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事後
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ーーー
カラスがうるさいくらい鳴いている、普通は鳥の囀りかなにかじゃないのか?
体がダルい、起きるのも面倒くさい。
カラスが窓に向かってくちばしをコンコンと叩く音がする。
……朝くらいちょっとは寝かせてくれ…ん?朝のわりには部屋が薄暗いように…
誰かが窓を開けたのか、バサバサと鳥の羽根の音が聞こえた。
「人間!人間!食う!食う!」
カラスが言葉を喋ってる、オウムじゃないのに喋れるんだな。
……なんて呑気に思っていたが「人間」というワードに反応して思いっきり起き上がった。
腰が痛くて、すぐにベッドに沈んだ。
凄いふかふかのベッドだ、俺の家にある硬いベッドとは随分違うな。
ここは何処なのか、一瞬記憶を忘れるが窓に立つ男を見てすぐに分かった。
ここは決して人間が立ち寄ってはいけない魔界。
そして、人間を狩る魔物を束ねる男が住む魔王城。
そして、目の前にいる人物は俺の方を振り返った。
まさか、そんな……俺のトラウマが蘇ってくる。
「ぎゃあぁぁぁ!!!!!」
目の前にいる銀髪の無駄なイケメンである魔王を見て、腰の痛みも合わさり絶叫した。
魔王は眼帯をしていない状態だったが、片目を隠したらゲームの悪役魔王と瓜二つになる。
そしてここは魔王城…魔王に双子設定がなければこいつは間違いなく魔王だ。
そして、赤と青の瞳……俺を犯した男が魔王だという事も間違いないだろう。
なんで主人公である俺が魔王に抱かれてんだよ!可笑しいだろ!!
やれやれといったため息を吐かれて、ちょっとイラッとした。
とりあえず魔王だって分かったらさらに俺の身が危ない。
エロい事ではなく、命の方だ…今まで無事だったのが奇跡のようだ。
「なっ、なななんで俺にあんな事したんだ!」
「あんな事?」
「だから…その、い、いろいろしただろ!!」
「いろいろ?」
コイツ、俺から言わせる気か?…なんか言葉にすると敗北感を味わうから俺も言わない。
とりあえず自分の姿を見て、逃げるにはまずは服が必要だなと思った。
全裸で、見えるところでにびっしりと赤い点が肌に付いていた。
一瞬だけ虫刺されか?と思ったが、キスマークなのだと分かった。
キスマークの量がえげつないんだが……
周りを見渡しても俺の服が見当たらない、脱ぎっぱなしだと思ったけど…
「あのさ、俺の服は?」
「必要か?」
「当たり前だろ!」
魔王って、こんな天然キャラだったっけ?
ゲームでの魔王は主人公からヒロインを寝取る男というイメージしかない。
あれ?この場合、俺が寝取られたのか?なんでだ…
あー…喉が痛い…早く帰りたい…家が恋しい。
とりあえず服がないから、シーツを体に巻いた。
もう一度魔王に「服下さい」と言うと、魔王は用意してくれた。
俺の服ではない、魔王の服か…なんか複雑だが全裸は嫌だから服を着る。
普通のシャツとズボンと下着だったから魔王の服だと意識しなければいい。
魔王の持ってる魔王軍の服だったらどうしようかと密かに思っていたが、そんな事はなかった。
あんなの着てたら魔王軍って勘違いされるからな。
着替えていると、魔王は何処かを見つめていた。
そこにあるのはドアで、俺もなにがあるんだとドアを見つめた。
なんかドドドッと地面が揺れそうなほどの音が聞こえる。
なんだ、いったいなにが迫って来ているんだ?
痛い腰を我慢して、ズボンを穿いて前を閉めようと思ったら思いっきりドアが開いた。
その突風で転けて腰を打ち、痛みで体が動かなかった。
「若様!いったいどうなされたのですか!!」
「なにがだ」
「叫び声が聞こえましたが!?」
誰かが大きな足音を立てて魔王の傍にやって来た。
あれは確か魔王軍の鬼将軍と呼ばれている敵だ。
強そうな奴が来たなとゲームをやっている側で思っていたが、実際にみるとこんなに迫力があるのか。
ヤバい、魔王は未知だがコイツに会ったら絶対に殺される!見た目でもう分かる!
ベッドの下に隠れようとして、モゾモゾと動いていたら目の前が明るくなった。
可笑しいな…目の前にベッドがあった筈なのにベッドが消えたぞ?
明るくなったと思ったら、急に影が現れて薄暗くなった。
「貴様、若様の部屋で何をしている」
「ひぃっ!!」
恐る恐る上を見上げると、血管が浮き出た顔で俺を睨みつけている鬼将軍がいた。
片手でキングサイズのベッドを持てるなんて、かなりの怪力だ。
俺なんて、その大きな手で一捻りで殺せるだろう。
腰の痛みが吹き飛ぶほどの条件反射で部屋の隅に逃げる。
大きな音を立ててベッドを下ろしたら、腰に下げていた俺の170cmくらいありそうな大剣を引き抜いた。
魔王に強気に殺せなんて言ったが、やっぱり死にたくない!!
「レオナルド、剣を下ろせ」
「…し、しかし若様」
「もう一度言わせる気か?」
魔王の言葉は人を支配する言葉だ、鬼将軍だけではなく俺も固まって体が動かなくなる。
俺がこうなら言われた本人である鬼将軍はかなり効果があるのだろう剣を鞘に戻した。
良かった……まさか、魔王に助けられるとは思ってもみなかった。
魔王を見ると、目線が合った…二つの瞳に見つめられて腹の奥がずくっと変な感じがした。
ずっとあの瞳で見られていたから思い出したのか?思い出すな、俺!
鬼将軍は俺を見て、睨んでいた…魔王に言われたから殺さないが納得していない顔だ。
そりゃあそうだ、人間の敵である魔王が人間を助けるなんて変な話だ。
「若様、この下品な悪魔はなんなんですか!?下着姿で若様の部屋にいて」
「俺も分からない、突然部屋に入ってきたからな」
「なんと恐れ多い…やはり始末した方が」
また大剣を抜こうとするから俺があたふたしていると、魔王に止められていた。
さっき前を閉めてなかったからズボンが膝まで下がっていた…確かにこれは変質者だ。
カラスがうるさいくらい鳴いている、普通は鳥の囀りかなにかじゃないのか?
体がダルい、起きるのも面倒くさい。
カラスが窓に向かってくちばしをコンコンと叩く音がする。
……朝くらいちょっとは寝かせてくれ…ん?朝のわりには部屋が薄暗いように…
誰かが窓を開けたのか、バサバサと鳥の羽根の音が聞こえた。
「人間!人間!食う!食う!」
カラスが言葉を喋ってる、オウムじゃないのに喋れるんだな。
……なんて呑気に思っていたが「人間」というワードに反応して思いっきり起き上がった。
腰が痛くて、すぐにベッドに沈んだ。
凄いふかふかのベッドだ、俺の家にある硬いベッドとは随分違うな。
ここは何処なのか、一瞬記憶を忘れるが窓に立つ男を見てすぐに分かった。
ここは決して人間が立ち寄ってはいけない魔界。
そして、人間を狩る魔物を束ねる男が住む魔王城。
そして、目の前にいる人物は俺の方を振り返った。
まさか、そんな……俺のトラウマが蘇ってくる。
「ぎゃあぁぁぁ!!!!!」
目の前にいる銀髪の無駄なイケメンである魔王を見て、腰の痛みも合わさり絶叫した。
魔王は眼帯をしていない状態だったが、片目を隠したらゲームの悪役魔王と瓜二つになる。
そしてここは魔王城…魔王に双子設定がなければこいつは間違いなく魔王だ。
そして、赤と青の瞳……俺を犯した男が魔王だという事も間違いないだろう。
なんで主人公である俺が魔王に抱かれてんだよ!可笑しいだろ!!
やれやれといったため息を吐かれて、ちょっとイラッとした。
とりあえず魔王だって分かったらさらに俺の身が危ない。
エロい事ではなく、命の方だ…今まで無事だったのが奇跡のようだ。
「なっ、なななんで俺にあんな事したんだ!」
「あんな事?」
「だから…その、い、いろいろしただろ!!」
「いろいろ?」
コイツ、俺から言わせる気か?…なんか言葉にすると敗北感を味わうから俺も言わない。
とりあえず自分の姿を見て、逃げるにはまずは服が必要だなと思った。
全裸で、見えるところでにびっしりと赤い点が肌に付いていた。
一瞬だけ虫刺されか?と思ったが、キスマークなのだと分かった。
キスマークの量がえげつないんだが……
周りを見渡しても俺の服が見当たらない、脱ぎっぱなしだと思ったけど…
「あのさ、俺の服は?」
「必要か?」
「当たり前だろ!」
魔王って、こんな天然キャラだったっけ?
ゲームでの魔王は主人公からヒロインを寝取る男というイメージしかない。
あれ?この場合、俺が寝取られたのか?なんでだ…
あー…喉が痛い…早く帰りたい…家が恋しい。
とりあえず服がないから、シーツを体に巻いた。
もう一度魔王に「服下さい」と言うと、魔王は用意してくれた。
俺の服ではない、魔王の服か…なんか複雑だが全裸は嫌だから服を着る。
普通のシャツとズボンと下着だったから魔王の服だと意識しなければいい。
魔王の持ってる魔王軍の服だったらどうしようかと密かに思っていたが、そんな事はなかった。
あんなの着てたら魔王軍って勘違いされるからな。
着替えていると、魔王は何処かを見つめていた。
そこにあるのはドアで、俺もなにがあるんだとドアを見つめた。
なんかドドドッと地面が揺れそうなほどの音が聞こえる。
なんだ、いったいなにが迫って来ているんだ?
痛い腰を我慢して、ズボンを穿いて前を閉めようと思ったら思いっきりドアが開いた。
その突風で転けて腰を打ち、痛みで体が動かなかった。
「若様!いったいどうなされたのですか!!」
「なにがだ」
「叫び声が聞こえましたが!?」
誰かが大きな足音を立てて魔王の傍にやって来た。
あれは確か魔王軍の鬼将軍と呼ばれている敵だ。
強そうな奴が来たなとゲームをやっている側で思っていたが、実際にみるとこんなに迫力があるのか。
ヤバい、魔王は未知だがコイツに会ったら絶対に殺される!見た目でもう分かる!
ベッドの下に隠れようとして、モゾモゾと動いていたら目の前が明るくなった。
可笑しいな…目の前にベッドがあった筈なのにベッドが消えたぞ?
明るくなったと思ったら、急に影が現れて薄暗くなった。
「貴様、若様の部屋で何をしている」
「ひぃっ!!」
恐る恐る上を見上げると、血管が浮き出た顔で俺を睨みつけている鬼将軍がいた。
片手でキングサイズのベッドを持てるなんて、かなりの怪力だ。
俺なんて、その大きな手で一捻りで殺せるだろう。
腰の痛みが吹き飛ぶほどの条件反射で部屋の隅に逃げる。
大きな音を立ててベッドを下ろしたら、腰に下げていた俺の170cmくらいありそうな大剣を引き抜いた。
魔王に強気に殺せなんて言ったが、やっぱり死にたくない!!
「レオナルド、剣を下ろせ」
「…し、しかし若様」
「もう一度言わせる気か?」
魔王の言葉は人を支配する言葉だ、鬼将軍だけではなく俺も固まって体が動かなくなる。
俺がこうなら言われた本人である鬼将軍はかなり効果があるのだろう剣を鞘に戻した。
良かった……まさか、魔王に助けられるとは思ってもみなかった。
魔王を見ると、目線が合った…二つの瞳に見つめられて腹の奥がずくっと変な感じがした。
ずっとあの瞳で見られていたから思い出したのか?思い出すな、俺!
鬼将軍は俺を見て、睨んでいた…魔王に言われたから殺さないが納得していない顔だ。
そりゃあそうだ、人間の敵である魔王が人間を助けるなんて変な話だ。
「若様、この下品な悪魔はなんなんですか!?下着姿で若様の部屋にいて」
「俺も分からない、突然部屋に入ってきたからな」
「なんと恐れ多い…やはり始末した方が」
また大剣を抜こうとするから俺があたふたしていると、魔王に止められていた。
さっき前を閉めてなかったからズボンが膝まで下がっていた…確かにこれは変質者だ。
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