一妻多夫制

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短篇

一妻多夫制(短編④)

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 激しく腰を振る男が叫ぶ
 「あっ!いくっ、ダメっ!イクイクッッ!!」

 私は男ごしに女性の姿を見た。
 パニックに陥っていた私の耳にもハッキリと聞き取れる位の声量で女性は
 「現認。処置します!」

 それは私に語りかけた言葉ではなかったみたい。

 私に覆いかぶさる男の首の後ろ側に手刀を叩き下ろす女性。

 ドスっと鈍い音の後に男が私の方に倒れ込んで来た。

 「キャッ!!」

 私は叫んでしまった!だって、白目を剥いた男がこちら側に倒れ込んできたから。

 その瞬間、女性は男の髪を鷲づかみにして後ろ側に引っ張る。
 「あんたはこっち!犯罪者は土の上でしょっっ!!」

 その勢いで私の股間から男の生殖器が抜けた。

 初めて本物を見た。

 父親は幼少期に亡くなり、他の夫と生活を共にしなかった母親。
 私を含め三姉妹はシングルマザーの母親に育てられた.....

 生殖器で思い出した。
 そう、母親が2番目の夫と再婚しようとした時に、その男は私のお姉ちゃんにエッチな事をして母親に去勢されたらしい。
 
 きっと、私たちを守るために母親は1人で頑張って育ててくれたんだ。


 そんな過去があったから、私は男と接触することを極端に避けていた。
 中学校で必修だった、男に襲われた時の対処法の単位もとらず、去勢実習にも参加しなかった。


 ※※※※※


 今日は暑かったー!
 放課後、友達から
「カフェに寄らない?新作スイーツがあるらしいよ🎵」

 誘われたけど、私にそんなお金はない!!
 キッパリと断る

 「ごめん、今日は買い物と晩御飯当番だから、本当ゴメン!また誘ってー!」

 無理してでも友達に付き合っていたらこんな目に遭わずにすんだのに。
 襲われた恐怖、股間を切り裂かれる様な痛みの中に自分の運の無さを呪った。


 ※※※※※


 そこに駆け寄ってきた1人の女性。

 私は驚いた
 「お、お姉ちゃん!?」

 姉は母親の2番目の夫に襲われた過去から立ち直る意味もあったのだろうか防犯隊になっていた。
 既に実家を出て一人暮らしをする姉と会うのは年に数回だった。
 まさか、こんな所で会うとは、、、会いたくなかったな....

 涙ぐむ私に姉は制服の上着をかけてくれた。

 「男の資格無しだねっ、、、、悪いけどコレ潰しちゃうから」
 姉は黒いブーツの爪先で仰向けに転がる男の大事な所を踏みつけながら言った。

 男の両足首を持ち上げると振り上げた足を男の股間に振り下ろした。
 しかし、男のタマタマは生を乞う様に袋の中で逃げ回る。

 「もうっ、面倒臭いっ!あんた、タマの根本を指で固定してっ!!、、、手に当たったらゴメンだけど!」

 私は無我夢中でタマタマの袋の根本を親指と人差し指で輪っか状に掴んだ。

 引き伸ばされた皮の向こう側には2つ楕円形の塊があった。

(あっ、本当にキンタマって2つあるんだ、、)

 緊急時なのに冷静な私がいた。
 でも次の瞬間、私の手をかすめる様に姉のブーツが振り下ろされた。

 私の指はギリギリ踏まれなかったけど、握りしめていたタマタマは地面とブーツの間で圧縮され潰れた。

 口から泡をふき気絶する男とさ裏腹に、下半身のオチンチンからは勢いよく中身が噴出する。

 ドビュ、ビュー、ピュ。

 土の上に派手に撒き散る犯罪者の子種。
 姉はブーツで土に擦り込むようにネジネジと爪先で白い体液を踏み潰す。

 「はいっ、処置完了しました」

 事務的に本部に報告する姉を尊敬の目で見つめる私。

 今じゃ防犯隊に入隊した私。
 姉の様に女性の敵を排除することがやり甲斐となったものの、、、。

 未だ彼氏がいない.....
 
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