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煩悩と愛情の間
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恐る恐る口を開けて、カイウスに一口食べさせてくれた。
美味しい、涙が出るほど美味しいよ…
ステーキはそんなに量がなかったからすぐに食べられた。
パン一口サイズにちぎって、食べていたら何かを思い出したかのように立ち上がった。
もぐもぐと食べていたら「ちょっと待っていてくれ」と言われて、頷くとカイウスは食堂を出て行った。
それを目線で見送って、テーブルを見つめる。
マッシュポテトだけが残っていて、自分で食べようとフォークを握りしめる。
掬う事は出来る、でも角度が難しくて落としてしまった。
幸いな事に皿の上に落としたから良かった。
体力がつけば、こんな筋肉痛にもならないのにな。
早くカイウス帰ってこないかなぁ、と思いながらマッシュポテトを集めて山を作る。
あ、この山訓練所の山に似てるな。
フォークを自分だと思って動かしてみる。
小さなマッシュポテトの山はすぐに登る事が出来た。
実際の山はつるつるしてるし、こんな簡単には登れない。
そもそも、つるつるじゃなくてマッシュポテトみたいな山でも無理かもしれない。
こんな簡単に崩れる山、へばりついて登る事も出来ない。
この訓練所を使っていた騎士達はどうやって登ったんだろう。
マッシュポテトのように崩れる山なら早めに登らないといけないけど、張り付いていたらどうやっても遅いよな。
「お待たせ、どうかしたのか?」
「えっ!?ううん、何でもないよ」
「そうか?待たせて悪かった」
フォークでマッシュポテトを突っついていたら穴だらけになってしまっていた。
こんなマッシュポテトを見たら、カイウスが心配するのも無理ないよな。
食事を終わらせて、歯磨きもカイウスがやろうとしていたからそれは出来ると逃げるように断った。
恥ずかしいのもあるが、子供扱いされているように感じて嫌なのもある。
確かに俺はカイウスよりも年下だけど、やっぱり恋人同士がいいな。
食べさせてもらうのは恋人同士でもするから、それは子供扱いだとは思わない。
それに歯磨きくらいなら大丈夫だ、食べる事より難しいわけではない。
同じ口の中に入れる行為なのに不思議だな。
とはいえ、苦戦しないわけではなくいつもの倍くらい時間が掛かりながら歯磨きを終わらせた。
部屋に戻ろうかと思ったら、カイウスが壁に寄りかかって俺を待っていた。
「カイウス、どうしたの?もう一人で大丈夫だよ」
これ以上カイウスに迷惑掛けたくなくて言った言葉だけど、カイウスは寂しそうだった。
そういう意味じゃなくて、うーん…なんて言ったらいいのか。
いや、言葉より行動で示した方が分かりやすい。
ギュッとカイウスを抱きしめたら、カイウスの体が少しだけ動いた。
いきなり過ぎたかな、とカイウスの方を見上げた。
俺を見つめるカイウスの頬がほんのり赤いような気がする。
すぐに顔を覆ってしまって、顔を逸らされた。
えっ…もしかして引かれた!?変顔して上目遣いしたつもりは…
すぐにカイウスから離れるけど、カイウスはまだ同じ格好で止まっていた。
カイウスにつられて、俺も顔が茹でたこのように真っ赤になる。
「ご、ごめんねカイウス…甘えようとして…その…」
「いや、甘えてくれるのは全然構わない」
「え…でも、俺の顔見てくれないよ?」
「それは…俺の問題だから気にしなくていい」
「カイウスの?」
美味しい、涙が出るほど美味しいよ…
ステーキはそんなに量がなかったからすぐに食べられた。
パン一口サイズにちぎって、食べていたら何かを思い出したかのように立ち上がった。
もぐもぐと食べていたら「ちょっと待っていてくれ」と言われて、頷くとカイウスは食堂を出て行った。
それを目線で見送って、テーブルを見つめる。
マッシュポテトだけが残っていて、自分で食べようとフォークを握りしめる。
掬う事は出来る、でも角度が難しくて落としてしまった。
幸いな事に皿の上に落としたから良かった。
体力がつけば、こんな筋肉痛にもならないのにな。
早くカイウス帰ってこないかなぁ、と思いながらマッシュポテトを集めて山を作る。
あ、この山訓練所の山に似てるな。
フォークを自分だと思って動かしてみる。
小さなマッシュポテトの山はすぐに登る事が出来た。
実際の山はつるつるしてるし、こんな簡単には登れない。
そもそも、つるつるじゃなくてマッシュポテトみたいな山でも無理かもしれない。
こんな簡単に崩れる山、へばりついて登る事も出来ない。
この訓練所を使っていた騎士達はどうやって登ったんだろう。
マッシュポテトのように崩れる山なら早めに登らないといけないけど、張り付いていたらどうやっても遅いよな。
「お待たせ、どうかしたのか?」
「えっ!?ううん、何でもないよ」
「そうか?待たせて悪かった」
フォークでマッシュポテトを突っついていたら穴だらけになってしまっていた。
こんなマッシュポテトを見たら、カイウスが心配するのも無理ないよな。
食事を終わらせて、歯磨きもカイウスがやろうとしていたからそれは出来ると逃げるように断った。
恥ずかしいのもあるが、子供扱いされているように感じて嫌なのもある。
確かに俺はカイウスよりも年下だけど、やっぱり恋人同士がいいな。
食べさせてもらうのは恋人同士でもするから、それは子供扱いだとは思わない。
それに歯磨きくらいなら大丈夫だ、食べる事より難しいわけではない。
同じ口の中に入れる行為なのに不思議だな。
とはいえ、苦戦しないわけではなくいつもの倍くらい時間が掛かりながら歯磨きを終わらせた。
部屋に戻ろうかと思ったら、カイウスが壁に寄りかかって俺を待っていた。
「カイウス、どうしたの?もう一人で大丈夫だよ」
これ以上カイウスに迷惑掛けたくなくて言った言葉だけど、カイウスは寂しそうだった。
そういう意味じゃなくて、うーん…なんて言ったらいいのか。
いや、言葉より行動で示した方が分かりやすい。
ギュッとカイウスを抱きしめたら、カイウスの体が少しだけ動いた。
いきなり過ぎたかな、とカイウスの方を見上げた。
俺を見つめるカイウスの頬がほんのり赤いような気がする。
すぐに顔を覆ってしまって、顔を逸らされた。
えっ…もしかして引かれた!?変顔して上目遣いしたつもりは…
すぐにカイウスから離れるけど、カイウスはまだ同じ格好で止まっていた。
カイウスにつられて、俺も顔が茹でたこのように真っ赤になる。
「ご、ごめんねカイウス…甘えようとして…その…」
「いや、甘えてくれるのは全然構わない」
「え…でも、俺の顔見てくれないよ?」
「それは…俺の問題だから気にしなくていい」
「カイウスの?」
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