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それを聞いたローレンの顔が険しくなる。
今までは、さすがにローレンまでは届かないように上手くやっていたに違いない。
もちろんローレンは気が付いていただろうが、こうして公の場で訴える者はいなかったのだろう。
「な、何を言っているの……」
メリーサは、あきらかに動揺していた。
今まで何をしても、相手に訴えられることなどなかったのか。
たしかに、どんな嫌がらせをされても、メリーサの身分や立場などから、口を噤むしかなかったと思われる。
でも、アデラは違う。
たとえ彼女がティガ帝国の皇族であるクリスの婚約者でも、泣き寝入りしたりしない。
何を言ってもメリーサは認めないだろうが、今まで彼女に虐げられてきた人たちのためにも、ここできっちりと責任追及をしておきたい。
きっと皇太子のローレンは、アデラの味方になってくれるだろう。
「でたらめを言わないでよ。そんな言いがかり……」
「言いがかりではございません。ご自分で、文句があるならピーラ侯爵家までと、おっしゃっていたではありませんか」
「そんなこと……」
どうしたらいいのか、わからなかったのだろう。
メリーサは助けを求めるように周囲を見渡すが、彼女の取り巻きも信奉者の男性も、互いにこそこそと視線を交わすだけである。
その様子から察するに、本当に彼女を慕っている者はひとりもいないようだ。
メリーサに付いている方が不利だと思えば、さっさと傍を離れるに違いない。
(無理もないわね……)
アデラは思う。
ここまで自分勝手だと、おこぼれを期待して群がる者ばかりしか集まらないのも当然である。
「メリーサ。今のアデラ嬢の言葉は本当か?」
ローレンが厳しい声でさらに問う。
メリーサは、自分を擁護しない周囲の人たちに怒りを覚えた様子だった。
でも自分の隣にいる女性を見て、何かを思いついたように薄ら笑いを浮かべて、きっぱりと否定した。
「いいえ。私ではありません」
そう言って、隣にいた女性を突き飛ばすように前に出す。
「ドレスはマーガレットに取りに行ってもらいました。きっと、そんなことをしたのはマーガレットだわ。服飾店に問い合わせてみてください。きっと、そう言うはずです」
堂々と、そんなことを言う。
自分の言動を他人に押し付けることに、慣れ切った様子である。
マーガレットというのは、彼女の隣にいた女性のことだろう。
メリーサの言葉にびくりと体を震わせ、怯えた視線を周囲に向けた。
彼女と同じ赤い髪をしていて、少しだけ雰囲気が似ている。
もしかしたら、身内なのかもしれない。
けれど立場はメリーサの方が遥かに上のようで、その言葉には逆らえず、何を言われてもそのまま従うしかないのだろう。
服飾店にしても、ピーラ侯爵家のメリーサが自分ではないと言い張れば、それ以上は何も言えなくなるのかもしれない。
証言を封じ、罪を擦り付ける。
そんなメリーサの言動に、さすがにアデラも呆れてしまう。
ここで何を言っても、彼女はけっして認めないだろう。
「ほら、ちゃんとそう言いなさい」
「は、はい……。わたしが、服飾店に」
「メリーサではないと言うのか」
罪を認めるように強要された女性の言葉を、ローレンが遮った。
「ならば、後で確認するとしよう」
ここでの言葉が証拠となってしまわないように、最後まで言わせなかったのだろう。
ローレンがそう言うと、メリーサはふいっと視線を逸らした。
この場で謝罪してもらうことはできなかったが、そもそも彼女がそう簡単に罪を認めるはずがないと、わかっていた。
だが、自分の仕打ちをこんなに大勢の前で告発されたこと自体、メリーサにとっては初めてのことだろう。
公式な場でローレンに訴えたことが、重要である。
たとえメリーサが認めなくとも、彼女の仕業だと、会場にいた誰もが思ったに違いない。
それに今夜のパーティは、テレンスとアデラの婚約を、ティガ帝国の皇太子であるローレンが祝福していると示すために開催してくれたものだ。
これ以上メリーサが騒げば、パーティどころではなくなってしまう可能性もある。
ローレンも、きちんと服飾店に確認し、事実だと判明したら、メリーサに謝罪させると言ってくれた。
アデラとしても、このまま終わらせるつもりはない。
その後の彼女は、さすがにおとなしかった。
取り巻きたちを連れて、会場の隅でせいぜいこちらを睨むくらいだ。
パーティは無事に進み、テレンスの学生時代の友人にも何人か、会うことができた。
皆、テレンスの婚約を心から喜んでくれて、テレンスを頼むと真摯に頭を下げてくれた人もいた。
彼は身内には恵まれなかったが、良い友人がたくさんいるようで、アデラも嬉しかった。
たくさんの人たちに祝福され、アデラは笑顔で何度もお礼を言う。
そう長い時間ではなかったが、さすがに終わる頃には疲れ果てていた。
ローレンに、今日はもう遅いので帝城に泊まったらどうかと勧められた。疲れた様子を見て、気遣ってくれたのだろう。
テレンスとも話し合い、メリーサの報復がないとも限らないので、帝城にいたほうが安全かもしれない。このまま控え室として用意してもらった客間に泊まることにした。
テレンスは、その隣に部屋を用意してもらったようだ。
彼がすぐ近くにいるのが、心強い。
何かあったらすぐに言ってほしいと言われて頷き、挨拶を交わしてそれぞれの部屋に向かう。
侍女に着替えを手伝ってもらい、早々に休むことにした。
(今日は朝から、色々と大変だったわね……)
ベッドに潜り込んで、今日のことを思い出してみる。
朝から帝城を訪問して皇太子のローレンと対面し、屋敷に戻ったらドレスがないことに気が付いて、慌てて帝都内にある服飾店を訪れた。
既製品を手直ししてもらい、何とか間に合いそうだと思った途端、メリーサに遭遇してしまい、あの騒ぎである。
結果としては母がドレスを届けてくれたので間に合ったが、あのままなら手直しもしていない、体に合っていないドレスで自分たちの婚約を祝ってくれるパーティに参加しなければならなかった。
パーティで再び遭遇したメリーサは、自分の罪をけっして認めず、それどころか別の女性のせいだと言い張った。
今までアデラが被害を被った女性たちと、似たような性質だ。さらにメリーサには、身分があるのがなおさら質が悪い。
せっかくローレンが主催してくれたパーティだったので、あの場でそれ以上追及しなかったが、このまま終わらせるつもりはない。
それに、きっと彼女も黙ってはいないだろう。ああいう女性は、自分が悪いにも関わらず、アデラに報復を企むはずだ。
その対策も講じなくてはならない。
(もう、どうして私の周りには、あんな女性しかいないのかしら……)
思わずそう嘆くが、もちろんアデラとしても、このまま泣き寝入りなど絶対にしない。
今までだって、散々な目に遭いながらも勝ってきたのだ。
たとえティガ帝国の皇族の婚約者で、侯爵家の令嬢だろうと、負けたりはしない。
そう決意しながら、ゆっくりと目を閉じる。
疲れていたので、すぐに意識が薄れていった。
今までは、さすがにローレンまでは届かないように上手くやっていたに違いない。
もちろんローレンは気が付いていただろうが、こうして公の場で訴える者はいなかったのだろう。
「な、何を言っているの……」
メリーサは、あきらかに動揺していた。
今まで何をしても、相手に訴えられることなどなかったのか。
たしかに、どんな嫌がらせをされても、メリーサの身分や立場などから、口を噤むしかなかったと思われる。
でも、アデラは違う。
たとえ彼女がティガ帝国の皇族であるクリスの婚約者でも、泣き寝入りしたりしない。
何を言ってもメリーサは認めないだろうが、今まで彼女に虐げられてきた人たちのためにも、ここできっちりと責任追及をしておきたい。
きっと皇太子のローレンは、アデラの味方になってくれるだろう。
「でたらめを言わないでよ。そんな言いがかり……」
「言いがかりではございません。ご自分で、文句があるならピーラ侯爵家までと、おっしゃっていたではありませんか」
「そんなこと……」
どうしたらいいのか、わからなかったのだろう。
メリーサは助けを求めるように周囲を見渡すが、彼女の取り巻きも信奉者の男性も、互いにこそこそと視線を交わすだけである。
その様子から察するに、本当に彼女を慕っている者はひとりもいないようだ。
メリーサに付いている方が不利だと思えば、さっさと傍を離れるに違いない。
(無理もないわね……)
アデラは思う。
ここまで自分勝手だと、おこぼれを期待して群がる者ばかりしか集まらないのも当然である。
「メリーサ。今のアデラ嬢の言葉は本当か?」
ローレンが厳しい声でさらに問う。
メリーサは、自分を擁護しない周囲の人たちに怒りを覚えた様子だった。
でも自分の隣にいる女性を見て、何かを思いついたように薄ら笑いを浮かべて、きっぱりと否定した。
「いいえ。私ではありません」
そう言って、隣にいた女性を突き飛ばすように前に出す。
「ドレスはマーガレットに取りに行ってもらいました。きっと、そんなことをしたのはマーガレットだわ。服飾店に問い合わせてみてください。きっと、そう言うはずです」
堂々と、そんなことを言う。
自分の言動を他人に押し付けることに、慣れ切った様子である。
マーガレットというのは、彼女の隣にいた女性のことだろう。
メリーサの言葉にびくりと体を震わせ、怯えた視線を周囲に向けた。
彼女と同じ赤い髪をしていて、少しだけ雰囲気が似ている。
もしかしたら、身内なのかもしれない。
けれど立場はメリーサの方が遥かに上のようで、その言葉には逆らえず、何を言われてもそのまま従うしかないのだろう。
服飾店にしても、ピーラ侯爵家のメリーサが自分ではないと言い張れば、それ以上は何も言えなくなるのかもしれない。
証言を封じ、罪を擦り付ける。
そんなメリーサの言動に、さすがにアデラも呆れてしまう。
ここで何を言っても、彼女はけっして認めないだろう。
「ほら、ちゃんとそう言いなさい」
「は、はい……。わたしが、服飾店に」
「メリーサではないと言うのか」
罪を認めるように強要された女性の言葉を、ローレンが遮った。
「ならば、後で確認するとしよう」
ここでの言葉が証拠となってしまわないように、最後まで言わせなかったのだろう。
ローレンがそう言うと、メリーサはふいっと視線を逸らした。
この場で謝罪してもらうことはできなかったが、そもそも彼女がそう簡単に罪を認めるはずがないと、わかっていた。
だが、自分の仕打ちをこんなに大勢の前で告発されたこと自体、メリーサにとっては初めてのことだろう。
公式な場でローレンに訴えたことが、重要である。
たとえメリーサが認めなくとも、彼女の仕業だと、会場にいた誰もが思ったに違いない。
それに今夜のパーティは、テレンスとアデラの婚約を、ティガ帝国の皇太子であるローレンが祝福していると示すために開催してくれたものだ。
これ以上メリーサが騒げば、パーティどころではなくなってしまう可能性もある。
ローレンも、きちんと服飾店に確認し、事実だと判明したら、メリーサに謝罪させると言ってくれた。
アデラとしても、このまま終わらせるつもりはない。
その後の彼女は、さすがにおとなしかった。
取り巻きたちを連れて、会場の隅でせいぜいこちらを睨むくらいだ。
パーティは無事に進み、テレンスの学生時代の友人にも何人か、会うことができた。
皆、テレンスの婚約を心から喜んでくれて、テレンスを頼むと真摯に頭を下げてくれた人もいた。
彼は身内には恵まれなかったが、良い友人がたくさんいるようで、アデラも嬉しかった。
たくさんの人たちに祝福され、アデラは笑顔で何度もお礼を言う。
そう長い時間ではなかったが、さすがに終わる頃には疲れ果てていた。
ローレンに、今日はもう遅いので帝城に泊まったらどうかと勧められた。疲れた様子を見て、気遣ってくれたのだろう。
テレンスとも話し合い、メリーサの報復がないとも限らないので、帝城にいたほうが安全かもしれない。このまま控え室として用意してもらった客間に泊まることにした。
テレンスは、その隣に部屋を用意してもらったようだ。
彼がすぐ近くにいるのが、心強い。
何かあったらすぐに言ってほしいと言われて頷き、挨拶を交わしてそれぞれの部屋に向かう。
侍女に着替えを手伝ってもらい、早々に休むことにした。
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朝から帝城を訪問して皇太子のローレンと対面し、屋敷に戻ったらドレスがないことに気が付いて、慌てて帝都内にある服飾店を訪れた。
既製品を手直ししてもらい、何とか間に合いそうだと思った途端、メリーサに遭遇してしまい、あの騒ぎである。
結果としては母がドレスを届けてくれたので間に合ったが、あのままなら手直しもしていない、体に合っていないドレスで自分たちの婚約を祝ってくれるパーティに参加しなければならなかった。
パーティで再び遭遇したメリーサは、自分の罪をけっして認めず、それどころか別の女性のせいだと言い張った。
今までアデラが被害を被った女性たちと、似たような性質だ。さらにメリーサには、身分があるのがなおさら質が悪い。
せっかくローレンが主催してくれたパーティだったので、あの場でそれ以上追及しなかったが、このまま終わらせるつもりはない。
それに、きっと彼女も黙ってはいないだろう。ああいう女性は、自分が悪いにも関わらず、アデラに報復を企むはずだ。
その対策も講じなくてはならない。
(もう、どうして私の周りには、あんな女性しかいないのかしら……)
思わずそう嘆くが、もちろんアデラとしても、このまま泣き寝入りなど絶対にしない。
今までだって、散々な目に遭いながらも勝ってきたのだ。
たとえティガ帝国の皇族の婚約者で、侯爵家の令嬢だろうと、負けたりはしない。
そう決意しながら、ゆっくりと目を閉じる。
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