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第二章 政略結婚。身体の相性はやっぱり大事!
絶倫皇女、発情を見られる
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「イングリッド姫様、大丈夫ですか!?」
部屋の真ん中で胸を押さえて蹲っている私を見つけたグレン様は赤ちゃんアザラシの為に持ってきた哺乳瓶を落とし、ミルクを床にぶち撒けてしまった。
紺色の絨毯の上に白い液体が広がった後、何秒か後にじわりじわりと時間をかけて染み込んでいく……そんな状況を把握できるくらい頭の中はクリアなのに身体が言う事をきかない。
血相を変えてこちらに駆け寄ってくる愛しい人を見た私は湧き上がる性欲と身体の疼きに耐えながら彼の名前を呼んだ。
「あ……グ、レン……様ぁぁ」
「イングリット姫……いつからお身体の調子が悪かったのですか!?」
あぁ、そんな表情をしないで欲しい。貴方のせいではないの。全ては私の身体のせい……そこにいるアザラシの姿に扮した神が変な縛りを私の器につけたからこうなったの。
こんな身体のせいで貴方に心配をかけさせてしまうなら……貴方の前から消えて、今まで通り悪い癖のある男達の精を絞り尽くす性に乱れた絶倫皇女に戻った方が良いのかもしれない。
そしたらフェロモンとやらに踊らされている貴方も私も一旦、落ち着いてお互いを冷静に見られるのかも。冷静になった貴方は私ではない他の女性の隣に立って、輝かしい人生を共に歩んでいくのだろう。こんな性に乱れてしまう女なんて、貴方の隣にいたら迷惑しかかけないに決まってるわ。
私はそんな事まで考えていた。これを声に出して伝えられれば、どんなに良かっただろう。私の発情はもう理性で抑えられるような段階ではなかった。
触れたら最後。もう、性に乱れた獣になるしかない。
「グレン……様ぁ……あっ♡」
お願い、私に近づかないで。そしたら、私……きっと、貴方を襲っちゃう。そんな獣のように乱れた姿は貴方に見られたくないのよ。
「イングリッド……どうしたら……」
そんな思いも梅雨知らず、彼は私に近づいてくる。
私の事を心配してくれる優しい声。嬉しい。嬉しいけど今は駄目。貴方を今までセックスしてきた人と同じ様に扱いたくないの。
「あ……駄目♡ 近づ……かない……で……」
息を切らし、必死に絨毯に爪を立てながら部屋の隅に向かう。
姫としてこんな姿を皇太子殿下の前で晒すのは恥ずかしく、情けない気持ちに駆られる。
だが、本能には抗えないのだ。自分の力ではどうする事もできない、獣のような本能に。好きな人だからこそ、見られたくない自分の汚れた性癖。
ただただ、私は部屋の隅でハァハァと息を切らしながら怯えるしか出来なかった。
「イングリッド……」
グレン様が私に少しずつ近づき、ゆっくりとしゃがんだ。彼の綺麗な長い指が私の長い髪に触れ、彼が私の髪を一束取り、チュッと口付けを落としてきたのだった。
なんて綺麗な指なの……。
流れる様な自然な動作に私は見惚れた。あぁ、やはり女性慣れしているのだなと思いきや、彼の手はフルフルと静かに震えていた。
「グレン……様?」
私は彼の目を見つめた。まるで熱に浮かされているかのように潤む目。私に気の利いた言葉をかけようとしているのだが、考えがまとまらないのか開いては閉じるを繰り返している薄い唇。そして、恥ずかしいのか薔薇色に染まっている赤い頬。
あぁ、なんて可愛い人なんだろう。この人が私の全てを受け入れてくれたらどんなにいい事か。
「グレン……様、駄目で、す……」
これ以上、近づかないでとは言えなかった。だって、彼も私と同じ気持ちのような気がするんだもん。
「イングリッド……そんなに怯えなくていい。私に全て任せて欲しい。だから、そんなに怯えるな」
「あっ……それ、以上はぁ……っ」
近づく薄い唇。それが、小さなさくらんぼのように艶のある私の唇に優しく重なった。
部屋の真ん中で胸を押さえて蹲っている私を見つけたグレン様は赤ちゃんアザラシの為に持ってきた哺乳瓶を落とし、ミルクを床にぶち撒けてしまった。
紺色の絨毯の上に白い液体が広がった後、何秒か後にじわりじわりと時間をかけて染み込んでいく……そんな状況を把握できるくらい頭の中はクリアなのに身体が言う事をきかない。
血相を変えてこちらに駆け寄ってくる愛しい人を見た私は湧き上がる性欲と身体の疼きに耐えながら彼の名前を呼んだ。
「あ……グ、レン……様ぁぁ」
「イングリット姫……いつからお身体の調子が悪かったのですか!?」
あぁ、そんな表情をしないで欲しい。貴方のせいではないの。全ては私の身体のせい……そこにいるアザラシの姿に扮した神が変な縛りを私の器につけたからこうなったの。
こんな身体のせいで貴方に心配をかけさせてしまうなら……貴方の前から消えて、今まで通り悪い癖のある男達の精を絞り尽くす性に乱れた絶倫皇女に戻った方が良いのかもしれない。
そしたらフェロモンとやらに踊らされている貴方も私も一旦、落ち着いてお互いを冷静に見られるのかも。冷静になった貴方は私ではない他の女性の隣に立って、輝かしい人生を共に歩んでいくのだろう。こんな性に乱れてしまう女なんて、貴方の隣にいたら迷惑しかかけないに決まってるわ。
私はそんな事まで考えていた。これを声に出して伝えられれば、どんなに良かっただろう。私の発情はもう理性で抑えられるような段階ではなかった。
触れたら最後。もう、性に乱れた獣になるしかない。
「グレン……様ぁ……あっ♡」
お願い、私に近づかないで。そしたら、私……きっと、貴方を襲っちゃう。そんな獣のように乱れた姿は貴方に見られたくないのよ。
「イングリッド……どうしたら……」
そんな思いも梅雨知らず、彼は私に近づいてくる。
私の事を心配してくれる優しい声。嬉しい。嬉しいけど今は駄目。貴方を今までセックスしてきた人と同じ様に扱いたくないの。
「あ……駄目♡ 近づ……かない……で……」
息を切らし、必死に絨毯に爪を立てながら部屋の隅に向かう。
姫としてこんな姿を皇太子殿下の前で晒すのは恥ずかしく、情けない気持ちに駆られる。
だが、本能には抗えないのだ。自分の力ではどうする事もできない、獣のような本能に。好きな人だからこそ、見られたくない自分の汚れた性癖。
ただただ、私は部屋の隅でハァハァと息を切らしながら怯えるしか出来なかった。
「イングリッド……」
グレン様が私に少しずつ近づき、ゆっくりとしゃがんだ。彼の綺麗な長い指が私の長い髪に触れ、彼が私の髪を一束取り、チュッと口付けを落としてきたのだった。
なんて綺麗な指なの……。
流れる様な自然な動作に私は見惚れた。あぁ、やはり女性慣れしているのだなと思いきや、彼の手はフルフルと静かに震えていた。
「グレン……様?」
私は彼の目を見つめた。まるで熱に浮かされているかのように潤む目。私に気の利いた言葉をかけようとしているのだが、考えがまとまらないのか開いては閉じるを繰り返している薄い唇。そして、恥ずかしいのか薔薇色に染まっている赤い頬。
あぁ、なんて可愛い人なんだろう。この人が私の全てを受け入れてくれたらどんなにいい事か。
「グレン……様、駄目で、す……」
これ以上、近づかないでとは言えなかった。だって、彼も私と同じ気持ちのような気がするんだもん。
「イングリッド……そんなに怯えなくていい。私に全て任せて欲しい。だから、そんなに怯えるな」
「あっ……それ、以上はぁ……っ」
近づく薄い唇。それが、小さなさくらんぼのように艶のある私の唇に優しく重なった。
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