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過去編・好感度を上げよう!
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俺はカイウスの手を握り、リーズナの言葉を考えていた。
カイウスはカイウスしか治せない、それはそうなんだけど二人カイウスはいないし…
そこで俺は、カイウスの過去に行った事を思い出す。
でも、また過去に戻れたとして…どうやってカイウスを治してもらうかだよな。
未来のカイウスを治してくれって言うのか?理由を聞かれたらどうするんだ?
いくらファンタジーな世界でも信じてくれるかどうか。
でも、カイウスを治せる方法がそれしかないなら…
「カイウス、もう少し待ってて…必ず帰ってくるから」
俺はカイウスの手を離して、部屋のクローゼットを開いた。
良さそうな服はないか、探してみると真っ黒なローブが見えた。
これなら、もし目を隠していないカイウスと出会ってもライムだってバレないだろう。
ローブを着て頭からフードを被ってカイウスの方を見た。
「いってきます」と小さく言って部屋を出て…宮殿を後にした。
過去に戻れば、なにかヒントが見つかるかもしれない。
宮殿の外に出ると、窓越しではなくリアルな外の異常な光景が見えた。
空だけではなく、宮殿全体を飲み込むような黒い線が見える。
湖も黒くて、精霊の気配はするが姿が見えない。
精霊が怯えている、こんな事…初めてで…俺も不安な気持ちになる。
カイウスがいないと、皆不安なんだろう…皆カイウスが大切で大好きだから…
あの場所の前に立つと、風が強く吹いてローブを揺らす。
一歩一歩、進んでいき…俺は森の中に入っていった。
森を抜けると、あの時のように街にたどり着いた。
多分、過去に戻った…んだよな…何歳くらいのカイウスがいるのかを確認してからじゃないと今がどのくらいか分からない。
俺は今、精霊のような幽霊のような存在だから力がある人にしか見えない。
だから人に聞く事も出来ず、自力で探すしかない。
まずは家に行こう、カイウスの家ならいる可能性が高い。
俺は人にはぶつからず、すり抜けてしまうけど何となく避けながら向かう。
カイウスの家に到着して、誰にも聞こえないけど小さく「お邪魔します」と言って中に入る。
カイウスは部屋にいるのかな?この前行ったばかりだから覚えているから、今日は迷いなく行けそうだ。
すると、見知った姿の子がいて…俺の姿は当然見えないんだけど足を止めた。
「マリー、それじゃあこれ運んでね」
「はい!!」
元気がいい、マリーの声にローズは優しく微笑んでいた。
マリーとローズがいる、じゃあもしかしてカイウスが騎士団長になった後か?
それならカイウスと俺は出会っているのか…あの時よりかなり過去が進んだんだな。
カイウスは部屋にはいなくて、リーズナがベッドの上に丸まっていた。
俺が来た事で、ピクリと耳が動いて顔を上げた。
俺は慌て深くフードを被り、リーズナに背中を向けた。
『誰だ、お前』
「…えっ、俺…は…せい…れい?」
『精霊?デカい姿なのに、力が無さすぎないか?』
ヤバい、リーズナが疑い出している…そりゃあ精霊の化身にはいろいろ分かるか。
でもこのままでは最悪カイウスにも警戒される。
このまま、精霊だって事で押し通すしかない!
俺は「見た目が大きいだけの弱い精霊」としてリーズナに挨拶した。
全く信じていないリーズナから空返事をされた。
疑っている状態でカイウス似合わせろとはさすがに言えない。
まずはリーズナの機嫌を取る事をして、警戒を解く事をしよう。
リーズナが好きなもの、魚かな?…よくにぼしとか食べているよな。
「ちょっと待ってて!!」
『は?何?』
俺は慌てて部屋を出て、カイウスの家から離れる。
魚なら海とかにいるのかな?ここなら湖しかないな。
あまり泳ぎは得意ではないけど、何とかなるだろ!
カイウスはカイウスしか治せない、それはそうなんだけど二人カイウスはいないし…
そこで俺は、カイウスの過去に行った事を思い出す。
でも、また過去に戻れたとして…どうやってカイウスを治してもらうかだよな。
未来のカイウスを治してくれって言うのか?理由を聞かれたらどうするんだ?
いくらファンタジーな世界でも信じてくれるかどうか。
でも、カイウスを治せる方法がそれしかないなら…
「カイウス、もう少し待ってて…必ず帰ってくるから」
俺はカイウスの手を離して、部屋のクローゼットを開いた。
良さそうな服はないか、探してみると真っ黒なローブが見えた。
これなら、もし目を隠していないカイウスと出会ってもライムだってバレないだろう。
ローブを着て頭からフードを被ってカイウスの方を見た。
「いってきます」と小さく言って部屋を出て…宮殿を後にした。
過去に戻れば、なにかヒントが見つかるかもしれない。
宮殿の外に出ると、窓越しではなくリアルな外の異常な光景が見えた。
空だけではなく、宮殿全体を飲み込むような黒い線が見える。
湖も黒くて、精霊の気配はするが姿が見えない。
精霊が怯えている、こんな事…初めてで…俺も不安な気持ちになる。
カイウスがいないと、皆不安なんだろう…皆カイウスが大切で大好きだから…
あの場所の前に立つと、風が強く吹いてローブを揺らす。
一歩一歩、進んでいき…俺は森の中に入っていった。
森を抜けると、あの時のように街にたどり着いた。
多分、過去に戻った…んだよな…何歳くらいのカイウスがいるのかを確認してからじゃないと今がどのくらいか分からない。
俺は今、精霊のような幽霊のような存在だから力がある人にしか見えない。
だから人に聞く事も出来ず、自力で探すしかない。
まずは家に行こう、カイウスの家ならいる可能性が高い。
俺は人にはぶつからず、すり抜けてしまうけど何となく避けながら向かう。
カイウスの家に到着して、誰にも聞こえないけど小さく「お邪魔します」と言って中に入る。
カイウスは部屋にいるのかな?この前行ったばかりだから覚えているから、今日は迷いなく行けそうだ。
すると、見知った姿の子がいて…俺の姿は当然見えないんだけど足を止めた。
「マリー、それじゃあこれ運んでね」
「はい!!」
元気がいい、マリーの声にローズは優しく微笑んでいた。
マリーとローズがいる、じゃあもしかしてカイウスが騎士団長になった後か?
それならカイウスと俺は出会っているのか…あの時よりかなり過去が進んだんだな。
カイウスは部屋にはいなくて、リーズナがベッドの上に丸まっていた。
俺が来た事で、ピクリと耳が動いて顔を上げた。
俺は慌て深くフードを被り、リーズナに背中を向けた。
『誰だ、お前』
「…えっ、俺…は…せい…れい?」
『精霊?デカい姿なのに、力が無さすぎないか?』
ヤバい、リーズナが疑い出している…そりゃあ精霊の化身にはいろいろ分かるか。
でもこのままでは最悪カイウスにも警戒される。
このまま、精霊だって事で押し通すしかない!
俺は「見た目が大きいだけの弱い精霊」としてリーズナに挨拶した。
全く信じていないリーズナから空返事をされた。
疑っている状態でカイウス似合わせろとはさすがに言えない。
まずはリーズナの機嫌を取る事をして、警戒を解く事をしよう。
リーズナが好きなもの、魚かな?…よくにぼしとか食べているよな。
「ちょっと待ってて!!」
『は?何?』
俺は慌てて部屋を出て、カイウスの家から離れる。
魚なら海とかにいるのかな?ここなら湖しかないな。
あまり泳ぎは得意ではないけど、何とかなるだろ!
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