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二度あることは三度ある 「改」
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ミリアは、本来の目的を思い出したのか、掲示板に貼られた依頼書を物色しだす。
「ちょっとまて! なんなんだあいつら! おい、お前! そこの金髪ロリ! あいつらお前の仲間か!」
アスハは、痛む頭をさすりながら、ミリアに詰め寄る。
「近寄るな。気持ち悪い。あいつらって誰だ? というか誰がロリだ。刻むぞ?」
「俺を縛って吊し上げた奴らだよ! そして、お前は正真正銘ロリだ」
その時、背後からまた声がした。
「私達のことは内密に。それ以上喋れば、貴方の首は体にさよならを言うことになります」
「お前ら、なんなんだ」
アスハのその呟きに、その声は一言だけ答えた。
「私達は、影です」
それだけ言うと、影はまた気配を消す。
「愚民。まだ、私の恐ろしさがわかっていないようだな。どうやら、私の真の力を見せる必要がありそうだ」
「真の力だと?」
ミリアは、二本の剣を抜くと、アスハに向ける。
「さぁ、かかってくるがいい。私にはもう見えているがな。貴様が吊るされて許しをこう情けない姿が!」
アスハの思考が過熱する。奴の真の力とやらは気になるがさっきの動きを見るに、全く負ける気がしない。しかし、こいつを倒してしまうとあの影とかいう奴らが現れる。姿が全く見えないし、何故かいつのまにか昏倒させられていた。そして、多分二度目はない。ならば手は一つ。
「逃げよう」
「なに⁉︎」
一瞬で背中を向けて走りだすアスハ。
「逃すか‼︎」
それを追うミリア。しかし、その足元には、先程切られた縄が放置されていた。
ミリアは、縄に足をとられて転び、頭を強打する。
走るアスハ。入り口まで残り一メートル。その時、首筋に衝撃が走る。
「なん・・・・・・だと」
アスハの意識はまた失われた。
次に目を覚ましたアスハの目の前にあったのは、先程と同じく仁王立ちするミリアの姿だった。
「なにこれ、デジャブ?」
「どうやら、私の言った通りになったようだな? 愚民?」
アスハは、薄い胸を張るミリアを何かを諦めたような目で見る。
「おかしい。今回は逃げたはずなのに何故こうなった」
「私の真の力の片鱗を貴様は見たのだ。恐ろしかろう。わかるぞ? 私自身、自分の力が時折恐ろしくなるからな。なにせ、ちょっとシエスタしている間に相手を宙吊りにしてしまうのだからな。まぁ、さすがは私と言ったところか」
ミリアは得意気に語る。
「俺は、何もしてないのに勝手に気絶したお前の貧弱さが怖い」
そのせいで、何故かまた宙吊りにされている。
「ふん。そんな口を聞けるのも今のうちだぞ? 貴様は今から、私のこの愛刀エクスカリバーとダインスレイブの錆になるのだからな」
なんで聖剣と呪剣の有名どころ両方持ってんだよ。両方片刃だし、形同じだし、絶対嘘だろ。
「愛称です。ミリア様は英雄譚を好まれますので」
耳元でまた声が聞こえた。
「おい、今回のは理不尽だと思うんですけど⁉︎ あいつ勝手に気を失っただけじゃないか‼︎」
「残念ながら、原因を作ったのは貴方なので不可抗力です。諦めてください。人生を」
諦められるか。せっかく異世界生活が始まるって時にこんなよくわからん奴らに絡まれたせいで人生終了なんて嫌すぎる。
「じゃあな、愚民? 切り裂け! ダインスレイブ‼︎」
そう言うと、ミリアは左手に持った片手剣を振りかぶり助走をつけてアスハに斬りかかる。
そして、その途中にあった少し盛り上がった床板の段差に足を取られて、顔面を強打し動かなくなる。
「なぁ、この場合はどうなんの?」
「さすがミリア様! 期待を裏切らないポンコツぶりです!」
影の歓喜したような声が印象的だった。
「ちょっとまて! なんなんだあいつら! おい、お前! そこの金髪ロリ! あいつらお前の仲間か!」
アスハは、痛む頭をさすりながら、ミリアに詰め寄る。
「近寄るな。気持ち悪い。あいつらって誰だ? というか誰がロリだ。刻むぞ?」
「俺を縛って吊し上げた奴らだよ! そして、お前は正真正銘ロリだ」
その時、背後からまた声がした。
「私達のことは内密に。それ以上喋れば、貴方の首は体にさよならを言うことになります」
「お前ら、なんなんだ」
アスハのその呟きに、その声は一言だけ答えた。
「私達は、影です」
それだけ言うと、影はまた気配を消す。
「愚民。まだ、私の恐ろしさがわかっていないようだな。どうやら、私の真の力を見せる必要がありそうだ」
「真の力だと?」
ミリアは、二本の剣を抜くと、アスハに向ける。
「さぁ、かかってくるがいい。私にはもう見えているがな。貴様が吊るされて許しをこう情けない姿が!」
アスハの思考が過熱する。奴の真の力とやらは気になるがさっきの動きを見るに、全く負ける気がしない。しかし、こいつを倒してしまうとあの影とかいう奴らが現れる。姿が全く見えないし、何故かいつのまにか昏倒させられていた。そして、多分二度目はない。ならば手は一つ。
「逃げよう」
「なに⁉︎」
一瞬で背中を向けて走りだすアスハ。
「逃すか‼︎」
それを追うミリア。しかし、その足元には、先程切られた縄が放置されていた。
ミリアは、縄に足をとられて転び、頭を強打する。
走るアスハ。入り口まで残り一メートル。その時、首筋に衝撃が走る。
「なん・・・・・・だと」
アスハの意識はまた失われた。
次に目を覚ましたアスハの目の前にあったのは、先程と同じく仁王立ちするミリアの姿だった。
「なにこれ、デジャブ?」
「どうやら、私の言った通りになったようだな? 愚民?」
アスハは、薄い胸を張るミリアを何かを諦めたような目で見る。
「おかしい。今回は逃げたはずなのに何故こうなった」
「私の真の力の片鱗を貴様は見たのだ。恐ろしかろう。わかるぞ? 私自身、自分の力が時折恐ろしくなるからな。なにせ、ちょっとシエスタしている間に相手を宙吊りにしてしまうのだからな。まぁ、さすがは私と言ったところか」
ミリアは得意気に語る。
「俺は、何もしてないのに勝手に気絶したお前の貧弱さが怖い」
そのせいで、何故かまた宙吊りにされている。
「ふん。そんな口を聞けるのも今のうちだぞ? 貴様は今から、私のこの愛刀エクスカリバーとダインスレイブの錆になるのだからな」
なんで聖剣と呪剣の有名どころ両方持ってんだよ。両方片刃だし、形同じだし、絶対嘘だろ。
「愛称です。ミリア様は英雄譚を好まれますので」
耳元でまた声が聞こえた。
「おい、今回のは理不尽だと思うんですけど⁉︎ あいつ勝手に気を失っただけじゃないか‼︎」
「残念ながら、原因を作ったのは貴方なので不可抗力です。諦めてください。人生を」
諦められるか。せっかく異世界生活が始まるって時にこんなよくわからん奴らに絡まれたせいで人生終了なんて嫌すぎる。
「じゃあな、愚民? 切り裂け! ダインスレイブ‼︎」
そう言うと、ミリアは左手に持った片手剣を振りかぶり助走をつけてアスハに斬りかかる。
そして、その途中にあった少し盛り上がった床板の段差に足を取られて、顔面を強打し動かなくなる。
「なぁ、この場合はどうなんの?」
「さすがミリア様! 期待を裏切らないポンコツぶりです!」
影の歓喜したような声が印象的だった。
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