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2章 人間領へ行くことになりました
10.会議室
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重厚な城の中の会議室。
円卓をぐるりと囲み、座る5人の人影。
ここはかつてアケドラル帝国と呼ばれた帝国のその城の会議室。
いまはこの城はプレイヤー5人によって支配されていた。
私たちはコロネの作った魔道具でその会議の様子をリリの背中で見ていた。
いま、私たちは帝国に向かう途中なのだ。
会議室でやたら深刻そうな顔をした青い髪の戦士風の男―フォックスが口を開いた。
「使い魔から連絡がはいった。どうやらマナフェアスが捕まったらしい」
フォックスの言葉に、短い黒髪の戦士風の男―デュークが
「おいおい。あいつすごい守護天使がいるはずだろ?誰に捕まったんだ?」
と、身を乗り出す。
「知らない名前よ。猫まっしぐらですって。
あとから間違って呼ばれたプレイヤーだわ」
と魔導士風の赤髪の女♪マリマリ♪ことマリアベル。
流石にこの世界でマリマリ✩などと名乗るのは恥ずかしかったらしくマリアベルと名を変えているらしい。
気持ちはわからんでもない。
てか、私も改名したい。
「まーた正義の味方系のプレイヤーがきちゃったの?面倒くさいなー」
今度は猫耳金髪ショタのレオンがテーブルに肘をつきながら面倒そうにつぶやく。
「面倒くさいで済む話かよ。マナフェアスといえばあのSS級の守護天使アルファーを連れてたはずだろ。
それなのに負けてるんだぞ」
と、黒髪のデュークが言えば、
「なんでも話によれば、守護天使は別の砦に向かわせていたので留守だったらしい。
その間を狙われたらしいぞ」
メンバーの中ではそこそこまともそうなフォックスが答える。
「なるほどねぇ。もし正義の味方系のプレイヤーなら、次は僕たちの国が狙われるかな?
悪いことやってるもの」
レオンが肘をつきながら言うと
「お前がゲスなだけだろう。NPCを殺しまくって楽しむ趣味とかないわー」
デュークがからかうような口調でつぶやいた。
「君だってハーレムつくってやりたい放題じゃないか。人の事いえる?
黙って止めないだけでも同罪なんだけど」
と、レオン。
「とにかく、備えておいたほうがいいわね。どうしましょう?」
金髪シスター系の女✩ナナ✩がさして興味なさそうに聞く。
「正義の味方系ならぱーっと住人を人質にしちゃうとか?
この国の住人殺しちゃうよーとかいえばいいんじゃないの。
前もそれで正義の味方系のプレイヤー殺したし」
と、ショタレオン。
「あー、あいつか。馬鹿だったよなぁ。
女の前でかっこつけたいがために、躊躇して頭つぶされてて笑ったわ」
ゲスな笑いを浮かべて言うデューク。うん。マジこいつ殺したい。
「せっかく守護天使までいたのにねー。
守護天使も薄情よね。プレイヤー死んだらとっとと消えるし」
「そういえばあのプレイヤーの連れてた女はどうしたんだ?」
「生きてるわけないだろ。レオンがその後引き取ったんだぞ」
「かわいそー。まだデュークなら性奴隷にされるだけですんだのに」
「それはそれで悲惨な気もするけどな」
と、言いながらフォックスがため息をついた。
そんなフォックスの様子をさして気にする風でもなく
「とりあえずさー、街一つ潰して噂をばらまけばいいんじゃないの。
同盟国が潰された腹いせで街一つ潰されたって。
そうすれば、ここに来たとき、脅しが信憑性を増すでしょ?」
と、レオンがニタリと悪質な笑を浮かべた。
「もっともらしい事言ってるけど、お前殺したいだけだろ?」
呆れ顔でいうフォックスに
「あ、バレター?まぁ、こっちにはグラシクルの杖(精霊が呼び出せる杖)を全員持ってるし大丈夫でしょ。
あの根暗ネクロマンサー君は持ってなかったし」
と、レオン。
「そこらへんは貴方に任せるわ。私はこれから用事あるし」
と、赤髪のマリアベルが爪を手入れしながら興味なさげに言う。
「まーた美青年相手に逆ハーレム?うらやましー」
レオンが茶化すようにいうと、マリアベルが赤くなりながら
「ほ、放っておいてよね!!とにかくあとは任せたわよ!」
と、そのまま立ち去ってしまのだった。
円卓をぐるりと囲み、座る5人の人影。
ここはかつてアケドラル帝国と呼ばれた帝国のその城の会議室。
いまはこの城はプレイヤー5人によって支配されていた。
私たちはコロネの作った魔道具でその会議の様子をリリの背中で見ていた。
いま、私たちは帝国に向かう途中なのだ。
会議室でやたら深刻そうな顔をした青い髪の戦士風の男―フォックスが口を開いた。
「使い魔から連絡がはいった。どうやらマナフェアスが捕まったらしい」
フォックスの言葉に、短い黒髪の戦士風の男―デュークが
「おいおい。あいつすごい守護天使がいるはずだろ?誰に捕まったんだ?」
と、身を乗り出す。
「知らない名前よ。猫まっしぐらですって。
あとから間違って呼ばれたプレイヤーだわ」
と魔導士風の赤髪の女♪マリマリ♪ことマリアベル。
流石にこの世界でマリマリ✩などと名乗るのは恥ずかしかったらしくマリアベルと名を変えているらしい。
気持ちはわからんでもない。
てか、私も改名したい。
「まーた正義の味方系のプレイヤーがきちゃったの?面倒くさいなー」
今度は猫耳金髪ショタのレオンがテーブルに肘をつきながら面倒そうにつぶやく。
「面倒くさいで済む話かよ。マナフェアスといえばあのSS級の守護天使アルファーを連れてたはずだろ。
それなのに負けてるんだぞ」
と、黒髪のデュークが言えば、
「なんでも話によれば、守護天使は別の砦に向かわせていたので留守だったらしい。
その間を狙われたらしいぞ」
メンバーの中ではそこそこまともそうなフォックスが答える。
「なるほどねぇ。もし正義の味方系のプレイヤーなら、次は僕たちの国が狙われるかな?
悪いことやってるもの」
レオンが肘をつきながら言うと
「お前がゲスなだけだろう。NPCを殺しまくって楽しむ趣味とかないわー」
デュークがからかうような口調でつぶやいた。
「君だってハーレムつくってやりたい放題じゃないか。人の事いえる?
黙って止めないだけでも同罪なんだけど」
と、レオン。
「とにかく、備えておいたほうがいいわね。どうしましょう?」
金髪シスター系の女✩ナナ✩がさして興味なさそうに聞く。
「正義の味方系ならぱーっと住人を人質にしちゃうとか?
この国の住人殺しちゃうよーとかいえばいいんじゃないの。
前もそれで正義の味方系のプレイヤー殺したし」
と、ショタレオン。
「あー、あいつか。馬鹿だったよなぁ。
女の前でかっこつけたいがために、躊躇して頭つぶされてて笑ったわ」
ゲスな笑いを浮かべて言うデューク。うん。マジこいつ殺したい。
「せっかく守護天使までいたのにねー。
守護天使も薄情よね。プレイヤー死んだらとっとと消えるし」
「そういえばあのプレイヤーの連れてた女はどうしたんだ?」
「生きてるわけないだろ。レオンがその後引き取ったんだぞ」
「かわいそー。まだデュークなら性奴隷にされるだけですんだのに」
「それはそれで悲惨な気もするけどな」
と、言いながらフォックスがため息をついた。
そんなフォックスの様子をさして気にする風でもなく
「とりあえずさー、街一つ潰して噂をばらまけばいいんじゃないの。
同盟国が潰された腹いせで街一つ潰されたって。
そうすれば、ここに来たとき、脅しが信憑性を増すでしょ?」
と、レオンがニタリと悪質な笑を浮かべた。
「もっともらしい事言ってるけど、お前殺したいだけだろ?」
呆れ顔でいうフォックスに
「あ、バレター?まぁ、こっちにはグラシクルの杖(精霊が呼び出せる杖)を全員持ってるし大丈夫でしょ。
あの根暗ネクロマンサー君は持ってなかったし」
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「そこらへんは貴方に任せるわ。私はこれから用事あるし」
と、赤髪のマリアベルが爪を手入れしながら興味なさげに言う。
「まーた美青年相手に逆ハーレム?うらやましー」
レオンが茶化すようにいうと、マリアベルが赤くなりながら
「ほ、放っておいてよね!!とにかくあとは任せたわよ!」
と、そのまま立ち去ってしまのだった。
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