羅刹

MAMEDEN

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トラウマ

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《男の感情》

 彼女とは同い年。

 お互いに卒業校は違うものの、仕事していた地方の工場で出会い付き合うようになった。

 2人とも一人暮らしだったが、そのうちどちらかの家で一緒に過ごすようになって行った。

 最近では彼女が借りて住んでいたアパートは、彼女の両親や女友達が来た時にだけ使い、基本的にはオレのアパートで一緒に生活するようになっていた。

 同棲して一年。
 彼女の手料理は美味しかったし、同じベットで寝ていたから、、、ついつい。
 ちゃんとゴムを付けてだけど、週に2回のペースでエッチもしていた。

 異変が起きる時は一瞬だった。
 部署が違う彼女の方が帰宅は早い。

 だから、オレが帰宅する頃には部屋は暖房と料理の湯気で温まり、風呂上がりのオレはビールを飲みながら彼女の美味しい手料理を食べるのが日常となっていた。

 しかし、その日。
 オレが帰宅すると部屋にはカギがかかっており真っ暗だった。

 彼女に何があったのかと、焦りテルするも繋がらない。

 数分後にバカなオレでも状況が理解出来てきた。
 大きめの上着など、服は多少残していたものの、歯ブラシ、ドライヤー、コンタクト洗浄液みたいな日常生活に不可欠な小物が消えていたから。


 会社の昼休憩時に彼女の姿を見て、元気な事に一安心するものの、女性グループで食事している彼女に話しかける勇気は無かった。

 そんな状態が2週間も続いていた週末の夜に彼女からメールがきた。

『話したいこともあるし、残った荷物を取りに明日行ってもいい?』

 オレは快諾し、翌日の午前10時頃に帰って来る彼女を待っていた。

 午前10時ちょうどに鳴るインターホンのチャイム音。
 今まで一度もインターホンなんて押したことない彼女がドアの外に立っていた。

 玄関のドアを開けて彼女を招きいれる。
 ここは彼女の家でもあるのに、何をそんなに他人行儀になっているのだろう、、、、



《女の感情》

 (は~、嫌だな~、、、でも、悪いのは私なんだからちゃんと伝えなきゃ)


 彼のアパートのインターホンを押す。

 ガチャリとドアノブが回ると中から彼が少し驚いた表情で出てきた。

 『ひ、久しぶりっ!まあ、入りなよ』
 平静を装いながらもどこかぎこちない彼。

彼『急に出て行くからビックリでさ、、、オレなんかしたかな?』

 いきなり本題になったので私は意を決して本当の事を伝えた。

 密かに気になっていた男性に告白された事。
 その人と付き合いたいから別れる決心をした事。

私『自分でも酷い女だと思う、、、本当にごめんなさいっ!』

 激高するでもなく、始終穏やかに話しを聞いてくれていた彼。
 
 しばらく問答があったが、私の気持ちが変わらないことに気付くと彼は別れを受け入れてくれた。
 しかも、私の荷物を一緒になって片付ける手伝いまで、、、、

 近所のスーパーから貰ってきた段ボール数個にまとまった私の荷物。
 コンビニから私のアパートに送ることにした。

 彼には悪いけど、気持ちはスッキリしていた。
 ただ、その後の彼の言葉に耳を疑った、、、

 「ねえっ、エッチしよっ!!」
 無邪気な笑顔でそう言われても!?私たちついさっき別れたばかりだよ??



《男の感情》

 何も考えられない位のショックを受けた。
 彼女の荷物を片付ける単純作業をすることで気持ちを沈めようと必死だった。

 季節は秋。
 これから年末年始とカップルの季節になるのに、オレは1人になるのか、、、、
 
 その日は天気もよく暑かった。
 薄着で作業をする彼女。

 スカートから伸びる細い脚、動くたびに揺れる胸。
 彼女と最後にエッチしたのは2週間以上前。

 オレと別れた後に彼女は別の男と付き合うということは、新しい彼と当然そういう事もするのだろう。
 悔しい気持ちが拍車をかけ、自分の中の欲求が抑えきれなくなった!

 恥ずかしさ、惨めさもあったがオレは彼女にエッチをお願いした。



《女の感情》

 必死に断ろうとしていたけど、彼からのある質問で私は言わないでおこうと隠していた最低な行為を見透かされてしまった。

彼『新しい彼とはもうエッチしたの?』

 私は返答に詰まってしまった。
 そうなのだ、昨日新しい彼と結ばれていたから。

 そんな事もあったから、前彼とはハッキリしなくちゃいけないと思い昨日テルしたという経緯があったのだ。

私『うん、まあ、、、ごめんなさい』

 は~、私って最低!!
 元彼と別れる前に行為に至ったのは失敗だった。

 浮気を認めた私に彼の提案を断ることは出来ない雰囲気になっていた。

 キスをしてきた彼を受け入れるしかなかった、、



《男の感情》

 あれから数ヶ月が経ち年も明けていた。
 オレはまだ1人でいた。

 でも今日は家に元カノがいる。
 月に1回ではあるが今でも会っている。

 羨ましい事に新しい彼とは順調に交際しているそうだ。
 同棲こそしていないが、週末は彼女のアパートにお泊まりすることもあるそうだ。

 オレの家には月に1回料理を作りに来てくれる。
 後ろめたい気持ちがあった彼女なりの懺悔なのだろう、、、、
 もちろん男と女が密室にいて食事だけで済むはずもない。
 
 彼女にとっては今彼に対する裏切りだろうが、オレにとっては月に1回彼女を抱く事で精神の安定をギリギリ保っている状態だった。

 ある日の事、同じように彼女の手料理を食べていた時の会話だった、

彼女『やっぱり良くないよ!今日で最後にする』

 寂しさと悔しさで混乱したオレは猟奇的なお願いをしてしまう。
 
 驚く彼女だったが、オレが念書を一筆書くという条件付きで承諾してくれた。

【全ては自分の意思で決めた事であり、どの様な結果になろうとも○○さんに責任を負わせる事は致しません。○年○月○日、○○】

 
 .....オレは食洗機の中にあったキッチンバサミを手に取り彼女と向き合った。



《最後》

 私は今日も元カレの家に料理を作りに向かっている。
 新しい彼は凄く優しくて大好きだったが、元カレに酷い裏切りをした事実は消えない。

 気付けば、ダラダラと半年近くも元カレの所に行っている。
 最初は元カレに新しい彼女が出来れば自然と秘密の関係は無くなるだろうと思っていたが、その気配はいっこうに感じられない。

(決めた!もう辞めよう!今日を最後にしよう)

 料理を食べながら私は元カレに気持ちを伝えた。

 彼は動揺してわたしに変なお願いをしてきた、、
 出来ないなら今まで通りの関係を保つか、それが出来ないなら私たちカップルに危害を加えると、、

 完全な脅迫だったが、温厚な元カレを豹変させた責任は私にもあった。


 ハサミを彼から手渡される。
 本気なんだ、、、、、ヤルしかない。

 私はキッチンから追加で輪ゴムを数本と、先程まで焼き魚が乗っていた細長い四角の皿を食洗機から取り出しベットに向かった。

 キスから始まりいつも通りのエッチが始まった。

 少し違ったのは緊張のあまり全然濡れなくて元カレが必死に舐めて濡らしながら挿入したのと、後はエッチに似つかわしくない皿の上に輪ゴムとハサミがセットになって私の枕の横にある事だった。

 20分も行為を続けていると、彼の意識が消えかかって来た。
 最後のお願いに備えて行為直前に、睡眠剤を数錠ビールで流し込んだものが効いてきたのだろう。

 私もビールだけは飲んだ。
 でも、元々アルコールには弱い体質のせいで多少ボーッとした感覚の中にいた。

 最後の指示で私は元カレの頭の上に跨がる格好で目の前のチンチンとタマをまとめて輪ゴムで縛る。

 太ももを少し開かせて、その下に先程の細長い皿を滑り込ませた。

 (これさえ切り取れば許して貰える!)

 そう自分に言い聞かせるもの手に取ったハサミは震えていた。
 そんな状況なのに、元カレは呑気に私のマンコの割れ目を開いたり閉じたり、、たまに膣に指を滑り込ませたり、、、


 彼の動きは徐々に遅くなり意識も無くなってきたみたいだ。
 しかし、射精をさせてあげていない目の前のチンチンはビンビンに勃起している。

 私はハサミをあてる角度を調整する。
 色々試したがチンチンが上方向に勃起しているから、おへその方からタマの袋ごと切り落とす事に決めた。

 彼の手が私のマンコから離れていき、しばらくするとイビキが聞こえてきた。
 
 私は見慣れた元カレのチンチンに別れを告げると同時に根もとに当てていたハサミを閉じた.....





 【冷蔵庫に入れています】

 私は書き置きを残し、救急車を呼ぶと部屋を後にした。
 
 1ヶ月後、私は今彼と別れた。
 あの日以来、チンチンが無理になった。

 男性とお付き合いする以上、どうしても触ったり目にする機会がある。

 後、焼き魚も無理になった。

 元カレの呪い??
 本当の意味での懺悔はこれから始まるのかもしれない、、、、、、

[完]
 

 

 


 
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