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1-5 井原悠太
一歩②
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「私、やりたいです。」
「ああ、やりたいっていう人が優先的だから、2人目は遠崎さんでよろしいでしょうか?」
「確かに彼女も衣装似合うと思う!良いと思います!」
佳奈は昔、運動に関連することが大の苦手だと言っていた。それなのに、自分から言うって…。
お腹のなかの気持ち悪さがすっと消えていく気がした。
「今日はこれで5、6組は解散です!次は14日の水曜日です!」
廊下に出て俺は佳奈のもとへ行き、言った。
もちろん敬語も忘れずに。
「遠崎先輩、さっきはありがとうございます。」
拓斗はぎょっとする。
彼女も驚きを隠せない様子だった。そして出てきた言葉は
「……足、大丈夫?」
だった。忘れていなかったのだ。俺の足の怪我のこと…。
「はい。だいぶよくなりました。」
信じられない。普通の会話ができてる…
「あのさ……」
「あ!井原くん!井原くんって文化祭実行委員会なんだね!!」
廊下の向かい側から津永さんがやってきた。
「え、あ、はい。」
「偶然!あ、それで私は佳奈に用事があるんだ。小説作ってみたんだけど、みてくれない??」
「あ、うん!ちょっとまって…」
「さっきちょうど終わったんだよ!できたてほやほやの小説、佳奈に読んで欲しい!」
「わかったよー」
佳奈は「じゃあ」と言って津永さんの言われるがままに行ってしまった。
……もうちょっと話したかったな。
それに、津永さんいつもと違って元気だったな。小説書くのが好きって言ってたし、初小説完成してうれしかったのだろうか。
「悠太良かったな。」
拓斗はにこにこしている。隣に立っている一ノ瀬先輩まで。
「ここからだね。」
「不安なんだけど。」
「悠太ならいけるよ!ただ問題は彼女だな…」
そうだ、まだ佳奈とちゃんと話し合えたわけではない。今日はああ言ってたけれど、ただの優しさでほんとは俺のことまだ嫌っているかもしれない…。
でも、一歩進んだ。それだけで今日は十分に思えた。
「ああ、やりたいっていう人が優先的だから、2人目は遠崎さんでよろしいでしょうか?」
「確かに彼女も衣装似合うと思う!良いと思います!」
佳奈は昔、運動に関連することが大の苦手だと言っていた。それなのに、自分から言うって…。
お腹のなかの気持ち悪さがすっと消えていく気がした。
「今日はこれで5、6組は解散です!次は14日の水曜日です!」
廊下に出て俺は佳奈のもとへ行き、言った。
もちろん敬語も忘れずに。
「遠崎先輩、さっきはありがとうございます。」
拓斗はぎょっとする。
彼女も驚きを隠せない様子だった。そして出てきた言葉は
「……足、大丈夫?」
だった。忘れていなかったのだ。俺の足の怪我のこと…。
「はい。だいぶよくなりました。」
信じられない。普通の会話ができてる…
「あのさ……」
「あ!井原くん!井原くんって文化祭実行委員会なんだね!!」
廊下の向かい側から津永さんがやってきた。
「え、あ、はい。」
「偶然!あ、それで私は佳奈に用事があるんだ。小説作ってみたんだけど、みてくれない??」
「あ、うん!ちょっとまって…」
「さっきちょうど終わったんだよ!できたてほやほやの小説、佳奈に読んで欲しい!」
「わかったよー」
佳奈は「じゃあ」と言って津永さんの言われるがままに行ってしまった。
……もうちょっと話したかったな。
それに、津永さんいつもと違って元気だったな。小説書くのが好きって言ってたし、初小説完成してうれしかったのだろうか。
「悠太良かったな。」
拓斗はにこにこしている。隣に立っている一ノ瀬先輩まで。
「ここからだね。」
「不安なんだけど。」
「悠太ならいけるよ!ただ問題は彼女だな…」
そうだ、まだ佳奈とちゃんと話し合えたわけではない。今日はああ言ってたけれど、ただの優しさでほんとは俺のことまだ嫌っているかもしれない…。
でも、一歩進んだ。それだけで今日は十分に思えた。
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