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狼心狗肺の報
80. 悲報
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セイファー歴 756年 10月11日
段々と風が冷たくなり秋の装いが深まってきたころ、バルタザーク隊は無事にダリルフェルド隊と合流していた。そして、合流してすぐにダナからこき使われるハメに。
「ほら! ぼさっとしないで穴を掘る! 少しでも盛り土して高さを取らないといけないんでしょ? 頑張んないと屋根のある場所で眠れないんだからね!!」
懸命に空堀を掘らせる。ダナはその間に木の板を組み合わせて壁を作るようだ。土台が出来たときに簡単に小屋を作れるよう、準備しているのだ。
「それにしても、本当に燃えたんだなぁ」
バルタザークがアルマナの方を見て呟く。以前訪れたときの美しい街並みは無く、全てが漆黒の黒灰に占拠されていた。
「領土を広げるなら今がチャンスだろ」
「そうなんだろうが、それを維持する兵が居ない。身の丈に合った土地じゃないと身を亡ぼすぞ」
なんだかんだ言い合いながらも汗水垂らして、いつも通りの作業に精を出すバルタザークたちであった。
「リベルト様はいらっしゃいますか!?」
ヴェルグがリベルトが滞在しているサーヤラ村へと駆け込む。しかし、残念ながらお目当ての人物は荷物などを取りに砦の方へと戻っている最中であった。
「急ぎの用かね?」
リベルトの代わりにラドリクが対応する。ヴェルグはこの際、誰でも良いから伝えねばと考えていた。ラドリクは歳もいっており領主の風格も備わっている。彼なら大丈夫だとウェルグは判断したのである。
「アルマナが炎に包まれました。おそらく落城したものと思われます」
「なんと!? ゲルブム様の安否は?」
「依然わからず。恐らくは……」
そこでウェルグは言葉を切る。そして目を伏せると立ち上がって悲しげな表情を維持したままサーヤラ村を後にした。ウェルグはこういった小細工が上手いのだ。
残されたラドリクは急いで村の防衛を固めることにした。次に狙うのはこの村かヤナサワ村、もしくはモルツ村だろう。いや、下手をすると後ろ二つの村は既に落ちているかもしれない。
ラドリクはアルマナからの避難民を受け入れつつリベルトの帰りを今や遅しと待つことにしたのだった。
段々と風が冷たくなり秋の装いが深まってきたころ、バルタザーク隊は無事にダリルフェルド隊と合流していた。そして、合流してすぐにダナからこき使われるハメに。
「ほら! ぼさっとしないで穴を掘る! 少しでも盛り土して高さを取らないといけないんでしょ? 頑張んないと屋根のある場所で眠れないんだからね!!」
懸命に空堀を掘らせる。ダナはその間に木の板を組み合わせて壁を作るようだ。土台が出来たときに簡単に小屋を作れるよう、準備しているのだ。
「それにしても、本当に燃えたんだなぁ」
バルタザークがアルマナの方を見て呟く。以前訪れたときの美しい街並みは無く、全てが漆黒の黒灰に占拠されていた。
「領土を広げるなら今がチャンスだろ」
「そうなんだろうが、それを維持する兵が居ない。身の丈に合った土地じゃないと身を亡ぼすぞ」
なんだかんだ言い合いながらも汗水垂らして、いつも通りの作業に精を出すバルタザークたちであった。
「リベルト様はいらっしゃいますか!?」
ヴェルグがリベルトが滞在しているサーヤラ村へと駆け込む。しかし、残念ながらお目当ての人物は荷物などを取りに砦の方へと戻っている最中であった。
「急ぎの用かね?」
リベルトの代わりにラドリクが対応する。ヴェルグはこの際、誰でも良いから伝えねばと考えていた。ラドリクは歳もいっており領主の風格も備わっている。彼なら大丈夫だとウェルグは判断したのである。
「アルマナが炎に包まれました。おそらく落城したものと思われます」
「なんと!? ゲルブム様の安否は?」
「依然わからず。恐らくは……」
そこでウェルグは言葉を切る。そして目を伏せると立ち上がって悲しげな表情を維持したままサーヤラ村を後にした。ウェルグはこういった小細工が上手いのだ。
残されたラドリクは急いで村の防衛を固めることにした。次に狙うのはこの村かヤナサワ村、もしくはモルツ村だろう。いや、下手をすると後ろ二つの村は既に落ちているかもしれない。
ラドリクはアルマナからの避難民を受け入れつつリベルトの帰りを今や遅しと待つことにしたのだった。
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