【グラニクルオンライン】〜女神に召喚されたプレイヤーがガチクズばかりなので高レベの私が無双します〜

てんてんどんどん

文字の大きさ
上 下
140 / 187
3章 魔獣と神々

20. 神龍

しおりを挟む
「おっしゃぁぁぁぁ!!全員のセット装備ゲットぉぉぉぉ!!」

 私は声高々にガッツポーズを決めた。

 すでに試練の道もかなり終盤まできているはずだ。

 なぜってセット装備が揃ったからね!
 大体全部の武器・防具が出揃った所で最後に、デデデン!と一番強いモンスターが控えているのは、この手のゲームの主流なのだ。

 ちなみに。リリもコロネもレベルが1100になったので1200の武器・防具を装備している。

 まぁ、流石に私の装備もセット効果があるものはSS装備だ。SSR全部揃えるとか無理ゲー。

「ね、ねこ様……一度是非休憩を……」

 ゼェゼェ肩で息をしながらアルファーが呟く。
 敵のヘイト(敵の攻撃ターゲット)を集める仕事のアルファーが一番疲労が濃いらしい。

「よし!アルファー!疲労回復のポーションを飲んでおこう!
 あと他のみんなもちゃんと飲むんだぞ!」

 私が言うと、何故か全員に「こいつ鬼だ!?」みたいな目で見られたが、気にしないことにする。

 ダンジョン攻略とは常に非情なのだよ。
 ゲーム中ではわりと、日常的な事だったし。
 よく一緒に狩りしてた、仲良かった別ギルドの友達にも鬼畜とか鬼とか言われたしね!
 なんだかVRMMO時代の事を思い出し、少し懐かしくなる。

 みんな元気にしているだろうか?

 まぁ、神様の件が気になるからあまりノンビリできないというのもあるけれど。

「そろそろ次は神龍あたりかな」

 恐らく神龍はレベル1300武器を持っているのだろう。
 レベルも1300と考えたほうがいいだろう。
 私のレベルがもう1287なので倒せる範囲内だ。

 と、遠くを見つめ私がぼやく。

 そう、この試練の道、神界の手前はレベル1300の神龍がラスボスのはずなのである。
 以前、リリがカエサルに殺されそうになったとき、リリが召喚しようとしたドラゴンだ。

「ねね、ネコ」

 その言葉にリリがひょいひょいと私のマントを引っ張った。

「うん?どうしたリリ?」

「えと リリ その戦いはちょっと…… オメメつぶっててもいい?」

 申し訳なさそうに聞いてくる。
 ホワイトドラゴンにとって神龍は私たちでいう神様のような存在なのだろう。
 いくらシステムで縛られているとはいえ、倒されるところは見たくないとみえる。

「ああ、わかったじゃあコロネの隣にちゃんといるんだぞ?」

「うん!」

 リリは嬉しそうに微笑むのだった。


  △▲△▲△▲△▲△▲

『よく来た 冒険者達よ ここまで来たことを誇りに思うがいい

 我も全力をもって其方たちと合間見えよう――。

 其方たちが、真に神々に会うにふさわしいか――試してみせようぞ!!』


 黄金色に輝く神秘的な龍が咆哮をあげる。

 それが――戦いの合図だった。



 ……が、わりとその戦いはあっさり終わる。
 私達の圧勝で。

 うん、別に神龍さんが弱かったわけではない。
 ここはフォローさせてもらおう。
 自分で言うのもなんだが、私たちが強すぎたのだ。
 もう私も適正レベルの1287だし。守護天使たちも私と同レベルなので1287だ。
 しかも全員硬質化を覚えてるし、並行思念まで覚えてるときてる。
 そこにきて、コロネの魔法やポーションアイテムの力アップやら素早さアップやらの補助効果つきだ。
 神龍さんはシステムに縛られているせいで、わりとゲームのパターンが通用したため、動きが読みやすく楽勝だったのだ。

「神龍さま……よわい……」

 リリが倒された神龍を複雑な表情で視ている。

 ご、ごめんよ神龍様!威厳のために演技でももうちょっと苦戦してあげるべきだったかもしれない。

 ちなみに、神龍さんからドロップしたのはSSRの剣士装備一式だった。

 うん。誰も剣装備できないから、いらんがな。
 守護天使もドロップ品は装備できないし。
 にしても、まてよ……ひょっとして神龍ドロップは全部SSRか!?

「よし!!みんなもうひと頑張りするぞー!!!」

 私のガッツポーズに、アルファーがそのまま地につっ伏すのだった。
 何故だ失礼な。

 結局、そのまま第二回、みんなの武器装備を揃えよう会が始まるのだった。

▲▲▲

「猫様……流石に無理です。一度休憩を……」

 数え切れないほどの数神龍を倒せば。ぜぇぜぇ息を切らせながらいうアルファー。
 うん、ごめん。バシバシレベルが上がるのが楽しすぎて頑張りすぎた。

 神龍さんを何ども撲殺して、私のレベルはもうすでに1300になっている。
 武器・防具も全員SSR武器・防具だ。

 因みにレベルも私が1304 リリ 1207 コロネ 1204 となった。
 神龍さんがボーナスかってくらい経験値が多いのが大きい。

「ああ、わかった。じゃあ今日はここで休憩しようか」

「目の前に異界の神がいるのに休憩とは……流石猫様といいましょうかなんといいましょうか」

 と、コロネ。

「だって攻撃してくる気ならとっくに攻撃してきてるだろ。
 神龍とかと戦ってる時の方が倒しやすかっただろうし。
 こっちがバシバシレベルが上がってるのに手出ししてこないってこないのは手出しできない理由があるってことで」

 私の一言に

「流石猫様です!」

 と、レイスリーネちゃん。
 最近よく褒めてくれるからちょっと照れる。
 しかしややハーレム要因的になっているような気もしなくもない。
 あんまりそういうの好きじゃないんだけどな。
 レイスリーネは前のマスターの命令で褒め癖がついてるのかもしれない。

「しかし、天界には待ち構えるだけの罠があるということですが、それでも本当に行きますか?」

 コロネに問われ私は頷く。
 なんだかよくわからないが、ここで行っておかないといけない気がするのだ。

 私は自分のカンを信じたいと思う。

 信じないで後悔だけはしたくないから。

 こうして、私たちはセーフポイントに戻り、テントを広げて休むのだった。 

 △▲△▲△▲△▲△▲

 そして次の日。
 さっくり神龍を倒し、天界へと続く扉を開ければ、私たちは一瞬でワープした。
 水晶のように光り輝くなにかで作られたものすごく天井の高い神殿へと。
 神々の装飾だろうか、天使や女性や子供の石像が所狭しと装飾された壁がまるで天をつくかの勢いで上に伸びている。

 そしてその天井は……あまりにも高すぎて私の視力では見ることができない。
 また円上に一面に広がる水晶でできた神殿のような部屋の上空には……かつて過去のコロネの部屋でみたような水晶に閉じ込められた状態で、眠る神々の姿があった。

 つい先日、sionが見せてくれた映像にいた、光の神と闇の女神の姿もそこにある。
 そして……過去のコロネのイベントムービーで見た、金髪美女の水晶もそこにはあるのだ。

 まるで漂うかのように空中にプカプカと神々が眠る水晶が浮いていた。

「まさか……本当に神々が捕らえられていたとは」

 コロネが呟いたその瞬間。
 ぞわりとした何かを感じ振り返る。

 そこには何故か――いつのまにか最大火力の大技を私に放とうとするレイスリーネの姿があるのだった。

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

処理中です...