上 下
35 / 67
1章

神罰(傷つけた張本人達 前編)

しおりを挟む

 「やったぞ!やっと、あの忌々しい奴を消すことが出来た!
 これで、お前達と幸せに暮らせるな。」
 ソフィアの元父親は、自分の愛する妾(本人曰く正妻)と子ども達と笑っていた。

 「えぇ!そうですわね!」
 女は、笑みを浮かべた。

 「「「お父様、お母様!!」」」
 子ども達も、嬉しいそうに笑っていた。



 「へぇ~誰のことが忌々しいのかなぁ?」
 どこからともなく声が元父親にかけられた。

 「それは、ブスな元嫁が産んだソフィアに決まってるだろ。
 あんな気色悪いのが娘だなんてありえないだろ(笑) 
思い出すだけで、反吐が出る。
 あいつなんかどっかで野垂れ死ねばいいんだ。」
 
 「そうよ!そうよ!
 あれが私の娘だなんてありえないわ。気味が悪いわ。」

 「そうだよ!あんなのが俺の妹とか、やめてほしいね。」

 「そうですわ!あんなのが妹だなんて、嫌ですわ。」
  
 「そうだよ!あんなのが姉なんて嫌だ。(※この言葉遣いですが女児です)」

 彼らは、どこからともなく聞こえた声に、不信感を抱かずにこたえた。
 そして、自分達が、何をしでかしたのか、まだ、気づいていなかった。

 「ふ~ん。そう。まだ、言うんだぁ~。途中で気づくかと思ったのに。やっぱりクズだね、魂が凄く汚い。(オェェ ー)
 さて、ここまでくれば、私が誰か分かるよねぇ?ねぇ?」 
 アトゥールは、笑っていた。
 そう、不気味に.....

 「「え!?え!?ま、まさか神様!?で、ですか?」」
 元父親と女は、ありえないと、驚いていた。
 3人の子どもは、呆然としていて、さすが、血の繋がりがあるだけは、あるなぁとアトゥールは関心した。(嫌な意味で)

 「そうだよ。いまさら気づくなんてさっすがぁ~。私の娘のことを忌み子と言うだけあるね~。さぁ、今までの怨返しをさせてもらうよ(黒い笑み)。」

 「え!恩返しですか?ありがとうございます!!」

 「え!恩返しですの?何か貰えるのでしょうか?(ワクワク)」

 「え!お父様、お母様、神様から何か貰えるの?じゃあ、ドレスとアクセサリーがほしい!」

 「私は、お金が欲しいですわ!」

 「俺は、誰よりも強い力が欲しいぞ!」

 この人達は、何を言っているのでしょうね。
 怨返し=恩返しだから何が貰える、と考えているみたいですよ?

 「フッハハハハハハハハハ~~
 はぁ?お前らは、バカなのか?
 俺が、最愛の娘を精神まで苦しめられ、最愛の妻を殺されて、はい、そうですかと、許すと思ったのか?

 なめられたものだよな。俺の怒りは、もう二度と消えないんだよ!!!!

 お前らのせいで、もう少しで神界に戻ってこれるはずだったティアラは死んだんだ!!
 魂でも残っていれば、また、生まれてこれたかもしれないのに!!

 俺は、100000年間もティアラを探し続けたんだ!!
 なのに、見つからないんだ!
 せっかく、見つけたと思えば、必ずお前らのような汚い魂を持つものに殺されている!!
 これで何度目かと.....もう、どうやってもティアラは、見つからないと思った!!諦めようかと思った!!
 だが、この時代でやっと、やっとティアラを見つけたんだ、神界に戻るための力を少しずつあげていたのに、なのに!
 お前らが、全て、全てを無に返したんだ!
 
 これが、最後のチャンスかもしれなかったのに!!

 どうせ、人間はまた探せば、また探せばって言うんだ! 
 そんなティアラの命は軽いものじゃないんだよ!!生まれ変わるだけで、それだけで魂は傷を負うんだよ!

 私の力でも魂だけは、なおせないんだよ!
 もしかしたら、ティアラはもう一度生まれ変わるかもしれない。でも、その分ティアラの魂が傷を負う、つまり寿命が縮むんだよ!

 たとえ、俺が、見つけられたとしても、時間がなければダメなんだよ!

 それなのに、お前らは、なんだ?
 恩返ししてあげるといえば、金、力、服が欲しいだと?
 ふざけるな!図々しいんだよ!!!!

 復讐だよ!復讐!!
 そんなのもわかんないのかよ!
 
 お前らには、お前らがソフィアに味わせた、苦痛を倍にして返してやる。
 
 泣いても、謝ってもいまさら無駄だからね。

 そしたら、いい所に連れて行ってやるよ。

あ!そうだ。 
 大丈夫だよ 、簡単には、死なせないから。

 ソフィアとティアラ(メアリー)が、苦しんだ分、いや、それ以上苦しむといい。
  
 じゃあ、狂気の国の王デリアラ頼むよ。 
 その部下たちも、よろしくね。」
 アトゥールは、この世界にあるファリス王国の王を呼んだ。

 「ティアラ様と、ソフィアちゃんを傷つけたのはこいつらか?
 いいねぇ~やりがいがあるなぁ。
 さぁ、じ~っくり痛めつけてあげるからな。
 
さぁ、第1部隊、こいつらを縛って。

 アルは、こっちに座ってろよ?
 久しぶりの仕事だから、俺達も嬉しいんだよ。お前の力になれるねらな。
 だが、今回は俺も譲れねぇんだよ。
 こいつらに、ソフィアちゃんを傷つけたことを後悔させないといけないんでね。」

 ファリス王国は別名、狂気の国とも呼ばれている。
 彼らは狂気的なことを好み、恐ろしい見た目をしているから。

 アトゥールが、この世界のゴミを排除するために彼らに頼んでいたため、いつの間にかそのように定着した。

 (ちなみに、ファリス王国の王であるデリアラは、アトゥールの元直属の部下だったので今でも、アルと呼んで、仲良くしているほどである。
 デリアラの部下も相当アトゥールのことを崇拝しているうえに、ソフィアを敬愛していて、ソフィアが精神的に傷つけられたと知り、国民達は復讐に燃えている。)

 「「さぁて、復讐(神罰)の始まりといきますか!!」」
しおりを挟む
感想 169

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?

水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。 日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。 そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。 一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。 ◇小説家になろうにも掲載中です! ◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛

らがまふぃん
恋愛
 こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。 *らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される

風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。 しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。 そんな時、隣国から王太子がやって来た。 王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。 すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。 アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。 そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。 アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。 そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

処理中です...