261 / 299
夜明けの朝
しおりを挟む
屋敷の自分の部屋に戻ると、一日帰っていなかっただけでとても懐かしい気持ちになった。
そういえば、服が気持ち悪い状態だった事を思い出した。
服をクローゼットから出して、着替える用と持っていく用で分ける。
持っていくのは、ここに来る前に着ていた服だ。
カイウスに借りた大切な服だから持っていきたい。
これくらいだから袋に入れて持っていけるな。
屋敷で見つけたガラクタの倉庫にいいのがあるかもしれないからまた見てこよう。
後ろを振り返ると、リーズナが座っていた。
「リーズナ、お願いがあるんだけど」
『なんだ?』
「俺、ローベルト卿に言ってからじゃないと屋敷の敷地内にいる門番に出してもらえないんだ、だから新しい家が何処がいいか探してきてくれない?」
ローベルト家の人達は仕事や家に帰る時にしか外に出れない。
それ以外で外に出ると、逃げ出したと思われて殺される。
ここに来て、何度か見た事がある。
逃げるつもりがなくても、ローベルト家はそういうのにとても厳しい。
だから俺もローベルト卿に怪しまれないようにしないといけない。
外に家があれば、家に帰ると言えば屋敷から出れる。
屋敷から出てから、俺が逃げたと気付かれるまで数日は安心出来る。
そのくらいあれば、今の俺には十分だ。
『お前は本当にいいのか?』
「……」
『お前らがそれでいいなら別にいいけどな』
そう言ってリーズナは開いた窓から屋敷を出て行った。
着替えを抱えて俺は風呂場に向かった。
まだ誰も起きていないから、風呂場も貸切状態でのんびり疲れを取れた。
眠気も来てしまい、寝そうになって慌てて顔を洗って眠気を覚ました。
風呂から上がると、そろそろ何人か使用人や兵士達が起きてくる時間だった。
そうだ、ユリウスに伝えないといけないな。
俺に情報を教えてくれたんだし、そのお返しに…
とはいえ、ユリウスの部屋が何処にあるのか分からない。
それにユリウスって屋敷に住んでるのかすら分からない。
ユリウスを探すために歩いていたら、なにかが俺の顔をスレスレに飛んできた。
無意識に避けていて、びっくりした。
それは拳で、俺に当てようとした腕を振っていて当てようとしていた。
自分の腕でガードする。
片腕だと、コイツの力に耐えられず骨が折れそうだと思った。
だから、両腕を使ってジークの攻撃を止めた。
「…何処に行っていた」
「何処でもいいだろ」
「昨日は部屋に戻らなかった」
もしかして、昨日ずっと俺の部屋にいたのか?
ここまで来るとストーカーみたいだな。
昨日はずっとローベルト卿の部屋のクローゼットの中にいたなんて言えるわけもない。
言える場所に居ても、ジークに言う事はない。
そういえば、服が気持ち悪い状態だった事を思い出した。
服をクローゼットから出して、着替える用と持っていく用で分ける。
持っていくのは、ここに来る前に着ていた服だ。
カイウスに借りた大切な服だから持っていきたい。
これくらいだから袋に入れて持っていけるな。
屋敷で見つけたガラクタの倉庫にいいのがあるかもしれないからまた見てこよう。
後ろを振り返ると、リーズナが座っていた。
「リーズナ、お願いがあるんだけど」
『なんだ?』
「俺、ローベルト卿に言ってからじゃないと屋敷の敷地内にいる門番に出してもらえないんだ、だから新しい家が何処がいいか探してきてくれない?」
ローベルト家の人達は仕事や家に帰る時にしか外に出れない。
それ以外で外に出ると、逃げ出したと思われて殺される。
ここに来て、何度か見た事がある。
逃げるつもりがなくても、ローベルト家はそういうのにとても厳しい。
だから俺もローベルト卿に怪しまれないようにしないといけない。
外に家があれば、家に帰ると言えば屋敷から出れる。
屋敷から出てから、俺が逃げたと気付かれるまで数日は安心出来る。
そのくらいあれば、今の俺には十分だ。
『お前は本当にいいのか?』
「……」
『お前らがそれでいいなら別にいいけどな』
そう言ってリーズナは開いた窓から屋敷を出て行った。
着替えを抱えて俺は風呂場に向かった。
まだ誰も起きていないから、風呂場も貸切状態でのんびり疲れを取れた。
眠気も来てしまい、寝そうになって慌てて顔を洗って眠気を覚ました。
風呂から上がると、そろそろ何人か使用人や兵士達が起きてくる時間だった。
そうだ、ユリウスに伝えないといけないな。
俺に情報を教えてくれたんだし、そのお返しに…
とはいえ、ユリウスの部屋が何処にあるのか分からない。
それにユリウスって屋敷に住んでるのかすら分からない。
ユリウスを探すために歩いていたら、なにかが俺の顔をスレスレに飛んできた。
無意識に避けていて、びっくりした。
それは拳で、俺に当てようとした腕を振っていて当てようとしていた。
自分の腕でガードする。
片腕だと、コイツの力に耐えられず骨が折れそうだと思った。
だから、両腕を使ってジークの攻撃を止めた。
「…何処に行っていた」
「何処でもいいだろ」
「昨日は部屋に戻らなかった」
もしかして、昨日ずっと俺の部屋にいたのか?
ここまで来るとストーカーみたいだな。
昨日はずっとローベルト卿の部屋のクローゼットの中にいたなんて言えるわけもない。
言える場所に居ても、ジークに言う事はない。
応援ありがとうございます!
40
お気に入りに追加
7,667
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる