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第一章 転生。そして、絶倫皇女の噂
絶倫皇女と縁談話
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と、まぁ……経緯はそんな感じだ。
あれから猫神様は足腰が立たなくなって強面の従者二人に抱えられる様に天界へ帰ってしまい、用がなければこちら側に来る事はなくなった。
帰り際に『お前さんの膣は精力バキュームすぎて怖い。人とする時は加減するんにぇ……』とげっそりした顔で帰っていったが、その時は何の事だかさっぱり分からなかった。
それから、一ヶ月後。
二度目の発情がきてしまった。どうやら、生理周期に合わせて一ヶ月に一回のペースで発情してしまうらしい。
……これはかなりマズイ。何度も言うけど、私は皇女なのよ!? 猫神様とのレクチャーでセックスが気持ち良いっていうのは物凄くわかった!
何度でも言うが、今世の私はこのサクリファイス帝国の王族の一員。王族としての最低限の品格は保たねばならないのだ。
しかぁし! 私の場合、困った事に生きていく為にはセックス(精力)は必要不可欠! しかも、この世界を平和にしなきゃいけないだと?
…………いや、無理じゃね?
うん、無理ゲーだわ。男ならさ、ばんばんハーレム作って国を建国しましたーとか、いろんな国で子供作ってちゃんとした性教育を学ばせて布教するとか色々あるだろうけど、私は女の子。女性なのよ!?
この世界では男尊女卑が根強いの! 子種を撒く術もなければ、モブの精子だったら子を孕む事もできない! 一体、どうすれば良いのだ!
くっ、神よ……何故、私を女にしたのだ。もしや貴様の趣味か? このボン、キュッ、ボンのダイナマイトボディは貴様の好みなのか!? くそぅ……せめて男にしてくれたら、少しでもやりようはあったかもしれないのに!
「はぁぁぁぁ……」
もう滝汗しか出なかった。かれこれこの一ヶ月の間、ずーーーーっと悩んでいるが、解決策が全く出て来なかったのだ。今でもどうにかしなければとベッドの上で鼻くそをほじりながら、ひたすら考え込んでいる最中なのである。
「ひ、姫様……中に入ってもよろしゅうございますか?」
扉の外から私の専属メイド、アンリの声が聞こえたので「どうぞ」と返事をして彼女を部屋に招き入れた。
「し、失礼致します。あぁ……やはりお取り込み中でしたか」
私の隣に寝転がっている死体を見つめ、困った様に私と死体を交互に見たアンリに私は天使のように微笑み返した。
「いいえ、お取り込み後よ。それと、アンリ。私の前では女中じゃなくても良いのよ?」
「……ありがとうございます、姫様」
私の許しを得たアンリは突如、男の子のような低い声へと変化した。そう……アンリは実は男の子だった。いつも出している声は裏声で、今は素の声なのだ。
「きゃーー♡ アンリ、今日も一段と可愛いんだからぁ♡」
思わず涎が垂れた。
グヘヘ……私の可愛いアンリ♡ あの時、アンリに対して涎が出た時は心底焦ったけど、私の異性センサーに狂いはなかったわ!
「はぁ……いつか貴方の事も食べちゃいたいわ♡」
「お戯れを。僕には身体の弱い双子の妹がおりますので、まだ死ぬ訳にはいきません。とりあえず、またその死体を片付けたら宜しいですか?」
「えぇ、お給金は弾むから期待してて♡」
アンリは「ありがとうございます」と淡々と頭を下げてお礼を述べた。
荷台を私の部屋へと運び入れ、黒のシートで死体をぐるぐる巻きにして死体を荷台に積み込む。証拠になるようなベットシーツ等も全て剥ぎ取り、手際良く取り替えてくれた。
中性的な顔立ちをしているアンリは用意周到で口が固い。最初は男の子だって周りにバレないようにする代わり、私の体質の理解と死体の事後処理をお願いしているのだ。
「では、これにて失礼します。あ……2つ程、姫様に伝えたい事が」
「うん?」
「1つ目は兵士とメイド達の間で姫様の事が噂になってます。絶倫皇女だとか陰で言われてますよ」
ドッキーーーーン!! まさかそこまで噂が回ってるなんて、アハハハハ……。まぁ、仕方ないか。兵士達をあれだけ食べちゃったし、メイド達には扉の外から色々聞かれちゃってたからな。それに、全てはこんな身体にした猫神様が悪いんだから!
「うーん、分かった……そろそろ自重するわ」
悩みながら返事をした私に対し、アンリは少しだけ気の毒そうな顔をしながら「まぁ……僕は姫様の体質は理解出来てますから、そこら辺の心配はしないで下さい」と声をかけてくれたのである。
「……うん、ありがと」
アンリは今では私の心優しき理解者だ。最初は身体の弱い妹の代わりに女装をしてここで働いている事を付け込んだみたいで嫌だったが、今はそうではない。私はアンリの事は友達だと思っている。そう思っているのは私だけかもしれないけどね。
「2つ目なのですが……」
「うん?」
「姫様にお見合いの話が来てます」
「お、お見合い?」
お見合いって、あのお見合い? もう、そんな話が来るお年頃なのか。それに、私は皇女だから相手はそれなりの地位にいる方だろう。後、政略結婚の可能性が非常に高い。
「……お相手は誰かしら?」
こんな感じのやり取りを少し前もやった気がする。だが、やはり相手の事は気になる。性懲りも無く何度でも言うが、イケメンが良い。猫神様のような顔が不細工なのは嫌だ。
「サンクチュアリ帝国の第一王子、グレン・シャルル・ブラッド・サンクチュアリ様です」
「サンクチュアリ帝国か……」
国名を聞いて私は思わず渋い顔になった。サンクチュアリ帝国はこのサクリファイス帝国よりも南にある国で、猫神様を崇める国の一つだ。そして、長いこと他国と戦争を繰り返している無敗の国でもある。私の印象としては血染めの国や蛮国と言われている印象が強かった。
さぁて、どうしようかしらね……どうせ、この縁談を進めたのは宰相かお父様でしょうけど。
ハァ……まぁ、いいわ。いつまで経ってもこの国で公務に励んでいても進展しないし。発情の事は……うん、なんとかしてみせよう。
「いいわ、アンリ。その話詳しく聞かせてとお父様に伝えてちょうだい」
「かしこまりました」
アンリはメイド服の裾を少し摘みながら頭を下げ、私の部屋を後にしたのだった。
あれから猫神様は足腰が立たなくなって強面の従者二人に抱えられる様に天界へ帰ってしまい、用がなければこちら側に来る事はなくなった。
帰り際に『お前さんの膣は精力バキュームすぎて怖い。人とする時は加減するんにぇ……』とげっそりした顔で帰っていったが、その時は何の事だかさっぱり分からなかった。
それから、一ヶ月後。
二度目の発情がきてしまった。どうやら、生理周期に合わせて一ヶ月に一回のペースで発情してしまうらしい。
……これはかなりマズイ。何度も言うけど、私は皇女なのよ!? 猫神様とのレクチャーでセックスが気持ち良いっていうのは物凄くわかった!
何度でも言うが、今世の私はこのサクリファイス帝国の王族の一員。王族としての最低限の品格は保たねばならないのだ。
しかぁし! 私の場合、困った事に生きていく為にはセックス(精力)は必要不可欠! しかも、この世界を平和にしなきゃいけないだと?
…………いや、無理じゃね?
うん、無理ゲーだわ。男ならさ、ばんばんハーレム作って国を建国しましたーとか、いろんな国で子供作ってちゃんとした性教育を学ばせて布教するとか色々あるだろうけど、私は女の子。女性なのよ!?
この世界では男尊女卑が根強いの! 子種を撒く術もなければ、モブの精子だったら子を孕む事もできない! 一体、どうすれば良いのだ!
くっ、神よ……何故、私を女にしたのだ。もしや貴様の趣味か? このボン、キュッ、ボンのダイナマイトボディは貴様の好みなのか!? くそぅ……せめて男にしてくれたら、少しでもやりようはあったかもしれないのに!
「はぁぁぁぁ……」
もう滝汗しか出なかった。かれこれこの一ヶ月の間、ずーーーーっと悩んでいるが、解決策が全く出て来なかったのだ。今でもどうにかしなければとベッドの上で鼻くそをほじりながら、ひたすら考え込んでいる最中なのである。
「ひ、姫様……中に入ってもよろしゅうございますか?」
扉の外から私の専属メイド、アンリの声が聞こえたので「どうぞ」と返事をして彼女を部屋に招き入れた。
「し、失礼致します。あぁ……やはりお取り込み中でしたか」
私の隣に寝転がっている死体を見つめ、困った様に私と死体を交互に見たアンリに私は天使のように微笑み返した。
「いいえ、お取り込み後よ。それと、アンリ。私の前では女中じゃなくても良いのよ?」
「……ありがとうございます、姫様」
私の許しを得たアンリは突如、男の子のような低い声へと変化した。そう……アンリは実は男の子だった。いつも出している声は裏声で、今は素の声なのだ。
「きゃーー♡ アンリ、今日も一段と可愛いんだからぁ♡」
思わず涎が垂れた。
グヘヘ……私の可愛いアンリ♡ あの時、アンリに対して涎が出た時は心底焦ったけど、私の異性センサーに狂いはなかったわ!
「はぁ……いつか貴方の事も食べちゃいたいわ♡」
「お戯れを。僕には身体の弱い双子の妹がおりますので、まだ死ぬ訳にはいきません。とりあえず、またその死体を片付けたら宜しいですか?」
「えぇ、お給金は弾むから期待してて♡」
アンリは「ありがとうございます」と淡々と頭を下げてお礼を述べた。
荷台を私の部屋へと運び入れ、黒のシートで死体をぐるぐる巻きにして死体を荷台に積み込む。証拠になるようなベットシーツ等も全て剥ぎ取り、手際良く取り替えてくれた。
中性的な顔立ちをしているアンリは用意周到で口が固い。最初は男の子だって周りにバレないようにする代わり、私の体質の理解と死体の事後処理をお願いしているのだ。
「では、これにて失礼します。あ……2つ程、姫様に伝えたい事が」
「うん?」
「1つ目は兵士とメイド達の間で姫様の事が噂になってます。絶倫皇女だとか陰で言われてますよ」
ドッキーーーーン!! まさかそこまで噂が回ってるなんて、アハハハハ……。まぁ、仕方ないか。兵士達をあれだけ食べちゃったし、メイド達には扉の外から色々聞かれちゃってたからな。それに、全てはこんな身体にした猫神様が悪いんだから!
「うーん、分かった……そろそろ自重するわ」
悩みながら返事をした私に対し、アンリは少しだけ気の毒そうな顔をしながら「まぁ……僕は姫様の体質は理解出来てますから、そこら辺の心配はしないで下さい」と声をかけてくれたのである。
「……うん、ありがと」
アンリは今では私の心優しき理解者だ。最初は身体の弱い妹の代わりに女装をしてここで働いている事を付け込んだみたいで嫌だったが、今はそうではない。私はアンリの事は友達だと思っている。そう思っているのは私だけかもしれないけどね。
「2つ目なのですが……」
「うん?」
「姫様にお見合いの話が来てます」
「お、お見合い?」
お見合いって、あのお見合い? もう、そんな話が来るお年頃なのか。それに、私は皇女だから相手はそれなりの地位にいる方だろう。後、政略結婚の可能性が非常に高い。
「……お相手は誰かしら?」
こんな感じのやり取りを少し前もやった気がする。だが、やはり相手の事は気になる。性懲りも無く何度でも言うが、イケメンが良い。猫神様のような顔が不細工なのは嫌だ。
「サンクチュアリ帝国の第一王子、グレン・シャルル・ブラッド・サンクチュアリ様です」
「サンクチュアリ帝国か……」
国名を聞いて私は思わず渋い顔になった。サンクチュアリ帝国はこのサクリファイス帝国よりも南にある国で、猫神様を崇める国の一つだ。そして、長いこと他国と戦争を繰り返している無敗の国でもある。私の印象としては血染めの国や蛮国と言われている印象が強かった。
さぁて、どうしようかしらね……どうせ、この縁談を進めたのは宰相かお父様でしょうけど。
ハァ……まぁ、いいわ。いつまで経ってもこの国で公務に励んでいても進展しないし。発情の事は……うん、なんとかしてみせよう。
「いいわ、アンリ。その話詳しく聞かせてとお父様に伝えてちょうだい」
「かしこまりました」
アンリはメイド服の裾を少し摘みながら頭を下げ、私の部屋を後にしたのだった。
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