【グラニクルオンライン】〜女神に召喚されたプレイヤーがガチクズばかりなので高レベの私が無双します〜

てんてんどんどん

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3章 魔獣と神々

12.  思わぬ伏兵

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「へー!神様のところいくっすか!?じゃあ帰り方聞けるかもしれないっすね!」

 sionにポーションの作り方を教えつつ、私はこれから神々の場所へ行くことを説明した。
 ほら、だって一応sionも元の世界に帰りたいだろうし。
 ちなみにレイスリーネは窓際でちょこんと座り、護衛をしてくれている。

「うん。そうだな。
 まぁ教えてくれるかはわからないけど」

「でも、ゲームのイベントストーリーにでてくる神様ってみんないい人っぽいじゃないですか。
 邪険には扱われないとおもいますよ」

「うん。だといいけど。
 てかsionは真面目にイベントストーリー見てたんだ?」

「もちろんっすよ。もしかして猫さん、すぐイベントムービースキップしちゃうタイプ?」

「うっ!?」

「あー、猫さんってイベントよりレアアイテムじゃーって、言ってそうっすもんね」

「な、なんでバレてるし!?」

「猫さんってそういう顔してます」

「まさかの顔!?」

「まぁ、冗談は置いておいて、なんかガチ装備でやってる人って、イベント知らね!
 チャレンジもダンジョンも周回してこそ意味がある!
 って言って、イベント速攻スキップしそうなイメージですねー」

 と、ポーションをマゼマゼしながら言うsion。

 やべぇ。sionの言う通りのイメージまんまなんですけど、私。
 イベントなんて全部流し読みでしたごめんなさい。

「うーん。でも神様でてくるイベントなんてあったっけ?」

 一応クエストは全部こなしてたはずなんだけどなぁ。
 ……まぁよく話聞いてなかったけど。

「結構ありますよ?まぁ、神官達から聞く、神様の面白話的なものが多いですけど。
 それに光の神と闇の女神なら会ったことありますよ自分。
 隠しクエストで。
 ほら、さっき部屋に突入してきたコロネさんって居たじゃないですか。
 あの人とイベントで神様に会いました」

「はぁ!?コロネが?
 コロネのクエストでそんなのあったっけ!?」

 そんな話一度も聞いたことないんですけど。

「ありますよ。レベル200で受けられる10月に実装されたイベントで。
 黄昏の紋章もらうとき、光の神と女神アルテナが、頼みます、みたいな事言ってでてくるんですよ」

「黄昏の紋章?」

「はい。多分250レベルのレイド戦 「魔獣ランデリィウム討伐」用の紋章だと思うんですけどね。
 護衛NPCじゃないみたいですけど、イベントNPCではでてくる予定みたいでしたよコロネさん。
 公式で、『安心してください!あまりにも前回の護衛が不評なんで今回はイベントムービーだけで出演です!』
 と、漫画でネタにされていたくらいですし」

 何その漫画。見てみたかったかも。
 まぁ、コロネ結構ネタキャラ扱いだったよね。公式で。
 即死のコロネって別名も公式でネタにされてたし。


「ってか、10月の頭に公式で発表されてましたよね?
 見なかったんですか?」

「自分こっちの世界に召喚されたの9月の頭だったから」

「へー。来た時期はほとんど一緒だったのに、呼ばれた時期は結構違うんですね。
 自分は12月のクリスマス前っすよ?マジムカツク」

 あー。これはこのあとクリスマスからの彼女自慢の展開ですね。わかります。
 彼氏いなかった寂しい独り身女にはきっつい展開です。勘弁してください。

「お互い大変だったな。それにしてもまだ魔獣いるのかぁ……」

 と、とりあえず話を逸らしてみる。
 私のつぶやきにsionがそのまま話をつなげた。

「コロネさんに貸した本に載ってますけど全部で魔獣は5体っす。
 魔獣は元々は異界の神だったらしいですけど。
 こちらの神々に滅ぼされて残った身体の一部が魔獣と化したみたいな設定ですよ。確か。
 
 髪の毛が魔獣セギュウム
 目玉が魔獣ランデリィウム
 心臓が魔獣セファロウス
 胃袋が魔獣ガンザウス
 口が魔獣レンゼディウム」

「ってかsion詳しいな!?」

「自分はまったりストーリー楽しむ派ですからねー。
 どのゲームでも神々の設定とか、掲示板の考察スレに入り浸るくらい好きですよ」

 うっ。やべぇ。思わぬ伏兵。
 この子詳しい。
 
「しかし神々に会ってたとか、コロネがその話聞いたら泣いて喜びそうな話だな」

「え、コロネさん覚えていないんですか?」

「うん。NPC時代の記憶はうろ覚えらしい。
 あ、そうだ。その時のイベントの記憶、あとでちょっと見せてもらってもいいか?」

「あー。みたいなら動画ありますよ。
 ゲーム機に落としてありますけど。今観ます?」

「え、ゲーム機持ち歩けたのか?」

「ほら、ガイアってボス部屋待ち時間長いじゃないですか。
 一応アテナよりボス部屋数増やしてはいるらしいけど、やっぱり待ちが多くて、家からゲーム機持ち運びOKだったんですよ」

「へー知らなかった。見たい見たい」

「じゃあ待ってくださいねー」

 言ってsionはアイテムボックスからゲーム機を取り出すのだった。
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