一妻多夫制

堕天使編

一妻多夫制(堕天使①)

　どの時代にも半グレ集団はいる。
　何故一定の割合で発現するのか？
　教育のせい。政治のせい。、、、、様々な意見が飛び交うなか、遺伝子のせいと言い出す学者も出てきた。

　虫で説明すると、アリの世界では2-6-2の法則というのがある。
　どんな集団でも2割のアリがエリート、6割が普通、2割が働かない。
　上位2割と下位2割。お互いにどの様な相互作用をもたらしているのかは定かではないが、結果的にその様な割合に落ち着くのであれば下位の2割も必要悪として、集団の中で認められるのかもしれない。

　「だから何？被害者は泣き寝入りしろって事？アンタらみたいな大人が半グレを増長させてるの！」

　私は授業の途中で先生に反論し教室を後にした。

　小学校の頃は、恵まれた容姿と親の財力で特別に扱われて育った。
　実際、小学生の時点で中学・高校の問題を理解でき解くことが出来た。

　誰からも羨ましがられる存在だった。　
　それが続くと思っていた、、、、あの事件が起こるまでは。


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　そう、、、、クリスマスの前夜祭。
　イブの夜。
　私の両手を握り、微笑ましく歩く両親。

　パパは、遺伝子研究所の所長。
　ママは、整形外科医。

　いつもなら、お迎えの真っ黒な大きなクルマで帰るのに、その日だけは違った。
　パパは運転手さんに
　「今日は久しぶりの晴天で夜空も綺麗だ。妻と娘と一緒に星空を眺めながら歩きたい、、、君もたまには早く帰ってお子さんとイブの夜を楽しんで」

　そう、パパは優しく人望が厚い人だった。
　子供ながらに尊敬していた、、、何故？過去形なのかな、、、、だって。
　クリスマスイブの夜にパパは殺された。
　ママは....パパが暴行を受ける光景を目にしながら3人の男にレイプされた。

　私は全てが理解出来なかった。ただ、ずっと言い続けた
　「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」

　(私が気付かないうちに何か悪い事をしてしまって男の人達を怒らせてしまったんだ、、、ママは何時も言っていた。間違ったかも？と思った時には謝りなさい。頭を下げる事は負けじゃないの、頭を下げて相手との距離を縮めて理解し合う方法なの。あなたは賢いから分かるわね)

　
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　どれ程の時間が経ったのだろう、、、
　私は保護官の女性に頭を抱え、さすられながら
　「頑張ったね～、お家に帰ろうね～」

　私は理解していた。
　帰るお家なんて無い事を、、、、.....