一妻多夫制

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堕天使編

一妻多夫制(堕天使③)

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 実践訓練と言う名のもと、私はベットに押し倒された。

 トレーナーは荒々しく私の服を脱がしていく。
 (3日前にも抱かせてあげたのに、、、)
 SEXに関して、私は常に上から目線で男を見ている。
 発情したオスに、思考能力は無い。
 交尾中、男の身体を支配しているのは、脳ではなくpenisだと思っているからだ。

 下着を脱がそうとする、トレーナーの手を私は止めた。
 私は、情報が欲しいのだ。
 
 彼の下腹部は勃起し、亀頭の先からは欲望が溢れ出るかの様に、透明なカウパー液を垂れ流している。

 私は、ソレを口に含みながら
 「硬くて大きくて、アナタのチンチン大好き!」

 彼は、我慢できないのか?体勢を変えて私の陰裂を指で開きクリトリスを舐める。

 (直ぐにはヤらせてあげないんだから..)

 「ね~え?この前のカプセルは何?凄かったんだけど」

 彼は、私の問いを無視してクリトリスを舐める事に夢中なようだ、、、返事がない。

 私は、彼のペニスを軽く噛みながら
 「秘密にするんだったら、チンチン噛みちぎって食べちゃおっかな?でも~、チンチン無くなったらエッチ出来なくなっちゃうね♡」

 その言葉に彼は反応する。
 コイツは、根本的にはM体質なのだ、、、何度も、身体を重ねた私だから分かる。

 「ブースト!!」
 ???
 聞けば、彼が独自開発している【ブースト】と名付けられた薬。
 一時的に、筋力を倍増する事が出来るらしい。
 まだ研究段階であるとの事。
 身体中の各臓器(特に心臓)に最大の負荷をかけるが、その恩恵として通常時には封じられている、人間の潜在意識領域の力を少しだけ使用する事が出来るらしい。
 それでも、前回使用した薬量は、かなり薄めてあったと聞いた。
 
 、、、この男は、私を実験台にしているのだ!!
 しかし。
 私は驚きと憎しみよりも、【ブースト】と彼が呼ぶ薬に対する興味の方が勝った。

 
 ....後々、唯一の『S級堕天使』と呼ばれ、闇業界から恐れられる私の原点がそこにあった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 その日、私は瀕死状態だった、、、
 潜入捜査に失敗した。
 それは、『死』を意味する。

 男に馬乗りになられ、激しく顔面を殴打される、、、、もう、感覚さえ消えてきた、、
 (ママ?助けて!凄く痛いの、、、もう。生きていくのが辛いの、、、、)

 [ジジ,...ガッ、、..,ジジッッ、ザ、、]

 激しい電波障害の中、私は研究室のAIと通信を試みる、、、
 「ブーストの使用を許可します」
 冷たい音声アナウンスの後、、、幻聴だったのだろうか?、、、

 [ガガッ、ジッ、、ザザー、、]

 「ダメ!あの娘が壊れちゃう!!」

 [ジジ、ジッッ]

 「助け、助ける、為には、使用する。する、しかな....い.....」

 (あっ!?パパ?ママ?私、、分かる?わたしだよ?寂しかった。もう直ぐ会いに行くね、、、あのね、私、頑張ってお金いっぱい貯めたの!ケーキもプレゼントも買えるわ!ねえ?皆んなでクリスマスの続きをしようよ♡沢山お喋りしたい!いいでしょ??)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 意識が遠のいていく中、私は奥歯(義歯)に埋め込まれていたカプセルが、舌の上に転がってきたのを感じた。
 もうろうとする意識の中、それを噛み潰した、、、、。苦い液体が舌状に広がる。
 次の瞬間、、.....!!!

 私は、半分閉じかけていた瞼の中で、花火が打ち上がる位の眩しい閃光を感じた。


 ※※※※※※


 私は病院のベットの上で意識を取り戻した、、、

 (そうだ、私はヘマして...それから。どうなったんだっけ?)

 最初は混乱していたが、横で手を握るトレーナーの姿を見て生きている事を理解した。

......何となく思い出せる。
 あの日、私は2人の女の子と一緒に潜入捜査中だった。
 3人の男と、私たち3人の女。
 彼らと性交し、膣内に放出される遺伝子を持ち帰るだけの簡単な任務中だったはず?
 しかし、イレギュラーはいつ起こるか分からない、要は簡単な任務なんて存在しないのだ。
 行為中に1人の男のスペースフォンが鳴る、、、
 男は何度か頷くと他の2人の男に耳打ちした、、、、

 次の瞬間。
 男達は女の子に挿入しながら首を絞めた!!
 (くっ、苦しい!)
 そこで、意識は無くなる。

 繁華街のゴミ集積場。
 3人の女性が、全裸で横たわっていた、、、、
 
 その中で、1人だけ私は夜が明ける前の、薄暗い中で目を覚ました。
 身体中が痛かったが、両隣りで目を見開き死んでいる同僚2人の女の子を見て我にかえる。

 私も無事では無かった、、、痛みが激しい。。。
 肋骨は数本折れており、指も変な方向に折り曲げられていた。
 ただ、その時は痛みよりも、亡くなっている同僚の姿の方がショックだった。

 (なぜ?私だけが助かってしまったんだろう、、、、きっと神様に嫌われているんだ..地獄の番人に迎えてもらうまで、私は苦しみ続けなきゃならないの?、、、)

 あの時?思い返すと、私は意識を失いそうになりながらも、口の中に違和感を感じていた、、、、
 
 左側の1番奥の歯、第二大臼歯が開いている。
 そして、中のカプセルが消えていた。

 《私の両側の奥歯は義歯だった。
 チタン合金で出来たインプラント体を埋め込み、アバットメントで連結されている。
 普通の義歯と違うのは、中にブーストと呼ばれるカプセルが隠されていること。
 かと言って、そのブーストは自由に好き勝手使えるわけでは無い。
 管理用の人工知能と繋がっており、私は耳内に埋め込まれた骨伝導イヤホンで指示を受ける。
 ブースト薬の伝達物質は一定量だが、私の体内ではシナプスと伝達前後での受容体タンパク質量を遠隔で操作されており、身体が耐えれる様に調整される。》

 後日、私たち潜入員3人の行動履歴が確認される。
 私たちが、耳につけているピアスは、只のアクセサリーではない。
 小型のカメラが内蔵されいる。
 
 本部は、今回の潜入捜査失敗を重き見ており、様々な証拠画像を解析し原因追及を行なった。
 結論、内部職員による機密漏洩が発端であり、その職員は消された、、、、

 一つだけ結論が出なかった事は、私1人が生き残ったこと。

 【ブースト起動の次の瞬間が映っていた。私は、馬乗りになっていた男の首を両手で掴むと同時にへし折った。
 変な角度に首が曲がった男を蹴り上げ跳ね飛ばすと、他の2人の男が異変に気付き飛びついて行く。
 1人の男は手に短刀を握っている。
 私は、下段回し蹴りで2人の男達の足元をはらっていた。
 中に舞う男達、、、、1人の男が手に持つ短刀を私は奪い、そのまま別の男の首に突き立てる。

 残る1人は私の後ろに回り、首を肘で締め付けていた。
 一気に呼吸と血流が止まるはずだが、私は意にしていない様だった。

 自分の股下から手を伸ばすと、後ろの男の陰嚢を掴む。

 パチュッッ!!!

 鈍い、破裂音と同時に男は倒れ込む。
 最後の男の睾丸を一瞬で握り潰していた!

 、、、、、

 私は、誰も動かなくなった部屋から同僚の女の子2人を背に追い部屋を出ていった、、、

 そして、薬の効果が切れた私は、そのままマンション下のゴミ集積所の前に倒れ込んだ、、、、、】
 


ー➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ー


 施設に収容され、病室のベットの上で固定されている私。
 
 トントンと2回ノックするのはトレーナーだ。
 2回はトイレノックだと教えてあげたのに、彼は直さない。
 良くも悪くも、自我をキチンと持った変態だと私は理解している、、、、

 「あちゃ~、派手にヤられたね~。これじゃ、今日のエッチは諦めよう」
 
 一言目がこれだ......コイツには人を思いやる気持ちが生まれつき欠如しているのだろう。
 でも、私が今こうして生きているのはコイツのおかげ、、、、でも、私だけ生き残っても、、、、

 「他の娘にもカプセルをあげなよ。そうしていれば彼女たちも死なずに済んだかもしれないのに.......」
 私は、目を見開いて死んでいた同僚を思い出しながら言った。

 トレーナーは暫く沈黙した後、私の耳元で
 「勘違いしてもらっちゃ~困るよ?アレは僕個人の研究であって、キミは只のモルモットなんだから、、、」

 悔しさと寂しさで涙を浮かべる私に
 「た~だ、、、普通のモルモットではない。あの人から任された大切なイモウ、、、じゃなくて、モルモット。決して死なせはしないから」

 私の頭を軽く撫でながら、キスをしてくるトレーナー。
 そのまま部屋を去ろうとする彼に対して
 「ねーえー!お見舞いの品は?まさか手ぶらだったの!まあ、いいわ?次来る時にはスイーツ沢山買ってきて!」

 皮肉を言う私に、トレーナーはドアの手前で振り向き、無言ながら笑顔でOKサインを指で返してくれた。

 

 。。。、、、....……彼の笑顔を見るのは、それが最後だった。
 翌日、夕方。
 彼は殉職し。た。。

 
 
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