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第8話 緋勇くんのいたずらな笑顔
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緋勇くんのおうちの稲荷神社から帰ってきて、わたしはお兄ちゃんの部屋に呼ばれた。
神妙な顔したお兄ちゃん。ゆっくりじっくり話をしようって。
お兄ちゃんの恋人で雪女の雪菜ちゃんも、うちに寄ってくれて。
3人でお話をしたの。
「葵さ、俺たちになにが聞きたい?」
「えっ、なにがって……。うーん、たくさん銀翔さんから話を聞いたから、そんなに聞きたいことないかなあ」
「葵ちゃん。ソレ、ほんと?」
雪菜ちゃんの可愛いくりくりの大きな瞳で見つめられると、なんにもうそをつけなくなる。
にこにこな雪菜ちゃんの笑顔、かくしごとできないなあって思うの。
だって、雪菜ちゃんはもうわたしのお姉ちゃんみたいなものだから、ずっと心をゆるしてきたもん。
「えっと……。お兄ちゃんは雪菜ちゃんと結婚しても……。そのっ、ふ、二人の子供が産まれたらお兄ちゃん死んじゃうんでしょ!?」
ちょっとしりめつれつになっちゃった。
だけど、……通じたみたいで。
雪菜ちゃんとお兄ちゃんにいっせいに抱きしめられてた。
「……それはだれにも分かんねえけど」
「あのね、私は薫と二人だけでずっといられるなら、なにもいらないんだ。将来、私は薫と結婚する気満々だけど、薫が死ぬかも知れないなら、子供は諦めてるんだよ。……ごめんね、葵ちゃんはまだ小学生なのに、私たちの未来のことまで心配してくれてるんだね」
「うん。……あ、あとね。……緋勇くんや龍太くんやスズネちゃんもそうなんだよね?」
「そうだろうなあ。ついでにナナコと銀翔とこだって、将来生まれる子供は半妖だからいろいろ面倒なことも多いだろう」
そこで、ふふふっと雪菜ちゃんが笑った。
「葵ちゃん。緋勇のことね、好きなら好きでいいと思うよ」
「えっ! ええっ!? ……バレバレなんだ?」
「うん、バレバレ。そんな葵ちゃんが私ね、かわいいなあと思う」
「お、俺は兄として許さねえからな。小学生で色恋とか、彼氏とか彼女とかまだ早いっ!」
「よっく言うよ~。薫は小学生のときはナナコのことが好きだったでしょ?」
「そそ、そんなん忘れた! っていうか、もうナナコのことは破れた初恋で過去で。今は、雪菜が好きで付き合ってんだから関係ねえだろうが」
「ははっ、……ちゃっかりお兄ちゃんと雪菜ちゃんったら、いちゃいちゃしてるぅ。……ありがとう、二人とも励ましてくれて。わたし、部屋に戻るねー」
お兄ちゃんはめちゃくちゃおこってて、ずっとカンカンだった。
わたしに好きな子が出来たからって。
もうっ、お兄ちゃんは妹のわたしを溺愛しすぎ。
嬉しいけど、反面困るよ~。
お兄ちゃんは周りのお友達とかによく「お前はシスコンだな」って言われちゃってるの。
まったく、お兄ちゃんってば恥ずかしくないのかな?
雪菜ちゃんをおうちに送っていく時も、二人はわたしのことで言い合ってるみたいだったけど。
みんな、ありがとう。
心配して、応援してくれるけど、根本的なところが抜けてるんだよなあ。
わたしは緋勇くんが好き。
でも――。
きっと、緋勇くんはなんの取り柄もないわたしなんか好きになんかならないよ。
だってだってね、わたし見ちゃったんだ。
銀翔さんと話したあと、稲荷神社の池でほたるを見つけあってる緋勇くんたちを見た。
緋勇くんとナナコちゃんと龍太くんとスズネちゃん。
はしゃいで笑い声が響いてて、とっても仲が良さそうで……。
緋勇くんは笑いながらずっとナナコちゃんを見つめていた。
嬉しそうに。
わたしはちくちくと痛む胸が苦しかった。
――緋勇くん、あんな素敵な笑顔をわたしにも向けてくれる日が来るのだろうか?
緋勇くんってたぶん……、そうだ、きっと。
ナナコちゃんのことが好きなんだと思う。
そうなんだろうなって思ったら、胸がますます苦しかった。
✱✱✱
朝、学校に来たら、大人気の風城3兄妹の周りにはたくさんのクラスメートが群がっていた。
実際は緋勇くんたちは、銀翔さんも入れて義理の4兄妹ってことになるんだけど。
学校では『風城3兄妹』ってあだなみたいなのが定着しちゃった。
でも、窓際に座る緋勇くんは話しかけられても、ぼそぼそっと返事をひとことふたこと返すぐらい。
龍太くんは対象的ににこにこ王子様キャラで対応して、スズネちゃんはぴょんぴょん跳ねながら楽しそうにみんなと話してる。
「おはよう」
「……うっす」
「おはよう、葵ちゃん」
「おはよー! 葵!」
わたしは聞こえるかな~? って思いながらもみんなに挨拶すると、となりの席の緋勇くんがいちばんに「うっす」ってちいさく言ってくれたのが意外だった。ちゃんと聞こえたよ。
龍太くんとスズネちゃんもこちらに来て。
席に座っていた緋勇くんはひじを付きながら、ジロリとわたしを見上げる。
「おまえ、なんで待ってなかったんだよ」
「えっ?」
「薫には言ってあったんだ。聞いてただろ? みんなで学校に登校しようって。俺はおまえの護衛なんだぞ。しっかも、先に出ておいて俺らより遅く学校に着くってどういうことだ?」
緋勇くんの顔が怒ってた。
わたしはなんとなく、緋勇くんとナナコちゃんが一緒にいるとこを見たくなかった。
だから、そっと先に学校に行ったんだけど。
「うーん。どうしてか、学校に行くのに道に迷っっちゃって。いつもと同じ道なのに、あははっ、ドジでしょう? ……ごめんね、緋勇くん。わたしのこと心配してくれてたんだ?」
「はあっ!? し、心配なんかしてねえし!」
「……緋勇は素直じゃないねえ。あのね、葵。葵のことすっごく心配してたんだよ」
「えっ?」
「みんな! わたしも緋勇も龍太も、あとみんなみんな」
スズネちゃんは涙でうるうるとした目で、わたしをまっすぐ見つめてる。
「まあまあ。葵ちゃんだって一緒に登校したい子がいたりするんでしょう?」
「そういうことは我慢するなり……、まあそういうやつがいるならそいつも一緒に行けばいい。……はっきり言っておく。おまえ、間違いなく狙われてんだからな」
どきっとした。
緋勇くんの瞳が燃えるように朱く染まっている。
怒ってるんだ。
わたしは叱られて、泣きそうになった。
「ごめんなさい」
「葵。今朝、通学路で、お前に取り憑りつこうと待ち構えていたもののけがいたんだぞ。気をつけろよな? 一人になるな。……俺が祓って退治しておいたが、いつでも狙われてるって警戒しろ」
「も、もののけ?」
「妖怪とも違う、まがまがしい存在だ。俺はお前を見守っていたし、薫も銀翔も式神を飛ばしてお前になにかあった時は報《しら》せを受けることになってる」
「緋勇くんがわたしをっ? だって緋勇くんの方が先に教室に来てたじゃない!」
ついつい声が大きくなってしまって、龍太くんがしーっと口の前に人差し指を立ててウインクしてる。
「ご、ごめん……」
「ばあか。葵、お前、俺が朱雀って鳥だって忘れたのか? 校門に入ってからすぐ空を飛んで先回りしたんだよ。窓からさっと教室に入ったんだぜ」
緋勇くんはイジワルな顔で笑った。
からかってる!
小声でさらにわたし達は会話をつづける。
「だめじゃない。緋勇くんの神獣の姿を誰かに見られちゃったら大変なことになるんだよ?」
「大騒ぎになるだろうって? 変身の時は体の周りに結界張ってるし。それに俺の朱雀の姿はふつうのやつには見えないから。あれ? 言わなかったっけ?」
い、いじわる~!
緋勇くんって、わたしをからかって楽しそうに笑ってる。
にかあっと不敵に笑う。
実はけっこういたずらが好きな男の子なのかな?
「ぷはははっ。葵、そんな怒んなって。かわいいけど変な顔」
「怒ってないもん」
あっ、あれ?
緋勇くん、わたしのこと……、かわいいって言った?
聞き間違いかな……。
「あーっ! 葵と緋勇、ちょっと仲良しになったあっ!」
「「なってないっ」」
「葵、顔が赤いよ。くすくす……照れてるぅ」
「スズネちゃん、わたし照れてないって!」
「ふふっ。この調子なら、二人は心配いらなそうだね」
「なにが心配いらねえだよ。龍太は達観しやがって」
「うん。達観もしますよ。ボクは年長者ですからね」
緋勇くんとわたしと、スズネちゃんと龍太くん。
こうやって四人で話しているとすっごく楽しい。
わたしはのしかかる運命とか、怖いもののけとかの存在をちょっとの時間忘れてた。
神妙な顔したお兄ちゃん。ゆっくりじっくり話をしようって。
お兄ちゃんの恋人で雪女の雪菜ちゃんも、うちに寄ってくれて。
3人でお話をしたの。
「葵さ、俺たちになにが聞きたい?」
「えっ、なにがって……。うーん、たくさん銀翔さんから話を聞いたから、そんなに聞きたいことないかなあ」
「葵ちゃん。ソレ、ほんと?」
雪菜ちゃんの可愛いくりくりの大きな瞳で見つめられると、なんにもうそをつけなくなる。
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だって、雪菜ちゃんはもうわたしのお姉ちゃんみたいなものだから、ずっと心をゆるしてきたもん。
「えっと……。お兄ちゃんは雪菜ちゃんと結婚しても……。そのっ、ふ、二人の子供が産まれたらお兄ちゃん死んじゃうんでしょ!?」
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だけど、……通じたみたいで。
雪菜ちゃんとお兄ちゃんにいっせいに抱きしめられてた。
「……それはだれにも分かんねえけど」
「あのね、私は薫と二人だけでずっといられるなら、なにもいらないんだ。将来、私は薫と結婚する気満々だけど、薫が死ぬかも知れないなら、子供は諦めてるんだよ。……ごめんね、葵ちゃんはまだ小学生なのに、私たちの未来のことまで心配してくれてるんだね」
「うん。……あ、あとね。……緋勇くんや龍太くんやスズネちゃんもそうなんだよね?」
「そうだろうなあ。ついでにナナコと銀翔とこだって、将来生まれる子供は半妖だからいろいろ面倒なことも多いだろう」
そこで、ふふふっと雪菜ちゃんが笑った。
「葵ちゃん。緋勇のことね、好きなら好きでいいと思うよ」
「えっ! ええっ!? ……バレバレなんだ?」
「うん、バレバレ。そんな葵ちゃんが私ね、かわいいなあと思う」
「お、俺は兄として許さねえからな。小学生で色恋とか、彼氏とか彼女とかまだ早いっ!」
「よっく言うよ~。薫は小学生のときはナナコのことが好きだったでしょ?」
「そそ、そんなん忘れた! っていうか、もうナナコのことは破れた初恋で過去で。今は、雪菜が好きで付き合ってんだから関係ねえだろうが」
「ははっ、……ちゃっかりお兄ちゃんと雪菜ちゃんったら、いちゃいちゃしてるぅ。……ありがとう、二人とも励ましてくれて。わたし、部屋に戻るねー」
お兄ちゃんはめちゃくちゃおこってて、ずっとカンカンだった。
わたしに好きな子が出来たからって。
もうっ、お兄ちゃんは妹のわたしを溺愛しすぎ。
嬉しいけど、反面困るよ~。
お兄ちゃんは周りのお友達とかによく「お前はシスコンだな」って言われちゃってるの。
まったく、お兄ちゃんってば恥ずかしくないのかな?
雪菜ちゃんをおうちに送っていく時も、二人はわたしのことで言い合ってるみたいだったけど。
みんな、ありがとう。
心配して、応援してくれるけど、根本的なところが抜けてるんだよなあ。
わたしは緋勇くんが好き。
でも――。
きっと、緋勇くんはなんの取り柄もないわたしなんか好きになんかならないよ。
だってだってね、わたし見ちゃったんだ。
銀翔さんと話したあと、稲荷神社の池でほたるを見つけあってる緋勇くんたちを見た。
緋勇くんとナナコちゃんと龍太くんとスズネちゃん。
はしゃいで笑い声が響いてて、とっても仲が良さそうで……。
緋勇くんは笑いながらずっとナナコちゃんを見つめていた。
嬉しそうに。
わたしはちくちくと痛む胸が苦しかった。
――緋勇くん、あんな素敵な笑顔をわたしにも向けてくれる日が来るのだろうか?
緋勇くんってたぶん……、そうだ、きっと。
ナナコちゃんのことが好きなんだと思う。
そうなんだろうなって思ったら、胸がますます苦しかった。
✱✱✱
朝、学校に来たら、大人気の風城3兄妹の周りにはたくさんのクラスメートが群がっていた。
実際は緋勇くんたちは、銀翔さんも入れて義理の4兄妹ってことになるんだけど。
学校では『風城3兄妹』ってあだなみたいなのが定着しちゃった。
でも、窓際に座る緋勇くんは話しかけられても、ぼそぼそっと返事をひとことふたこと返すぐらい。
龍太くんは対象的ににこにこ王子様キャラで対応して、スズネちゃんはぴょんぴょん跳ねながら楽しそうにみんなと話してる。
「おはよう」
「……うっす」
「おはよう、葵ちゃん」
「おはよー! 葵!」
わたしは聞こえるかな~? って思いながらもみんなに挨拶すると、となりの席の緋勇くんがいちばんに「うっす」ってちいさく言ってくれたのが意外だった。ちゃんと聞こえたよ。
龍太くんとスズネちゃんもこちらに来て。
席に座っていた緋勇くんはひじを付きながら、ジロリとわたしを見上げる。
「おまえ、なんで待ってなかったんだよ」
「えっ?」
「薫には言ってあったんだ。聞いてただろ? みんなで学校に登校しようって。俺はおまえの護衛なんだぞ。しっかも、先に出ておいて俺らより遅く学校に着くってどういうことだ?」
緋勇くんの顔が怒ってた。
わたしはなんとなく、緋勇くんとナナコちゃんが一緒にいるとこを見たくなかった。
だから、そっと先に学校に行ったんだけど。
「うーん。どうしてか、学校に行くのに道に迷っっちゃって。いつもと同じ道なのに、あははっ、ドジでしょう? ……ごめんね、緋勇くん。わたしのこと心配してくれてたんだ?」
「はあっ!? し、心配なんかしてねえし!」
「……緋勇は素直じゃないねえ。あのね、葵。葵のことすっごく心配してたんだよ」
「えっ?」
「みんな! わたしも緋勇も龍太も、あとみんなみんな」
スズネちゃんは涙でうるうるとした目で、わたしをまっすぐ見つめてる。
「まあまあ。葵ちゃんだって一緒に登校したい子がいたりするんでしょう?」
「そういうことは我慢するなり……、まあそういうやつがいるならそいつも一緒に行けばいい。……はっきり言っておく。おまえ、間違いなく狙われてんだからな」
どきっとした。
緋勇くんの瞳が燃えるように朱く染まっている。
怒ってるんだ。
わたしは叱られて、泣きそうになった。
「ごめんなさい」
「葵。今朝、通学路で、お前に取り憑りつこうと待ち構えていたもののけがいたんだぞ。気をつけろよな? 一人になるな。……俺が祓って退治しておいたが、いつでも狙われてるって警戒しろ」
「も、もののけ?」
「妖怪とも違う、まがまがしい存在だ。俺はお前を見守っていたし、薫も銀翔も式神を飛ばしてお前になにかあった時は報《しら》せを受けることになってる」
「緋勇くんがわたしをっ? だって緋勇くんの方が先に教室に来てたじゃない!」
ついつい声が大きくなってしまって、龍太くんがしーっと口の前に人差し指を立ててウインクしてる。
「ご、ごめん……」
「ばあか。葵、お前、俺が朱雀って鳥だって忘れたのか? 校門に入ってからすぐ空を飛んで先回りしたんだよ。窓からさっと教室に入ったんだぜ」
緋勇くんはイジワルな顔で笑った。
からかってる!
小声でさらにわたし達は会話をつづける。
「だめじゃない。緋勇くんの神獣の姿を誰かに見られちゃったら大変なことになるんだよ?」
「大騒ぎになるだろうって? 変身の時は体の周りに結界張ってるし。それに俺の朱雀の姿はふつうのやつには見えないから。あれ? 言わなかったっけ?」
い、いじわる~!
緋勇くんって、わたしをからかって楽しそうに笑ってる。
にかあっと不敵に笑う。
実はけっこういたずらが好きな男の子なのかな?
「ぷはははっ。葵、そんな怒んなって。かわいいけど変な顔」
「怒ってないもん」
あっ、あれ?
緋勇くん、わたしのこと……、かわいいって言った?
聞き間違いかな……。
「あーっ! 葵と緋勇、ちょっと仲良しになったあっ!」
「「なってないっ」」
「葵、顔が赤いよ。くすくす……照れてるぅ」
「スズネちゃん、わたし照れてないって!」
「ふふっ。この調子なら、二人は心配いらなそうだね」
「なにが心配いらねえだよ。龍太は達観しやがって」
「うん。達観もしますよ。ボクは年長者ですからね」
緋勇くんとわたしと、スズネちゃんと龍太くん。
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