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沼の底
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あの時の俺ではどうする事も出来なかった扉が今目の前にあった。
俺が成長したなら、錆びついていたとしてもこじ開けられる筈だ。
手を掛けて、力一杯扉をこじ開けようとした。
ガタガタと重い扉は揺れていて、少しだけ隙間が出来た。
これは前と同じだ、ここから先に進まないといけない。
せめて人一人入れるくらいの隙間が出来れば…
「うっ、く…うぐっ!」
まだダメなのか、リーズナに一発入れられただけだしな。
同じ作戦は二度は使えないから、また作戦を考えないとな。
手を叩いて、リーズナの方を見る。
リーズナは俺のところに近付いてきて、扉に触れていた。
下も上も調べていて、俺もリーズナが見ているところを見つめた。
扉をスライドさせる下のクッションが錆び過ぎて石のように硬くなっていた。
これじゃあちょっとしか開かないのも頷ける。
「この扉を開けることは破壊する事以外無理だろうな」
「え、じゃあどうすれば…」
「さすがに序盤でつまずかれると修行が進まない、ここは飛ばせ」
確かにリーズナの言う通りだ、ずっと扉と格闘してても仕方ないよな。
扉も攻略したかったんだけど、先に進もう。
気付いていたなら早めに言ってほしかったんだけどな。
どうするのかリーズナも試したのか?
でも遠回りしたのも無駄ではない。
リーズナと戦って、戦闘の瞬発力も学べた。
そして、カイウスを助けるために俺は冷静でいなくてはいけない。
なにがあっても…
扉を通り過ぎて、次の場所に行こうと思った瞬間視界がぶれた。
なにかにつまずいて、全身が寒くなった。
「うぇ…何これ」
「早く走らないと沈むぞ」
「そうは…いっても…」
扉の先にあったのは、大きな沼だった。
リーズナの言った通り足を動かさないと体がどんどん沈んでいく。
リーズナは余裕そうに沼の先にある洞窟の上で見物していた。
力を込めると足が余計に沈んでしまう。
俺にどうしろって言うんだよ。
とりあえず高速で足を動かしているつもりだが、全然先に進んでいる気がしない。
足が完全に埋まってしまい、下半身を動かして先に進むしかない。
そう思っていたら、なにかに足が掴まれた気がした。
沼の下になにかいる筈がない。
でも沼は俺を引きずり沼の中に沈んだ。
最後にリーズナの声が聞こえた気がしたが、今は何も聞こえない。
一瞬だけ苦しかったが、今はもう苦しくない。
沼だったのに、いつの間にか海のような綺麗な水に沈んでいた。
ここは何処だろうか、訓練所?
水の中にいたのに、今は花畑の中にいた。
大の字になって寝ていたみたいだ。
色鮮やかな花びらが舞っていて、綺麗だなと思った。
あれ?もしかして、死んだとか…言わないよな。
周りを見渡して誰でもいいから人がいないか探した。
少し遠くの方に人影のようなものが見えた。
誰でもいいから縋りたい気持ちで走る。
花を潰さないように走ったら、足が引っかかって倒れてしまった。
痛みがある、変だな…死んでも痛みがあるのかな。
夢でもない、じゃあここって訓練所の下?
こんな隠れた場所があるのか?此処は本当に何処…?
「大丈夫か?」
「…あ、ありが……と…」
手を差し伸ばされて、さっきの見えた人が助けてくれたと思った。
差し出された手を握って立ち上がった。
俺が成長したなら、錆びついていたとしてもこじ開けられる筈だ。
手を掛けて、力一杯扉をこじ開けようとした。
ガタガタと重い扉は揺れていて、少しだけ隙間が出来た。
これは前と同じだ、ここから先に進まないといけない。
せめて人一人入れるくらいの隙間が出来れば…
「うっ、く…うぐっ!」
まだダメなのか、リーズナに一発入れられただけだしな。
同じ作戦は二度は使えないから、また作戦を考えないとな。
手を叩いて、リーズナの方を見る。
リーズナは俺のところに近付いてきて、扉に触れていた。
下も上も調べていて、俺もリーズナが見ているところを見つめた。
扉をスライドさせる下のクッションが錆び過ぎて石のように硬くなっていた。
これじゃあちょっとしか開かないのも頷ける。
「この扉を開けることは破壊する事以外無理だろうな」
「え、じゃあどうすれば…」
「さすがに序盤でつまずかれると修行が進まない、ここは飛ばせ」
確かにリーズナの言う通りだ、ずっと扉と格闘してても仕方ないよな。
扉も攻略したかったんだけど、先に進もう。
気付いていたなら早めに言ってほしかったんだけどな。
どうするのかリーズナも試したのか?
でも遠回りしたのも無駄ではない。
リーズナと戦って、戦闘の瞬発力も学べた。
そして、カイウスを助けるために俺は冷静でいなくてはいけない。
なにがあっても…
扉を通り過ぎて、次の場所に行こうと思った瞬間視界がぶれた。
なにかにつまずいて、全身が寒くなった。
「うぇ…何これ」
「早く走らないと沈むぞ」
「そうは…いっても…」
扉の先にあったのは、大きな沼だった。
リーズナの言った通り足を動かさないと体がどんどん沈んでいく。
リーズナは余裕そうに沼の先にある洞窟の上で見物していた。
力を込めると足が余計に沈んでしまう。
俺にどうしろって言うんだよ。
とりあえず高速で足を動かしているつもりだが、全然先に進んでいる気がしない。
足が完全に埋まってしまい、下半身を動かして先に進むしかない。
そう思っていたら、なにかに足が掴まれた気がした。
沼の下になにかいる筈がない。
でも沼は俺を引きずり沼の中に沈んだ。
最後にリーズナの声が聞こえた気がしたが、今は何も聞こえない。
一瞬だけ苦しかったが、今はもう苦しくない。
沼だったのに、いつの間にか海のような綺麗な水に沈んでいた。
ここは何処だろうか、訓練所?
水の中にいたのに、今は花畑の中にいた。
大の字になって寝ていたみたいだ。
色鮮やかな花びらが舞っていて、綺麗だなと思った。
あれ?もしかして、死んだとか…言わないよな。
周りを見渡して誰でもいいから人がいないか探した。
少し遠くの方に人影のようなものが見えた。
誰でもいいから縋りたい気持ちで走る。
花を潰さないように走ったら、足が引っかかって倒れてしまった。
痛みがある、変だな…死んでも痛みがあるのかな。
夢でもない、じゃあここって訓練所の下?
こんな隠れた場所があるのか?此処は本当に何処…?
「大丈夫か?」
「…あ、ありが……と…」
手を差し伸ばされて、さっきの見えた人が助けてくれたと思った。
差し出された手を握って立ち上がった。
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