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カイウスの話40
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ハイドレイにローベルト家潜入の作戦を説明した。
危険で、下手をすれば命を落とすかもしれない。
でも、ユリウスの事を目撃してユリウスと一緒にいた騎士と繋がりがあるのはハイドレイだけだ。
俺はユリウスに近付けないから潜入は難しい。
全力でサポートするし、絶対にハイドレイを助ける事を約束する。
不安そうな顔をしていたが「カイ様が付いているなら」と頷いてくれた。
俺の作戦はハイドレイが同期の騎士と接触してユリウスの事をそれとなく聞く。
ユリウスを紹介してもらえるところまで行けば、ユリウスが騎士と何をしているのか分かる。
ハイドレイの力ではユリウスが悪い事をしていても捕まえられない。
今は証拠を集めるだけでいい。
危ない事になったら俺が助けに入るつもりだ。
そのために、今の俺は騎士団長の服を脱いでいる。
普通の騎士の服に顔は見えないようにローブで顔を隠している。
怪しい格好だが、ローベルト家に出入りする奴はだいたいが怪しいから逆に自然に見えるだろう。
普通の騎士の仕事もあるから、潜入調査中とはいえ騎士服は脱げない。
ハイドレイの同期の騎士が出入りしているから、騎士団員でも怪しまれる事は少ない。
それを考えて今俺は騎士団長カイウスではなく、ただの騎士だ。
潜入するハイドレイの行動が分るようにハイドレイの目元を手で覆って、俺の目とリンクさせた。
両目をリンクすると俺の視界全てがハイドレイが見ている景色になるから片目だけ繋げた。
なにが起きたのかハイドレイは分かっていなくて、やる気に満ちている顔をしていた。
力がある者だけが見えるからハイドレイが俺の視界が見えないのは当然だ。
とりあえず説明をしたが、理解はしなくていい。
ただハイドレイは俺の言った通りにしてくれたらそれでいい。
同期の行動は昨日のうちに調べているから、また行方不明にはならない。
どうやらユリウスと家の近くで合流している様子だった。
最近家に帰ってなかったから予想外だった。
ユリウスが自分の家の前で騎士と会っても不自然な事は何もない。
それが狙いなんだろうな、疑っていなかったら俺も気にしなかった。
ハイドレイはユリウスを待つ同期に接触した。
相手は後ろめたいから驚いていて逃げようとしていた。
でもそれを逃すまいと、腕を掴んで好意的に接している。
俺がやると逃げられる確率が高いが、ハイドレイは普段仲間思いで信頼があるから少しずつ心を開いていく。
ユリウスが来る前に同期と話を付けないと邪魔されて終わる。
世間話から入って、やっと本題に入る事が出来た。
ユリウスと会っているところと、自分もやりたいと伝えた。
ハイドレイにはカマ掛けと伝えているが、俺自身何となく分かっていた。
ローベルト家に出入りする理由なんて、薬の話くらいだろう。
ユリウスも手を出しているとなると、戦いは避けられない。
とりあえず今は証拠だ、ハイドレイには絶対に薬を飲まさせたりはしない。
同期は引っかかり、ハイドレイに薬の話を持ちかけた。
一瞬戸惑ったが、ハイドレイは話に乗っかった。
まだ行動は指示しなくて大丈夫だな、ユリウスが来るまでハイドレイにはもっと同期を信用させるために頑張ってくれ。
「おや、カイ様…今日は服装が違うのですね」
「気分転換ですよ」
街の人に声を掛けられて、挨拶をしながら空を見つめた。
雲が多くて、あまり天気はよくないな…雨も降りそうだ。
視界と一緒に耳も繋げていて、繋げた耳からユリウスの声が聞こえた。
片耳を押さえて、ハイドレイの耳に集中する。
ユリウスは知らない騎士がいる事を怪しんでいて同期の騎士に事情を求めていた。
ハイドレイも薬がほしい事を言うとユリウスは周りを見渡していた。
俺がいないか確認しているんだろう、でも今俺は広場にいる。
ハイドレイの視界を共有しているから見えているだけだ。
見た目では絶対に気付かれないから、ユリウスも俺がいない事を確認して舌打ちしていた。
「申し訳ございません、ユリウス様」
「別にいい、戦力が多ければ多いほどあの方がお喜びになる」
そう言ってユリウスが先に歩き出した、二人はユリウスの後を付いて行く。
外で薬を渡すような事をすれば危険になる、ユリウスもそこまで考えなしではない。
でも、今は大丈夫でもローベルト家の敷地内に入ったら分からない。
フードを被って俺もローベルト家の敷地に向かった。
危険で、下手をすれば命を落とすかもしれない。
でも、ユリウスの事を目撃してユリウスと一緒にいた騎士と繋がりがあるのはハイドレイだけだ。
俺はユリウスに近付けないから潜入は難しい。
全力でサポートするし、絶対にハイドレイを助ける事を約束する。
不安そうな顔をしていたが「カイ様が付いているなら」と頷いてくれた。
俺の作戦はハイドレイが同期の騎士と接触してユリウスの事をそれとなく聞く。
ユリウスを紹介してもらえるところまで行けば、ユリウスが騎士と何をしているのか分かる。
ハイドレイの力ではユリウスが悪い事をしていても捕まえられない。
今は証拠を集めるだけでいい。
危ない事になったら俺が助けに入るつもりだ。
そのために、今の俺は騎士団長の服を脱いでいる。
普通の騎士の服に顔は見えないようにローブで顔を隠している。
怪しい格好だが、ローベルト家に出入りする奴はだいたいが怪しいから逆に自然に見えるだろう。
普通の騎士の仕事もあるから、潜入調査中とはいえ騎士服は脱げない。
ハイドレイの同期の騎士が出入りしているから、騎士団員でも怪しまれる事は少ない。
それを考えて今俺は騎士団長カイウスではなく、ただの騎士だ。
潜入するハイドレイの行動が分るようにハイドレイの目元を手で覆って、俺の目とリンクさせた。
両目をリンクすると俺の視界全てがハイドレイが見ている景色になるから片目だけ繋げた。
なにが起きたのかハイドレイは分かっていなくて、やる気に満ちている顔をしていた。
力がある者だけが見えるからハイドレイが俺の視界が見えないのは当然だ。
とりあえず説明をしたが、理解はしなくていい。
ただハイドレイは俺の言った通りにしてくれたらそれでいい。
同期の行動は昨日のうちに調べているから、また行方不明にはならない。
どうやらユリウスと家の近くで合流している様子だった。
最近家に帰ってなかったから予想外だった。
ユリウスが自分の家の前で騎士と会っても不自然な事は何もない。
それが狙いなんだろうな、疑っていなかったら俺も気にしなかった。
ハイドレイはユリウスを待つ同期に接触した。
相手は後ろめたいから驚いていて逃げようとしていた。
でもそれを逃すまいと、腕を掴んで好意的に接している。
俺がやると逃げられる確率が高いが、ハイドレイは普段仲間思いで信頼があるから少しずつ心を開いていく。
ユリウスが来る前に同期と話を付けないと邪魔されて終わる。
世間話から入って、やっと本題に入る事が出来た。
ユリウスと会っているところと、自分もやりたいと伝えた。
ハイドレイにはカマ掛けと伝えているが、俺自身何となく分かっていた。
ローベルト家に出入りする理由なんて、薬の話くらいだろう。
ユリウスも手を出しているとなると、戦いは避けられない。
とりあえず今は証拠だ、ハイドレイには絶対に薬を飲まさせたりはしない。
同期は引っかかり、ハイドレイに薬の話を持ちかけた。
一瞬戸惑ったが、ハイドレイは話に乗っかった。
まだ行動は指示しなくて大丈夫だな、ユリウスが来るまでハイドレイにはもっと同期を信用させるために頑張ってくれ。
「おや、カイ様…今日は服装が違うのですね」
「気分転換ですよ」
街の人に声を掛けられて、挨拶をしながら空を見つめた。
雲が多くて、あまり天気はよくないな…雨も降りそうだ。
視界と一緒に耳も繋げていて、繋げた耳からユリウスの声が聞こえた。
片耳を押さえて、ハイドレイの耳に集中する。
ユリウスは知らない騎士がいる事を怪しんでいて同期の騎士に事情を求めていた。
ハイドレイも薬がほしい事を言うとユリウスは周りを見渡していた。
俺がいないか確認しているんだろう、でも今俺は広場にいる。
ハイドレイの視界を共有しているから見えているだけだ。
見た目では絶対に気付かれないから、ユリウスも俺がいない事を確認して舌打ちしていた。
「申し訳ございません、ユリウス様」
「別にいい、戦力が多ければ多いほどあの方がお喜びになる」
そう言ってユリウスが先に歩き出した、二人はユリウスの後を付いて行く。
外で薬を渡すような事をすれば危険になる、ユリウスもそこまで考えなしではない。
でも、今は大丈夫でもローベルト家の敷地内に入ったら分からない。
フードを被って俺もローベルト家の敷地に向かった。
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