冷淡騎士に溺愛されてる悪役令嬢の兄の話

雪平@冷淡騎士2nd連載中

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過去編・不審者

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「……助けてくれって頼んでない」

「なら、また上に登りますか?」

「うぐっ…」

「カイウス、これは俺が悪いんだ」

カイウスがカイトを睨みつけていたから、俺がカイウスに説明した。

カイトにリーズナを連れてきてみたいな事を言ってしまった事。
俺を悪霊だと思っていて、俺の願いを叶れば俺が成仏すると思っている事。
そして、俺がカイトに取り憑いてると思い込んでいる事を全て話した。

カイウスは途中から来たから、きっと俺とカイトの出会いを知らない。

裸を見られた事は話がややこしくなるから言っていない。

「ライムが悪霊って、アイツの目腐ってないか?天使の間違いだろ」

「…カイウスはやっぱりカイウスだね」

「………?」

カイウスに頬を手で包まれて、見つめ合う。
カイトに対して、カイウスが敬語じゃなくなってるよ。
カイトには聞こえてないみたいだから、いいのかな。

するとカイトが「お前らって、どういう関係なんだ?」と言っていた。

カイウスってあまり人と積極的に触れ合うような性格じゃないから、カイトは怪しげな顔をしていた。
いつもの調子だったから、カイトの存在一瞬忘れてた。

どう誤魔化すか、親友なんだよ!と言っても親友の距離を超えているような…
さすがにこんな鼻がくっつきそうな距離は誤魔化せないかもしれない。

どうしようか考えていたら、カイウスが俺の腰に腕を回して引き寄せた。

「こういう関係ですよ」

「は!?」

「…ちょっ、カイウスッ」

カイウスは全く誤魔化す気がなかった。

そんな事言っていいのか!?カイトが顔面蒼白で固まっているぞ?
カイウスがいいなら、それでもいいけど…変な噂になったらカイウスに迷惑が掛かる。

この日の数日後に俺は悪魔の子だと広まるから…

カイウス本人が言っている事だけど、ダメだよと頬に触れた。
その行動が余計カイウスを煽ってしまい、ギュッと少し強く抱きしめられた。

「お、お前…ソイツ男なんじゃ……いや、それよりも幽霊…」

「性別なんて些細な問題です、好きになった気持ちが大切なんですから」

「……カイウス」

カイウスに微笑まれて、頬が熱くなる。

俺も好きと言うと、額に軽くキスをされた。

イチャイチャしている俺達を周りが見たらどんな感じなんだろう。
きっとカイトのような顔をしているのだろう。
眉を寄せて、俺達を睨んでいた。

羨ましいのか、妬ましいのか、単に嫌なのか分からない。
ただ、負の感情なのは分かる。

「カイト様もそろそろ相手を決めたらどうなんですか?」

「……うるせぇな、親父みたいな事言うんじゃねぇよ」

「あれ?カイ様?」

女の子の声が聞こえて、俺達は声がした方を振り返った。

そこにいたのはホウキを持っているマリーだった。
マリーの目線からはカイウスしか見えていないみたいだ。

こんなところに王族のカイトがいたらビックリするよな。
とりあえずカイトがまたよじ登らないように、何処かに連れていこうと思った。

しかし、カイトが座っていた場所を見るとそこには誰もいなくて…いつの間にかカイウスの隣に移動した。

「お嬢さん、どうかしたのかい?」

「えっ…あの…」

女の子を見るとすぐにナンパするのが、カイトだったな。

マリーはカイトの顔を見た事あるが、誰だったか思い出せない顔をしていた。
困ってるな、ゲームでもカイトの口説きに困っていたな。

カイウスが「忘れ物しただけだ」と言ってマリーの横を通り過ぎた。
マリーもカイトにお辞儀して、カイウスの後を着いていった。

カイトは口を開けてポカーンとしていて、すぐに俺に向かって睨んできた。
俺のせいじゃないんだけどな。

カイウスは足を止めて、俺の方を向いていたから俺も駆け足でカイウスの後を付いて行った。

カイトは付いて来ていないが、大丈夫だろうか。
心配だけど、カイウスの傍を離れない約束をしたから足を止める事はなかった。

一度壁に登って降りられなくなったんだから、二度も同じ事はしない…と信じたい。

使用人達は何の疑いもなく、カイウスが通ると頭を下げた。
カイウスなんだけど、変に疑われなくて良かった。
俺みたいに見えていないのにオドオドしているのとは違い、カイウスは堂々としているからだろう。

「カイ様、先程お出かけになられたのにどうかしたのですか?」

カイウスが足を止める、俺も自然と足を止めた。

声がした方を見ると、ローズが立っていた。
不思議そうな顔をしたローズに何故かカイウスではなく、俺が緊張した。

マリーはカイウスの言う事を何でも信じそうだが、ローズはそうはいかない。
カイウスの友人でもあるから、下手な事を言ったら疑われてしまいそうだ。
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