桜の木に寄り添う

月乃結海

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過去と悪夢

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私の名前は、橋本なつみ。

私の家の隣には、大きな、大きな桜の木がある。

あの桜の木は、ずーっと私の成長していく姿を見守ってくれていることだろう。

私が子供の頃、ある男の子と出会った。

名前は…。

今、あの子は何してるかな。

窓から見える桜の木は少しだけ小さく見える。

もう一度だけ。

もう一度だけ逢えたなら。

………キキーーー!!

ドン!

「は!またあの夢だ。」
すごい汗だ。


「なつみー!朝ごはんだよー!」

「はーい。よいしょ。」

カタカタカタカタ…

私は、2年前事故にあってしまった。

青信号で渡っていたのに、トラックがまっすぐ突っ込んできたのだ。

それから車いすになってしまった。

「なつみ、顔色悪いよ。大丈夫?またあの夢を。」

「平気。心配しないで。今日のフレンチトースト上手くできたね!」

「でしょ?お母さん、今日仕事で遅くなるから。冷蔵庫に入ってるハンバーグ、チンして食べてね。」

「はーい。いってらっしゃい。」


私は部屋に戻り、窓の外を見ていた。
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