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大道芸人
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もしかしたら、俺も連れて行ってもらえるかもしれない。
こんな偶然本当にあるんだと嬉しくなった…運がいい。
「お願いします!俺を連れて行って下さい!」
「いいよ」
「えっ…あ、りがとうございます」
なにかあるかと思ったが、あっさり頷いていてびっくりした。
移動代はちゃんと払うつもりだから安心してくれと言うと「そんな必要ないよ」と言っていた。
タダで乗せてくれるなんて、さすがに申し訳ないな。
タダより怖いものはない、善意だとしても警戒しなくては…
俺だって賞金首ハンターだ、旅をする金くらい持ってる。
そう言おうとしたら少年はニヤニヤと企んでいる顔をしていた。
「その代わり条件があるよ!君も大道芸してよ!」
「…いや、俺には無理だ」
「大丈夫だよ!銃で的当て出来るでしょ?」
少年は嬉しそうにそう言って、他の大道芸人達のところに連れて行かれた。
休憩していたのか、楽しくお喋りしていて少年が姿を現したからジャグリングをしていた露出が高い服を着ている男は手を上げていた。
俺はまだ了承していないんだけど、仲間として紹介されていた。
他に洞窟に行くまでの移動手段がないから、選んでられないけど…
銃で的当て…昔は練習で的を狙った事はあるけど大道芸としてやった事は勿論ない。
俺に出来るのか不安だ、観客は魔物だから失敗してもいいんだろうけど…
この人達の目的は大道芸で魔物をおびき寄せて狩る事だから…
「レインです、銃を長年の愛用していたから…頑張ります」
「俺はリーリーでーす!ナイフジャグリングだよー!的当ては同じだけど俺の方が難易度高いよねー!」
自己紹介でいきなりマウント取られた、俺は大道芸人じゃないからいいけど…
隣にいた獅子を手懐けていた妖艶な女性にムチで叩かれていた。
妖艶な女性が俺に近付いて、顎を指がなぞっていてゾクゾクする。
ゲームでシリウスの事しか思い出していなかったけど、そうだ…このゲームは美少女系のエロゲーだった。
とはいえ、シリウスのルートに入った今の俺にそんなラッキー展開は望めない。
男として、自然に期待してしまうのは許してくれ。
「ハート、この子はラウン…よろしくね、新人さん」
「グルルル…」
「…は、はい」
可笑しいな、ハートさんの後ろにいる獅子が俺を見てヨダレを垂らしていないか?
俺、食べ物じゃないんだけど…大丈夫だよな?
ラウンと呼ばれた獅子に顔を青くしていると、ハートさんに「退きなさいよおばさん」と言っていた。
ハートさんは物凄く怒った顔をして後ろに振り返った。
ポニーテールで活発そうな女性がハートさんを押し退けて俺の前にやってきた。
手を伸ばされたから、握り返すと手のひらが燃えるように熱くてすぐに手を離した。
手のひらを確認すると、火傷はしていないみたいで良かった。
「あはっ、ごめんごめん!コイツら以外で人間見たの初めてだからさ」
「…へ?」
「私の名前はインディースー、インディでいいよ」
インディは気になる事を言ったのに、詳しくは言わず俺から離れた。
最後に少年と無表情の男がやってきて、自己紹介した。
無表情の男の事は少年が代弁していて「ジンだよ、玉乗りしながら剣が飲めます!」と言うと、表情は変わらないのに嬉しそうだなと思った。
少年は何故か名前を言わず、団長と呼べと言っていた。
これで自己紹介が終わり、団長は他の人達に行き先を伝えていた。
俺はそこまで一緒に行き、運んでくれたお礼に大道芸の手伝いをする。
大道芸に関しては素人でしかないから、不安しかないけど…
「運んでくれたお礼…ねぇ」
「アンタ、賞金首ハンターとしては腕はいいみたいだけど客を湧かすのは強ければいいってもんじゃないわよ」
「私らが教えてやる、立派な芸人になるために!」
こうして俺は、大道芸人になるための旅が始まった。
あれ?……いやいや違う、シリウスを追いかけていくんだよ。
大道芸人として道具が多いから、普通のより一回り大きな馬車が止まっている。
まさかのリーリーが運転するみたいで、先頭で座っている。
俺達は荷台に乗って、すぐに大きく揺れて動き出した。
大道芸人だから、寄り道をしながら旅をするみたいで俺も付き合う事になるがあまり長くなるとシリウスが移動するかもしれない。
そんな不安があるが、走る馬車の中で俺の話で盛り上がっていた。
「じゃあレインは恋人を探して旅しているのね!ロマンチックねぇ」
「……ま、まぁな」
「でも迷いの洞窟にいるなんて、ソイツ強いのか?」
何故迷いの洞窟に行くのか聞かれたから本当の事を話した。
女の子達はキャッキャはしゃいでいたが、団長に鋭い事を言われて苦笑いする。
シリウスからしたら危険な場所も庭同然になるよな。
どう言おうか考えていたらハートさんが「魔物に攫われたのよ、当然でしょ?」と言っていた。
……魔物本人だとは言えないな。
「まぁとりあえず、短い間だけどよろしく!」
そう言った団長は俺に酒の入ったグラスを渡してきた。
あまり酒は強くないが、もらったものを断るのも悪いから一気に流し込んだ。
「いいねぇ!」と団長が喜んでいて、どんどん空いたグラスに注がれていく。
団長は未成年だから、果物ジュースを飲んでいた。
話も盛り上がって、旅をする目的をそれぞれ話してくれた。
団長は両親が元々始めたからその後を継いだだけだと笑っていた。
インディは自分探しの旅でハートさんは元々団長の両親と一緒に旅をしていたらしい。
リーリーは貴重なお宝探しで、ジンは運転中だから分からないがいつの間にか一緒に旅をしていたと聞いた。
それぞれ理由は違えど旅をする目的は同じなんだな。
その時だった、馬車が激しく揺れて俺達はとっさに掴める物を掴んで外に投げ出されないように踏ん張った。
「どうしたのジン!!」
団長はジンに声を掛けると、すぐに俺達のところにやってきた。
そして馬車から出るように言われて、馬車から降りて馬車の前を見た。
そこには数人の男達がいて、ニヤニヤと笑みを浮かべながら俺達を見ていた。
団長は「盗賊みたいだね」と小さく呟いていた。
盗賊か、よほどの凶暴な盗賊じゃなければ賞金は出ないほど低い。
だからあまり賞金首ハンターは相手をしたがらない。
今の俺は大道芸人だ、団長の指示を待つ。
「なんだぁ、女もいるのか」
「金と女置いてさっさと消えろ」
盗賊は剣を手にしてそんな事を言っていた。
団長は小さな声で俺に「レインのパフォーマンス見せてよ」と言っていた。
これを俺が……相手は盗賊だが人間だ、殺すわけにはいかない。
そもそもこれは大道芸だ、普通に戦わず俺は…的を当てる!
銃を手に取ると、盗賊達は俺目掛けて走ってくる。
さっき見た大道芸を思い出して、銃を連続で撃つ。
狙うは盗賊達の剣だ、まっすぐに弾は進んでいく。
そして剣に当たり、剣は半分に折れた。
他の盗賊の剣も当たり、盗賊達は動きを止めた。
「くそっ、テメェ!!」
「もう武器は折れたんだからお前らこそ立ち去れ」
「うるせぇ!!殺してやる!!」
こんな偶然本当にあるんだと嬉しくなった…運がいい。
「お願いします!俺を連れて行って下さい!」
「いいよ」
「えっ…あ、りがとうございます」
なにかあるかと思ったが、あっさり頷いていてびっくりした。
移動代はちゃんと払うつもりだから安心してくれと言うと「そんな必要ないよ」と言っていた。
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タダより怖いものはない、善意だとしても警戒しなくては…
俺だって賞金首ハンターだ、旅をする金くらい持ってる。
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「…いや、俺には無理だ」
「大丈夫だよ!銃で的当て出来るでしょ?」
少年は嬉しそうにそう言って、他の大道芸人達のところに連れて行かれた。
休憩していたのか、楽しくお喋りしていて少年が姿を現したからジャグリングをしていた露出が高い服を着ている男は手を上げていた。
俺はまだ了承していないんだけど、仲間として紹介されていた。
他に洞窟に行くまでの移動手段がないから、選んでられないけど…
銃で的当て…昔は練習で的を狙った事はあるけど大道芸としてやった事は勿論ない。
俺に出来るのか不安だ、観客は魔物だから失敗してもいいんだろうけど…
この人達の目的は大道芸で魔物をおびき寄せて狩る事だから…
「レインです、銃を長年の愛用していたから…頑張ります」
「俺はリーリーでーす!ナイフジャグリングだよー!的当ては同じだけど俺の方が難易度高いよねー!」
自己紹介でいきなりマウント取られた、俺は大道芸人じゃないからいいけど…
隣にいた獅子を手懐けていた妖艶な女性にムチで叩かれていた。
妖艶な女性が俺に近付いて、顎を指がなぞっていてゾクゾクする。
ゲームでシリウスの事しか思い出していなかったけど、そうだ…このゲームは美少女系のエロゲーだった。
とはいえ、シリウスのルートに入った今の俺にそんなラッキー展開は望めない。
男として、自然に期待してしまうのは許してくれ。
「ハート、この子はラウン…よろしくね、新人さん」
「グルルル…」
「…は、はい」
可笑しいな、ハートさんの後ろにいる獅子が俺を見てヨダレを垂らしていないか?
俺、食べ物じゃないんだけど…大丈夫だよな?
ラウンと呼ばれた獅子に顔を青くしていると、ハートさんに「退きなさいよおばさん」と言っていた。
ハートさんは物凄く怒った顔をして後ろに振り返った。
ポニーテールで活発そうな女性がハートさんを押し退けて俺の前にやってきた。
手を伸ばされたから、握り返すと手のひらが燃えるように熱くてすぐに手を離した。
手のひらを確認すると、火傷はしていないみたいで良かった。
「あはっ、ごめんごめん!コイツら以外で人間見たの初めてだからさ」
「…へ?」
「私の名前はインディースー、インディでいいよ」
インディは気になる事を言ったのに、詳しくは言わず俺から離れた。
最後に少年と無表情の男がやってきて、自己紹介した。
無表情の男の事は少年が代弁していて「ジンだよ、玉乗りしながら剣が飲めます!」と言うと、表情は変わらないのに嬉しそうだなと思った。
少年は何故か名前を言わず、団長と呼べと言っていた。
これで自己紹介が終わり、団長は他の人達に行き先を伝えていた。
俺はそこまで一緒に行き、運んでくれたお礼に大道芸の手伝いをする。
大道芸に関しては素人でしかないから、不安しかないけど…
「運んでくれたお礼…ねぇ」
「アンタ、賞金首ハンターとしては腕はいいみたいだけど客を湧かすのは強ければいいってもんじゃないわよ」
「私らが教えてやる、立派な芸人になるために!」
こうして俺は、大道芸人になるための旅が始まった。
あれ?……いやいや違う、シリウスを追いかけていくんだよ。
大道芸人として道具が多いから、普通のより一回り大きな馬車が止まっている。
まさかのリーリーが運転するみたいで、先頭で座っている。
俺達は荷台に乗って、すぐに大きく揺れて動き出した。
大道芸人だから、寄り道をしながら旅をするみたいで俺も付き合う事になるがあまり長くなるとシリウスが移動するかもしれない。
そんな不安があるが、走る馬車の中で俺の話で盛り上がっていた。
「じゃあレインは恋人を探して旅しているのね!ロマンチックねぇ」
「……ま、まぁな」
「でも迷いの洞窟にいるなんて、ソイツ強いのか?」
何故迷いの洞窟に行くのか聞かれたから本当の事を話した。
女の子達はキャッキャはしゃいでいたが、団長に鋭い事を言われて苦笑いする。
シリウスからしたら危険な場所も庭同然になるよな。
どう言おうか考えていたらハートさんが「魔物に攫われたのよ、当然でしょ?」と言っていた。
……魔物本人だとは言えないな。
「まぁとりあえず、短い間だけどよろしく!」
そう言った団長は俺に酒の入ったグラスを渡してきた。
あまり酒は強くないが、もらったものを断るのも悪いから一気に流し込んだ。
「いいねぇ!」と団長が喜んでいて、どんどん空いたグラスに注がれていく。
団長は未成年だから、果物ジュースを飲んでいた。
話も盛り上がって、旅をする目的をそれぞれ話してくれた。
団長は両親が元々始めたからその後を継いだだけだと笑っていた。
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それぞれ理由は違えど旅をする目的は同じなんだな。
その時だった、馬車が激しく揺れて俺達はとっさに掴める物を掴んで外に投げ出されないように踏ん張った。
「どうしたのジン!!」
団長はジンに声を掛けると、すぐに俺達のところにやってきた。
そして馬車から出るように言われて、馬車から降りて馬車の前を見た。
そこには数人の男達がいて、ニヤニヤと笑みを浮かべながら俺達を見ていた。
団長は「盗賊みたいだね」と小さく呟いていた。
盗賊か、よほどの凶暴な盗賊じゃなければ賞金は出ないほど低い。
だからあまり賞金首ハンターは相手をしたがらない。
今の俺は大道芸人だ、団長の指示を待つ。
「なんだぁ、女もいるのか」
「金と女置いてさっさと消えろ」
盗賊は剣を手にしてそんな事を言っていた。
団長は小さな声で俺に「レインのパフォーマンス見せてよ」と言っていた。
これを俺が……相手は盗賊だが人間だ、殺すわけにはいかない。
そもそもこれは大道芸だ、普通に戦わず俺は…的を当てる!
銃を手に取ると、盗賊達は俺目掛けて走ってくる。
さっき見た大道芸を思い出して、銃を連続で撃つ。
狙うは盗賊達の剣だ、まっすぐに弾は進んでいく。
そして剣に当たり、剣は半分に折れた。
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