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過去編・未来から繋ぐ力
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俺は怖くて、カイウスの腕を掴んでギュッと抱きしめる。
カイウスが優しく「…ライム」と声を掛けられた。
カイウスはリーズナのように過去のカイウスのところに行って魔力を全て与えるそうだ。
魔力がなくなったという事は、あのカイウスのように眠るかもしれない。
…いや、カイウスの話からして…きっと死んでしまうんだ。
ポロポロと、涙が溢れてきて首を横に振った。
「嫌だ、嫌だ…カイウスッ」
「ライム、俺が消えるわけじゃない…君の生きる世界のカイウスに戻るだけだ」
「じゃあ今のカイウスは?どうなるの?」
「…俺の世界は、ライムが俺を目覚めさせたら世界が変わるんだ」
「………せかい?」
「そう、だから…どっちにしろ俺は…この時ライムと過ごした記憶がなかった事になる」
涙で濡らす俺の頬を拭ってくれて、軽く頬に口付けられる。
カイウスに力を渡すから、俺の世界のカイウスは消えないと言っていた。
それでも、カイウスはカイウスだ……カイウスのためとはいえ、このカイウスが消えるなんて嫌だよ。
俺はカイウスを抱きしめて、カイウスに優しく包まれた。
……受け入れなければいけない、カイウスを困らせるわけにはいかない。
カイウスを助けるために来たんだ、それしか助ける方法がないなら…
カイウスはカイトを見ると、パニックだったがカイウスの方を見た。
「カイト、ライムの事頼みます」
「へぁ?…ど、どういう意味だ?」
「この子の名前はライム・ローベルトです…未来から来た子なんです…俺の記憶は消えるけど、ずっとこの子の味方で居てほしい」
「…カイウス?」
「ライムの事を知っている人が多ければ多い方がいい、君は悪い事をしていないのに酷い目にあっている……そんな事許されない」
ギュッ、とカイウスが抱きしめて…瞳を閉じた。
ありがとう、カイウス……これはお別れじゃない…元の世界に帰って俺のカイウスに出会うための儀式なんだ。
軽く口付けをして、名残惜しいが身体を離れた。
カイトは、ようやく俺達の正体が分かったのか手を叩いていた。
先にカイウスが行って、カイウスを起こすと言っていた。
俺も一緒に行きたかったが、二人同時に時間を跨ぐ事は出来ないそうだ。
カイウスが、元に戻るために俺にあるものを握らされた。
夢の中で俺を呼ぶ声が聞こえた、その声に目が覚めた。
目の前にいたのは、俺の大好きなカイウスがいた。
カイウスに抱きしめられて、温かさに安心する。
カイウスを抱きしめ返して、違和感に気付いた。
俺は筋肉質の男で、片腕と片足を壊されて動かなかった。
でも、俺は両腕でカイウスを抱きしめている。
開いたり閉じたりして確認すると手が動くし、痛みがない。
足も揺らしてみたら、やっぱり普通に動くな。
この場にはカイウスしかいないから、カイウスが助けてくれたのか?
大きな音が聞こえて、そちらを見ると大きくなったリーズナとカイトがいた。
リーズナが起きてて、大丈夫かと思って立ち上がって一歩二歩後ろに下がる。
「ライム、リーズナは大丈夫だ」
「そうなの?」
「リーズナが気絶した時、俺の力を与えたんだ」
カイウスの話によると、リーズナに触れた時カイウスは違和感に気付いたそうだ。
リーズナの身体の中に神の力を感じたみたいで、神の力をリーズナの体内に与えて精神を蝕み操っていた。
だから元々カイウスの力を体内に宿していたから、またリーズナの体内にカイウスの力を与えて正気に戻ったみたいだ。
カイトが手を振り、俺達のところにやってきた。
カイトの服も、ボロボロでところどころ砂のようなものが付着していた。
カイトも誰かと戦ったんだな、無事で良かった。
「良かった、お前らも無事だったんだな」
「…カイト様も、ご無事で何よりです」
「……その、俺…結果的に何の役に立たなかった、ごめん」
『そんな事もなかったぞ』
カイトは落ち込んでいて、元に戻ったリーズナがカイトの肩に乗っていた。
カイトの落ち込む理由は俺みたいで、俺を助けられなかっだから役ただずだと言っているようだ。
カイトが無事だっただけで、俺もカイウスもいいと思うけどな。
リーズナはカイトの戦いをずっと見ていたからか、俺達に説明していた。
カイトが戦ったのは、中性的な気持ち悪い男だとリーズナが言っていた。
中性的って事は、前に神といた華奢な男だろう。
『お前がやった事は無駄なんじゃないぞ、お前があの男の気を引かせる事が出来たからあの男はコイツを殺しに行かなかったし、俺も目を覚ます事が出来た』
「…そうですね、カイト様のおかげです…ありがとうございます」
「そ、そんな事…ないって」
カイトは耳を赤くして、困っているようで手を振っていた。
あの華奢の男はリーズナが倒したそうだけど、カイトの剣もいい腕をしているとリーズナは評価している。
リーズナはカイトの肩から飛び降りて、カイウスの肩に乗った。
ジッとカイウスをリーズナが見て、俺は思い出した。
どうしよう、カイウスとリーズナがあまりにも自然としていて、このカイウスとこのリーズナが生きている時間が違うと気付いた。
やっぱりカイウスとリーズナは繋がってるから、言わなくても分かるのだろう。
カイウスが優しく「…ライム」と声を掛けられた。
カイウスはリーズナのように過去のカイウスのところに行って魔力を全て与えるそうだ。
魔力がなくなったという事は、あのカイウスのように眠るかもしれない。
…いや、カイウスの話からして…きっと死んでしまうんだ。
ポロポロと、涙が溢れてきて首を横に振った。
「嫌だ、嫌だ…カイウスッ」
「ライム、俺が消えるわけじゃない…君の生きる世界のカイウスに戻るだけだ」
「じゃあ今のカイウスは?どうなるの?」
「…俺の世界は、ライムが俺を目覚めさせたら世界が変わるんだ」
「………せかい?」
「そう、だから…どっちにしろ俺は…この時ライムと過ごした記憶がなかった事になる」
涙で濡らす俺の頬を拭ってくれて、軽く頬に口付けられる。
カイウスに力を渡すから、俺の世界のカイウスは消えないと言っていた。
それでも、カイウスはカイウスだ……カイウスのためとはいえ、このカイウスが消えるなんて嫌だよ。
俺はカイウスを抱きしめて、カイウスに優しく包まれた。
……受け入れなければいけない、カイウスを困らせるわけにはいかない。
カイウスを助けるために来たんだ、それしか助ける方法がないなら…
カイウスはカイトを見ると、パニックだったがカイウスの方を見た。
「カイト、ライムの事頼みます」
「へぁ?…ど、どういう意味だ?」
「この子の名前はライム・ローベルトです…未来から来た子なんです…俺の記憶は消えるけど、ずっとこの子の味方で居てほしい」
「…カイウス?」
「ライムの事を知っている人が多ければ多い方がいい、君は悪い事をしていないのに酷い目にあっている……そんな事許されない」
ギュッ、とカイウスが抱きしめて…瞳を閉じた。
ありがとう、カイウス……これはお別れじゃない…元の世界に帰って俺のカイウスに出会うための儀式なんだ。
軽く口付けをして、名残惜しいが身体を離れた。
カイトは、ようやく俺達の正体が分かったのか手を叩いていた。
先にカイウスが行って、カイウスを起こすと言っていた。
俺も一緒に行きたかったが、二人同時に時間を跨ぐ事は出来ないそうだ。
カイウスが、元に戻るために俺にあるものを握らされた。
夢の中で俺を呼ぶ声が聞こえた、その声に目が覚めた。
目の前にいたのは、俺の大好きなカイウスがいた。
カイウスに抱きしめられて、温かさに安心する。
カイウスを抱きしめ返して、違和感に気付いた。
俺は筋肉質の男で、片腕と片足を壊されて動かなかった。
でも、俺は両腕でカイウスを抱きしめている。
開いたり閉じたりして確認すると手が動くし、痛みがない。
足も揺らしてみたら、やっぱり普通に動くな。
この場にはカイウスしかいないから、カイウスが助けてくれたのか?
大きな音が聞こえて、そちらを見ると大きくなったリーズナとカイトがいた。
リーズナが起きてて、大丈夫かと思って立ち上がって一歩二歩後ろに下がる。
「ライム、リーズナは大丈夫だ」
「そうなの?」
「リーズナが気絶した時、俺の力を与えたんだ」
カイウスの話によると、リーズナに触れた時カイウスは違和感に気付いたそうだ。
リーズナの身体の中に神の力を感じたみたいで、神の力をリーズナの体内に与えて精神を蝕み操っていた。
だから元々カイウスの力を体内に宿していたから、またリーズナの体内にカイウスの力を与えて正気に戻ったみたいだ。
カイトが手を振り、俺達のところにやってきた。
カイトの服も、ボロボロでところどころ砂のようなものが付着していた。
カイトも誰かと戦ったんだな、無事で良かった。
「良かった、お前らも無事だったんだな」
「…カイト様も、ご無事で何よりです」
「……その、俺…結果的に何の役に立たなかった、ごめん」
『そんな事もなかったぞ』
カイトは落ち込んでいて、元に戻ったリーズナがカイトの肩に乗っていた。
カイトの落ち込む理由は俺みたいで、俺を助けられなかっだから役ただずだと言っているようだ。
カイトが無事だっただけで、俺もカイウスもいいと思うけどな。
リーズナはカイトの戦いをずっと見ていたからか、俺達に説明していた。
カイトが戦ったのは、中性的な気持ち悪い男だとリーズナが言っていた。
中性的って事は、前に神といた華奢な男だろう。
『お前がやった事は無駄なんじゃないぞ、お前があの男の気を引かせる事が出来たからあの男はコイツを殺しに行かなかったし、俺も目を覚ます事が出来た』
「…そうですね、カイト様のおかげです…ありがとうございます」
「そ、そんな事…ないって」
カイトは耳を赤くして、困っているようで手を振っていた。
あの華奢の男はリーズナが倒したそうだけど、カイトの剣もいい腕をしているとリーズナは評価している。
リーズナはカイトの肩から飛び降りて、カイウスの肩に乗った。
ジッとカイウスをリーズナが見て、俺は思い出した。
どうしよう、カイウスとリーズナがあまりにも自然としていて、このカイウスとこのリーズナが生きている時間が違うと気付いた。
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