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3章 魔獣と神々
42.猫まっしぐらの銅像
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「……では、私たちはここで待機していればいい言うことでしょうか?」
セバスがカンナの提案に尋ねた。
「んー。できればレクターさんかセバスさんは付いてきてほしいです。
私たち、こっちの世界に来てよくわかりませんから」
カンナのセリフにミカエルが余計な事をというオーラを放つが、カンナは一切気づいていない。
「なら俺が残ろう。俺がついていけば狙われる理由になるかもしれない。
セバスなら王族でもないから大丈夫だろう」
と、レクター。どうやらミカエルのオーラに気づいたようである。
ややミカエルの方を気にしながら、カンナに提案する。
「ですが、私が居なくなれば、街に買出しにいける人物がいなくなってしまいます。
みな王族や名のしれた貴族ですから……森に潜むにしても先立つものが必要でしょう」
「そうだな……せめて護衛だけでも、武器を用意せねば、モンスターに襲われたら一たまりもない」
と、レクターが考えるポーズをとれば
「あ、モンスターなら心配ありません!私が安全地帯つくりますね!」
とニコニコ顔でカンナ。
「そ、そんな事ができるのですか?」
セバスが言えば、カンナはにっこり微笑んで
「はい!私彫刻家のスキルもあげたので!魔物がこないようにする彫像をつくったことがあるんです!」
言ってにっこり微笑んで、アイテムボックスから取り出したのは……猫まっしぐらがモデルの勇ましい彫刻四体だった。
▲△▲△▲△
「これでいいか、主よ」
彫像を、森の四箇所に配置して、ミカエルが尋ねる。
「はい!これでOKです!
これでこの四角形の範囲には魔物が入ってこれません。
いま、彫像の効果を作動させますね」
と、野営地を作った範囲を安全地帯と設定した場所の真ん中で
『効果発動!!』
カンナの言葉とともに。四つの石の彫像が光り輝き、シールドのようなものを展開する。
これでレベル200以下の魔物は入ってこれないはずだ。
「おお、素晴らしい」
「流石女神の使いといわれる銀の狼を連れているお方だ」
などとざわざわと賞賛の声があがる。
カンナは賞賛の声に照れたのか、
「そ、それじゃあ、食料と武器も、ここに置いておきますね!
コロネさんにあってきます!!」
と、ミカエルに乗り込むのだった。
▲△▲△▲△
「えええ!?マケドニア帝国を解放したのって猫さんだったんですか!?」
ミカエルの背中にのった状態でセバスと話しこんでいたカンナが声をあげる。
「はい。エルフの大賢者と一緒だったと言われているプレイヤーの名前は『猫まっしぐら』というプレイヤーです。
もしかしてお知り合いですか?」
セバスが問えば
「知り合いもなにも、我の本当のマスターだ」
ミカエルが答えた。
「なんと、お知り合いでしたか」
「……まさかマスターもこちらの世界に転移していたとはな……主よ、ギルドチャットは通じないのか?」
ミカエルに問われてカンナがステタース画面をだすが……
「ギルド関連はボタンを押しても何も反応しません。
ごめんなさい」
とシュンとなる。
「ふむ……それならば仕方あるまい。
マケドニア帝国につけばマスターの事もわかるだろう」
言った途端。急にミカエルがその足を止める。
「……?ミカエル」
「どうかなさいましたか?」
カンナとセバスが同時に聞けば
「この先に何かいる。物凄い強い何かが。我らを待ち構えているらしい」
「……な!?追っ手でしょうか!?」
「……わからぬ。しかし……」
ミカエルはカンナに視線を向けた。強い何かの狙いは恐らくセバスではなくカンナの方だろう。
物凄い距離があるにもかかわらず、はっきりとカンナに視線を向けているのがわかるのだ。
「……カンナよ、空飛ぶ絨毯と姿を消す薬は今持っているのか?」
「はい。あります!」
「ではそれをセバスに渡しておけ。それと猫がお前の知り合いとすぐわかる物もあればセバスに渡すのだ。
そしてセバス。その絨毯でいますぐマスターの所にむかってくれ連絡を頼む」
「は、はいかしこまりました。しかし、ミカエル様の足なら逃げ切れるのではないでしょうか?
確かにプレイヤーのココナッツミルクは、ドラゴンテイマーではありますが、ミカエル様の速度ならドラゴンもまけるかと……」
セバスの言葉にミカエルは首を横に振った。
相手はドラゴンやプレイヤーなどといった生易しい相手ではない。
この感じをミカエルは天使ゆえに知っている。
そう、女神だ。しかもこちらの神ではない。何かものすごい異質な神が、カンナに殺気を放っているのだ。
「とにかく、早くいけっ!!注意は我らが引きつけるっ!!
猫まっしぐらに伝えるのだ!!
女神と合間見えていると!!」
言ってミカエルは大地を蹴る。
セバスが助けをよぶまでに、なんとか自分がカンナが助けなければいけない。
天使の力があれば、神の位置はわかるのだ。
なんとか……逃げのびてみせよう。
セバスが猫をよんできてくれるその時まで。
セバスがカンナの提案に尋ねた。
「んー。できればレクターさんかセバスさんは付いてきてほしいです。
私たち、こっちの世界に来てよくわかりませんから」
カンナのセリフにミカエルが余計な事をというオーラを放つが、カンナは一切気づいていない。
「なら俺が残ろう。俺がついていけば狙われる理由になるかもしれない。
セバスなら王族でもないから大丈夫だろう」
と、レクター。どうやらミカエルのオーラに気づいたようである。
ややミカエルの方を気にしながら、カンナに提案する。
「ですが、私が居なくなれば、街に買出しにいける人物がいなくなってしまいます。
みな王族や名のしれた貴族ですから……森に潜むにしても先立つものが必要でしょう」
「そうだな……せめて護衛だけでも、武器を用意せねば、モンスターに襲われたら一たまりもない」
と、レクターが考えるポーズをとれば
「あ、モンスターなら心配ありません!私が安全地帯つくりますね!」
とニコニコ顔でカンナ。
「そ、そんな事ができるのですか?」
セバスが言えば、カンナはにっこり微笑んで
「はい!私彫刻家のスキルもあげたので!魔物がこないようにする彫像をつくったことがあるんです!」
言ってにっこり微笑んで、アイテムボックスから取り出したのは……猫まっしぐらがモデルの勇ましい彫刻四体だった。
▲△▲△▲△
「これでいいか、主よ」
彫像を、森の四箇所に配置して、ミカエルが尋ねる。
「はい!これでOKです!
これでこの四角形の範囲には魔物が入ってこれません。
いま、彫像の効果を作動させますね」
と、野営地を作った範囲を安全地帯と設定した場所の真ん中で
『効果発動!!』
カンナの言葉とともに。四つの石の彫像が光り輝き、シールドのようなものを展開する。
これでレベル200以下の魔物は入ってこれないはずだ。
「おお、素晴らしい」
「流石女神の使いといわれる銀の狼を連れているお方だ」
などとざわざわと賞賛の声があがる。
カンナは賞賛の声に照れたのか、
「そ、それじゃあ、食料と武器も、ここに置いておきますね!
コロネさんにあってきます!!」
と、ミカエルに乗り込むのだった。
▲△▲△▲△
「えええ!?マケドニア帝国を解放したのって猫さんだったんですか!?」
ミカエルの背中にのった状態でセバスと話しこんでいたカンナが声をあげる。
「はい。エルフの大賢者と一緒だったと言われているプレイヤーの名前は『猫まっしぐら』というプレイヤーです。
もしかしてお知り合いですか?」
セバスが問えば
「知り合いもなにも、我の本当のマスターだ」
ミカエルが答えた。
「なんと、お知り合いでしたか」
「……まさかマスターもこちらの世界に転移していたとはな……主よ、ギルドチャットは通じないのか?」
ミカエルに問われてカンナがステタース画面をだすが……
「ギルド関連はボタンを押しても何も反応しません。
ごめんなさい」
とシュンとなる。
「ふむ……それならば仕方あるまい。
マケドニア帝国につけばマスターの事もわかるだろう」
言った途端。急にミカエルがその足を止める。
「……?ミカエル」
「どうかなさいましたか?」
カンナとセバスが同時に聞けば
「この先に何かいる。物凄い強い何かが。我らを待ち構えているらしい」
「……な!?追っ手でしょうか!?」
「……わからぬ。しかし……」
ミカエルはカンナに視線を向けた。強い何かの狙いは恐らくセバスではなくカンナの方だろう。
物凄い距離があるにもかかわらず、はっきりとカンナに視線を向けているのがわかるのだ。
「……カンナよ、空飛ぶ絨毯と姿を消す薬は今持っているのか?」
「はい。あります!」
「ではそれをセバスに渡しておけ。それと猫がお前の知り合いとすぐわかる物もあればセバスに渡すのだ。
そしてセバス。その絨毯でいますぐマスターの所にむかってくれ連絡を頼む」
「は、はいかしこまりました。しかし、ミカエル様の足なら逃げ切れるのではないでしょうか?
確かにプレイヤーのココナッツミルクは、ドラゴンテイマーではありますが、ミカエル様の速度ならドラゴンもまけるかと……」
セバスの言葉にミカエルは首を横に振った。
相手はドラゴンやプレイヤーなどといった生易しい相手ではない。
この感じをミカエルは天使ゆえに知っている。
そう、女神だ。しかもこちらの神ではない。何かものすごい異質な神が、カンナに殺気を放っているのだ。
「とにかく、早くいけっ!!注意は我らが引きつけるっ!!
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言ってミカエルは大地を蹴る。
セバスが助けをよぶまでに、なんとか自分がカンナが助けなければいけない。
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