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狼心狗肺の報
73. へりくつセルジュ
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思わず聞き返すリベルト。それからセルジュは自分が何を言いたいのか分かりやすくリベルトに説明を始めた。
「ボクもこの好機に兵を出したいけど、ゲルブム殿と停戦協定結んじゃったからさ。だから兵をリベルトに貸そうかなって思って。報酬は奪い取ったものの半分で。食糧と装備はこちらで負担するよ」
「……悪くはない提案だな」
今回の出兵で難しいところは略奪が出来ない点だろう。略奪をするにはリベルトはあまりにも知られ過ぎている。また、村を自領に組み込みたいのであれば村人たちの心象を悪くしては組み込めるはずもない。
となると、何かしらを奪いたいのであれば賊に一度襲わせてから賊を倒して奪うという三店方式のようなことをしなければならない。
賊を倒すには兵力が要る。つまり、この条件はリベルトにとっても価値のあるものであった。
「うん。その提案に乗ろう」
「良し! じゃあ、バルタザーク隊は出陣の準備をしてベルフ領の領主館に移動。そこからはバルタザークに一任するよ!!」
「あいよ!」
バルタザークとリベルトは知らない間柄ではない。お互いがお互いを尊重し認め合っているだけに上手くいくだろうとセルジュは考えていた。
問題はダリルフェルドである。彼もまた根っからの戦闘狂の気質があり、出陣の下知はまだかとウズウズしていたのである。
「……ダリルフェルドの隊の練度は?」
「……い、いつでもいけるぞ?」
視線を逸らしながら答えるダリルフェルド。嘘を吐けないのか、嘘を吐く気が無かったのかは分からないがセルジュは大きく溜息を吐き、一つの決断を下した。
「バルタザーク隊に二人預けて。バルタザークは人手が必要になったらその二人を使って応援を呼ぶこと。ダリルフェルドは呼ばれたら即座に駆けつけて。それまでは待機で。向こうではバルタザークの指揮下に入ること? 良い?」
「わかった。おい、バルタ。すぐに呼べよ」
「おいおい、そうなったら館の守りが皆無になっちまうじゃねぇか。まずは隊を鍛えとけ」
掛け合いをしながら出ていく二人。そしてセルジュはまた自分の出番は無しかと大きく溜息を吐くのであった。
「ボクもこの好機に兵を出したいけど、ゲルブム殿と停戦協定結んじゃったからさ。だから兵をリベルトに貸そうかなって思って。報酬は奪い取ったものの半分で。食糧と装備はこちらで負担するよ」
「……悪くはない提案だな」
今回の出兵で難しいところは略奪が出来ない点だろう。略奪をするにはリベルトはあまりにも知られ過ぎている。また、村を自領に組み込みたいのであれば村人たちの心象を悪くしては組み込めるはずもない。
となると、何かしらを奪いたいのであれば賊に一度襲わせてから賊を倒して奪うという三店方式のようなことをしなければならない。
賊を倒すには兵力が要る。つまり、この条件はリベルトにとっても価値のあるものであった。
「うん。その提案に乗ろう」
「良し! じゃあ、バルタザーク隊は出陣の準備をしてベルフ領の領主館に移動。そこからはバルタザークに一任するよ!!」
「あいよ!」
バルタザークとリベルトは知らない間柄ではない。お互いがお互いを尊重し認め合っているだけに上手くいくだろうとセルジュは考えていた。
問題はダリルフェルドである。彼もまた根っからの戦闘狂の気質があり、出陣の下知はまだかとウズウズしていたのである。
「……ダリルフェルドの隊の練度は?」
「……い、いつでもいけるぞ?」
視線を逸らしながら答えるダリルフェルド。嘘を吐けないのか、嘘を吐く気が無かったのかは分からないがセルジュは大きく溜息を吐き、一つの決断を下した。
「バルタザーク隊に二人預けて。バルタザークは人手が必要になったらその二人を使って応援を呼ぶこと。ダリルフェルドは呼ばれたら即座に駆けつけて。それまでは待機で。向こうではバルタザークの指揮下に入ること? 良い?」
「わかった。おい、バルタ。すぐに呼べよ」
「おいおい、そうなったら館の守りが皆無になっちまうじゃねぇか。まずは隊を鍛えとけ」
掛け合いをしながら出ていく二人。そしてセルジュはまた自分の出番は無しかと大きく溜息を吐くのであった。
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