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スライムの逆襲
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シリウスは表情を変えず、手に魔力を込めていた。
魔力は俺の横を通り過ぎて、幹部達に当たった。
もしかして、傀儡かと銃を構えるとシリウスの攻撃を受けた幹部の一人が溶けて緑色の液体だけを残した。
他の幹部達が俺達に向かって武器を構えていた。
他の理性のない魔物とは違う、シリウスに絶対忠誠な幹部が武器を構えるのが可笑しい。
シリウスの話によれば、姿だけじゃなくて能力もコピーされているんだよな。
他の幹部ならまだしも、鬼将軍はシリウスの右腕だ。
まだ挑めるほど強くなっているわけじゃない、けどやるしかない。
「レイン、コイツらの傀儡は俺がやる」
「へぇ、城が乗っ取られたのにまだ余裕なんだ…シリウス様?」
幹部達しかいない空間に突然現れたのは、真っ赤な髪の男だった。
シリウスの部屋で戦った魔界から追放されたとシリウスは言っていた。
まだ城の中にいたのか、姿が見えないから気付かなかった。
俺の前にシリウスが立ち、向けていた銃を下ろした。
赤髪の男は俺と戦ったのに眼中にないのか、シリウスをまっすぐ見つめていた。
その瞳は尊敬や憎悪や悲しみがぐちゃぐちゃになっていて、見ているだけで気分が悪くなる。
『これは傀儡だ、実体がないから消えてなくなる……元はスライムのように姿がないが、魔物の姿と能力をコピーする事が出来る』
シリウスの言葉を思い出して、赤髪の男を見た。
いつも姿を現す前は、透明人間のようだったがまさか…
「何が望みだ」
「俺を下等なスライムに変えて放り出した貴方を跪かせる事だけです」
「……」
「こんなに強くなったんです、仲間達も皆貴方に恨みがある者なんですよ」
赤髪の男はスライムで、仲間達が傀儡に変化しているのか。
シリウスの命を狙ったから、シリウスが追放したんだろ。
城が乗っ取られたとしたら、俺が城を取り返す。
何も言わないからか、シリウスを負かしたと愉快そうに笑みを浮かべている。
後ろの幹部の傀儡もニヤニヤ笑っていて、シリウスの前に出ようと思った。
どんなに強くなっても、スライムに負ける気はしない。
シリウスが重いため息を吐いて赤髪の男の表情動いた。
動じる事はなく、無表情のままシリウスが口を開いた。
「言いたい事はそれだけか」
「貴方はいつも誰も見ない、だから無理矢理振り向かせる事しか出来ないじゃないですか」
シリウスが赤髪の男に向かって炎の魔術を使った。
この男は他の傀儡より明らかに強い気配を感じていた。
スライムのこの男が傀儡を操っているなら、この男を殺せば城は元に戻る筈だ。
体が破裂して、他の奴同様に緑色の液体だけがその場に残った。
これで終わりかと思ったが、幹部達の傀儡はまだそこにいた。
鬼将軍の大剣が俺達に向かって振り下ろされて、シリウスの剣が防いだ。
俺もシリウスに加勢しようと思ったが、腕が思うように動かなかった。
なにかが引っかかっているように感じて、腕の方を見た。
腕には異常はないが、なんで思うように動けないんだ?
振ったり引いてみたりしてみても、少ししか動けない。
微かに床が動いた気がして、ジッと見てみたら俺を見つめる二つの目玉が現れた。
「うわっ!!」
「…っ!レインッ!!」
シリウスは一人で幹部10人を相手しているから、防ぐので苦戦していた。
いくら強い幹部でも、力を取り戻したシリウスが苦戦するものか疑問がある。
加勢したい気持ちがあるが、頭も動かなくなった。
やっぱり、この怪しい透明人間…赤髪の男なのか?
シリウスの声が聞こえるが、俺も動けないからどうする事も出来ない。
何もない透明だった姿がだんだん色が付いてきた。
現れたのは、やはりあの赤髪の男でニヤニヤ笑っていた。
さっきのシリウスの攻撃で、消滅したんじゃないのか?
「お、前っ…」
「シリウス様に助けを呼んでも無駄だ、あの人の魔力は俺のもの」
「また盗んだのか!?」
「そりゃあシリウス様の魔力を守っていた幹部達は今俺の手のひらにある」
「そんな事しても、シリウスがお前を見る事なんて」
「うるさい!ムカつくんだよ、人間の癖にシリウス様の瞳に映るお前が!!」
話の途中で赤髪の男の姿は何処にもなくなった。
一瞬だけ体中が重く感じたが、すぐに気にならなくなった。
また透明人間になったのかと思ったが、腕も自由になった。
何処にいるのか分からない赤髪の男は無視をして、今はシリウスに加勢する事を考えよう。
魔力は俺の横を通り過ぎて、幹部達に当たった。
もしかして、傀儡かと銃を構えるとシリウスの攻撃を受けた幹部の一人が溶けて緑色の液体だけを残した。
他の幹部達が俺達に向かって武器を構えていた。
他の理性のない魔物とは違う、シリウスに絶対忠誠な幹部が武器を構えるのが可笑しい。
シリウスの話によれば、姿だけじゃなくて能力もコピーされているんだよな。
他の幹部ならまだしも、鬼将軍はシリウスの右腕だ。
まだ挑めるほど強くなっているわけじゃない、けどやるしかない。
「レイン、コイツらの傀儡は俺がやる」
「へぇ、城が乗っ取られたのにまだ余裕なんだ…シリウス様?」
幹部達しかいない空間に突然現れたのは、真っ赤な髪の男だった。
シリウスの部屋で戦った魔界から追放されたとシリウスは言っていた。
まだ城の中にいたのか、姿が見えないから気付かなかった。
俺の前にシリウスが立ち、向けていた銃を下ろした。
赤髪の男は俺と戦ったのに眼中にないのか、シリウスをまっすぐ見つめていた。
その瞳は尊敬や憎悪や悲しみがぐちゃぐちゃになっていて、見ているだけで気分が悪くなる。
『これは傀儡だ、実体がないから消えてなくなる……元はスライムのように姿がないが、魔物の姿と能力をコピーする事が出来る』
シリウスの言葉を思い出して、赤髪の男を見た。
いつも姿を現す前は、透明人間のようだったがまさか…
「何が望みだ」
「俺を下等なスライムに変えて放り出した貴方を跪かせる事だけです」
「……」
「こんなに強くなったんです、仲間達も皆貴方に恨みがある者なんですよ」
赤髪の男はスライムで、仲間達が傀儡に変化しているのか。
シリウスの命を狙ったから、シリウスが追放したんだろ。
城が乗っ取られたとしたら、俺が城を取り返す。
何も言わないからか、シリウスを負かしたと愉快そうに笑みを浮かべている。
後ろの幹部の傀儡もニヤニヤ笑っていて、シリウスの前に出ようと思った。
どんなに強くなっても、スライムに負ける気はしない。
シリウスが重いため息を吐いて赤髪の男の表情動いた。
動じる事はなく、無表情のままシリウスが口を開いた。
「言いたい事はそれだけか」
「貴方はいつも誰も見ない、だから無理矢理振り向かせる事しか出来ないじゃないですか」
シリウスが赤髪の男に向かって炎の魔術を使った。
この男は他の傀儡より明らかに強い気配を感じていた。
スライムのこの男が傀儡を操っているなら、この男を殺せば城は元に戻る筈だ。
体が破裂して、他の奴同様に緑色の液体だけがその場に残った。
これで終わりかと思ったが、幹部達の傀儡はまだそこにいた。
鬼将軍の大剣が俺達に向かって振り下ろされて、シリウスの剣が防いだ。
俺もシリウスに加勢しようと思ったが、腕が思うように動かなかった。
なにかが引っかかっているように感じて、腕の方を見た。
腕には異常はないが、なんで思うように動けないんだ?
振ったり引いてみたりしてみても、少ししか動けない。
微かに床が動いた気がして、ジッと見てみたら俺を見つめる二つの目玉が現れた。
「うわっ!!」
「…っ!レインッ!!」
シリウスは一人で幹部10人を相手しているから、防ぐので苦戦していた。
いくら強い幹部でも、力を取り戻したシリウスが苦戦するものか疑問がある。
加勢したい気持ちがあるが、頭も動かなくなった。
やっぱり、この怪しい透明人間…赤髪の男なのか?
シリウスの声が聞こえるが、俺も動けないからどうする事も出来ない。
何もない透明だった姿がだんだん色が付いてきた。
現れたのは、やはりあの赤髪の男でニヤニヤ笑っていた。
さっきのシリウスの攻撃で、消滅したんじゃないのか?
「お、前っ…」
「シリウス様に助けを呼んでも無駄だ、あの人の魔力は俺のもの」
「また盗んだのか!?」
「そりゃあシリウス様の魔力を守っていた幹部達は今俺の手のひらにある」
「そんな事しても、シリウスがお前を見る事なんて」
「うるさい!ムカつくんだよ、人間の癖にシリウス様の瞳に映るお前が!!」
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