6 / 74
6話 聖女のお仕事
しおりを挟む
『レイゼルさん!出来たっつ!!』
私は【錬成】の魔法でできたお野菜をレイゼルさんの所に持って行く。
このレワの野菜は、とっても美味しいけど育つのにとても時間がかかり、実をあまり付けない。だから美味しくないけど実をいっぱいつけるお野菜とレワの野菜の苗を【錬成】の魔法でくっつけていっぱい育つ新しい野菜の苗をつくりだした。
そしてその苗を植えて、今日育った実をレイゼルさんに見せたんだ。
「これはまた、上手に長所のみ組み合わせて融合できましたね。
流石です。ソフィア様」
いっぱい実った野菜を見ながらレイゼルさんが褒めてくれた。
えへへ。
この一年でお野菜をいっぱいできるようになったよ。
レイゼルさんのお手伝いをしたくて【錬成】の魔法をいっぱい練習したもの。
口で魔法は唱えられないけれど、心の中で唱えるとこの【錬成】の魔法は答えてくれる。
魔法を唱えると変な魔力の流れみたいな粒粒の螺旋が見えて、それをくっつけるようにイメージするの。
ただどの特性が組み合わさるかはランダムで短所ばかり組み合わさっちゃうこともあるんだ。
だからいっぱいいっぱい魔法を唱えて、たくさん作るんだ。
『いつかこの魔法で作ったお野菜で、【聖気】がいらないお野菜も作れるかな?』
そう私が紙に書いたらレイゼルさんが凄く驚いた顔をした。
「【聖気】がいらない植物ですか?」
うん。そう。
まだおばあ様が生きていた頃授業で習ったの。
世界が聖女を必要としているのは、作物を作るのに聖女がもつ【聖気】を世界に撒く必要があるからだって。
聖気は世界中のどこにでも存在するけれど、今はすごく少なくて、聖女が撒かないと作物を育てるには足りないの。だから聖女が必要なんだ。
でも私は【聖気】をデイジアに全部持って行かれちゃった。昔反応していた聖女の石も反応しない。だから私は聖女のお仕事の実りはもたらせられない。
でもこの【錬成】の魔法で聖気の必要がない作物をつくれれば、【聖気】がなくても聖女のお仕事、実りを世界にもたらす事ができるもの。
力がなくても、私もちゃんと聖女のお仕事できるかなって。
私がそう紙にかいて渡したら、レイゼルさんの手が止まる。
どうしたんだろう?
私が不思議に思って見てみていたら、レイゼルさんが今にも泣きそうな顔になる。
ごめんね、ごめんなさい。
私は何か言っちゃいけない事を言ったのかな?
そう思って「あー」って手を伸ばしたら。そのまま抱きしめられた。
「……すみません。……本当にすみません」
そう言って抱きしめてくれるレイゼルさんは震えていて、私は戸惑う。
どうして? どうして泣いてるの? どうしてレイゼルさんが謝るの?
ごめんなさい。私が変なことを言ったせい。
どうか、レイゼルさんが泣き止んでくれますように。
どうしていいかわからなくて、私はレイゼルさんの背中をぎゅっと掴んだ。
私は【錬成】の魔法でできたお野菜をレイゼルさんの所に持って行く。
このレワの野菜は、とっても美味しいけど育つのにとても時間がかかり、実をあまり付けない。だから美味しくないけど実をいっぱいつけるお野菜とレワの野菜の苗を【錬成】の魔法でくっつけていっぱい育つ新しい野菜の苗をつくりだした。
そしてその苗を植えて、今日育った実をレイゼルさんに見せたんだ。
「これはまた、上手に長所のみ組み合わせて融合できましたね。
流石です。ソフィア様」
いっぱい実った野菜を見ながらレイゼルさんが褒めてくれた。
えへへ。
この一年でお野菜をいっぱいできるようになったよ。
レイゼルさんのお手伝いをしたくて【錬成】の魔法をいっぱい練習したもの。
口で魔法は唱えられないけれど、心の中で唱えるとこの【錬成】の魔法は答えてくれる。
魔法を唱えると変な魔力の流れみたいな粒粒の螺旋が見えて、それをくっつけるようにイメージするの。
ただどの特性が組み合わさるかはランダムで短所ばかり組み合わさっちゃうこともあるんだ。
だからいっぱいいっぱい魔法を唱えて、たくさん作るんだ。
『いつかこの魔法で作ったお野菜で、【聖気】がいらないお野菜も作れるかな?』
そう私が紙に書いたらレイゼルさんが凄く驚いた顔をした。
「【聖気】がいらない植物ですか?」
うん。そう。
まだおばあ様が生きていた頃授業で習ったの。
世界が聖女を必要としているのは、作物を作るのに聖女がもつ【聖気】を世界に撒く必要があるからだって。
聖気は世界中のどこにでも存在するけれど、今はすごく少なくて、聖女が撒かないと作物を育てるには足りないの。だから聖女が必要なんだ。
でも私は【聖気】をデイジアに全部持って行かれちゃった。昔反応していた聖女の石も反応しない。だから私は聖女のお仕事の実りはもたらせられない。
でもこの【錬成】の魔法で聖気の必要がない作物をつくれれば、【聖気】がなくても聖女のお仕事、実りを世界にもたらす事ができるもの。
力がなくても、私もちゃんと聖女のお仕事できるかなって。
私がそう紙にかいて渡したら、レイゼルさんの手が止まる。
どうしたんだろう?
私が不思議に思って見てみていたら、レイゼルさんが今にも泣きそうな顔になる。
ごめんね、ごめんなさい。
私は何か言っちゃいけない事を言ったのかな?
そう思って「あー」って手を伸ばしたら。そのまま抱きしめられた。
「……すみません。……本当にすみません」
そう言って抱きしめてくれるレイゼルさんは震えていて、私は戸惑う。
どうして? どうして泣いてるの? どうしてレイゼルさんが謝るの?
ごめんなさい。私が変なことを言ったせい。
どうか、レイゼルさんが泣き止んでくれますように。
どうしていいかわからなくて、私はレイゼルさんの背中をぎゅっと掴んだ。
17
お気に入りに追加
1,705
あなたにおすすめの小説
【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャららA12・山もり
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。
めでたく婚約破棄で教会を追放されたので、神聖魔法に続いて魔法学校で錬金魔法も極めます。……やっぱりバカ王子は要らない? 返品はお断りします!
向原 行人
ファンタジー
教会の代表ともいえる聖女ソフィア――つまり私は、第五王子から婚約破棄を言い渡され、教会から追放されてしまった。
話を聞くと、侍祭のシャルロットの事が好きになったからだとか。
シャルロット……よくやってくれたわ!
貴女は知らないかもしれないけれど、その王子は、一言で表すと……バカよ。
これで、王子や教会から解放されて、私は自由! 慰謝料として沢山お金を貰ったし、魔法学校で錬金魔法でも勉強しようかな。
聖女として神聖魔法を極めたし、錬金魔法もいけるでしょ!
……え? 王族になれると思ったから王子にアプローチしたけど、思っていた以上にバカだから無理? ふふっ、今更返品は出来ませーん!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります
秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。
そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。
「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」
聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。
私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになります!
近藤アリス
恋愛
私生児聖女のコルネリアは、敵国に二束三文で売られて嫁ぐことに。
「悪名高い国王のヴァルター様は私好みだし、みんな優しいし、ご飯美味しいし。あれ?この国最高ですわ!」
声を失った儚げ見た目のコルネリアが、勘違いされたり、幸せになったりする話。
※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です!
※「カクヨム」にも掲載しています。
妹が真の聖女だったので、偽りの聖女である私は追放されました。でも、聖女の役目はものすごく退屈だったので、最高に嬉しいです【完結】
小平ニコ
ファンタジー
「お姉様、よくも私から夢を奪ってくれたわね。絶対に許さない」
私の妹――シャノーラはそう言うと、計略を巡らし、私から聖女の座を奪った。……でも、私は最高に良い気分だった。だって私、もともと聖女なんかになりたくなかったから。
退職金を貰い、大喜びで国を出た私は、『真の聖女』として国を守る立場になったシャノーラのことを思った。……あの子、聖女になって、一日の休みもなく国を守るのがどれだけ大変なことか、ちゃんと分かってるのかしら?
案の定、シャノーラはよく理解していなかった。
聖女として役目を果たしていくのが、とてつもなく困難な道であることを……
異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。
すてられた令嬢は、傷心の魔法騎士に溺愛される
みみぢあん
恋愛
一方的に婚約解消されたソレイユは、自分を嫌う義母に新たな結婚相手を言い渡される。
意地悪な義母を信じられず、不安をかかえたままソレイユは、魔獣との戦いで傷を負い、王立魔法騎士団を辞めたペイサージュ伯爵アンバレに会いに王都へと向かう。
魔獣の呪毒(じゅどく)に侵されたアンバレは性悪な聖女に浄化をこばまれ、呪毒のけがれに苦しみ続け自殺を考えるほど追い詰められていた。
※ファンタジー強めのお話です。
※諸事情により、別アカで未完のままだった作品を、大きく修正し再投稿して完結させました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる