139 / 299
もっと強く
しおりを挟む
翌日の夜、俺は宮殿から元の場所に戻ってきた。
俺はカイウスの役に立ちたい、カイウスは俺の事を心配してやらせたくない様子だった。
でも、ローベルト家にリーズナが一人でうろつく事は無理だ。
よく家の事を知っている人物が一緒にいた方がリーズナもやりやすいだろう。
俺にしか出来ない事が絶対あるんだ、ローベルト家が俺を利用するなら俺もローベルト家の息子という事を利用する。
まっすぐカイウスを見つめると、カイウスは俺の頭をポンポン叩いた。
「分かった、ライムがそうしたいなら構わない……もう指名手配の事は気にしなくていいから」
「それって…」
「ただ、またなにかするかもしれない…それは覚えといてくれ」
カイウスの言葉に、頷くと軽く口付けを交わした。
結局許されたのはリーズナの案内だけだった。
それ以外に危ない事は絶対にしない、神にも近付かない…なにかあったら必ず精霊の宮殿に逃げる事を約束した。
カイウスの役に立ちたいが、迷惑を掛けたくはない。
今まで俺がローベルト家でされた事を考えるとカイウスの気持ちも分かる。
宮殿の入り口をカイウスの家に再び繋げて、カイウスに見送られながらリーズナと歩いた。
「強くなりたいな」
『何だよ、カイに鍛えてもらってるんだろ?』
「そうじゃなくて、カイウスに心配掛けないくらい強くなりたい」
『それは無理だな、カイに心配掛けないくらい強くなるにはカイの力を越えないとな』
冗談なのか本気なのか、リーズナはそんな事を言っていた。
未来のカイウスにもらったあの力が少しでも残ってたら、違ったのにな。
イヤーカフに触れると、あの出来事を鮮明に思い出す事が出来る。
力は変わらないとしても、精神は少しくらい成長出来たのかなと思っている。
人を守りたいと思う力が、人を成長させるんだ…今までもカイウスを守りたいと思っていたが、それよりももっともっと成長出来る。
肌寒くなった夜の道を歩いていた、なるべく怪しまれないようにするためだ。
俺はミロによって外に連れ出された、あれからかなり時間は過ぎているが俺が外に出て行ったのはローベルト家なら誰でも知っている筈だ。
そんな俺が突然部屋にいたら、可笑しい事になる。
今までも何度かあったが、誤魔化してなんとかなったところはあった。
でも今回はミロに言われた事だからローベルト家の命令と変わりない。
突然俺だけ家にいたら、それこそ変な事になる。
ずっと行方不明みたいだと思うと、あまり家には近付きたくない。
でも、神について調べるためには我慢しないと…
いつもみたいに俺の事は気にしていないんだろうけど、ミロがなぁ…
ミロは一人で帰っていると思うけど、俺がいない間に犠牲者が増えていない事を祈るばかりだ。
それと、外を出歩きたかったのはもう一つ理由があった。
俺は指名手配されている、今はどんな状況になっているのか知りたかった。
長く離れているといろいろと状況が変わるのは当然だ。
俺はカイウスの役に立ちたい、カイウスは俺の事を心配してやらせたくない様子だった。
でも、ローベルト家にリーズナが一人でうろつく事は無理だ。
よく家の事を知っている人物が一緒にいた方がリーズナもやりやすいだろう。
俺にしか出来ない事が絶対あるんだ、ローベルト家が俺を利用するなら俺もローベルト家の息子という事を利用する。
まっすぐカイウスを見つめると、カイウスは俺の頭をポンポン叩いた。
「分かった、ライムがそうしたいなら構わない……もう指名手配の事は気にしなくていいから」
「それって…」
「ただ、またなにかするかもしれない…それは覚えといてくれ」
カイウスの言葉に、頷くと軽く口付けを交わした。
結局許されたのはリーズナの案内だけだった。
それ以外に危ない事は絶対にしない、神にも近付かない…なにかあったら必ず精霊の宮殿に逃げる事を約束した。
カイウスの役に立ちたいが、迷惑を掛けたくはない。
今まで俺がローベルト家でされた事を考えるとカイウスの気持ちも分かる。
宮殿の入り口をカイウスの家に再び繋げて、カイウスに見送られながらリーズナと歩いた。
「強くなりたいな」
『何だよ、カイに鍛えてもらってるんだろ?』
「そうじゃなくて、カイウスに心配掛けないくらい強くなりたい」
『それは無理だな、カイに心配掛けないくらい強くなるにはカイの力を越えないとな』
冗談なのか本気なのか、リーズナはそんな事を言っていた。
未来のカイウスにもらったあの力が少しでも残ってたら、違ったのにな。
イヤーカフに触れると、あの出来事を鮮明に思い出す事が出来る。
力は変わらないとしても、精神は少しくらい成長出来たのかなと思っている。
人を守りたいと思う力が、人を成長させるんだ…今までもカイウスを守りたいと思っていたが、それよりももっともっと成長出来る。
肌寒くなった夜の道を歩いていた、なるべく怪しまれないようにするためだ。
俺はミロによって外に連れ出された、あれからかなり時間は過ぎているが俺が外に出て行ったのはローベルト家なら誰でも知っている筈だ。
そんな俺が突然部屋にいたら、可笑しい事になる。
今までも何度かあったが、誤魔化してなんとかなったところはあった。
でも今回はミロに言われた事だからローベルト家の命令と変わりない。
突然俺だけ家にいたら、それこそ変な事になる。
ずっと行方不明みたいだと思うと、あまり家には近付きたくない。
でも、神について調べるためには我慢しないと…
いつもみたいに俺の事は気にしていないんだろうけど、ミロがなぁ…
ミロは一人で帰っていると思うけど、俺がいない間に犠牲者が増えていない事を祈るばかりだ。
それと、外を出歩きたかったのはもう一つ理由があった。
俺は指名手配されている、今はどんな状況になっているのか知りたかった。
長く離れているといろいろと状況が変わるのは当然だ。
97
お気に入りに追加
8,302
あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

気づいたら周りの皆が僕を溺愛していた
しののめ
BL
クーレル侯爵家に末っ子として生まれたノエル・クーレルがなんだかんだあって、兄×2や学園の友達etc…に溺愛される???
家庭環境複雑だけれど、皆に愛されながら毎日を必死に生きる、ノエルの物語です。
R表現の際には※をつけさせて頂きます。当分は無い予定です。
現在文章の大工事中です。複数表現を改める、大きくシーンの描写を改める箇所があると思います。当時は時間が取れず以降の投稿が出来ませんでしたが、現在まで多くの方に閲覧頂いている為、改稿が終わり次第完結までの展開を書き進めようと思っております。閲覧ありがとうございます。
(第1章の改稿が完了しました。2024/11/17)
(第2章の改稿が完了しました。2024/12/18)

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる