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どんぐりの背比べ 「改」

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 少女に聞いた話では、何かに躓いて、転んだと思ったらそこには竜車の馬が落として行ったフンが放置されており、そこに思いっきり飛び込んでしまったという事であった。

「竜いるんだ・・・・・・」

 アスハの呟きに少女は身体の水気を切りながら答える。

「そりゃあ竜ぐらいいますよ? 荷物の運搬や長距離の移動には欠かせないですからね。見たことないんですか?」

「あぁ、まぁ地方から来たからな」

 取りあえず、適当にお茶を濁す。

「まぁ、あれだよ、お互い運がついたと思って前向きにいこうぜ」

「一緒にしないでください。貴方は、家畜のフン。私は竜のフンです。この差は、大きいですよ?」

 励まそうとした相手に対してこの仕打ちである。
 何なの? 譲れない主張? 子供なの?

「同じウ○コじゃん」

「全く違います。竜のフンはなんか崇高な感じがしますが、家畜のフンは汚らしいだけです」

 シッシッとアスハに手でジェスチャーする少女。

「だがウ○コである」

「ウ○コウ○コうるさいです‼︎ 子供ですか貴方は‼︎」

 子供に子供扱いされるとは。

「全く! 不愉快です! ホントにこの街は! そこらにう○こ落ちてるし冒険者はふがいないし! おまけにう○こまみれの人間はいるし!」

 おっと、盛大なブーメラン。

「もう帰ります! ばーかばーか! う○こヤロウ‼︎」

 そう言い残すと少女は、服も乾かぬ内にどこぞへと走り去ってしまった。

「また名前、聞くの忘れたな・・・・・・」



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