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1-4 遠崎佳奈
ヒーローの励まし
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「先輩って好きな人とかいるんですか。」
ぼーっとしていると隣の席に座っているヒロが聞いてきた。
朝7時20分。
電車に乗って学校に向かっている途中。目の前の景色がコロコロ変わっていく。
好きな人か……。莉音ちゃんのキラキラした表情がまだ頭から離れない。
「ごめん、変な質問した。」
「あ、いや、大丈夫だよ。好きな人はいないかな。」
「やっぱりそうですよね。男子に興味がないって前にも。」
「うん…ヒロはいるの?」
「います!!めちゃかわいい人っす!」
「いいねー」
ヒロが好きって思う人だからきっと優しくてしっかりした人だろうな。そう思いながらまた変わっていく外の景色を眺める。
「先輩何か悩んでいないすか。」
「え?何もないよ~」
「そっすか……。」
しゅんとする彼を見て私は申し訳ない気持ちになった。あのことヒロに話したいとは思う。ただ、真実を伝えること、それは彼の親友を傷つけたことを知らせるってことで…。ヒロまでも悲しい思いにさせてしまうに違いないのだ。
「まもなく、天沢国際前一天沢国際一お出口は左側ですー」
「先輩、降りますよ。」
「あ、そうだね!!」
急いで荷物を持ってヒロに続いて電車を降りた。
歩いていると、ヒロは立ち止まって私の方を振り返って言った。
「最近先輩変です。部活の小林先輩も心配して俺に聞いてくるんすよ。少しでも手助けできるならしたいので良ければ教えてくれませんか?話せば気が楽になるかもしれないし!」
ヒロも楓も心配してくれていたんだ…。概要だけ話そうかな…。私は深呼吸をして言った。
「大切な人を傷つけてしまったんだ。」
「そうっすか…。でも傷つけてしまったって反省できているなら改善できると思います!体育祭の時、瞬時に俺を助けに来てくれたじゃないすか。そんな勇気ある先輩ならなんだってできます!!1年の間から救世主って呼ばれるくらいですし。」
「改善できるかな。会う機会がなくて。」
「それは困りましたね…。」
「でも頑張ってみる。機会は作るものだし。」
「俺はいつだって応援してます。」
その言葉を聞いて何か熱いものがこみあげてきた。
怖い。彼に拒絶されるかもしれない。でも、ちゃんと話したい。そして謝りたい。
「ありがとうヒロ。まるでヒーローだね。」
「救世主とヒーローのコンビっていいな。」
ヒロはにっと歯を出して笑った。
ぼーっとしていると隣の席に座っているヒロが聞いてきた。
朝7時20分。
電車に乗って学校に向かっている途中。目の前の景色がコロコロ変わっていく。
好きな人か……。莉音ちゃんのキラキラした表情がまだ頭から離れない。
「ごめん、変な質問した。」
「あ、いや、大丈夫だよ。好きな人はいないかな。」
「やっぱりそうですよね。男子に興味がないって前にも。」
「うん…ヒロはいるの?」
「います!!めちゃかわいい人っす!」
「いいねー」
ヒロが好きって思う人だからきっと優しくてしっかりした人だろうな。そう思いながらまた変わっていく外の景色を眺める。
「先輩何か悩んでいないすか。」
「え?何もないよ~」
「そっすか……。」
しゅんとする彼を見て私は申し訳ない気持ちになった。あのことヒロに話したいとは思う。ただ、真実を伝えること、それは彼の親友を傷つけたことを知らせるってことで…。ヒロまでも悲しい思いにさせてしまうに違いないのだ。
「まもなく、天沢国際前一天沢国際一お出口は左側ですー」
「先輩、降りますよ。」
「あ、そうだね!!」
急いで荷物を持ってヒロに続いて電車を降りた。
歩いていると、ヒロは立ち止まって私の方を振り返って言った。
「最近先輩変です。部活の小林先輩も心配して俺に聞いてくるんすよ。少しでも手助けできるならしたいので良ければ教えてくれませんか?話せば気が楽になるかもしれないし!」
ヒロも楓も心配してくれていたんだ…。概要だけ話そうかな…。私は深呼吸をして言った。
「大切な人を傷つけてしまったんだ。」
「そうっすか…。でも傷つけてしまったって反省できているなら改善できると思います!体育祭の時、瞬時に俺を助けに来てくれたじゃないすか。そんな勇気ある先輩ならなんだってできます!!1年の間から救世主って呼ばれるくらいですし。」
「改善できるかな。会う機会がなくて。」
「それは困りましたね…。」
「でも頑張ってみる。機会は作るものだし。」
「俺はいつだって応援してます。」
その言葉を聞いて何か熱いものがこみあげてきた。
怖い。彼に拒絶されるかもしれない。でも、ちゃんと話したい。そして謝りたい。
「ありがとうヒロ。まるでヒーローだね。」
「救世主とヒーローのコンビっていいな。」
ヒロはにっと歯を出して笑った。
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