もう一度君と…

海津渚

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1-2 遠崎佳奈

明日の予定

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『…っ佳奈…!』
 
 はっ。夢か…
 スマホを見る。楓から20件くらいメールが来ていた。
[佳奈、昨日倒れたの大丈夫だった!?!?]
 あっ、あれは夢じゃないのか…

 学校行きたくないな…会いたくないな…

 ほかにもメールが来ていた。
 夕陽やひなた、ヒロ、聖来ちゃんからも心配のメールが来ていた。
 1年生通じて倒れたって情報広まったのかな。申し訳ないな。

 1つずつメールを返していく。気づけばもう学校に行く時間だった。
 遅刻ギリギリに登校しよ。私は亀のような速さで駅へ向かった。

 亀のような速さで歩いたはずなのに、学校に着いた時刻はいつも着く時刻の5分遅いくらいだった。
「佳奈!!」
 楓が走ってくる。
「おはよう。無事?平気?」
「あ…うん…」
「大丈夫じゃないね。クールビューティーとなんかあった?」
「え。」
「彼が入って来た途端倒れたんだもん。」
 いつもイケメンのことしか頭にない楓が鋭いところ指摘してくる。
「なんでもないよ!!疲れてるだけ…」
 ほんとは全部吐き捨てたい。だけど、井原のことで楓に迷惑かけたくない。かっこいいと思うかどうか人それぞれだし。
 自分の気持ちの問題だし。

「先輩!!」
 ヒロだ。
「大丈夫っすか!?」
「うん…。」
「心配なんで明日一緒に登校しましょ。」
 紅色に染まった顔で彼は言った。
「でも、電車違うんじゃ。」
「朝先輩の家に迎えに行きます。」
「私の家知っているの?」
「あ。知らないっすね。」
 笑ってしまう。ヒロかわいいな。
「私の最寄り駅で集合しよ。駅までバスがあるし。」
「了解です!なんでも相談聞きますので明日良ければ教えて下さい。」
「あ、ありがとう…」
 でも……ヒロには言えないな。

 あなたの親友と再会したくなかったなんて。
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