エロゲー主人公に転生したのに悪役若様に求愛されております

雪平@冷淡騎士2nd連載中

文字の大きさ
上 下
23 / 82

性欲抑制効果

しおりを挟む
「えーっと、カウ?」

「レイン、そんなに…」

「いや、これは違くて…誤解なんだよ!」

どうしよう、どうしたものか…全然誤魔化しが思いつかない。
その間に、ジリジリと何故かカウが近付いてくる。

カウって童貞っぽいし、もしかしたら性に関して無知かもしれない。
だとしたら中出しとか分からないという可能性がある。
期待を込めてカウを見ると、カウははぁはぁ息を荒くしていた。

何を見てそんなに辛そうにしてるんだ?風邪か?

「ぼ、僕…もう我慢出来ない!!」

「は?なに……いってぇぇぇ!!!!!」

「あ、ごめん」

突然カウがベッドの上に飛び込んできて、俺は絶叫を上げた。

全身が使い物にならない俺にとって、カウの重さは死ぬかもしれない。
あまりの痛さに痛がる俺にカウは軽く謝っていた。
……元気になったら覚えておけよ。

カウは看病すると頑なだったが、一人になりたくて追い出した。
さすが都合の悪い事はすぐ忘れると有名なカウだ……俺の銃を隠し持っていた事をすぐに忘れてやがる。
本人が「返すつもりがあった」と昨日言っていたから、それ以上何も言えない…銃は返ってきたし…

今度はちゃんと肌身離さず持っていようと思った。

それよりも問題は俺のこの状態をカウに見られた事だ。
自慰はしていなかったのは不幸中の幸いだった。
しかし、カウはにやけ顔をして俺を見ていた…まさかこれで金品を要求するんじゃ…

カウがなにかを要求する前に俺はカウに提案した。

ずっとしつこいくらい言われていたし、カウは文句ないだろう。
…俺的にはかなり問題があるが、仕方ない。

俺はカウを弟子にする事になった。

カウは厳しい事に耐えられない自分に甘い性格だ、だから俺がスパルタで教えれば必ず賞金首ハンターをやめるだろう。
口止めにもなるし、いつも通り自由に暮らせないのは不満だが…カウが諦めるまでの少しの辛抱だ。

今日は一日中寝て、全回復したらいつも通りの日常に戻るだろう…俺の武器も戻ってきたし…

カウは凄い、カウを見てるとどんなに高鳴っている性欲でも一瞬で消える。
俺の妄想のシリウスに唯一勝てる男だな。
誰でも性格でシリウスと少しでも似ている事があったらすぐにシリウスに変わってしまう。

きっとシリウスとカウでは、似てるところなんて欠片もないのかもしれない。

カウのおかげ?でぐっすり眠る事が出来そうだ。

もし、魔界に行ってたら本物のシリウスがいて俺は耐えられなかっただろう。
そして、またシリウスに犯されていたかもしれない。

せっかく忘れかけていたのにまた思い出してしまい、必死にカウの顔を思い出す。

しまった!カウの顔が思い出せない!これじゃあ振り出しに戻ってしまう!

カウが特徴なさすぎる顔で、俺はカウで性欲を抑える事に失敗した。






※シリウスの話

死んだように眠るレインを見つめて、後始末をする。

掃除はいつも周りの奴らが勝手にやっていたから、自分でするのは初めてかもしれない。
こんな姿を見たら、レオナルドだったら倒れるだろう。

目の前のこの人間を大切にしたい、俺の心の中でそんな人間のような気持ちが芽生えていた。
抱いた相手の寝顔になんて全く興味はなかったと、レインの頭を撫でる。

この気持ちが何なのか分からないが、不思議と嫌な気分ではない。

水を手頃な容器に入れて魔法で温める。
レインの部屋にあった布を手にして、湯に浸す。
水分を含んだ布を絞り、眠るレインの体を拭った。

どんなに強かろうが、俺から見たら脆い人間に変わりはない。

指先までも拭い、新しい服を着せた。

そういえば、レインの家の窓の前に覗いていた男がいたな。
レインの家に結界を張って見えなくしたが、レインの家の前にいた男だったな……あれはいったい何だったんだ?

まぁそれはいい、レインが目覚めるまで傍にいる事にした。

無理をさせたレインをほっておくわけにはいかない。

そう思っていたが、俺を呼ぶ声が聞こえた。
結界の外からだ、俺の結界で中に入れないのだろう。
人間で俺の名を知っているのはレインだけだ、だとしたら魔物くらいか。

結界を解くと、目玉に羽根を付けた魔物がやってきた。
デビルアイという魔物で、俺と遠くにいる他の魔物達との連絡用に使っている。

「どうした?」

『実は宝玉ほうぎょくが盗まれまして』

眉を寄せて、デビルアイの方を見ると怯えていた。
別にデビルアイを睨んだわけではないが、自然と怒りが湧いてくる。

俺の殺気は人間にとって害にしかならない、仕方なくレインから離れる事にした。

宝玉に関して、すぐに他の奴らにも知らせる必要があるからだ。

魔界には五つの宝玉があり、俺の力を吸って大きくなっている。
その名の通りいろんな魔物に影響を与えるものだ。

それが盗まれたとしたら、とんでもない事になる。
あれは俺の力のごく一部だが宿っている、もし人間に悪用されたらずっと保っていた人間の世界と魔界の境界線が崩れる。
魔物に影響を与えるが、宝玉を盗む魔物はいない…魔物が俺の力を得られるわけではないからだ。

人間……やはり欲深い愚かな存在だ、宝玉を盗むという意味を分かっていない。
全ての魔物に狙われ、宝玉に呑まれる…人間が容易く扱えるものではない。

魔界に繋げてワープすると、城の前に到着した。

既にS級の魔物達が俺の帰りを待っていた。

宝玉を守っていたエリアの奴らから話を聞きながら中に入る。

人間との戦争を避けるために、宝玉を取り戻さなくてはいけない……必ず…….
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜

車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第二の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中

risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。 任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。 快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。 アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——? 24000字程度の短編です。 ※BL(ボーイズラブ)作品です。 この作品は小説家になろうさんでも公開します。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る

竜鳴躍
BL
異性間でも子どもが産まれにくくなった世界。 子どもは魔法の力を借りて同性間でも産めるようになったため、性別に関係なく結婚するようになった世界。 ファーマ王国のアレン=ファーメット公爵令息は、白銀に近い髪に真っ赤な瞳、真っ白な肌を持つ。 神秘的で美しい姿に王子に見初められた彼は公爵家の長男でありながら唯一の王子の婚約者に選ばれてしまった。どこに行くにも欠かせない大きな日傘。日に焼けると爛れてしまいかねない皮膚。 公爵家は両親とも黒髪黒目であるが、彼一人が色が違う。 それは彼が全てアルビノだったからなのに、成長した教養のない王子は、アレンを魔女扱いした上、聖女らしき男爵令嬢に現を抜かして婚約破棄の上スラム街に追放してしまう。 だが、王子は知らない。 アレンにも王位継承権があることを。 従者を一人連れてスラムに行ったアレンは、イケメンでスパダリな従者に溺愛されながらスラムを改革していって……!? *誤字報告ありがとうございます! *カエサル=プレート 修正しました。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

処理中です...