3 / 3
第2話 「自分じゃない人が作ってくれた美味しい美味しいご飯が食べた〜い!」
しおりを挟む
時々ね、無性に思うの。
それは――!
「自分じゃない人が作ってくれた、美味しい美味しいご飯が食べた~い!」
だから、たまには外ごはん。
普段は私、お昼も手作りのお弁当だし、朝も夜も自炊で頑張ってるから。
健気な節約っぷりだ。
時々ご褒美で外食するぐらいいいよね~。
私、多すぎる人の混雑には人あたりするくせに。
人肌恋しい寂しい夜には人のぬくもりが感じたい。
誰かの声が聞こえて、ただそこにいるだけでいい。
小さなバルで、私は癒やしの時間を過ごします。
ここは、イケメン店主の崎谷伶音《さきやれお》さんのお店……。
浜辺を散歩しててね、偶然見つけたの。
ひと目で感じたんだ、素敵なお店だなって。
まだオープンしたてのお客様がまばらな、……だからか居心地がいい。
美味しいお酒に美味しいおつまみ、感じのいい清潔で暖か雰囲気の店内。
店主は端正な顔立ちで微笑んだ顔がとっても素敵な伶音《れお》さん。
うん、隠れ家みたい。
どこか秘密めいてて。
「いらっしゃいませ、こんばんは。ああ、なるみさん。今夜もいらしてくれたんですね。……ありがとう。好きな席に座ってくださいね」
「あっ、はい」
カウンターは伶音さんに近すぎる。
私はそんなに男性慣れしてないから、恥ずかしい。
今夜は満月が綺麗だから、海と月が眺められるテラス席に出よう。
「テラス、いいですか?」
「ええ、どうぞ」
ワインを頼んだら、先出し? お通し? にレタスと柿のサラダがやってきた。
こういうのなんて言うんだっけ?
お通し、先付け、先出し……あとで調べてみよう。
なんだかスマホで調べる気はしなかった。
この時間、この空間。
私は心地良さにゆったり浸かって、満喫したい。
せっかくのディナータイム。
おひとり様だけど。
のんびり味わいたい。
静けさも、波の音も、……月明かりも。
意外な組み合わせ。
初めての味、サラダに入った柿だなんて初めて食べた。
「あっ、美味しい」
「良かった。美味しいって言ってもらえて。ごゆっくりどうぞ」
グラスに注がれた白ワイン、ほんのり色づいて芳醇な香りがする。
見上げると、にっこり微笑んだ伶音さんがどきっとするぐらい妖艶だった。
つられて笑顔な気分になる。
ギャルソンスタイルっていうのかな?
伶音さんの制服姿もかっこいいなあ。
私は、ちょっと酔ってきたかも。
口には出さないけど、適度なアルコールを摂取したので、脳内限定お喋りは滑らかに饒舌になってる気がする。
話す相手がいないしね~。
伶音さんにばかり、話しかけるわけにはいかない。
店内に働くのは伶音さんしか見当たらない。
お客さんがそんなにたくさんいなくたって、忙しいだろうから、ご迷惑だろう。
カウンターすぐ向こうの対面の厨房《キッチン》では、伶音さんが調理してるし。
お料理にお酒を運んでくれるのも伶音さん。
たまたまなのか、私がこのお店を訪れる時は、従業員らしき人物は伶音さんしかいない気がする。
それに私は、そんなに仲良くない人に積極的に話しかけられるタイプでもないし。
誰とでもすぐに打ち解けちゃう、友達の恵奈《けいな》が羨ましいぐらい。
海の波の音がする。
水面には、月の光が反射して、さざなみに揺れていた。
綺麗だな……。
まだ、ワイン一杯めにして、ほろ酔い気分。
それは――!
「自分じゃない人が作ってくれた、美味しい美味しいご飯が食べた~い!」
だから、たまには外ごはん。
普段は私、お昼も手作りのお弁当だし、朝も夜も自炊で頑張ってるから。
健気な節約っぷりだ。
時々ご褒美で外食するぐらいいいよね~。
私、多すぎる人の混雑には人あたりするくせに。
人肌恋しい寂しい夜には人のぬくもりが感じたい。
誰かの声が聞こえて、ただそこにいるだけでいい。
小さなバルで、私は癒やしの時間を過ごします。
ここは、イケメン店主の崎谷伶音《さきやれお》さんのお店……。
浜辺を散歩しててね、偶然見つけたの。
ひと目で感じたんだ、素敵なお店だなって。
まだオープンしたてのお客様がまばらな、……だからか居心地がいい。
美味しいお酒に美味しいおつまみ、感じのいい清潔で暖か雰囲気の店内。
店主は端正な顔立ちで微笑んだ顔がとっても素敵な伶音《れお》さん。
うん、隠れ家みたい。
どこか秘密めいてて。
「いらっしゃいませ、こんばんは。ああ、なるみさん。今夜もいらしてくれたんですね。……ありがとう。好きな席に座ってくださいね」
「あっ、はい」
カウンターは伶音さんに近すぎる。
私はそんなに男性慣れしてないから、恥ずかしい。
今夜は満月が綺麗だから、海と月が眺められるテラス席に出よう。
「テラス、いいですか?」
「ええ、どうぞ」
ワインを頼んだら、先出し? お通し? にレタスと柿のサラダがやってきた。
こういうのなんて言うんだっけ?
お通し、先付け、先出し……あとで調べてみよう。
なんだかスマホで調べる気はしなかった。
この時間、この空間。
私は心地良さにゆったり浸かって、満喫したい。
せっかくのディナータイム。
おひとり様だけど。
のんびり味わいたい。
静けさも、波の音も、……月明かりも。
意外な組み合わせ。
初めての味、サラダに入った柿だなんて初めて食べた。
「あっ、美味しい」
「良かった。美味しいって言ってもらえて。ごゆっくりどうぞ」
グラスに注がれた白ワイン、ほんのり色づいて芳醇な香りがする。
見上げると、にっこり微笑んだ伶音さんがどきっとするぐらい妖艶だった。
つられて笑顔な気分になる。
ギャルソンスタイルっていうのかな?
伶音さんの制服姿もかっこいいなあ。
私は、ちょっと酔ってきたかも。
口には出さないけど、適度なアルコールを摂取したので、脳内限定お喋りは滑らかに饒舌になってる気がする。
話す相手がいないしね~。
伶音さんにばかり、話しかけるわけにはいかない。
店内に働くのは伶音さんしか見当たらない。
お客さんがそんなにたくさんいなくたって、忙しいだろうから、ご迷惑だろう。
カウンターすぐ向こうの対面の厨房《キッチン》では、伶音さんが調理してるし。
お料理にお酒を運んでくれるのも伶音さん。
たまたまなのか、私がこのお店を訪れる時は、従業員らしき人物は伶音さんしかいない気がする。
それに私は、そんなに仲良くない人に積極的に話しかけられるタイプでもないし。
誰とでもすぐに打ち解けちゃう、友達の恵奈《けいな》が羨ましいぐらい。
海の波の音がする。
水面には、月の光が反射して、さざなみに揺れていた。
綺麗だな……。
まだ、ワイン一杯めにして、ほろ酔い気分。
0
お気に入りに追加
3
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
今日は私の結婚式
豆狸
恋愛
ベッドの上には、幼いころからの婚約者だったレーナと同じ色の髪をした女性の腐り爛れた死体があった。
彼女が着ているドレスも、二日前僕とレーナの父が結婚を拒むレーナを屋根裏部屋へ放り込んだときに着ていたものと同じである。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
貴方もヒロインのところに行くのね? [完]
風龍佳乃
恋愛
元気で活発だったマデリーンは
アカデミーに入学すると生活が一変し
てしまった
友人となったサブリナはマデリーンと
仲良くなった男性を次々と奪っていき
そしてマデリーンに愛を告白した
バーレンまでもがサブリナと一緒に居た
マデリーンは過去に決別して
隣国へと旅立ち新しい生活を送る。
そして帰国したマデリーンは
目を引く美しい蝶になっていた
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる