一妻多夫制

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番外編

一妻多夫制(番外編56・子種袋)

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 「今夜、いいかな?」
 私たち夫婦の合言葉。
 生理中や、よほど体調が悪い時以外は受け入れるようにしている。

 SEXに対して興奮したりすることは無くなってきた。
 夫婦のコミュニケーションの一つだと割り切っている。
 最近はアソコが濡れにくいから寝室に入る前にローションを塗っている。
 彼の方は私の下着を脱がす時に
 「こんなにヌルヌルにして!エッチだな~」

 等と興奮している。本当に男って単純だな~、、、そう内心思いつつも、これで少しは早くイッてくれるかな?みたいな期待もある。

 「ゴムは着けてね!」
 寝室に入るなり私のパジャマを荒々しく脱がせてくる彼に一言。
 結婚したての頃は、生でやって最後は外に出してもらっていたが、今では効率重視!
 2回目のシャワーを浴びるのが面倒臭いのだ、、、
 ゴムしてたら後処理は楽だし、私もトイレのウォッシュレットで簡単に洗い流せば直ぐに眠れるから。

 「あっ、あっ、気持ちいい、、、イクっ」
 ドクンドクンと私の膣内で射精する彼。
 今日は10分くらい、、、早く終わってよかったー、、、

 私は彼のチンチンからゴムを外し、手際良く結ぶ。
 ゴムの先には白濁した精液が溜まっている。
 ベット横のゴミ箱にゴムを捨てながら、ティッシュを数枚とりチンチンを拭いてあげる。
 (あっ、子種袋が縮んで伸びてる、、、)

 さっきまでパンパンに膨れ、私のお尻にペチペチと当たっていたキンタマ?はだらしなく伸びきっていた。
 正式な呼び名は睾丸?陰嚢?よく分からないけど、女子会で友達が言っていた子種袋という呼び名が印象に残り、いつしか私もそう呼ぶようになっていた。

 彼はスッキリしたのか、ものの数分でイビキをかいて寝ている。
 私はトイレのウォッシュレットでアソコを洗うも、少しヒリヒリする。今度はローションをもう少し増やさなきゃ、、、、

 夫婦仲は良い方だと思う。
 義理SEXでも、好きな人が満足してくれるならそれで良かった。
 ただ、あの事故が起きるまでは.....

 私の両親が事故で亡くなった。
 ショックで私は精神的不調になり、ふさぎ込む日が増えていった、、、
 彼はそんな私に気遣い優しくしてくれた。
 が、、、
 「今夜、いいかな?」

 私はベットの上で揺れながら離婚を決意した。
 他にも3人の夫がいたが、直ぐに性交渉権の移行手続きは行わないことにした。
 それでも、元夫の子種は無くさないといけないらしい。それが一妻多夫制の法制度なのだ、、、

 
 後日、私は去勢科にいた。
 簡単な本人確認と書類を提出した後、私は元夫の子種をなくす為に処置室へと向かう。

 壁に開いた穴から元夫の子種袋が突き出ている。
 異様な光景に一瞬躊躇してしまう。

 その前には椅子とテーブルがあり、数種類の去勢器具と下には受け皿になるアルミトレーが置いてある。
 今回は私の都合による離婚となる為、チンチンは切除しなくていいみたいで安心していたが、子種袋を単体でマジマジと見る事は無かっただけに、その大きさと存在感に驚いた。

 私はゴム手袋をはめて準備をする。
 様々な器具の中から去勢用のハサミを右手に持つ。
 取っ手に指を通すと、キッチンハサミにも見える2本の刃が赤く発熱しだした。

 目の前にはパンパンに膨らんだ子種袋。
 両親が亡くなった後にも欲望を溜め続け、私の中に吐き出していた主にも思えた。
 彼には悪いけど、コレを取ることにより、私の中での一区切りがつくような気がしていた。

 私は左手で子種袋を握る。
 そして、赤く熱したハサミで一気に切り落とした。

 壁からぶら下がっていたものは消え、切断面が真っ赤に焼けていた。

 !?ニュルンと私の左手から何かが飛び出す。
 銀色のトレーの上にペチャリと落ちる真っ白な2つのタマ。
 タマから伸びる管も数センチで切断され、切り口から濃い真っ白な液体が流れ出ている。

 私は、中身の無くなった子種袋をトレーの端に静かに置き部屋を後にした。

 どうしてこうなったんだろう、、、
 誰かのせいではなく、両親、私、彼。
 多分、みんな運が悪かったんだろう。

 私は性交渉権を他の夫に移行しないだろう、、、それが、私自身への戒めだから。

 
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