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カイウスの話21
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顔が歪んでいるミロを眺めて、冷めた瞳で見た。
ライムを殴ったこの腕が憎い、なんであんな優しい子を傷付ける事が出来るんだ?
ライムの優しさを知っているのは俺だけだと優越感もある。
でも、だからといってライムを傷付けていい理由にはならない。
簡単に殺さない、苦しみもがきながら死んでいけ。
炎の方がいいだろう、じわじわと殺していくには一番いい。
手から炎が纏い、男を焦がしていく。
周りに焦げた嫌なにおいが充満する。
なかなか焦げないな、さっきも人間にしては腕力があった気がした。
やはりコイツも変な薬を使ったのか…でも所詮薬だ、強くなっても人間の限界は越えられない。
やっとミロを灰にして、すぐにライムのところに向かった。
ライムがいる場所に案内されていたから、ライムが近くに居た筈だ。
すぐにライムが見つけて、カイウスのフリをしていた皮が剥がれるところだった。
どうせならこのままライムを驚かせようと思った。
結果、すぐに見破られてしまった…さすが俺のライムだ。
ライムはミロを探していた、あんな奴どうでもいいのに…
知ってるなんて言ったら何処に居るのか聞かれるから、知らないと嘘を付いた。
ライムは何も知らなくていい、俺がライムに綺麗なものだけを見せるから……汚れるのは俺だけでいい。
元のカイウスだって、同じ意見だろう。
「ライム、大丈夫だよ…ライムが心配する事は何も起きない」
※裏の話
「カイウスは本当に何も理解していないな…ダメだと言っているのに」
暗い暗い地下の一室で、壁に寄りかかり見ていた。
全てが見えるわけではないが、なにか大きな魔力の波動を感じると見つけやすい。
普段は見えない目で、世界を見つめる。
カイウスは相変わらず親の気も知らずに悪魔の子の味方をする。
ミロとか言う小物じゃ、何の役にも立たなかった。
せっかく力を与えたのに、その力を使いこなせなければないのと同じだ。
ミロがライムを犯人にしたまでは良かったが、カイウスが全然信じていないから意味がない。
もっと別の方向で、カイウスがライムに不信感を抱けば離れるだろう。
そして、ライムもまた…カイウスを信じられなくすればいい。
ライムには元々味方はいない、あの力が少々厄介だが…それ以外はただの人間だ、カイウスなら簡単に殺せるだろう。
人間が何をすれば、どう思うのか分からない…少し様子を見た方がいい。
焦るとまたミロのようにダメになるだけだ、慎重に進めなくては…英雄は逃げない。
ローベルト卿が何処まで忠実に動いてくれるのか、見物させてもらおう。
まだまだ見込みがありそうな奴らがいる、きっと誰かがやってくれるだろう。
全ては愛しい我が子のために…
さぁ、カイウス…早く我が手の中においで
ライムを殴ったこの腕が憎い、なんであんな優しい子を傷付ける事が出来るんだ?
ライムの優しさを知っているのは俺だけだと優越感もある。
でも、だからといってライムを傷付けていい理由にはならない。
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周りに焦げた嫌なにおいが充満する。
なかなか焦げないな、さっきも人間にしては腕力があった気がした。
やはりコイツも変な薬を使ったのか…でも所詮薬だ、強くなっても人間の限界は越えられない。
やっとミロを灰にして、すぐにライムのところに向かった。
ライムがいる場所に案内されていたから、ライムが近くに居た筈だ。
すぐにライムが見つけて、カイウスのフリをしていた皮が剥がれるところだった。
どうせならこのままライムを驚かせようと思った。
結果、すぐに見破られてしまった…さすが俺のライムだ。
ライムはミロを探していた、あんな奴どうでもいいのに…
知ってるなんて言ったら何処に居るのか聞かれるから、知らないと嘘を付いた。
ライムは何も知らなくていい、俺がライムに綺麗なものだけを見せるから……汚れるのは俺だけでいい。
元のカイウスだって、同じ意見だろう。
「ライム、大丈夫だよ…ライムが心配する事は何も起きない」
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「カイウスは本当に何も理解していないな…ダメだと言っているのに」
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普段は見えない目で、世界を見つめる。
カイウスは相変わらず親の気も知らずに悪魔の子の味方をする。
ミロとか言う小物じゃ、何の役にも立たなかった。
せっかく力を与えたのに、その力を使いこなせなければないのと同じだ。
ミロがライムを犯人にしたまでは良かったが、カイウスが全然信じていないから意味がない。
もっと別の方向で、カイウスがライムに不信感を抱けば離れるだろう。
そして、ライムもまた…カイウスを信じられなくすればいい。
ライムには元々味方はいない、あの力が少々厄介だが…それ以外はただの人間だ、カイウスなら簡単に殺せるだろう。
人間が何をすれば、どう思うのか分からない…少し様子を見た方がいい。
焦るとまたミロのようにダメになるだけだ、慎重に進めなくては…英雄は逃げない。
ローベルト卿が何処まで忠実に動いてくれるのか、見物させてもらおう。
まだまだ見込みがありそうな奴らがいる、きっと誰かがやってくれるだろう。
全ては愛しい我が子のために…
さぁ、カイウス…早く我が手の中においで
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