25 / 41
1-3 上杉拓斗
嫌い?
しおりを挟む
金曜日。文化祭実行委員で集まるのが2回目。
文化祭は7月下旬に行われる。今日の会議では役割分担をするそうだ。悠太がいない代理はこの前教室で俺のことを受け入れてくれた彼女…赤瀬さんにやってもらうことになった。そういえばお礼を言ってなかったな。言ういい機会かもしれない。
会議室まで歩いている途中、俺は思い切って彼女に話しかけた。
「あの、赤瀬さん。」
「ん?」
「悠太の代わりに引き受けてくれてありがとう。それと、前教室でさ、クラスの人に向かって色々言ってくれてありがとう。あれから教室が居心地良くなった。」
「あたしはなんもしてないわ。ただ思ったことを言っただけ。それに、上杉と話すの楽しいっていうか。」
「そっかぁーそう言ってくれてうれしい。ありがとう。」
赤瀬さんは顔を紅色に染めてうつむいた。
会議室に入ると一ノ瀬先輩と目が合った。彼はこっち来てと合図を送ってくる。
「こんにちは!」
「やあ、久しぶりだね。井原は休み?」
遠崎先輩に聞こえないようにこそっと聞いた。
「はい…。今月は学校来ないって…。」
「ええ!?」
びっくりするよな…悠太も中学のこと引きずりすぎなんじゃないか、ほんとに。
「遠崎先輩~ちょっと話していいですか~」
「私も~」
俺が一ノ瀬先輩と話していると複数の1年女子が遠崎先輩を囲んだ。
「どうしたの?」
「先輩って井原くんのこと振った理由ってなんですか?」
「2人ってどういう関係なんですか??」
ストレートに聞く!?やばいじゃん、やばいじゃん、なんて答えるの遠崎先輩??
「井原は中学で委員会が同じだった後輩、それだけ。それに振ってない。」
「球技大会の時、先輩と話した後泣いてたんですか?」
「なんで知る必要があるの?知ってどうするの?広めても彼が苦しむだけ。井原のこと大切に思っているんだったら彼のこと思いやってあげて。なにかあったら私手伝うし。」
「確かに先輩の言う通りですね。彼のプライバシーに踏みこんでいました、ごめんなさい。」
「うん…。先輩にもいろいろ聞いてすみません…。」
「私は大丈夫。ただ井原のことは頼むよ、あいつああ見えてメンタル弱いからさ。」
目の前の光景が信じられなかった。遠崎先輩が悠太のことかばってる。
一ノ瀬先輩によると遠崎先輩は悠太のこと『嫌い』って言ったそうだけど、本当に悠太のこと嫌い??
文化祭は7月下旬に行われる。今日の会議では役割分担をするそうだ。悠太がいない代理はこの前教室で俺のことを受け入れてくれた彼女…赤瀬さんにやってもらうことになった。そういえばお礼を言ってなかったな。言ういい機会かもしれない。
会議室まで歩いている途中、俺は思い切って彼女に話しかけた。
「あの、赤瀬さん。」
「ん?」
「悠太の代わりに引き受けてくれてありがとう。それと、前教室でさ、クラスの人に向かって色々言ってくれてありがとう。あれから教室が居心地良くなった。」
「あたしはなんもしてないわ。ただ思ったことを言っただけ。それに、上杉と話すの楽しいっていうか。」
「そっかぁーそう言ってくれてうれしい。ありがとう。」
赤瀬さんは顔を紅色に染めてうつむいた。
会議室に入ると一ノ瀬先輩と目が合った。彼はこっち来てと合図を送ってくる。
「こんにちは!」
「やあ、久しぶりだね。井原は休み?」
遠崎先輩に聞こえないようにこそっと聞いた。
「はい…。今月は学校来ないって…。」
「ええ!?」
びっくりするよな…悠太も中学のこと引きずりすぎなんじゃないか、ほんとに。
「遠崎先輩~ちょっと話していいですか~」
「私も~」
俺が一ノ瀬先輩と話していると複数の1年女子が遠崎先輩を囲んだ。
「どうしたの?」
「先輩って井原くんのこと振った理由ってなんですか?」
「2人ってどういう関係なんですか??」
ストレートに聞く!?やばいじゃん、やばいじゃん、なんて答えるの遠崎先輩??
「井原は中学で委員会が同じだった後輩、それだけ。それに振ってない。」
「球技大会の時、先輩と話した後泣いてたんですか?」
「なんで知る必要があるの?知ってどうするの?広めても彼が苦しむだけ。井原のこと大切に思っているんだったら彼のこと思いやってあげて。なにかあったら私手伝うし。」
「確かに先輩の言う通りですね。彼のプライバシーに踏みこんでいました、ごめんなさい。」
「うん…。先輩にもいろいろ聞いてすみません…。」
「私は大丈夫。ただ井原のことは頼むよ、あいつああ見えてメンタル弱いからさ。」
目の前の光景が信じられなかった。遠崎先輩が悠太のことかばってる。
一ノ瀬先輩によると遠崎先輩は悠太のこと『嫌い』って言ったそうだけど、本当に悠太のこと嫌い??
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
王太子殿下の執着が怖いので、とりあえず寝ます。【完結】
霙アルカ。
恋愛
王太子殿下がところ構わず愛を囁いてくるので困ってます。
辞めてと言っても辞めてくれないので、とりあえず寝ます。
王太子アスランは愛しいルディリアナに執着し、彼女を部屋に閉じ込めるが、アスランには他の女がいて、ルディリアナの心は壊れていく。
8月4日
完結しました。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
夫は私を愛してくれない
はくまいキャベツ
恋愛
「今までお世話になりました」
「…ああ。ご苦労様」
彼はまるで長年勤めて退職する部下を労うかのように、妻である私にそう言った。いや、妻で“あった”私に。
二十数年間すれ違い続けた夫婦が別れを決めて、もう一度向き合う話。
私が死ねば楽になれるのでしょう?~愛妻家の後悔~
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢オリヴィアは伯爵令息ダーフィトと婚約中。
しかし結婚準備中オリヴィアは熱病に罹り冷酷にも婚約破棄されてしまう。
それを知った幼馴染の伯爵令息リカードがオリヴィアへの愛を伝えるが…
【 ⚠ 】
・前半は夫婦の闘病記です。合わない方は自衛のほどお願いいたします。
・架空の猛毒です。作中の症状は抗生物質の発明以前に猛威を奮った複数の症例を参考にしています。尚、R15はこの為です。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる