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1-6 遠崎佳奈
似合う、似合わない関係なく
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「井原と恋愛とかなかった?」
莉音ちゃんが鋭く聞いてくる。
「そんなのないよー!」
慌てて嘘をつく。
「そう……なら良かった!!」
彼女はころっと表情を変える。
「私の恋、応援してくれるよね?」
上目遣いで見つめてくる彼女に私は何も言えなかった。
ただ頷くことしかできなかった。
だって、かなわないもん、こんな美人に…。
「佳奈と井原くんて似合わないもんねー。佳奈はどちらかというとかっこいい感じだから、かわいい感じの男子の方が合う気がする!うちのクラスに佳奈にすごく似合う男子がいるんだけど今度紹介するよ!」
似合わない…。その言葉がどすっと肩に乗っかった気がした。
「いや、いいかなーあまり恋愛興味ないしー」
「そっか!了解~」
そしてまた[恋愛に興味ない私]として自分を隠すのだった。
次の週の水曜日。今日は聖来ちゃんに昼食を誘われたので彼女の教室へ行った。
「あの…。聖来ちゃんいますか…?」
「あ!!せんぱーい!!!」
走ってきていきなり抱きついてくる聖来ちゃんはなんだか愛おしかった。
日に日に彼女の愛が大きくなっていってる気がするのだが…。ちょっと助けただけなのになーと心の中では思いつつ、やはりこんなかわいい後輩に仲良くしてもらえて嫌だとは思わない。
「中庭でピクニックしませんか?サンドイッチを作ったんです。」
ピクニックバスケットを両手に持って彼女は言う。
「うん!そうしよっか。」
中庭に行き、日陰のところへ行く。芝生はフワフワしてて気持ちが良い。
「先輩と一緒に食べるのが夢だったので1つ夢が叶いました!!」
「そう言ってくれてうれしいな。ありがとう。」
「あの、これ鶏肉とポテトサラダのサンドイッチです。鶏肉は○○から取り寄せた~」
彼女は丁寧にサンドイッチの内容を説明してくれた。話を聞く感じ、すごくこれは高級なものだろう…。家には執事が5人くらいいるとのことで、お嬢様だな~と思う。
「おいしい~~~」
「そうですか!!良かったです!頑張って作って良かったです。ほんとは市販のものを買おうと思ったのですが、お母さまが大切な人に渡すものは愛情を込めて自分の手で作りなさいとのことで…。でもほんとにお母さまのいうとおりです!先輩の幸せそうな顔を見れてうれしいです。」
「良いお母さんだね。」
「はい!!」
それから2人で中学校のこととか話した。彼女は今まで女子校に通っていたため、男子がいる学校がすごく新鮮だそうだ。
「あ、そういえばこの前言った学年のかっこいい人誰かわかりました!国際科の井原くんです!」
「えっ…!」
「知っているんですか?」
聖来ちゃんにはら話してもいいかと思い、彼との繋がりを話した。
「お付き合いされていたんですか!!まあ!」
「今は違うけどね……。」
「2人ほんとにお似合いですよ!」
「そんなことないよ…。彼にはもっとかわいらしい人が合うよ。」
「そう言ってるってことはもしかしてまだ彼のこと好きなんですね?」
顔が熱くなる。
「……また仲良くしたいなってだけ。」
「そうなんですね。誰が何を言おうと私は2人を応援してます!先輩が好きになった人だから、良い人に違いないじゃないですか!」
その言葉に涙が出そうになった。なんて良い子なんだこの子は…。
「…頑張ります。」
「頑張ってください!」
そしてまた彼女は私をぎゅっと抱きしめた。
莉音ちゃんが鋭く聞いてくる。
「そんなのないよー!」
慌てて嘘をつく。
「そう……なら良かった!!」
彼女はころっと表情を変える。
「私の恋、応援してくれるよね?」
上目遣いで見つめてくる彼女に私は何も言えなかった。
ただ頷くことしかできなかった。
だって、かなわないもん、こんな美人に…。
「佳奈と井原くんて似合わないもんねー。佳奈はどちらかというとかっこいい感じだから、かわいい感じの男子の方が合う気がする!うちのクラスに佳奈にすごく似合う男子がいるんだけど今度紹介するよ!」
似合わない…。その言葉がどすっと肩に乗っかった気がした。
「いや、いいかなーあまり恋愛興味ないしー」
「そっか!了解~」
そしてまた[恋愛に興味ない私]として自分を隠すのだった。
次の週の水曜日。今日は聖来ちゃんに昼食を誘われたので彼女の教室へ行った。
「あの…。聖来ちゃんいますか…?」
「あ!!せんぱーい!!!」
走ってきていきなり抱きついてくる聖来ちゃんはなんだか愛おしかった。
日に日に彼女の愛が大きくなっていってる気がするのだが…。ちょっと助けただけなのになーと心の中では思いつつ、やはりこんなかわいい後輩に仲良くしてもらえて嫌だとは思わない。
「中庭でピクニックしませんか?サンドイッチを作ったんです。」
ピクニックバスケットを両手に持って彼女は言う。
「うん!そうしよっか。」
中庭に行き、日陰のところへ行く。芝生はフワフワしてて気持ちが良い。
「先輩と一緒に食べるのが夢だったので1つ夢が叶いました!!」
「そう言ってくれてうれしいな。ありがとう。」
「あの、これ鶏肉とポテトサラダのサンドイッチです。鶏肉は○○から取り寄せた~」
彼女は丁寧にサンドイッチの内容を説明してくれた。話を聞く感じ、すごくこれは高級なものだろう…。家には執事が5人くらいいるとのことで、お嬢様だな~と思う。
「おいしい~~~」
「そうですか!!良かったです!頑張って作って良かったです。ほんとは市販のものを買おうと思ったのですが、お母さまが大切な人に渡すものは愛情を込めて自分の手で作りなさいとのことで…。でもほんとにお母さまのいうとおりです!先輩の幸せそうな顔を見れてうれしいです。」
「良いお母さんだね。」
「はい!!」
それから2人で中学校のこととか話した。彼女は今まで女子校に通っていたため、男子がいる学校がすごく新鮮だそうだ。
「あ、そういえばこの前言った学年のかっこいい人誰かわかりました!国際科の井原くんです!」
「えっ…!」
「知っているんですか?」
聖来ちゃんにはら話してもいいかと思い、彼との繋がりを話した。
「お付き合いされていたんですか!!まあ!」
「今は違うけどね……。」
「2人ほんとにお似合いですよ!」
「そんなことないよ…。彼にはもっとかわいらしい人が合うよ。」
「そう言ってるってことはもしかしてまだ彼のこと好きなんですね?」
顔が熱くなる。
「……また仲良くしたいなってだけ。」
「そうなんですね。誰が何を言おうと私は2人を応援してます!先輩が好きになった人だから、良い人に違いないじゃないですか!」
その言葉に涙が出そうになった。なんて良い子なんだこの子は…。
「…頑張ります。」
「頑張ってください!」
そしてまた彼女は私をぎゅっと抱きしめた。
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