやりますけどね」
…………もう、この人は。真顔でサラッと怖い事を言ってのけるんだから。
私が途方に暮れていると、背後から「おーい、グレン!」と声をかけて来る者がいた。
誰だろうと思って後ろを振り向くとグレンよりも背の高い、見るからに人懐こそうな男がこちらに手を振りながら近付いてきた。
何、あのワンコ君は!?
赤い髪を刈り上げた短い髪に大きな琥珀色の目。そして、いかにも体育会系です!という底抜けの明るさを持つ犬のような大男が現れたのである。
ジュルリッ……ハッ! わ、私の良い男レーダーが反応している……だと!?という事は……この男! 巨根の持ち主かもしれない!
そんな私の視線に気が付いた赤髪の大男は、用があったグレンよりも先に私に頭を下げて挨拶をしてきたのだった。
「あ、初めまして! グレンの幼馴染やってます! 帝国騎士団に所属しているアラン・アルヴァレズです!」
いやーーん、可愛い♡ 色男はやっぱり自分から挨拶できるわよねーー! 女性から挨拶しなきゃいけないっていう謎文化なんかクソ喰らえよねーー!
……おっと、危ない危ない。姫としての品格を保たねば。
私は垂れそうになった涎を静かにすすり、お淑やかに振る舞いつつ頭を下げて挨拶をした。
「は、初めまして……イングリッド・マルセイユ・グラン・サクリファイスです」
「宜しくお願い致しますね、姫さ……いてっ!」
ペチンッ!と快音が鳴った。握手をしようとアランが伸ばした手をグレンが叩き落としたのである。
「……インジーに気安く触れるな」
「え~~~~、握手くらいいいじゃんか」
「駄目だ」
即座にグレンに拒否されて涙目になるアラン。
うん、めっちゃ可愛い。大人しくしていれば、めちゃくちゃモテるのにワンコのようなギャップがかなりグッとくる!
なんならグレン×アランでも良いくらい。いいぞ、もっとやれ……って、なんでBLを考えてるんだろ。
いけないと思いつつ、私は二人の話している内容に意識を向け始めた。
「アハハッ、でもグレン! イングリッド様に本気でベタ惚れなんだな」
「当たり前だろう。インジーは私の全てで唯一。誰にも渡さない」
ギロッと険しい顔をするグレンを見て、珍しいと言わんばかりに目を丸くするアラン。
「そんな事言ってたらアイツらにめちゃくちゃ揶揄わられるぞ~~? あの赤血の騎士と呼ばれた皇太子が女にベタ惚れだって。あ、でも実際言い訳できないくらいベタ惚れだもんな!」
「…………ふん」
あ、グレンの耳が真っ赤。相当恥ずかしいみたい。ふふっ、私の婚約者はとても可愛い。なんなら婚約じゃなくて婚姻でも良かったなぁと今でも思う。
そんな彼らのやり取りを微笑ましく見ていると、アランがいきなり「あっ!」と大きな声をあげた。
「こんな事してる場合じゃなかった! 今夜、歓迎パーティが開かれるから皆で行こうって誘いにきたんだった!」
「パーティ……ですか?」
そういえば、午後6時からそんなイベントがこのミラージュ国立大学で開催されるって言っていたような気がする。
「イングリッド姫様に会いたいっていう人間が沢山いてるんで! あ、大丈夫ですよ! 皆、グレンの親友ですから! それに姫様と同じ医学部の奴もいるんで、姫様が嫌じゃなかったら是非!」
頭を掻きながら早口でそう言われるあたり、アランは私に対して緊張し、気を遣っているようだ。
「友達も少ないし、是非紹介して欲しいな」
「是非ッ! じゃあ、グレンに姫様! 皆でお迎えに行きますから、また後でお会いしましょう!」
アランはこちらに手を振りながら廊下を猛ダッシュ。
あっという間に彼の姿が見えなくなったが、職員室から「こら! アラン・アルヴァレズ、廊下を走るな!」という教授の怒号が廊下に響き渡った。
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