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「初めまして。フローラと申します」
そう言って挨拶をしてくれたのは、儚げな美しいひとだった。
シンディーやリーリアとはまた違ったタイプだが、それでも男性から見たら守りたくなるような女性である。
テレンスよりも年上だと聞いているが、とても未亡人には見えなかった。
「お会いできて光栄です」
「アデラです。こちらこそ光栄です」
正式な挨拶はしなくても良いとのことだったので、アデラも名前だけを名乗る。
「ソルーと申します」
フローラのパートナーの男性はそれだけ言うと、静かに頭を下げる。
テレンスがオラディ伯爵家を継がせるために選んだと聞いていたから、物静かで知的な男性なのだろうと勝手に考えていた。
けれど実際の彼は、とても背が高くて逞しく、フローラの婚約者というよりは、彼女の騎士のようだ。
「ソルーは、元騎士なのです」
そう思った途端、フローラが婚約者をそう紹介する。
かなりの腕前だったが、任務中の事故で怪我をして、復帰できずに引退してしまったらしい。
実家は男爵家で、すでに兄が継いでいる。その兄の息子も、そろそろ学園に入学する年になるそうだ。
今さら家に帰ることもできず、途方に暮れていたときに、テレンスから声を掛けられたという。
そんな経歴だが、優秀なのは本当で、寡黙だが誠実な人柄でもある。
夫に先立たれ、居場所をなくしたフローラとは、似たような境遇だ。
ふたりは政略結婚のようなものだが、互いに信頼し合い、気遣い合っていて、とても良好な関係に見える。
軽く話し込んだあと、ふたりは挨拶回りに向かった。
これからオラディ伯爵家を継ぐ者として、かなり多忙な様子だった。
「テレンスは同行しなくても良いの?」
父はクルトを連れて挨拶回りをしていたことを思い出して、そう尋ねてみる。
けれど彼は、問題ないと言う。
「あのふたりなら大丈夫だ。今後のためにも、私はいない方が良い。それに今日は伯爵家の当主ではなく、アデラのパートナーだからね」
「そうね。ありがとう」
アデラは頷き、目を細めてふたりの後ろ姿を見つめる。
「……あんな政略結婚もあるのね」
自分と比べてしまい、ついそんな言葉を口にしていた。
「そうだな。あのふたりになら、任せても大丈夫だろう」
テレンスの声はとても穏やかで、ふたりを見つめる瞳も優しい。それを見たアデラはつい、気になっていたことを口にする。
「どうしてテレンスは、家を出ようと思ったの?」
彼の過去に関わるような気がして、聞けなかった話だ。
「その方が、オラディ伯爵家のためだと思ったからだ」
答えてくれないかもしれないと思っていたのに、テレンスはあっさりとそう告げる。
「当主が、殺人で逮捕された女性を妻にしていた家など、誰でも関わりたくないだろう。当事者がもういないとはいえ、それでも私は身内だ。実際、その影響も出ていた」
オラディ伯爵と取引はできないと、商会がいくつか引き上げてしまったらしい。さらに、街道を通る荷馬車も減ったと彼は淡々と語る。
元義母の被害者の中に、商会の代表がいた影響かもしれない。
「それも当然だろう。父は、あまり良い領主ではなかったからね」
貴族たちの噂では、ひとり残されたテレンスに同情的だったが、実際に商売の話になると、やはり信用がなくなってしまったらしい。
「フローラもソルーも、誠実な人間だ。あのふたりなら、オラディ伯爵を立て直してくれる」
「……そうだったの」
アデラは貴族たちの噂しか知らなかったので、そんなことになっているとは知らなかった。
そんな事情ならば、新しい当主として挨拶回りに行くふたりに、テレンスが同行しないのも納得できる。
「ごめんなさい。変なことを聞いてしまって」
「気にすることはない。幸いなことに、ティガ帝国で知り合った人が、自分のところに来いと言ってくれている。あのふたりが正式に爵位を継いでくれたら、向こうに移住するつもりだ」
レナードのことは、あのふたりには関わらせず、先代から勤めている執事に託してあるらしい。条件さえきちんと守れば今後も支援するようだ。
もっとも、シンディーが彼のもとから逃げ出してしまえば、それも打ち切られる。
アデラからしてみれば、貴族社会からもオラディ伯爵家からも逃れられる彼を羨ましいと思っていた。
でも、実際には彼もなかなか大変だったようだ。
この国では、女性は領地運営には関わらないのが普通で、それなりにアデラを可愛がってくれる父でも、領地や商売の話はしない。
だが、こう何度も婚約者が変わってしまうと、アデラも無知のままではいられないのではないか。
そう思ったところで、まだクルトは婚約者だったことに気付いて、自分の気の早さに笑ってしまう。
「何か飲み物でも持ってこよう」
テレンスがそう言ってくれて、アデラは頷いた。
「ええ、ありがとう。少しテラスに出ているわ」
彼が取りに行ってくれる間、アデラはひとりだ。友人たちが接触してくるかもしれないと、テラスで彼を待つことにした。
夜風を浴びながら、先ほどのテレンスの言葉を思い返してみる。
(テレンスなら、爵位がなくても婿入りできそうだけれど……)
彼自身はあの事件にまったく関わっていないのは、皆知っているはずだ。
優秀で、容姿も端麗なテレンスと、婚約したい女性は誰もいなかったのだろうか。
(いるはずよね。私だってテレンスなら……)
弟のレナードや、クルトよりもずっと良い。そんなことを考えてしまい、慌ててそれを振り払う。
似たような境遇同士、支え合っているフローラとソルーを見たので、そんなことを考えてしまうのだろう。
「やめてください!」
そんなとき、テラスの陰から女性の声が聞こえてきた。
「私は、そんなつもりは……」
王城のテラスはとても広く、彫刻などもあって、会場からは死角になって見えない場所もある。
女性が、誰かに絡まれているのかもしれない。
まさか王城の夜会でそんなことをする者はいないと思うが、それでも声はだんだん緊迫している。
アデラは心配になって、声が聞こえた方向に歩いて行った。
「大丈夫ですか?」
そっと声を掛けると、物陰にしゃがみ込んでいた女性が、顔を上げた。
見覚えのある顔に、アデラは息を呑む。
歪んだ笑みを浮かべていたのは、クルトにエスコートされていたはずの、リーリアだったのだ。
彼女はひとりで、周囲には誰もいない。
「ごめんなさい、許して!」
リーリアは叫ぶようにそう言うと、持っていたグラスを自分に傾ける。
満たされていた赤い液体が、リーリアのドレスを汚した。
グラスが割れる甲高い音が響き渡り、アデラは、自分がおびき寄せられてしまったことを悟った。
リーリアは、ずっと機会を伺っていたのだろう。
先回りをしてテラスに潜み、そしてひとりで悲鳴を上げてアデラをここまで導いた。
そこまでする根性は、シンディーにはなかったものだ。
平民だったシンディーよりも、貴族であるリーリアの方が貪欲だとは思わなかった。
これからリーリアが婚約する予定の相手は、そんなに嫌な相手なのだろうか。
そんなことを考える余裕があるのは、アデラの背後にテレンスの姿があるからだ。
リーリアの悲鳴が聞こえたときに、ちょうど飲み物を取りに行っていたテレンスが戻ってきた。そして、悲鳴の聞こえた方向に歩き出したアデラに付いてきてくれたのだ。
「……リーリア?」
そこに、ちょうど彼女を探していたらしいクルトが、悲鳴を聞いて駆けつけてきた。
彼はワインを掛けられたような姿のリーリアと、そしてグラスをふたつ手にしたテレンス。
そしてアデラを見て、どういう状況なのかわからずに困惑していた。
そう言って挨拶をしてくれたのは、儚げな美しいひとだった。
シンディーやリーリアとはまた違ったタイプだが、それでも男性から見たら守りたくなるような女性である。
テレンスよりも年上だと聞いているが、とても未亡人には見えなかった。
「お会いできて光栄です」
「アデラです。こちらこそ光栄です」
正式な挨拶はしなくても良いとのことだったので、アデラも名前だけを名乗る。
「ソルーと申します」
フローラのパートナーの男性はそれだけ言うと、静かに頭を下げる。
テレンスがオラディ伯爵家を継がせるために選んだと聞いていたから、物静かで知的な男性なのだろうと勝手に考えていた。
けれど実際の彼は、とても背が高くて逞しく、フローラの婚約者というよりは、彼女の騎士のようだ。
「ソルーは、元騎士なのです」
そう思った途端、フローラが婚約者をそう紹介する。
かなりの腕前だったが、任務中の事故で怪我をして、復帰できずに引退してしまったらしい。
実家は男爵家で、すでに兄が継いでいる。その兄の息子も、そろそろ学園に入学する年になるそうだ。
今さら家に帰ることもできず、途方に暮れていたときに、テレンスから声を掛けられたという。
そんな経歴だが、優秀なのは本当で、寡黙だが誠実な人柄でもある。
夫に先立たれ、居場所をなくしたフローラとは、似たような境遇だ。
ふたりは政略結婚のようなものだが、互いに信頼し合い、気遣い合っていて、とても良好な関係に見える。
軽く話し込んだあと、ふたりは挨拶回りに向かった。
これからオラディ伯爵家を継ぐ者として、かなり多忙な様子だった。
「テレンスは同行しなくても良いの?」
父はクルトを連れて挨拶回りをしていたことを思い出して、そう尋ねてみる。
けれど彼は、問題ないと言う。
「あのふたりなら大丈夫だ。今後のためにも、私はいない方が良い。それに今日は伯爵家の当主ではなく、アデラのパートナーだからね」
「そうね。ありがとう」
アデラは頷き、目を細めてふたりの後ろ姿を見つめる。
「……あんな政略結婚もあるのね」
自分と比べてしまい、ついそんな言葉を口にしていた。
「そうだな。あのふたりになら、任せても大丈夫だろう」
テレンスの声はとても穏やかで、ふたりを見つめる瞳も優しい。それを見たアデラはつい、気になっていたことを口にする。
「どうしてテレンスは、家を出ようと思ったの?」
彼の過去に関わるような気がして、聞けなかった話だ。
「その方が、オラディ伯爵家のためだと思ったからだ」
答えてくれないかもしれないと思っていたのに、テレンスはあっさりとそう告げる。
「当主が、殺人で逮捕された女性を妻にしていた家など、誰でも関わりたくないだろう。当事者がもういないとはいえ、それでも私は身内だ。実際、その影響も出ていた」
オラディ伯爵と取引はできないと、商会がいくつか引き上げてしまったらしい。さらに、街道を通る荷馬車も減ったと彼は淡々と語る。
元義母の被害者の中に、商会の代表がいた影響かもしれない。
「それも当然だろう。父は、あまり良い領主ではなかったからね」
貴族たちの噂では、ひとり残されたテレンスに同情的だったが、実際に商売の話になると、やはり信用がなくなってしまったらしい。
「フローラもソルーも、誠実な人間だ。あのふたりなら、オラディ伯爵を立て直してくれる」
「……そうだったの」
アデラは貴族たちの噂しか知らなかったので、そんなことになっているとは知らなかった。
そんな事情ならば、新しい当主として挨拶回りに行くふたりに、テレンスが同行しないのも納得できる。
「ごめんなさい。変なことを聞いてしまって」
「気にすることはない。幸いなことに、ティガ帝国で知り合った人が、自分のところに来いと言ってくれている。あのふたりが正式に爵位を継いでくれたら、向こうに移住するつもりだ」
レナードのことは、あのふたりには関わらせず、先代から勤めている執事に託してあるらしい。条件さえきちんと守れば今後も支援するようだ。
もっとも、シンディーが彼のもとから逃げ出してしまえば、それも打ち切られる。
アデラからしてみれば、貴族社会からもオラディ伯爵家からも逃れられる彼を羨ましいと思っていた。
でも、実際には彼もなかなか大変だったようだ。
この国では、女性は領地運営には関わらないのが普通で、それなりにアデラを可愛がってくれる父でも、領地や商売の話はしない。
だが、こう何度も婚約者が変わってしまうと、アデラも無知のままではいられないのではないか。
そう思ったところで、まだクルトは婚約者だったことに気付いて、自分の気の早さに笑ってしまう。
「何か飲み物でも持ってこよう」
テレンスがそう言ってくれて、アデラは頷いた。
「ええ、ありがとう。少しテラスに出ているわ」
彼が取りに行ってくれる間、アデラはひとりだ。友人たちが接触してくるかもしれないと、テラスで彼を待つことにした。
夜風を浴びながら、先ほどのテレンスの言葉を思い返してみる。
(テレンスなら、爵位がなくても婿入りできそうだけれど……)
彼自身はあの事件にまったく関わっていないのは、皆知っているはずだ。
優秀で、容姿も端麗なテレンスと、婚約したい女性は誰もいなかったのだろうか。
(いるはずよね。私だってテレンスなら……)
弟のレナードや、クルトよりもずっと良い。そんなことを考えてしまい、慌ててそれを振り払う。
似たような境遇同士、支え合っているフローラとソルーを見たので、そんなことを考えてしまうのだろう。
「やめてください!」
そんなとき、テラスの陰から女性の声が聞こえてきた。
「私は、そんなつもりは……」
王城のテラスはとても広く、彫刻などもあって、会場からは死角になって見えない場所もある。
女性が、誰かに絡まれているのかもしれない。
まさか王城の夜会でそんなことをする者はいないと思うが、それでも声はだんだん緊迫している。
アデラは心配になって、声が聞こえた方向に歩いて行った。
「大丈夫ですか?」
そっと声を掛けると、物陰にしゃがみ込んでいた女性が、顔を上げた。
見覚えのある顔に、アデラは息を呑む。
歪んだ笑みを浮かべていたのは、クルトにエスコートされていたはずの、リーリアだったのだ。
彼女はひとりで、周囲には誰もいない。
「ごめんなさい、許して!」
リーリアは叫ぶようにそう言うと、持っていたグラスを自分に傾ける。
満たされていた赤い液体が、リーリアのドレスを汚した。
グラスが割れる甲高い音が響き渡り、アデラは、自分がおびき寄せられてしまったことを悟った。
リーリアは、ずっと機会を伺っていたのだろう。
先回りをしてテラスに潜み、そしてひとりで悲鳴を上げてアデラをここまで導いた。
そこまでする根性は、シンディーにはなかったものだ。
平民だったシンディーよりも、貴族であるリーリアの方が貪欲だとは思わなかった。
これからリーリアが婚約する予定の相手は、そんなに嫌な相手なのだろうか。
そんなことを考える余裕があるのは、アデラの背後にテレンスの姿があるからだ。
リーリアの悲鳴が聞こえたときに、ちょうど飲み物を取りに行っていたテレンスが戻ってきた。そして、悲鳴の聞こえた方向に歩き出したアデラに付いてきてくれたのだ。
「……リーリア?」
そこに、ちょうど彼女を探していたらしいクルトが、悲鳴を聞いて駆けつけてきた。
彼はワインを掛けられたような姿のリーリアと、そしてグラスをふたつ手にしたテレンス。
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