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1章 異世界に召喚されました
26話 仲間
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「ネコっ!!コロネっ!!!」
魔族を倒すと、一瞬で私二人は元の世界へと移動した。
どうやらリリが元の世界に連れ戻してくれたらしい。
私とコロネの姿を確認して泣きながらリリが私に抱きついてくる。
そして……私達の目の前にあったプレイヤーやお姫様の魂を取り込んだ黒い固まりも、魔族が倒されたせいだろうか、ぷしゅぅぅぅと変な音をたてて、崩壊しはじめる。
最後。マリアという少女だろうか、こころなしかにっこり笑ってありがとうと、唇を動かした気がしたが……気のせいかもしれない。
彼女達の魂を束縛していたその塊は、魔族とともに消え失せる。
一応魔力察知のスキルで辺を探ってみるが、敵の気配はない。今度こそ大丈夫だろう。
「……どうやらマリアやハルト達は逝けたようですね……」
コロネの言葉に私が頷くと
「ネコッ!コロネっ!無事でよかった!!」
と、リリが思いっきり私にスリスリしてきた。
「ああ、ごめん、心配かけたな」
抱きついてきたリリの頭を撫で撫でしてやると、泣きながらうんうんと頷いた。
「よかった 無事 よかった」
言ってえぐえぐと涙をすする。
「猫様ありがとうございました。
……まさか命懸けで助けにきていただけるとは」
コロネも私にお礼を言うが
「お礼を言うのはこっちだろ。
そもそもコロネが私をかばったせいで連れて行かれたんだし。
ありがとうなコロネ」
と、手を差し出せば、何故か顔を赤くして
私の言葉にコロネは猫様らしいお言葉ですねと、ため息まじりに手を握り返してくれる。
うん。意外とコロネも照れ屋らしい。
△▲△
「うっしゃぁぁぁぁぁ!!
リリとコロネの500装備コンプ完了!!」
レベル500装備を持つボス部屋で、ボスモンスターを倒した所で私は叫んだ。
そう、結局あのあと、リリとコロネの武器・防具(ついでに私のも)を絶対ゲットすると宣言し、ダンジョンのさらに下層に突入し、レベル500の蜘蛛型ボスを倒しまくったのである。
「この状況で武器集め続行するネコ廃人」とリリにジト目で言われ
コロネにも「流石猫様!常に自分の欲求に正直でいらっしゃる!」と褒めてるんだかディスられてるんだかわからない賞賛?を浴びせられたが気にしない。
廃人たるもの装備を揃えるのは義務であり責務なのだ。
リリとコロネの装備が揃うまでは!!と粘りまくった結果。
リリのレベルは584 コロネのレベルは512となっている。
ボスモンスターは基本倒されると10分後に沸くので、ボス部屋でボスモンスターを倒す→雑魚部屋でリリとコロネのレベルを上げる→10分たったらボスを倒すを繰り返していた。
「流石猫様……装備のためならば疲労などという言葉はないのですね……」
と、呆れ顔のコロネに
「ネコ ガチ廃人 廃人の前に疲労知らずは褒め言葉
止めないと 寝落ちするまで 続行する」
と、やはりちょこんと座りながらリリ。
二人とも最初は手伝おうとはしてくれたのだが……私が一瞬でボスを倒してしまうため結局座って見学となってしまっている。
「ふふふふ。そりゃもう、ガチ廃人たるもの、仲間の装備を最高にするのは義務であり責務だと思う!」
私の言葉になぜか二人ともちょっと顔を赤くした。
「リリ 仲間?」
ぽぉぉぉっと嬉しそうなリリちゃん。
「え?うん。当然だろ?リリは大切な仲間だよ」
言って私が頭を撫でれば、物凄く嬉しそうな顔をする。
あれ?前から言ってなかったっけ?
「うん!仲間 嬉しい!」
言って二へへと笑う。
いや、マジ天使。
ってか、リリちゃんにもうちょっとちゃんと気持ちを伝えてあげないとだめなのかもしれない。
ちゃんと大切な仲間なんだって。
どうも念話で意識を共有っぽいことをしているとなんとなーく相手の気持ちがわかってしまい、その子がどんな子がわかってくるため親近感がわくというか何というか。
私にとってはリリもコロネも大事な仲間なんだけどね。
なんとなく勝手に伝わっている気になってしまったけれど、ちゃんと何度でも口に出して言わないと。
――そう、思っているだけじゃ何も伝わらないのだから。
その時、何故か両親と兄の顔が頭に浮かんでしまい、私は慌てて頭を振るのだった。
△▲△
「これがテントの中……ですか?」
そろそろ休憩しようと、敵レベル500のダンジョン内にある安全地帯で課金のテントアイテムを広げて中に入った途端コロネが驚きの声をあげた。
うん、無理もない。見かけは子供用テントなのに中は3LDKくらいの広さがありキッチン・お風呂完備である。
内装もばっちり日本の現代風。
こちらもやっぱり課金アイテムで結構なお値段がするのだが、買いましたとも!10万円✩
……うん。自分でもありえない金額だとはおもう。
まぁ、ゲームに湯水のごとくじゃばじゃばお金が注げたのはリアルで宝くじが6億円あたったおかげで、生活に困っていないというのが大きいのだけど。
ちなみに重課金ゲームというわけではなく、普通の中身がテントのままのテントならゲームマネーでわりと安めに買える。課金する必要などない。
ただね、このゲーム、そういう虚栄心を満たしたいとかそういう物理欲をそそるのがうまいというかなんというか。
どうでもいいところだけど、そこに金をかけると超便利でカッコイイというところを攻めてくるのだ。
中二病を患っている自分としてはつい買ってしまうわけで。
でもまぁ、こうして現在役立っているのだからよしとする。
「面白い空間ですね。あのテントは入口になって別空間にでも通じているのでしょうか?」
と、コロネが物珍しげに辺を見渡し
「ねーねー、ネコこれなぁに?」
と、TVを見ながら質問してくる。
そう、この課金テント。中身のカスタマイズは自由。
ゲーム会社と提携している会社の商品なら買ったTVなどのシリアルコードを打ち込めば、ゲーム内のテントや家にも設置できるという素敵仕様があるのだ。
わりとこれが人気で、売上があがると、結構な企業が、ゲーム会社と提携してくれたのでゲーム機などテントにいれたい放題だったりする。
まぁ、ファンタジーの世界でそれはどうなんだ!という層のために、ちゃんと普通のテントもあるのだが。
私くらいの廃人になると、ほぼ生活の場がゲームの世界になってしまうため、こういった現代生活できる場も必要となってくる。
でもやっぱり、トイレとか食事とかお風呂はリアル世界できちんとしなきゃなんだけどね。
「テレビだよ。まぁ、ゲームしたりするくらいしかできないけど」
「ゲーム?」
首をかしげるリリに
「うん?やってみる?」
私が聞けばリリが嬉しそうに頷くのだった。
魔族を倒すと、一瞬で私二人は元の世界へと移動した。
どうやらリリが元の世界に連れ戻してくれたらしい。
私とコロネの姿を確認して泣きながらリリが私に抱きついてくる。
そして……私達の目の前にあったプレイヤーやお姫様の魂を取り込んだ黒い固まりも、魔族が倒されたせいだろうか、ぷしゅぅぅぅと変な音をたてて、崩壊しはじめる。
最後。マリアという少女だろうか、こころなしかにっこり笑ってありがとうと、唇を動かした気がしたが……気のせいかもしれない。
彼女達の魂を束縛していたその塊は、魔族とともに消え失せる。
一応魔力察知のスキルで辺を探ってみるが、敵の気配はない。今度こそ大丈夫だろう。
「……どうやらマリアやハルト達は逝けたようですね……」
コロネの言葉に私が頷くと
「ネコッ!コロネっ!無事でよかった!!」
と、リリが思いっきり私にスリスリしてきた。
「ああ、ごめん、心配かけたな」
抱きついてきたリリの頭を撫で撫でしてやると、泣きながらうんうんと頷いた。
「よかった 無事 よかった」
言ってえぐえぐと涙をすする。
「猫様ありがとうございました。
……まさか命懸けで助けにきていただけるとは」
コロネも私にお礼を言うが
「お礼を言うのはこっちだろ。
そもそもコロネが私をかばったせいで連れて行かれたんだし。
ありがとうなコロネ」
と、手を差し出せば、何故か顔を赤くして
私の言葉にコロネは猫様らしいお言葉ですねと、ため息まじりに手を握り返してくれる。
うん。意外とコロネも照れ屋らしい。
△▲△
「うっしゃぁぁぁぁぁ!!
リリとコロネの500装備コンプ完了!!」
レベル500装備を持つボス部屋で、ボスモンスターを倒した所で私は叫んだ。
そう、結局あのあと、リリとコロネの武器・防具(ついでに私のも)を絶対ゲットすると宣言し、ダンジョンのさらに下層に突入し、レベル500の蜘蛛型ボスを倒しまくったのである。
「この状況で武器集め続行するネコ廃人」とリリにジト目で言われ
コロネにも「流石猫様!常に自分の欲求に正直でいらっしゃる!」と褒めてるんだかディスられてるんだかわからない賞賛?を浴びせられたが気にしない。
廃人たるもの装備を揃えるのは義務であり責務なのだ。
リリとコロネの装備が揃うまでは!!と粘りまくった結果。
リリのレベルは584 コロネのレベルは512となっている。
ボスモンスターは基本倒されると10分後に沸くので、ボス部屋でボスモンスターを倒す→雑魚部屋でリリとコロネのレベルを上げる→10分たったらボスを倒すを繰り返していた。
「流石猫様……装備のためならば疲労などという言葉はないのですね……」
と、呆れ顔のコロネに
「ネコ ガチ廃人 廃人の前に疲労知らずは褒め言葉
止めないと 寝落ちするまで 続行する」
と、やはりちょこんと座りながらリリ。
二人とも最初は手伝おうとはしてくれたのだが……私が一瞬でボスを倒してしまうため結局座って見学となってしまっている。
「ふふふふ。そりゃもう、ガチ廃人たるもの、仲間の装備を最高にするのは義務であり責務だと思う!」
私の言葉になぜか二人ともちょっと顔を赤くした。
「リリ 仲間?」
ぽぉぉぉっと嬉しそうなリリちゃん。
「え?うん。当然だろ?リリは大切な仲間だよ」
言って私が頭を撫でれば、物凄く嬉しそうな顔をする。
あれ?前から言ってなかったっけ?
「うん!仲間 嬉しい!」
言って二へへと笑う。
いや、マジ天使。
ってか、リリちゃんにもうちょっとちゃんと気持ちを伝えてあげないとだめなのかもしれない。
ちゃんと大切な仲間なんだって。
どうも念話で意識を共有っぽいことをしているとなんとなーく相手の気持ちがわかってしまい、その子がどんな子がわかってくるため親近感がわくというか何というか。
私にとってはリリもコロネも大事な仲間なんだけどね。
なんとなく勝手に伝わっている気になってしまったけれど、ちゃんと何度でも口に出して言わないと。
――そう、思っているだけじゃ何も伝わらないのだから。
その時、何故か両親と兄の顔が頭に浮かんでしまい、私は慌てて頭を振るのだった。
△▲△
「これがテントの中……ですか?」
そろそろ休憩しようと、敵レベル500のダンジョン内にある安全地帯で課金のテントアイテムを広げて中に入った途端コロネが驚きの声をあげた。
うん、無理もない。見かけは子供用テントなのに中は3LDKくらいの広さがありキッチン・お風呂完備である。
内装もばっちり日本の現代風。
こちらもやっぱり課金アイテムで結構なお値段がするのだが、買いましたとも!10万円✩
……うん。自分でもありえない金額だとはおもう。
まぁ、ゲームに湯水のごとくじゃばじゃばお金が注げたのはリアルで宝くじが6億円あたったおかげで、生活に困っていないというのが大きいのだけど。
ちなみに重課金ゲームというわけではなく、普通の中身がテントのままのテントならゲームマネーでわりと安めに買える。課金する必要などない。
ただね、このゲーム、そういう虚栄心を満たしたいとかそういう物理欲をそそるのがうまいというかなんというか。
どうでもいいところだけど、そこに金をかけると超便利でカッコイイというところを攻めてくるのだ。
中二病を患っている自分としてはつい買ってしまうわけで。
でもまぁ、こうして現在役立っているのだからよしとする。
「面白い空間ですね。あのテントは入口になって別空間にでも通じているのでしょうか?」
と、コロネが物珍しげに辺を見渡し
「ねーねー、ネコこれなぁに?」
と、TVを見ながら質問してくる。
そう、この課金テント。中身のカスタマイズは自由。
ゲーム会社と提携している会社の商品なら買ったTVなどのシリアルコードを打ち込めば、ゲーム内のテントや家にも設置できるという素敵仕様があるのだ。
わりとこれが人気で、売上があがると、結構な企業が、ゲーム会社と提携してくれたのでゲーム機などテントにいれたい放題だったりする。
まぁ、ファンタジーの世界でそれはどうなんだ!という層のために、ちゃんと普通のテントもあるのだが。
私くらいの廃人になると、ほぼ生活の場がゲームの世界になってしまうため、こういった現代生活できる場も必要となってくる。
でもやっぱり、トイレとか食事とかお風呂はリアル世界できちんとしなきゃなんだけどね。
「テレビだよ。まぁ、ゲームしたりするくらいしかできないけど」
「ゲーム?」
首をかしげるリリに
「うん?やってみる?」
私が聞けばリリが嬉しそうに頷くのだった。
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