一妻多夫制

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番外編

一妻多夫制(番外編40・最後の性交)

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 全く納得のいかない判決だった。

 浮気をした嫁は罰金刑で被害者の僕が去勢刑だと??
 嫁が性交渉権を間男に移すと言うのだ。
 それは同時に現在の性交渉権の保持者である僕の遺伝子を抹殺する事を意味していた。

 判決を不服とした僕は上告するものの不適法とされ棄却され刑が確定した。

 間男は資産家だった。
 全てを持っている男が何故に僕から1番の大切な人を奪うのか理解不能だった。
 ファッションモデルをしていた嫁は確かに周りが羨むような美貌の持ち主で僕の自慢でもあった。

 しかし、こんな結末が待っていようとは....
 事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものだ。

 間男からは通常ではあり得ない程の慰謝料がもらえる、数年間働かなくて良い金額だ。
 また、僕に非が無いと言う事で去勢刑でも1番軽いと言われている睾丸のみの処置となる。

 嫁も去勢の事実確認の為に、事前の去勢術式の説明は2人で聞いた。
 「良かった~!疑似睾丸を入れてくれるみたいだから見た目も変わらないし、エッチも出来るって!!でも、本当に御免なさい」

 嫁から言われた時は怒りを越えて殺意さえ湧いた、、、、誰のせいでこうなったんだと。
 しかし、僕は男に間違いないと今更ながら実感する感情が芽生えてしまう。
 現時点では、まだ僕に性交渉権がある。
 隣にいるのは嫁、否、もうじき他人の妻になるとは言え綺麗な女性だ。

 そう言えば何時ぶりだろう?嫁を女性として見たのは?毎日一緒に居るとそれが当たり前の生活になる。
 改めて見ると気付かなかった事が沢山見えて来た。
 着ている服も高そうな光沢があるワンピース、アクセサリーもダイヤがまき散らされた高価そうな物ばかり、1番安そうなのが僕があげた結婚指輪だった。
 間男のお金だろうが嫁が美しいまま輝いていけるのは羨ましくもあり、何故今まで近くにいて嫁の変化に気付いてあげられなかったのか。
 
 仕事が忙しかったのもあるが、僕は嫁の変化に興味を持たないつまらない男になっていたのかもしれない。
 夫として失格だな......
 この瞬間までは納得がいかないの一点張りだった僕の心の隅にそんな空間が出来た。

 同時に心の空間を凄い勢いで占領してくる感情もあった。 
 嫁を最後に抱きしめたい、、、いや、本音はSEXしたい。
 そう、性欲だった。
 男の保守本能なんだろうか、睾丸を切除される前に女の膣に挿入したい!!

 「最後に1発だけヤらせてっ!!」なんて、女性を蔑ろにする最低の男の発言だ、なんて思っていた僕だけど、脳内を性欲で支配された時に無意識の内に嫁に言ってしまった。

 「こんな時に何言ってんの!最低なんだけど!嫌よっ、ゼーッタイ駄目!」
 軽蔑する目でコチラを睨みながら返答する嫁だったが、そもそも最低な事をしでかしたのはどっちだ??

 ・僕は去勢刑に納得いっていない事。
 ・もしかしたら執行日に逃走して、嫁と間男に復讐するかもしれない。

 録音されていたら脅迫罪で訴えられてもおかしくない事を嫁に言ったが、それが本音だった。

 「そーよね、もともと私が悪い。私に言い返す権利なんてないよね、、、、いいよ、それで納得してくれるんだったら最後にSEXしましょっ!」
 嫁の言葉を聞いた時に僕の脳内は最高潮に興奮していた。

 汚い話しだが僕は去勢刑の執行日までの1週間、自慰をせずに全てを一瞬の為に準備した。
 嫁との最後の性交渉に意識を持っていかないと、睾丸を無くすという恐怖心に押し潰されそうだったから。

 去勢刑執行日。
 11時の開始ならば10時に自宅を出れば間に合う。
 しかし、僕は9時には家を出て銀行に行き残高照会をした。
 間男からの慰謝料の確認をする為だった。

 記帳した銀行の普通預金通帳には数千万の入金が確認出来た。
 言葉は悪い、非常に悪くて申し訳ないが、僕はこの金額で睾丸と自分の嫁を売った事になる。
 そう思わないと平静を保っていられない位に緊張していたからだ。

 去勢科の待合室で嫁と2人で待つ。
 嫁はスーツ姿だった。
 もっと色気のある衣装で来て欲しかったが、よくよく考えれば、ここは刑が執行される場所なのだ。
 少し現実に引き戻された自分がいた。

 「やっぱりSEXするんだよね?私、なんか緊張してきた、、、アソコ濡れなかったらどうしよ?この状況で勃つの、、?その~チンチン?」
 
 僕は答える代わりに嫁の唇にキスをした。


 ※※※※※※


 ベットはヒヤリと冷たかった。
 処置台の上にブルーの薄いマットが敷いてあるだけだった。

 「ホテルじゃなのでこの上でお願いね。打ち合わせ通り、性交渉したあとに睾丸摘出術を行います。部分麻酔を使用しますが、、、、まあ、とりあえずSEXするならお先にどうぞ」

 無表情で説明する女医さんだった。

 ベット?処置台は狭すぎるのでお互いに立ったまま愛撫をしあった。
 嫁は僕の陰茎を触るが緊張とは裏腹にフルに勃起していた。
 その後、嫁は陰嚢に手を伸ばし
 「ヤバッ!パンパンじゃんっ!抜いてないの?」

 僕は嫁の反応に満足していた。
 今から刑が執行されるとは感じられない位にお互いにリラックスしていたからだ。
 嫁の下半身もヌルヌルだった。
 少しでも早く挿入したい、でも挿入したら刑も執行される。
 
 その後、嫁が冷たいベッドに仰向けになり僕を包み込んでくれた。
 妊娠阻害薬を飲んでいるらしく最後は膣内に自分の全てを注ぎ込んだ。
 
 「気持ち良かったわ!じゃあ初めてもいい?」
 
 射精後に処置は直ぐに始まった。
 嫁と代わり今度は僕が冷たいベッドに仰向けになった。
 ベットを降りようとする嫁に
 「ごめん、怖いから僕の上にいてくれないかな」

 チクチク、チクチクと部分麻酔の注射針が陰嚢の周りに浅く広く刺されていく。

 去勢確認をする為に嫁は処置室に居ないといけない。
 本来なら処置台の横のパイプ椅子に座って見ていればいいのだろうが、僕のお願いにより69の対位で目の前には自分が中出ししたばかりの嫁の陰裂があった。

 お互いに手を握り合っているので触る事は出来ないが目の前の陰裂の美しさに魅了されていた。
 嫁の陰部は小さめ?っていうのか、薄い陰裂の上部から小さめな陰核、小陰唇や副皮も薄く、尿道の下にある膣口までしっかりと見えている。

 ピクピクと動く膣口からは僕が大量に中出しした精液が半透明になりつつも流れ出て来る。

 「今晩から新しい人とSEXするの?」
 皮肉混じりに聞いた僕の質問に
 「ナイショ、、、、」

 としか答えなかった嫁。
 でも、しょうがない。
 もう直ぐ僕は生物学的にオスの役割を終える。

 処置は5分程だった。
 痛くは無いが、なんとなく内臓を引っ張られるような感覚があった。

 その間、嫁の女性外性器を眺めながら次に生まれ変われるなら女になりたいな~、、、そんな変な事を考えていた。

 最後は銀色のトレーに乗せられた自分の睾丸を嫁と2人で確認して刑は終わった。
 「すっご~い!金色じゃなくて真っ白!卵みたくて可愛い」
 そんな場違いな反応をする嫁は無視したが、やはりショックだった。

 自分の陰嚢を見ても疑似睾丸が入っている為、見た目は何ら変わりない。

 嫁と病院前で別れ、僕はその足で闇風俗に行った。
 ちゃんと射精も出来たし気持ち良かった、、、でも、嫁とのSEXの気持ちよさ、満足感を越える事は出来なかった。

 
 ※※※※※※


 僕が嫁と別れて闇風俗で楽しんでいた頃、先ほど去勢した処置室の中では.....

 「院長先生ごめんなさい。私、また間違っちゃった♡妊娠阻害薬を飲ませないといけないのに胃薬渡しちゃった🎵」

 院長は陰茎を女医の口に出し入れしながら
 「気にするな!間違いは誰にでもあるか、、うっ、、ハアハア。ワシがもみ消してやろ...あっ、出る、、」

 
 ※※※※※※


 元嫁から連絡が来たのは3ヶ月後だった.....


 ※※※※※※


 元嫁は妊娠していた。
 検査結果は今や存在しないハズの僕の遺伝子だった。
 妊娠阻害薬により受精がありえない僕の最後の精液が卵子に到達した?

 結果的に性交渉権は僕に返還された。
 今、横には元嫁?浮気妻?いいや、僕の配偶者が居る。

 相変わらず綺麗だ!
 
 僕は以前と変わった、と言うか意識して変えている。
 (いつも、お弁当ありがとう)  
 (髪切ったの?可愛い)
 (大好き)

 言わなくても分かるでしょ?、、、そんな事言っていたら嫁にしっぺ返しくらいますよ?

 先日、嫁が写真付きの資料を見せてくれた。
 「これ、あなたの睾丸。実は冷凍保存して貰ってる。この子1人じゃ兄妹いなくて寂しい思いをするでしょ?」

 医療廃棄されていたと思っていた睾丸。
 「女の私の判断では捨てきれなかった。でも良かった。再生手術してもらおうよ!」

 
 ※※※※※※


 その後。元気な女の子が産まれた。
 (生まれ変わったら女の子になりたい。去勢の瞬間に考えた事を思い出した。)

 この娘は自分だ。
 素直にそう思えた、、、、
 

 
 

 
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