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第13話
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※※※ ※※※
時間は少し戻り、アパッチへ向かう為、浩太と達也が二階へのエスカレーターを登りきろうとしているとき、戦車から真一が顔を出して辺りを見回した。
死者の団体は、ショッパーズモールのエントランスから外へと流れだし、遥か上空にいるアパッチを崇めるように揃って見上げているようだ。車内に残る真一へ指のみで合図を送り、ハッチの上へ立つ。今回は、まず、祐介と真一が一階の工具店でドライバーを入手してから、戦車に残る阿里沙と加奈子と合流する手筈となった。
「祐介、良いぜ」
「じゃあ、行ってくる」
ハッチを閉めきるまで、二人に憂慮を携えた眼差しで見送られ、祐介は頭が痺れたみたいな感覚を覚えた。これは、恐らく、鬼胎からくるものだろうと考えかぶりを振った。
その様を横目で見ていた真一は、首を傾ける。
「どうした?」
「......いえ、大丈夫です」
工具店は、一階レストランホールの真向かいに位置する場所にある。そこに到達する為には、ショッパーズモールの中心部にあたる中央ホールを抜ける必要があった。つまり、エントランスホールを出て、真っ直ぐに進んでいかなくてはならない。戦車の砲撃により、崩れた連絡通路のお陰で積み重なった瓦礫に姿を隠せるとはいえ、大量の死者が蠢きながら上空へ両腕を伸ばし続ける真横を通らなくては到着することは出来ない。
きっ、と真一はレストランホールへの入り口を睨みつけ、ナイフを握る。
「......まさか、日常的に使ってたドライバーで車を動かす日がくるとは思わなかったぜ」
「それに、これほどドライバーが必要になる日がくるとも思ってなかったでしょう?」
その返しに、真一は頬を緩ませて微笑した。
達也が残された車を一台だけ駐車場で発見したと言ったときには、耳を疑ってしまったが、すぐに問題が浮上する。鍵はどこにあるのか、という点だ。当然、そこにたどり着くことになり、やはり、鍵を見付けることは不可能だという結論に達する。全員が打開策を懊悩して導こうとしている中、真っ先に手を挙げたのが祐介だった。
「とんでもない悪餓鬼だぜ......ドライバーで車を盗んでたとはな」
「けど、彰一がいたからこそ、こうやって打開策があるんですよ真一さん」
わかってるぜ、と口先で呟き、俯いた真一は唇を噛んでいた。
達也と別れ、祐介達と出会ってすぐにホテルへ身を隠した際、真一の落ち着きを取り戻したのは彰一だった。あのときがあるから、今も真一は生きていられている。
そんな彰一が死んだと訊いた時、真一は自身の胸に大きく穿ったような穴が空いたのを確かに感じた。
いや、それはきっと、浩太も同じた。肉体に、ぽっかりと大きな欠損ができたと思ったことだろう。
異常というものは、皮肉なことに、日常では繋がれない者同士を短期間で強く結びつけてしまう。
時間は少し戻り、アパッチへ向かう為、浩太と達也が二階へのエスカレーターを登りきろうとしているとき、戦車から真一が顔を出して辺りを見回した。
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