私の初恋〜孤児だった私は貴方の子供を産む為に参りました〜

麦星れな

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第四章 戻ってきた日常と甘い日々

番外編:お仕置き1(シャリファside)♡

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「じょ、冗談ですよね? 今日から使用人達が戻ってきてるんですよ? 本当にするんですか?」

 ベッドの上で後退りながら私は苦笑いしていた。リヒトさんが少しずつ迫りながら「当然だ。これはお仕置きだからな」と微笑んでいるからだ。

 確かに今日はいろんな事があった。私が許可も得ずに部屋から抜け出したせいでヴィルヘルムさんに捕まり、手作りのお菓子を食べられなかった事も全部ひっくるめて根に持っているのだろう。

(でも、だからって何も今日じゃなくても! 隣の部屋にはベスがいるのに、そんなギラギラとした目で迫って来ないでくださいよ!)

 私はアワアワしながらサイドテーブルに置かれている時計をチラッと見てみると、時計の針はとっくに0時を回っていた。

(リヒトさんと愛し合うのは嫌いじゃない。むしろ好きだけど、今日は何回やるのかなぁ……。腰もまだ本調子じゃないし、出来れば加減して欲しい。それに明日、げっそりした顔でベスに会ったらかなり心配されそうだわ。あー、なんて言い訳しようかなぁ……)

 私は心の中で悶々と悩む。こういう状況に陥ったのも、リヒトさんがベスを隣の部屋に閉じ込めて、この寝室に戻って来てからだ。
私が「お帰りなさい」と声をかけるなり、着ていたシャツを脱ぎ捨てながらベッドの上に登ってきたと思ったら、「……シャリファ、今すぐしたい」と言われてしまったのである。

「ちょ、本当に待って下さい……隣の部屋でベスが寝てるんですよ? 色んな事を気にしなきゃ――んっ」

 喋っている途中でリヒトさんに組み敷かれ、キスで唇を塞がれてしまった。チュッ、チュッ……と角度を変えてキスをし、ハァ……と息を漏らして、ニヤリと笑う彼を睨み付ける。

「は、話の途中でいきなりキスしないで下さいよ!」

 思わず部屋に反響するくらいの声量で怒鳴ってしまった。
その声を聞いたリヒトさんはすぐに人差し指を自分の口元に当て、「声が大きいぞ。もしかしたら、今ので俺達が何をしてるのか彼女にバレちゃったかもな」と言うものだから、私は顔から火が出たかと思うくらいに恥ずかしくなってしまった。

(ど、どうしよう……ベスに聞こえちゃったかしら!?)

 私は咄嗟に両手で口元を覆う。それを見たリヒトさんはクスッ……と笑い、私の耳元で「今日は声を出したら駄目だぞ?」と意地悪く笑った後、向かった先は私の下着だった。抵抗する間も無く、あっという間に下着を下ろされてネグリジェの裾を捲し上げられてしまう。

 こうなったリヒトさんは止められない。だから、せめて絶対に声を出さないようにしようとギュッと目を瞑った時だった。彼の両手が私の腿裏に添えられた事で、いつもと触り方が違う事にすぐに気が付いたのである。

(あれ? どうして今日は指じゃなくて、顔を近づけて――……)

 ふにゅ……。

「ッッ!!??」

 どうして、リヒトさんの熱い吐息がアソコから感じるの!?

「えっ……えっ!?」

 彼の唇が私の大事な所に触れているのが一瞬で分かってしまった。彼の柔らかい唇が陰唇の表面に軽く吸い付き、少しずつ南下していく。

「あっ、ちょっと……リヒトさんっ!」

 私は慌てて彼の頭をグッと押し返すが、男と女の力では敵うはずもなくされるがままにされてしまった。暫くして、ツゥ……っと舌先で表面を舐められると「ひゃん……♡」と甘い声が漏れてしまい、身体の力がガクガクと抜けてしまう。

「待って……待って、リヒトさん。そんな汚い所、舐めちゃ駄目――ッあ……や、やだぁ……中まで舐めちゃ駄目っ!!」

 クチュリ……レロ……。

 陰唇の溝に彼の舌が差し込まれてしまった。最初は舌先でチロチロと舐められていたが、次第に舌全体で下から上に何度も舐め上げられると、腰が浮く程の快感に襲われた。

「~~~~ッ♡」

 恥ずかしいやら気持ちいいやらで私は変な声が上がりそうになったが、唇を軽く噛んで更に口元を手で押さえて声が出るのを必死に耐える。

「ッフゥ……ンッ……っんん♡」
「ん……いっぱい溢れてきた」
「な、にが……あぁっ、ん……!?」

 ヂュッ……チュウッ……と何かを啜るような音が股の方から聞こえてきた。確実にリヒトさんの唾液だけじゃない事に気付き、私はカァァ……っと顔から火が出たように熱くなってしまう。

(一体、何を吸ってるの!? も、もしかして……私、漏らしちゃった!?)

 私は恥ずかしさのあまり目尻に涙を浮かべながら、「やだ……やだやだっ! リヒトさんの変態っ!」と言い放つと、リヒトさんは舐め方を変えてきた。舌全体で舐め上げるのを止め、芯を持ってぷっくりと腫れ上がった箇所を中心に優しく吸い上げたり、唇で挟んで舌先で丁寧に弾くを繰り返してきたのだ。

「っあ♡ ソコは、虐めちゃ、や……ッん♡」

 気持ち良すぎて、下半身がガクガクと震える……快感の波が次々と押し寄せてくる! ど、どうしよ……声、もう我慢できないっ……もう駄目――。

「イッ――……え? な、なんでぇ……?」

 達してしまう寸前でリヒトさんが私のアソコから口を離した。自身の唇を舌で美味しそうに舐め取り、私を見つめながらニヤリと笑う。

「言っただろ? これはお仕置きだって。それにこのまま達してたら、隣の部屋にいるアイツにシャリファの恥ずかしい声が聞こえてたかもしれないな」
「……ッ!!」

 嘘でしょ!? 酷い……いくらなんでも酷すぎる! この前よりも身体がジンジンして止まらないのに寸止めするだなんて……もうヤダ、嫌い。こんな変態なリヒトさんなんて嫌い、大っ嫌い!

(確かに私は貴方の言い付けを守れなかった悪い子ですよ? でも、そんな意地悪しなくても良いじゃないですか!!)

 私はつっけんどんな態度を取って、このまま拗ねてやろうかと思った――だが、土壇場で良い事を思い付いた。いつも揶揄われてばかりいるから、今度は彼を困らせてやろうと思ったのだ。

(私ったらグッドアイディアだわ! さぁ、ここから反撃してやるわよ!)

 私は心の中でほくそ笑む。ふふふ……リヒトさんの困り果てた顔を見るのが楽しみだわ!

「フンッ!」

 私はわざとらしくそっぽを向いた。そして、眉間に皺をこれでもかという程に寄せて唇を尖らせる。

「もう嫌。リヒトさんなんて嫌い」
「……シャリファ?」

 リヒトさんが少し動揺するような声音を発したのを聞いて、口角が上がりそうになったが必死に耐えた。

(耐えるのよ……耐えるのよ、私! ここで笑ったらリヒトさんに倍返しされちゃう!)

 頬がヒクヒクと痙攣しそうになったが、どうにか耐えてみせた。そして、思ってもみない事を口にしていく。

「嫌いったら嫌い! 私にも、ベスにも優しくできないリヒトさんなんて嫌い!」

 私はベッドの端に追いやられていたブランケットを頭から被って顔が見えないようにする。ここで顔を隠せた私は、ようやくプププ……と笑うことが出来た。

(さぁ、どうくるかしら? 困り果てて、私のご機嫌を取りに来る? それとも――)

「ッ!?」

 びっくりした。まさか背後から抱きついてくるだなんて予想してなかったわ!

「……シャリファはイケナイ子だな。俺を揶揄うつもりだったのか?」

 急に耳元で彼の声が聞こえたので、肩が跳ねるくらいにドキッとした。身体がゾワゾワする……どうして私の企みがバレているの!?

「な、何がですか?」
「ブランケットで顔を隠したつもりだったんだろうが、バレバレだぞ? ブランケットの隙間からシャリファの笑った顔が丸見えだったんだよ」
「……ッ!!」

 う、嘘でしょ!? まさか、そんな形でバレるだなんて――。

 どう切り返そうか迷っていると、リヒトさんが落ち込んだような声音でこう言い始めた。

「そうかそうか、俺ってそんなに嫌われてたんだな。嫌われてるんだったら明日からもキスとかイチャイチャできないな。あーあ、ショック過ぎて明日から寝込んじゃいそ――」
「ご、ごご……ごめんなさい、全部嘘です! リヒトさんを困らせたくてやったんです! 嫌いなんて嘘ですから……私がこの世で一番大好きなのはリヒトさんだけですからぁぁ~~!」

 私はブランケットを投げ捨てて必死にリヒトさんに泣き付く。それを見たリヒトさんは何も言ってくれなかったが、すぐに吹き出すように笑い始めたので、嵌められた! と一瞬で理解したのだった。

「だ、騙したんですか!?」
「アハハッ……絶対、嘘だろうなーと思ってさ! だって、シャリファは嘘をつくや誤魔化す時、いつも大袈裟に振る舞おうとするだろ? あれじゃ、子供のお遊戯会だぞ?」
「お……おお、お遊戯会!?」
「演技するなら義姉さんを頼れ。あの人は元々、舞台女優なんだ」
「ベルタさんが舞台女優!? 凄い、初めて聞きました!!」

 確かにとても綺麗な人だと思ってはいたが、まさか舞台女優だっただなんて! あ、もしかして……ベルタさんのお仕事って舞台に関係する事なのかしら? また今度、お話を聞いてみようっと――。

「わっ! ど、どうしたんですか?」

 ネグリジェの裾からリヒトさんの腕がスルリと侵入してきた。そのままの流れで下着のホックを外されてしまった。

「それより、シャリファ。覚悟はできてるんだろうな?」
「か……覚悟、ですか?」

 リヒトさんの目がギラギラしてる……マズイわ、なんだかとっても嫌な予感!

「俺を騙そうとする悪い子はもーっと、恥ずかしい事をしなきゃな?」
「……ッッ!!」

 どうやら今夜もとっても長くて甘い時間になりそうです。
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