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溢れ出す想い
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「ん…」
頬に冷たいものが触れて、あまりの冷たさに目を覚ました。
目の前に映ったのは何処かの部屋のようだった。
その部屋は見覚えがある。
シリウスが森で女の子を誘拐して陵辱した部屋だ!
俺はそこのベッドの上で転がされて寝ていた。
なんで俺がここにいるんだ?しかもベッドの足から紐が伸びて、俺の手首絡みついている。
足は自由だが、足だけ自由でも抜け出せない。
森にいて、俺はどうなったんだ?玄関をどうにかした記憶はない。
まさか、俺…偽物シリウスにとんでもない事されるんじゃ…
俺の服の中に手を入れていた事を思い出して顔を青ざめる。
早く逃げないと…銃は腰にあるか確認したが、さすがに武器は取り上げられていた。
最後にシリウスのにおいがしたと思ったが、幻だったかもしれない。
幻想に包まれていたから、何もかもが疑心暗鬼になる。
部屋のドアが開いて、偽物シリウスが入ってきた。
「おい!これ解け!」
「………」
「聞いてんのかよ!シリウスの格好しやがって」
「何の話だ」
とぼけている偽物シリウスは俺に近付いて腕を伸ばしてきたから顔を逸らした。
すぐに俺の顔の横に手を付いて、ベッドが少しだけ軋んだ。
ジッと俺を見つめるシリウス、偽物とはいえ本物と見間違うほどの美しい顔だ。
それに、今度はにおいまで似せてくるなんて卑怯な奴だ。
シリウスの宝玉だから出来る事なのかもしれない。
いや、本物が居ても不思議ではないが俺の目の前にいたのはシリウスの仮面を付けた偽物だ。
本物だったらいいのに、と思うのは俺の願望だ。
「俺の下であんなに乱れていたというのに、もう他の男に目移りしたのか?」
「お前なんか知らねぇよ、さっさとこれ外せ!」
手首を拘束している紐を動かして、シリウスを睨むと眉を寄せられた。
なんだ…これ…体が動かない…脳が理解する前に体が恐怖で震えている?
さっきはそんな事なかったのに、え…まさか…
シリウスは小さくため息を吐いて「そうか」とだけ言っていた。
いや、違う…俺は偽物だと思ってシリウスに酷い事を言ってしまった。
言う事全て言い訳になってしまうけど、ちゃんと伝えないと…
そう思うが、シリウスの力に震える体が声も出す事が出来なかった。
宝玉もある程度戻ってきた、これが本来の魔王の力。
人間なんて、触れなくても殺せるであろう強者。
ゲームのレインは宝玉がない状態のシリウスに買ったんだろうなという事は分かる。
こんなシリウスに、俺がどんなに鍛えても敵うわけがない。
瞳を覆っていた眼帯を外して、ベッドの下に落ちた、
シリウスに顎を掴まれて至近距離で見つめ合う。
「…あ、う…」
「レイン、お前に教えてやる…俺が誰かを」
シリウスの瞳の色が濃くなり、乱暴に唇を塞がれた。
シャツを首元まで上げられて、乳首を舐められて吸われる。
下も荒々しく脱がされて、太ももを舐められる。
軽く噛まれると、ビクッと引きつったように震える。
シリウスの瞳は怒りと悲しみに満ちていた…俺がそうさせたんだ。
シリウスのが俺の尻を擦って、先走りが付くとすぐに奥が疼く。
シリウスを忘れてなんかいない、俺は…また一緒にいたくて宝玉を探しに行ったんだ。
「泣くほど嫌なら、好きな男の事でも考えていろ……俺が殺しに行く前に会えるかもな」
シリウスに言われて、涙を流している自分に気付いた。
違う、シリウスが嫌なんじゃない…俺は俺が嫌なんだ。
シリウスの事好きだって思っていたのに、シリウスを偽物か本物か分からなくなっていた。
まだまだ修行不足だ、宝玉にそう言われたような気がした。
シリウスの指が尻の奥に触れて、撫でていた。
無理矢理突っ込めばいいのに、魔王のくせに…優しすぎるんだよ。
「シリウスは殺せない」
「…ソイツは俺より強いのか?」
「そうかもな」
「俺より強い人間がいるなら見てみたいものだな」
「じゃあ自分の鏡で見てこいよ」
さっきまで声が出なかったのに、スムーズに声が出る。
俺の想いが、喉を動かしたのかな…シリウスに伝えたい想いがあるんだ。
シリウスが俺の中に指を入れたまま、動きを止めていた。
こういう事を言うのって雰囲気が大事なんじゃないのか?
俺にそれを求めたって分かんねぇよ……好きになった奴が目の前の男なんだから一生俺は童貞だ。
今度は睨まず、シリウスをまっすぐ見つめた。
「俺はっ…お前にしか抱かれたくねぇよ!!」
「…っ」
「ごめん、さっきは…頭が混乱してた」
シリウスは俺が見たものを知らない、だから森であった話をした。
幻覚に惑わされて、シリウスの偽物がいた事全てを話した。
誤解が解けたとは思うがシリウスの眉は険しかった。
まだなにか気に入らない事でもあったのか?他に何があっただろうか。
考えていたら、突然シリウスが腰を進めてきて俺を貫いた。
疼いていた中は強い刺激に耐えられずイってしまった。
「あぁぁぁっっ!!!!」
「俺が分からなくなったら思い出せ、目の前にいるのが誰かを…」
シリウスに見つめられ、俺はシリウスという男を知った。
全身を支配する、俺の瞳に映る…ただ一人に許した体を暴かれる。
俺の全てはシリウスのもの、だから…俺はシリウスを奪う。
シリウスが俺を愛していないなら、シリウスが俺を惚れさせたように惚れさせればいい。
シリウスの瞳に俺しか映らないように、俺で満たしてやる。
足をシリウスの腰に絡めて、奥の奥にシリウスを導く。
唇を重ねて、シリウスは俺の口内までも性感帯にして犯していく。
俺も負けずにシリウスの舌を撫でたり吸ったりすると、中の動きが早くなる。
荒く吐き出された息が重なる、催淫効果だけじゃない…心がシリウスを求めている。
「好きだっ…シリウスッ…好きっ…」
「レイン…っ」
うわ言のように思っている事を口にすると、気が楽になっていく。
シリウスの言葉が聞きたい…俺はシリウスの言葉なら何を聞いても受け入れる。
シリウスは口を開いて、その時絶頂を迎えた。
俺の体は快楽に震えて、紐から解放された。
偽物だったら殴ろうと思っていた拳はシリウスの首に回して引き寄せる。
再び動き始めて、俺はシリウスの動きに合わせて腰を振った。
最後にシリウスが言った言葉は、前に聞いた言葉と同じだった。
あれは、俺の願望が生んだ幻聴ではなかったのか?
「レイン、愛してる……もう誰にも触れさせたりしない」
頬に冷たいものが触れて、あまりの冷たさに目を覚ました。
目の前に映ったのは何処かの部屋のようだった。
その部屋は見覚えがある。
シリウスが森で女の子を誘拐して陵辱した部屋だ!
俺はそこのベッドの上で転がされて寝ていた。
なんで俺がここにいるんだ?しかもベッドの足から紐が伸びて、俺の手首絡みついている。
足は自由だが、足だけ自由でも抜け出せない。
森にいて、俺はどうなったんだ?玄関をどうにかした記憶はない。
まさか、俺…偽物シリウスにとんでもない事されるんじゃ…
俺の服の中に手を入れていた事を思い出して顔を青ざめる。
早く逃げないと…銃は腰にあるか確認したが、さすがに武器は取り上げられていた。
最後にシリウスのにおいがしたと思ったが、幻だったかもしれない。
幻想に包まれていたから、何もかもが疑心暗鬼になる。
部屋のドアが開いて、偽物シリウスが入ってきた。
「おい!これ解け!」
「………」
「聞いてんのかよ!シリウスの格好しやがって」
「何の話だ」
とぼけている偽物シリウスは俺に近付いて腕を伸ばしてきたから顔を逸らした。
すぐに俺の顔の横に手を付いて、ベッドが少しだけ軋んだ。
ジッと俺を見つめるシリウス、偽物とはいえ本物と見間違うほどの美しい顔だ。
それに、今度はにおいまで似せてくるなんて卑怯な奴だ。
シリウスの宝玉だから出来る事なのかもしれない。
いや、本物が居ても不思議ではないが俺の目の前にいたのはシリウスの仮面を付けた偽物だ。
本物だったらいいのに、と思うのは俺の願望だ。
「俺の下であんなに乱れていたというのに、もう他の男に目移りしたのか?」
「お前なんか知らねぇよ、さっさとこれ外せ!」
手首を拘束している紐を動かして、シリウスを睨むと眉を寄せられた。
なんだ…これ…体が動かない…脳が理解する前に体が恐怖で震えている?
さっきはそんな事なかったのに、え…まさか…
シリウスは小さくため息を吐いて「そうか」とだけ言っていた。
いや、違う…俺は偽物だと思ってシリウスに酷い事を言ってしまった。
言う事全て言い訳になってしまうけど、ちゃんと伝えないと…
そう思うが、シリウスの力に震える体が声も出す事が出来なかった。
宝玉もある程度戻ってきた、これが本来の魔王の力。
人間なんて、触れなくても殺せるであろう強者。
ゲームのレインは宝玉がない状態のシリウスに買ったんだろうなという事は分かる。
こんなシリウスに、俺がどんなに鍛えても敵うわけがない。
瞳を覆っていた眼帯を外して、ベッドの下に落ちた、
シリウスに顎を掴まれて至近距離で見つめ合う。
「…あ、う…」
「レイン、お前に教えてやる…俺が誰かを」
シリウスの瞳の色が濃くなり、乱暴に唇を塞がれた。
シャツを首元まで上げられて、乳首を舐められて吸われる。
下も荒々しく脱がされて、太ももを舐められる。
軽く噛まれると、ビクッと引きつったように震える。
シリウスの瞳は怒りと悲しみに満ちていた…俺がそうさせたんだ。
シリウスのが俺の尻を擦って、先走りが付くとすぐに奥が疼く。
シリウスを忘れてなんかいない、俺は…また一緒にいたくて宝玉を探しに行ったんだ。
「泣くほど嫌なら、好きな男の事でも考えていろ……俺が殺しに行く前に会えるかもな」
シリウスに言われて、涙を流している自分に気付いた。
違う、シリウスが嫌なんじゃない…俺は俺が嫌なんだ。
シリウスの事好きだって思っていたのに、シリウスを偽物か本物か分からなくなっていた。
まだまだ修行不足だ、宝玉にそう言われたような気がした。
シリウスの指が尻の奥に触れて、撫でていた。
無理矢理突っ込めばいいのに、魔王のくせに…優しすぎるんだよ。
「シリウスは殺せない」
「…ソイツは俺より強いのか?」
「そうかもな」
「俺より強い人間がいるなら見てみたいものだな」
「じゃあ自分の鏡で見てこいよ」
さっきまで声が出なかったのに、スムーズに声が出る。
俺の想いが、喉を動かしたのかな…シリウスに伝えたい想いがあるんだ。
シリウスが俺の中に指を入れたまま、動きを止めていた。
こういう事を言うのって雰囲気が大事なんじゃないのか?
俺にそれを求めたって分かんねぇよ……好きになった奴が目の前の男なんだから一生俺は童貞だ。
今度は睨まず、シリウスをまっすぐ見つめた。
「俺はっ…お前にしか抱かれたくねぇよ!!」
「…っ」
「ごめん、さっきは…頭が混乱してた」
シリウスは俺が見たものを知らない、だから森であった話をした。
幻覚に惑わされて、シリウスの偽物がいた事全てを話した。
誤解が解けたとは思うがシリウスの眉は険しかった。
まだなにか気に入らない事でもあったのか?他に何があっただろうか。
考えていたら、突然シリウスが腰を進めてきて俺を貫いた。
疼いていた中は強い刺激に耐えられずイってしまった。
「あぁぁぁっっ!!!!」
「俺が分からなくなったら思い出せ、目の前にいるのが誰かを…」
シリウスに見つめられ、俺はシリウスという男を知った。
全身を支配する、俺の瞳に映る…ただ一人に許した体を暴かれる。
俺の全てはシリウスのもの、だから…俺はシリウスを奪う。
シリウスが俺を愛していないなら、シリウスが俺を惚れさせたように惚れさせればいい。
シリウスの瞳に俺しか映らないように、俺で満たしてやる。
足をシリウスの腰に絡めて、奥の奥にシリウスを導く。
唇を重ねて、シリウスは俺の口内までも性感帯にして犯していく。
俺も負けずにシリウスの舌を撫でたり吸ったりすると、中の動きが早くなる。
荒く吐き出された息が重なる、催淫効果だけじゃない…心がシリウスを求めている。
「好きだっ…シリウスッ…好きっ…」
「レイン…っ」
うわ言のように思っている事を口にすると、気が楽になっていく。
シリウスの言葉が聞きたい…俺はシリウスの言葉なら何を聞いても受け入れる。
シリウスは口を開いて、その時絶頂を迎えた。
俺の体は快楽に震えて、紐から解放された。
偽物だったら殴ろうと思っていた拳はシリウスの首に回して引き寄せる。
再び動き始めて、俺はシリウスの動きに合わせて腰を振った。
最後にシリウスが言った言葉は、前に聞いた言葉と同じだった。
あれは、俺の願望が生んだ幻聴ではなかったのか?
「レイン、愛してる……もう誰にも触れさせたりしない」
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