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お礼を言わなくてはならないのはこっちの方だと、ミラベルは首を横に振る。
「これから何をしたらいいのか、教えてほしいわ」
「そうね。じゃあ、お兄様の好きなお茶の淹れ方から」
そう言ってソレーヌは、丁寧にわかりやすく教えてくれた。
彼女こそ公爵令嬢なのに、ドリータ伯爵家のメイドよりも上手に淹れることができるのではないだろうか。
温室でソレーヌが手ずから育てているというハーブも、たまに手作りする菓子も、すべて兄のリオのためなのだろう。
「私はいずれ、この屋敷を出て王城に住まわなくてはならない。でも、お兄様をひとり残していくのが心配だったの。だからミラベルが嫌でなかったら、ずっとここに居てほしいわ」
お茶の淹れ方をミラベルに教えながら、彼女はそう言って、少しだけ寂しそうに笑った。
たしかにソレーヌの言うように、彼女はいずれ王太子妃となる。
そうなれば、疲れているリオにお茶を淹れることも、お茶やお菓子のためにハーブを育てることもできない。
そんな大切な役目を、ソレーヌはミラベルに託してくれたのだ。
「ごめんなさい。もしミラベルが家に帰りたいと思うなら、引き留めるようなことはしないわ。家族は大切だもの」
ソレーヌの信頼に感動して黙り込んだミラベルだったが、ソレーヌはミラベルが困っていると思ったようで、慌ててそんなことを言う。
「家族なんて……」
ソレーヌの前では決して言うまいと思っていた本音を、思わず口にしていた。
「もし私が戻らなくても、父は使える駒が減ったと思うだけ。母だって、世間体の方が大事だと思うから、こんな騒ぎを起こした私を嫌悪すると思うわ」
「ミラベル……」
自嘲気味にそう言うと、ソレーヌに抱きしめられた。
柔らかな温もり。
母にだって、こんなふうに抱きしめられたことなどない。
「ソレーヌ?」
驚いて顔を上げる。
「ごめんなさい。私が、失踪すればいいなんて言ってしまったから」
「決めたのは私だし、あのままニースと結婚させられるより、今の方がずっと良いわ。だから気にしないで」
あのままだったら、ニースの本音も、ドリータ伯爵家の評判も知らないままだった。
「むしろ、ソレーヌには感謝しているわ」
身の拠り所をなくしたミラベルに、居場所と役目を与えてくれたこと。
もしソレーヌが王太子に嫁いでも、この屋敷に居られるように取り計らってくれたことに感謝して、精一杯リオに仕えたいと思う。
「……それなら、よかった」
ソレーヌは、こんなミラベルの言葉に、心から安堵した様子だった。
「ミラベルは私にとって、お兄様と同じくらい大切な存在なの。だから、何でも言ってね。あなたの力になりたいわ」
「……うん。ありがとう」
たったひとり残された大切な家族である、リオと同じくらい大切だと言ってくれた。
そんなソレーヌの気持ちが嬉しくて、ミラベルは危うく涙ぐみそうになる。
「私も、自分の家族よりもソレーヌが好きよ」
リオのことも、父とは比べものにならないくらい、信用している。
それはリオもソレーヌも、ミラベルの意志を大切にして、優先してくれるからだ。
ひとりの人間として扱ってくれる。
だからミラベルも、父や婚約者の政敵であるはずの、リオとソレーヌを信じられる。
ミラベルの言葉を嬉しそうに聞いていたソレーヌだったが、不意にその顔が曇った。
何か気懸かりなことがあるようだ。
「彼女は私との関わりは皆無だったけれど、この屋敷の内部に刺客が潜り込んでしまったことを考えると、ミラベルも変装していた方が安心かもしれない」
彼女とは、リオの命を狙ったメイドのことだろう。
その人はどうなったのだろうか。
少しだけ考えたが、サザーリア公爵家の当主を暗殺しようとしたのだから、きっとその罪は軽くはない。
彼女の行く末は考えないことにした。
リオの毒殺未遂事件の際、公爵家に勤める使用人達を、出入りの業者も含めてすべて調べ上げ、少しでも疑わしい者は解雇したようだ。
けれど、公爵家はとても大きい。
これからも間者が紛れ込む可能性もある。
それを考えると、公爵家の屋敷内でも変装していた方がよさそうだ。
「そうね。ふたりに迷惑を掛けてしまうのも嫌だから、そうするわ」
王城での夜会で着用した茶色のウィッグを被り、名前もベルと呼んでもらうことにする。
「ごめんなさい。あなたに窮屈な思いをさせてしまって」
「そんなこと、気にしないで。むしろ新しい自分になったみたいで、嬉しいわ」
ミラベルは明るくそう笑った。
それは嘘ではなく、ドリータ伯爵家と婚約者だったニースから解放され、サザーリア公爵家のメイドとして生きていけるのかと思うと嬉しい。
それが、本心からの言葉だと伝わったのだろう。
憂い顔をしていたソレーヌも笑ってくれた。
こうしてミラベルのことは、サザーリア公爵家に古くから勤めている、信頼できる人達にだけ伝えることになった。
他のメイド達は、ただの新参者だと思っていることだろう。
ただのメイドが客間に住んでいるのもおかしな話なので、ソレーヌに別室を用意してもらえるように頼んだ。
「あなたがそう言うなら、用意させるけど……。一応ミラベルはお兄様専属のメイドだから、部屋もお兄様の部屋のすぐ近くになってしまうわよ?」
「……っ」
そう言われて少し怯む。
でも、リオの専属メイドならそれも当然だと、大きく頷いた。
「ええ、任せて。私がリオ様を守るから!」
ここはミラベルがようやく手に入れた、大切な居場所だ。きっと守ってみせると、そう宣言する。
「……無理はしないでね? お兄様の護衛は、ちゃんといるから」
ソレーヌはやや不安そうだったが、ミラベルは張り切っていた。
こうしてリオが不在の間に引っ越しも終え、彼の専属メイドとして働くことになった。
「でも、たまには今まで通り、私と一緒にお茶会をしましょうね。お兄様が留守の間は、私の部屋にいればいいわ」
そんなソレーヌの要望で、リオが不在のときは今まで通り、ソレーヌの話し相手を務めることになる。
彼女の部屋にいるのは、古参の使用人で、本当に身元も確かな者ばかり。ここでなら、ミラベルも素の自分に戻れるだろう。
けれどリオが屋敷に戻っている間は、彼の専属メイドだ。
ミラベルはリオが帰ったと聞き、すぐにソレーヌから習ったばかりのお茶を淹れようと、その用意をして彼の部屋に向かった。
少し緊張しながらも、部屋の扉を叩く。
「リオ様、お茶をお持ちしました」
「……不要だ」
わずかに上擦った声でそう言ってみるが、聞いたことのないほど冷たい声が聞こえてきて、思わず息を呑む。
彼の専属メイドは、お茶に毒を入れたと聞いた。たしかに今、メイドの淹れたお茶など飲む気にはなれないだろう。
でも、声からしてかなり疲れているようだ。
ここは、少し強引でも休んでもらわなくてはと、ミラベルは承諾を得ずに部屋の扉を開いた。
「失礼します!」
「……ミラベル?」
ソファーに横たわるようにして座っていたリオは、部屋に入ってきたミラベルの姿を見て、すぐに立ち上がる。
「どうしてミラベルが、ここに? ああ、すまない。さっきのは……」
慌てた様子で言い訳を口にする彼に、ミラベルは思わずくすりと笑う。
「まさか、ミラベルだとは思わなかった。許してほしい」
先ほどの冷たい声は、聞き間違いだったのではないかと思うほど、謝罪するリオの声は優しい。
「勝手に入ってしまって申し訳ありません。ですが、ソレーヌから習って、私が淹れたお茶です。疲れが取れますから、どうか飲んでください」
「ああ、頂くよ」
そう言うリオは、無理をしている素振りはない。
むしろ、少し嬉しそうだ。
だからミラベルは、ソレーヌから習った手順を必死に思い出しながら、リオのためにお茶を淹れた。
「これから何をしたらいいのか、教えてほしいわ」
「そうね。じゃあ、お兄様の好きなお茶の淹れ方から」
そう言ってソレーヌは、丁寧にわかりやすく教えてくれた。
彼女こそ公爵令嬢なのに、ドリータ伯爵家のメイドよりも上手に淹れることができるのではないだろうか。
温室でソレーヌが手ずから育てているというハーブも、たまに手作りする菓子も、すべて兄のリオのためなのだろう。
「私はいずれ、この屋敷を出て王城に住まわなくてはならない。でも、お兄様をひとり残していくのが心配だったの。だからミラベルが嫌でなかったら、ずっとここに居てほしいわ」
お茶の淹れ方をミラベルに教えながら、彼女はそう言って、少しだけ寂しそうに笑った。
たしかにソレーヌの言うように、彼女はいずれ王太子妃となる。
そうなれば、疲れているリオにお茶を淹れることも、お茶やお菓子のためにハーブを育てることもできない。
そんな大切な役目を、ソレーヌはミラベルに託してくれたのだ。
「ごめんなさい。もしミラベルが家に帰りたいと思うなら、引き留めるようなことはしないわ。家族は大切だもの」
ソレーヌの信頼に感動して黙り込んだミラベルだったが、ソレーヌはミラベルが困っていると思ったようで、慌ててそんなことを言う。
「家族なんて……」
ソレーヌの前では決して言うまいと思っていた本音を、思わず口にしていた。
「もし私が戻らなくても、父は使える駒が減ったと思うだけ。母だって、世間体の方が大事だと思うから、こんな騒ぎを起こした私を嫌悪すると思うわ」
「ミラベル……」
自嘲気味にそう言うと、ソレーヌに抱きしめられた。
柔らかな温もり。
母にだって、こんなふうに抱きしめられたことなどない。
「ソレーヌ?」
驚いて顔を上げる。
「ごめんなさい。私が、失踪すればいいなんて言ってしまったから」
「決めたのは私だし、あのままニースと結婚させられるより、今の方がずっと良いわ。だから気にしないで」
あのままだったら、ニースの本音も、ドリータ伯爵家の評判も知らないままだった。
「むしろ、ソレーヌには感謝しているわ」
身の拠り所をなくしたミラベルに、居場所と役目を与えてくれたこと。
もしソレーヌが王太子に嫁いでも、この屋敷に居られるように取り計らってくれたことに感謝して、精一杯リオに仕えたいと思う。
「……それなら、よかった」
ソレーヌは、こんなミラベルの言葉に、心から安堵した様子だった。
「ミラベルは私にとって、お兄様と同じくらい大切な存在なの。だから、何でも言ってね。あなたの力になりたいわ」
「……うん。ありがとう」
たったひとり残された大切な家族である、リオと同じくらい大切だと言ってくれた。
そんなソレーヌの気持ちが嬉しくて、ミラベルは危うく涙ぐみそうになる。
「私も、自分の家族よりもソレーヌが好きよ」
リオのことも、父とは比べものにならないくらい、信用している。
それはリオもソレーヌも、ミラベルの意志を大切にして、優先してくれるからだ。
ひとりの人間として扱ってくれる。
だからミラベルも、父や婚約者の政敵であるはずの、リオとソレーヌを信じられる。
ミラベルの言葉を嬉しそうに聞いていたソレーヌだったが、不意にその顔が曇った。
何か気懸かりなことがあるようだ。
「彼女は私との関わりは皆無だったけれど、この屋敷の内部に刺客が潜り込んでしまったことを考えると、ミラベルも変装していた方が安心かもしれない」
彼女とは、リオの命を狙ったメイドのことだろう。
その人はどうなったのだろうか。
少しだけ考えたが、サザーリア公爵家の当主を暗殺しようとしたのだから、きっとその罪は軽くはない。
彼女の行く末は考えないことにした。
リオの毒殺未遂事件の際、公爵家に勤める使用人達を、出入りの業者も含めてすべて調べ上げ、少しでも疑わしい者は解雇したようだ。
けれど、公爵家はとても大きい。
これからも間者が紛れ込む可能性もある。
それを考えると、公爵家の屋敷内でも変装していた方がよさそうだ。
「そうね。ふたりに迷惑を掛けてしまうのも嫌だから、そうするわ」
王城での夜会で着用した茶色のウィッグを被り、名前もベルと呼んでもらうことにする。
「ごめんなさい。あなたに窮屈な思いをさせてしまって」
「そんなこと、気にしないで。むしろ新しい自分になったみたいで、嬉しいわ」
ミラベルは明るくそう笑った。
それは嘘ではなく、ドリータ伯爵家と婚約者だったニースから解放され、サザーリア公爵家のメイドとして生きていけるのかと思うと嬉しい。
それが、本心からの言葉だと伝わったのだろう。
憂い顔をしていたソレーヌも笑ってくれた。
こうしてミラベルのことは、サザーリア公爵家に古くから勤めている、信頼できる人達にだけ伝えることになった。
他のメイド達は、ただの新参者だと思っていることだろう。
ただのメイドが客間に住んでいるのもおかしな話なので、ソレーヌに別室を用意してもらえるように頼んだ。
「あなたがそう言うなら、用意させるけど……。一応ミラベルはお兄様専属のメイドだから、部屋もお兄様の部屋のすぐ近くになってしまうわよ?」
「……っ」
そう言われて少し怯む。
でも、リオの専属メイドならそれも当然だと、大きく頷いた。
「ええ、任せて。私がリオ様を守るから!」
ここはミラベルがようやく手に入れた、大切な居場所だ。きっと守ってみせると、そう宣言する。
「……無理はしないでね? お兄様の護衛は、ちゃんといるから」
ソレーヌはやや不安そうだったが、ミラベルは張り切っていた。
こうしてリオが不在の間に引っ越しも終え、彼の専属メイドとして働くことになった。
「でも、たまには今まで通り、私と一緒にお茶会をしましょうね。お兄様が留守の間は、私の部屋にいればいいわ」
そんなソレーヌの要望で、リオが不在のときは今まで通り、ソレーヌの話し相手を務めることになる。
彼女の部屋にいるのは、古参の使用人で、本当に身元も確かな者ばかり。ここでなら、ミラベルも素の自分に戻れるだろう。
けれどリオが屋敷に戻っている間は、彼の専属メイドだ。
ミラベルはリオが帰ったと聞き、すぐにソレーヌから習ったばかりのお茶を淹れようと、その用意をして彼の部屋に向かった。
少し緊張しながらも、部屋の扉を叩く。
「リオ様、お茶をお持ちしました」
「……不要だ」
わずかに上擦った声でそう言ってみるが、聞いたことのないほど冷たい声が聞こえてきて、思わず息を呑む。
彼の専属メイドは、お茶に毒を入れたと聞いた。たしかに今、メイドの淹れたお茶など飲む気にはなれないだろう。
でも、声からしてかなり疲れているようだ。
ここは、少し強引でも休んでもらわなくてはと、ミラベルは承諾を得ずに部屋の扉を開いた。
「失礼します!」
「……ミラベル?」
ソファーに横たわるようにして座っていたリオは、部屋に入ってきたミラベルの姿を見て、すぐに立ち上がる。
「どうしてミラベルが、ここに? ああ、すまない。さっきのは……」
慌てた様子で言い訳を口にする彼に、ミラベルは思わずくすりと笑う。
「まさか、ミラベルだとは思わなかった。許してほしい」
先ほどの冷たい声は、聞き間違いだったのではないかと思うほど、謝罪するリオの声は優しい。
「勝手に入ってしまって申し訳ありません。ですが、ソレーヌから習って、私が淹れたお茶です。疲れが取れますから、どうか飲んでください」
「ああ、頂くよ」
そう言うリオは、無理をしている素振りはない。
むしろ、少し嬉しそうだ。
だからミラベルは、ソレーヌから習った手順を必死に思い出しながら、リオのためにお茶を淹れた。
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