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出会い
しおりを挟む-こんなくだらない戦争は早く終わればいいんだ-
辺りは薄暗く、所々では天使が蹂躙されているであろう絶叫や断末魔が響いている…。
間もなく私も同じ目に遇ってしまうのか…。
どこまでも暗く、どこまでも闇…。
おどろおどろしいこの空間で私は絶望し、治癒力が発動できないほど消耗し切っていた…。
「………これまでか…」
些細なことが理由で始まった言われた光と闇の戦争…。
戦争の明確な理由も分からないまま数多の天使と悪魔が殺戮を繰り返している…。
この戦争で数多の天使、妖精、精霊、人間、死神、悪魔が犠牲となった…。
こんなくだらない戦争は早く終わればいい…。
私は…そう勇んで部下の天使を引き連れて、天界と地獄界の中間地点の為に戦場となっている人間界を通り過ぎ、この地獄へと攻め込んだ…。数多の死神や悪魔を薙ぎ払い、最深部にいる悪魔の首を獲るため…。
基礎戦闘能力は、闇に属する者達666万壊力に対して光に属する者達は777万壊力だ。
壊力 ( カイリキ ) というのはこの生きとし生けるものが存在する世界に共通する力量の数値だ。
人間の平均を10として死神を始めとする闇に属する者達の最低数値が人間の66万6千倍、天使を始めとする光に属する者達の最低数値が人間の77万7千倍だ。
光に属する我々天使のほうが111万ほど高い…。
悪魔如き下層の者など瞬時に屠ってくれようと意気込んでいた。
最深部に差し掛かった頃、異変に気付いた時には既に手遅れだった…。
退路を塞がれ、夥しい魔物と悪魔に取り囲まれていた…。
最深部に居る悪魔達の狡猾な罠に嵌まり、捕らえられた仲間を盾にされ、既に戦闘していた別動隊の仲間達、私の部下達は為す術もなく次々に殺された…。
捕らえられ、慰み物にされ蹂躙し尽くされて凄惨なる拷問の果てに殺されていった…。
「お前だけでも…逃げるんだ」
自らが囮となり私を逃がした仲間達は身体を貫かれながら逃げろと声を上げたのち、首を斬り飛ばされていた。
私は悪魔の集団に左脚を千切り飛ばされながらも、命からがら修羅場から逃れる事ができた…。
私の出撃を止めてくれていた菩薩様の言う通り、悪魔を舐めてかかってはいけなかった…。
最早、指一本動かす気力もない。今、捕まれば、何百という悪魔に拷問され蹂躙され尽くして殺されるだろう…。自分の浅はかさに私は憂いていた…。
「…綺麗な状態だなー。おーい。生きてるか」
身の丈180cmほどの華奢な男だ…。寝癖のように逆立った髪、人を食ったような眼、漆黒のスーツに、だらしなく止めた白いシャツ…。止める気がない緩めたネクタイ…。一見して不真面目なチンピラ…。
それが彼のイメージだった…。
それが彼との出逢いだった…。
「……悪魔か…」
「…仰る通りだ。お前は天使だろー」
なんだこの語尾を馬鹿みたく伸ばした話し口調は…。私を小馬鹿にしているのか…。こんな馬鹿そうな悪魔に捕まるとは…情けない…。
自分の愚かさに笑えてしまうほどだ…。
「……殺せ」
「…何故」
「…貴様等に捕まって…慰み物にされるくらいなら…死んだほうが…マシだ」
「…乳でかいなー。お前」
人の話を聞いてもいない…。乳がでかいだと?馬鹿にするのにも程がある…。舌を噛み切っても無駄か…。
流れるような金髪のロングヘアーに透き通るような切れ長の瞳、はち切れそうなグラマラスな身体にピッタリと張りつくように白に金の縁取りが施されたレオタードスーツに身を包んだ天使の身体を上から下まで悪魔は眺めている。
「左脚は千切られたのかー?」
「貴様になど…関係ない」
天使は諦めたような眼で悪魔を見据えていた…。
舌を噛切ったところで、生命力の強い天使は治癒力を失くすほど消耗していたとしても、中々死ねない為、悪魔に捕まれば非道な目に遇わされ蹂躙し尽くされから殺されるというのが通例になっていた…。
「俺はシドって言うんだ…。お前、名前は?」
「…名乗る必要は…無い」
フンと鼻で笑ったシドはその天使を肩に担ぎ上げるとゆっくりと歩き出した。
「何をする…どこへ…行く気だ」
「全く、うるさい女だなー」
家に着いたシドは怪我にさわらぬ様に静かにゆっくりと天使をベッドに横たわらせた…。
逆らう気力も、治癒力もなかった天使はまな板の鯉のような心境で天井を眺めていた…。
ここで慰み物にされるのか…。
生命力の続く限り、奴隷のように蹂躙される…。仲間の天使が断末魔を上げて死んでいくのを何度も見せつけられた…。
済まない…皆、逃げ仰せた私にも天罰が下るのだ…。
もうどうにでもなれと諦めた天使の身体にシドと名乗った悪魔の手が触れた。
「…少し、沁みるよー」
「何を…している…」
「これを見て分からないのか?馬鹿な天使だなー」
「…愚弄しているのか…。治療を…しているのたろう。そんな事は…見ればわかる」
「じゃあ何だよ?」
「…私が…訊いているのは…そんな事ではない…。なぜ、治療をするのだと…訊いているのだ」
「変なことを訊きたがるな…。怪我をしているからだ。怪我をしている者を治療するのに他に理由などいらないだろー」
そう言いながらシドと名乗った悪魔は怪我の処置を続けた。
アナーキー・イン・ザ・UKを口ずさむ彼はどことなくシド・ヴィシャスに似ているように思えた。
三週間もすれば治癒力が戻るから脚も生やせるだろうとシドは笑っていた。
悪魔の力で治せば一瞬で治癒出来るが、闇の刻印が記されるのはマズイだろうとシドは時間をかけて治癒する事を選択した。
闇の刻印とは、闇の者による治癒を受けた時に刻まれる刻印だ。
逆に天使などの光の者による治癒などを闇の者が受けた場合は光の刻印が刻まれる。
そして刻印が刻まれた者は位がさがってしまう…。
進んで下の位になる者など居る筈もなく、憐れみを受けて堕ちた者は必然的に蔑みの対象となってしまう。
相反する者同士にのみ刻まれる物で、それを刻まれる事を互いに恥としている…。
人間、精霊などには刻まれない…。
奥のキッチンで何やら物音がして、しばらくするといい匂いがしてきた…。
そう言えばもう何日も食べ物を口にしていない。
空腹だと言うことすら忘れている程に絶望していたのだ…。
お腹が空く…。その感覚に涙が溢れそうになった…。
ほどなくしてシドは温かいスープを運んできた。
じっくりと煮込んだブイヨンの効いたスープだ。
ニッコリと微笑んだシドは口に合うかわからないけどと、スプーンで掬ったスープを私の口に運んできた。
私はシドの腕を払いのけ、盛り付けられていた皿も払った。
「悪魔の施しなど受けぬ」
床に銀のスプーンと銀の皿が音を立てて落下し、スープも床に散乱した。その行為に対して怒りもせずに、勿体ないなぁと残念そうに言ったシドは床の掃除を始めた。
ほどなくするとシドの友人とおぼしき悪魔達が数人家に入ってきた。
スープがあるじゃないかと感嘆していた。
「シドのスープはうめぇんだ!」
どうやら彼等の間でシドの作ったスープは絶賛されているようだった。
寝室に客が居ると言い放ったシドの言葉に、私を悪魔共に渡すのかと思ったが仲間達が笑いながらシドを茶化していた。
「また女を連れ込んでいるのか」
「ジュディにバレたら面倒だから黙っておくぜ」
そう言った事で違うのだと理解した。彼にはジュディという名の女が居る。そして彼は女好きで浮気者のようだ…。
私にはどうでもよい情報だったが、取り敢えず悪魔共に捕まらずに事なきを得た。
仲間達がバカ騒ぎをして帰ったのち、シドは再度スープを運んできた。
「ごめんなー、あとこの一杯しかないんだ」
シドはスープを飲んでいない…。彼等が飲み食いをする間、シドは何も食わねぇのかと仲間達が何度も言っていた。
お人好しにもほどがある…。
致し方なく思った私はシドの運んだスープを口にした。
「美味しい…」
「そうか…それは嬉しいねー」
つまらない意地をはっていた自分が情けなくなった天使は目に涙を溜めた…。
スープが美味しいと思える余裕がある…。
天使は生きているという実感を…安全に生きてられているという実感を噛み締めて涙が溢れそうになった…。
「肉とパンも食べられるか?」
「…ありがとう。いただくよ…。それなら、お前も一緒に食べよう」
天使に促されたシドは寝室で一緒に食事を摂ることにした。
シドの作る料理はどれも手が込んでいて、温かみがあった…。
凍った雪山に春が訪れるようにシドは少しずつ天使の閉ざされた心を溶かしていった…。
それから二週間ほどが経過した。彼は食事を寝室で私と摂り、就寝はリビングのソファでしていた。寝込みを襲われると思っていたのだが、意外にも彼は紳士だった。私の身体を拭く時も目を瞑り、女性の場所に触れてしまう時は必ず了解を得てくれた。
当然ながら自分で拭いたのだが…。
切断した左脚の先に感覚が戻ってきた頃、治癒力が戻ってきたと感じた私は細胞を再構築して左脚を再生することが出来た。
私の左脚が元に戻ったことをシドは自分の事のようにとても喜んでくれた…。
「良かったなぁ!腐敗が進んでたら戻るのに時間がかかってしまうからな」
「ありがとう…。助かったよ」
「……お前も戦争の犠牲者だな…。幾日も無益な殺戮が続く…。こんなくだらない戦争は早く終わればいいんだ」
シドのその言葉に私は涙を溢した…。人目も憚らずボロボロと涙を溢し続けた…。
「どうした?なぜお前が泣く?」
「…お前が…私と同じ…、同じ考えだからだ…」
「…そうか…。天使にもマトモな奴は居るんだな」
「…ナンシーだ」
「何が?」
「…私の名前だ」
「そうか!ナンシー…いい名前だ」
傷が治りかけてきた頃、私はシドとテーブルを囲むようになっていた…。下らない事で笑い合い、冗談を言い合い、昔からの友達のように打ち解けていた。
この悪魔は他の悪魔とは違っていた…。
卑しさも、醜さも、ズル賢さも無い…。
子供のように笑い、子供のように無垢だ…。
そして何より彼は温かかった…。
こんな悪魔が居るんだなとナンシーはシドの顔を見て笑みを浮かべていた。
「何だよ?俺に見惚れているのか?ナンシー」
「ばっ?!バッカじゃない?よくそんな事、恥ずかし気もなく言えるな」
「ハハ…お前、笑うと可愛いんだな」
この悪魔と過ごす日々に心地よいとさえ思えるようになっていた。一歩外へ出れば戦争の真っ只中なのに…。
平常時ならは悪魔との交流もあるだろうが、この状況下でテーブルを囲むなど重罪に等しい…。
内通者だと疑いを持たれてしまうだろう…。
怪我の手当てをされた等と明るみに出れば嘲り笑われ、処罰の対象となるだろう…。
仮に怪我の手当てをされたのなら絶対的正義の名の下に寝首をかくのが正解なのだ…。
この男の首を獲る気になどなれなかった…。
この男と殺し合う気になどなれなかった…。
考え方も同じ…。
感じ方も同じ…。
こんなにも気が合う者が悪魔だなんて残酷な事だ…。
こんなにも気が合う者が悪魔だなんて実に残念な事だ…。
同じ光に生まれし者ならば良き友にもなれただろうに…。
ナンシーがそんな事を思い浮かべながら夕食を摂っていると、玄関の鍵を当たり前のように外から開けて女性の悪魔が入ってきた。
「はぁ~い♪シド」
「ジュディ…」
「誰?その女…って…その女」
「落ちつけジュディ…」
「なんで…天使がここに居るんだっ!!」
他の女が居るだけでも腹立たしい上に、戦争中の真っ只中に敵の天使の女が居る…。
ジュディの怒りは最もだった。
瀕死の状態だったナンシーの経緯をシドが説明してもジュディの怒りは収まる筈もなくナンシーに掴みかかろうした。
「このクソ天使がっ!!ふざけんな!!」
「やめろ!!ジュディ」
「?!なんで…私が怒られるのさ」
「もう帰れ…。そして二度とここへは来るな」
「意味…分かんないんだけど…」
「俺は…浮気者だから…。お前を幸せには出来ねぇよ」
「…なにそれ…まさか、寝たの…?この天使と…」
「…そうだ」
最低!信じらんない!死ねよ!クソ野郎!!テメェも死ね!!クソ女!!等とジュディは思いつく限りの雑言を並べ立てて合鍵をシドに投げつけ、思い切り扉を閉めて出ていった…。
「…なぜ…嘘をついた」
「いいんだ。事実、俺は何度も浮気をしてるから、どの道ジュディとはダメになっていた」
「シドは浮気者なのか」
「うむ!俺は無類の女好きだ!」
「アハハハハ。誇らしげに言うことでは無いだろう」
「そこまで本気になれる女に出逢ってない…という事にしておいてくれ…」
「物はいいようだな。清々しいよ…ある意味」
「そうだろう?もっと褒めてくれ」
「褒めてないのだが…」
笑い声の漏れる家の外で苦虫を噛み潰したジュディは怒りが収まらず、その足でとある悪魔の元へ出向いて全てをぶちまけた…。
ジュディの話を聞いた悪魔の側近が、あの時逃げた天使ではないかと声を上げた。
煌びやかな部屋の奥で玉座に佇んでいた悪魔は不適な笑みを浮かべる…。
「大手柄だ…ジュディ」
「ありがとうございます」
「それで…シドとは別れたのか」
「私が暇潰しに相手してやってただけなのに!!あんなヤツ死ねばいいんだ!!」
「そうか…。辛かったな…。こっちへおいでジュディ」
「は、はい…」
その悪魔はジュディと会話をしながら左手をヒラヒラと仰いで側近の悪魔達を部屋から出るように促した。
側近達はいつものコトだという慣れた感じで卑しい笑みを浮かべて部屋から出ていった。
ジュディに魅惑の催眠術をかけて服を脱がせ、隅々まで身体を嬲り、思い通りに抱いた…。
その後、朦朧としているジュディを側近達にも嬲らせた…。
また一人、この悪魔の従順となる奴隷が誕生した…。
-数日後-
「かなり怪我が回復したな…そろそろ天界に帰れそうだなー」
「…そうだな…。明日にでもここを発つよ…。世話になった」
「元気になってなによりだ…。ここに居たことは言わない方がいい」
「…ああ…分かっているよ」
シドがタバコを吸う横顔は何だか物寂しそうだった…。
別れを惜しんでくれているのか…。
私も同じ思いだった…。
けれどもこの有事だ…。
敵対する者同士…。
互いの立場が枷となり、それ以上のことを言うのはやめた…。
その日の夕食は晩餐のように豪華だった…。
最後の夜…。いつもと同じように別々の部屋で眠りに就いた…。
私は寝室で、シドはリビングのソファで眠っている…。
リビングにはセックス・ピストルズやクラッシュ、ラモーンズのポスターが貼られ、棚には数多くのCDが並べられている…。
パンクロックは優しいから好きなんだと口癖のようにシドは言っていた…。
雑然としたこの部屋とも明日でお別れだ…。
夜中に目が覚めた私はリビングの明かりが点いたままな事に驚いた…。
シドは起きていた…。
シドからビリビリと発せられる壊力で理由は直ぐに分かった…。
彼は…この家が襲撃されないように私が眠っている間、気を張って警護していてくれた…。
三週間もの間ずっと…。
私は無神経にいつも眠そうなシドを小馬鹿にしていた…。
涙が出た…。止められないほどの涙が溢れ続けた…。
思わず声が漏れてしまった…。
「起こしちゃったか?ナンシー」
「シド…」
「なんで泣いてるんだよ…どうした」
「お前は…寝ないで私を…護ってくれていたのか」
「…いや、寝付けないだけだよ。眠くなったら寝るさ」
「…ありがとう…シド…。お前の事は…忘れ…ない」
「ああ…俺も…忘れないさ」
許される事ではない…。大罪に値する事だが、私はシドの胸で大声で泣いた…。シドは私が泣きつかれて眠ってしまうまで静かに抱き寄せてくれていた…。
朝になった…。
私はいつの間にかベッドに居た。おそらくはシドがベッドに運んでくれたのだろう…。
別れが惜しい…。
この男が悪魔だという事が実に残念だ…。
朝食を摂っている時に玄関をノックする音が聞こえた…。
シドの顔つきが変わると同時に、強い闇気 (アンキ) を感じた…。
玄関越しにシドは何だと言った。
「匿っている天使を出せ」
「天使?」
「その天使は菩薩直下の天罰部隊統括…ナンシー・ヴェイカントだ」
シドはその言葉に少しだけ反応して私の方をチラリと見た…。
「天使なんて居ねぇ」
「居るんだろう?ナンシー・ヴェイカント」
「そんな天使は居ねぇ」
「悪魔に匿ってもらう天使など笑止千万だな」
その侮辱とも取れる言葉に椅子から立ち上がったナンシーが表に出ようとするのをシドは遮って小声で言った。
「 出るな、ナンシー…。表に居るのは俺の兄…ロットンだ 」
ロットン?私が首を狙っていた悪魔だ…。
シドは俺の兄だと言った…。シドは…シドは…憎きロットンの…弟…。
ロットンは、あくまでも素知らぬ振りをして天使を差し出さないシドと、匿われているナンシーを撹乱させる為、小聡明い言葉を吐いた。
「天使の足止め…。ご苦労だったな…シド」
「…私を…嵌めたのか…シド」
「誤解だ…ナンシー。奴等はおそらくお前の神気を探ってきたんだ」
私の事を漏らしたのはおそらく先日ここに来たジュディだろう…。
去り際に滾る嫉妬の眼を私に向けていた…。
この広大な地獄で私の神気だけを探り当てるなど不可能に近い筈だ…。
シドは…ジュディの事も庇うのだな…。
分かっているよ…。お前の性(サガ)は分かっているつもりだ…。
私を嵌めていない事も分かっている…。天使を匿えば重罪に処せられるというのに、全力で弁解するなんて、どこまでも馬鹿な男だ…。
ひとたび目を閉じたナンシーは意を決して怒りを装い声を上げた。
「満足か!!シド!!」
「待て!ナンシー」
「…馴れ馴れしく…私の名を呼ぶな!!」
シドの罪を免れさせる為、腕を振りほどいたナンシーは痛む心に蓋をして、力強く扉を開けた。
二十人程の悪魔の群れに一際大きな悪魔が二人、その中央にサイドを刈り上げ、ウェーブのかかったアシンメトリーの前髪を垂らした男が不適な笑みを浮かべて驚異的な闇気を漂わせている…。
間違いなくこの男がロットンだと一目で解った。
「貴様に会いたかったぞ!!!ロットン・ファッキンダム!!!」
「ほう」
「貴様の首を獲り!!勝鬨を上げて!!この下らない戦争を私が終わらせる!!」
いきり立って咆哮するナンシーの言葉に悪魔達は腹を抱えてゲラゲラと笑い出した。
「なにが可笑しい!!!」
「敵う気でいるのか…。貴様如き…菩薩の使い走り程度の天使が…」
「舐めるなよ…?高々二十人如きで…。我等が全滅した時…貴様等は何百人越えだったではないか…」
「二十人ならば…余裕だとでも」
「ロットン・ファッキンダム。貴様は…理解力が足らぬようだな…」
「ロットン様!!こんな虚勢だけの天使など俺が直ぐに喋れなくしてご覧に入れますよ」
ナンシーはいきり立って詰め寄ってきた一際身体の大きな一人の悪魔に人差し指を掲げて上から下へ振り抜いた。
「断罪」
悪魔の頭上から血飛沫が上がり、真っ二つに裂けて瞬く間に肉塊となった…。崩れ去った肉塊は直ぐさま再生をしようとグニュグニュと蠢めいている…。
「滅火 (メッカ)」
蠢く肉塊は断末魔を上げて光り輝く炎と共に塵となって消えていった。その光景に群れを成していた悪魔の数人は冷や汗を垂らして息を呑んだ…。
「次は…誰が私を喋れなくするのだ?」
「俺の使い走り一人を滅却したくらいで余裕の表情か…。流石だな…菩薩の使い走り」
「貴様は…貴様等は…仲間と部下の仇…。天罰部隊統括ナンシー・ヴェイカント!!絶対的正義の名の下にロットン・ファッキンダム…。貴様の首を獲る!!!」
咆哮したナンシーは壊力を解放させて、カッと眼を見開いた。
高まる神気に数人の悪魔が狼狽えている中でロットンは余裕の笑みを浮かべている…。
「ほう…2億8000万壊力か…大したものだ…」
「ロットン様はなぁ…全開で3億4000万壊力だぁ」
「…戯れ言を」
「…試してみるがいい」
ニヤリと笑みを浮かべたロットンに対して、飛び掛かろうとしたナンシーをしっかりと捕まえたシドは後ろから抱えあげて空高く舞った。
「何をする!!」
「逃げるんだナンシー!!」
「離せ!!たとえこの身が滅びようとも奴に一矢報いるのが天使の本分」
「俺はお前を死なせたくない」
「…シド」
空中から手頃な岩場を見つけたシドはナンシーを引き連れて身を潜めた…。辺りを見渡すとちょっとした洞穴があるのを見つけた。
「いいか…ナンシー。神気を限界まで下げて気配を消して、ここに居ろ」
「お前は…どうする気だ…」
「…直ぐに戻る」
洞穴から外に出たシドは数多の追手が舞い降りてくるのを出迎えた。シド一人に対して追手は約二十人ほど…。
その中でも一際、身の丈が大きいスキンヘッドの悪魔が鼻息を荒くしてシドに突っかかった。
「おいシドちゃんよ…。しょっちゅう俺に小突かれてヘラヘラしてる落ちこぼれ悪魔のお前が何故、俺達に逆らうような真似をする?」
「…ヴィジュ。殺さないでおくから。勘弁しろよ?」
「何?」
「聞こえなかったのか?前からバカだと思っていたが、やっぱりバカなんだな」
「…まあ…減らず口は見逃してやるから…あの天使を出せ」
「お前等が鈍間(のろま)だからもう逃げたぜ…。今頃は人間界に到達している頃だ」
「おい!首を千切られたくなかったら、これ以上…舐めた口を利くんじゃ…」
ドッ!!
シドは指の一振りで襟首に掴みかかったヴィジュの腕を切り飛ばした。
血飛沫と共に野太い腕が力を無くしてシドの襟首から離れてボトリと足元に転がった…。
予想もしなかった展開にヴィジュと周りの追手も唖然としている。
「やりやがったな…テメェ!!覚悟は出来てるんだろうな」
「なんの…覚悟だ?」
不適な笑みを浮かべたシドが壊力を増大させると、闇気が渦巻くように立ち込めて周囲の空気を明らかに変えた…。
ヴィジュを含めた追手の悪魔達はその圧倒的な壊力に酷く狼狽えている…。
「なんだ…この壊力は…」
「凄い…壊力…私以上だ…。推定で3億8000万シドは…こんなにも…強かったのか…」
「大凍界 (ダイトカイ) 」
大気の音がシンと消えると共に二十人の悪魔達は瞬く間に氷漬けとなり、二十本の氷柱が墓標のように出来上がった。
この術を知っている。この術はロットンが使う術だ…。次に起こる事を熟知している氷漬けにされた悪魔達は必死に目で止めろと訴えかけている。
「砕粉 (サイコ)」
パァンと音を立てて氷柱が弾け、粉のように空中に舞った…。
キラキラと舞い散る氷の結晶に赤色が織間ざる肉片の氷の粒が辺り一面を真っ赤に染め上げた。
粉のように舞い散った悪魔達がゆっくりと再生をしていくのを横目に、シドは自分の身体から一枚の黒い大きな布状のモノを剥ぎ取ってナンシーに纏わせた…。
「…それは…シドの防御壁だろう」
「…そうだ。この俺の意思を共有したブラックフラッグがお前を人間界まで連れて行き、そして護ってくれる…。もうすぐここにロットンがやって来るから早く逃げるんだ」
「無茶だ!!防御なしで戦闘など自殺に等しい!!」
ナンシーを包み込んだブラックフラッグは見えないカプセル状の膜を張り、ゆっくりと高度をあげて上昇していく。
「待て!シド!!」
「龍氷(リュウヒョウ)」
その状況を見ていたロットンが右手から闇に塗れた氷の塊を解き放った…。猛る龍のようにナンシーに向かって凄まじい勢いで迸った龍氷は、轟音を立ててブラックフラッグに跳ね返され辺りに弾けとんで消えた…。
「やってくれたな…シド…。今まで…三味線を弾いていた…。というわけか…」
「今頃分かったか?マヌケが…」
「だが…ブラックフラッグ-防御壁を外した今のお前に何が出来る…」
ロットンの振るった右拳がシドの水月にメリ込んで、更に内蔵を抉った…。滴る鮮血はシドの防御力が大幅に減少した事を物語っている…。
「がっ…あ」
「……脆いな。壊力によって増大するブラックフラッグを己から外すなど愚の骨頂だ。…そうまでしてあの天使を護って…お前になんの理がある?」
「……殺戮マニアの…サイコ野郎には…一生理解出来ねぇ…だろうな」
「…相変わらず…。口だけは回るな」
眼下に見えるシドが血塗れになっていく姿を見たナンシーはブラックフラッグが創り出した透明なカプセルを叩き続けている。
「シド!!これを外せ!!お前が死んでしまう!!シド!!!これを外すんだ!!」
壁を叩いても叩いてもシドに声は届かなかった…。
シドとの距離は遠くなっていくばかりだった…。
眼下に見えるシドが徐々に小さくなっていくのを、血飛沫を上げて殴打されているシドを見つめながらナンシーは包み込まれたカプセルの中で膝を落として涙を溢していた…。
「…これを…外してくれ…シド」
足元に血反吐を撒き散らして踞るシドの頭を踏みつけながらロットンは嘲笑っていた…。
彼方まで上昇して小さくなって行ったナンシーを見据え、更なる追撃をシドに喰らわせ続けていた。
無事に人間界まで到達したナンシーに纏っていたブラックフラッグは役目を終えると地面に消えて行った…。
数週間前に地獄へ向かう途中で通りすぎた人間界は惨たらしい光景が広がっていた…。
天界と地獄の中間地点に存在する人間界はこの戦争の戦場となってしまい荒廃しきっていた…。
数多の人間が巻き添えとなり、
数多の人間が目障りだと悪魔の戯れに殺されていた。
数多の人間が天罰と称して天使の戯れに殺されていた。
ナンシーはこの人間界が戦場にされていることを懸念していた…。
数多の何の関係もない人間がそこに居るだけで巻き添えにされている事に心を痛めていた…。
その為にここを通り過ぎ、地獄に攻め込んだのだ…。
最深部に居る悪魔…。戦争の陣頭指揮を取っている、ロットン・ファッキンダムの首を堕とせば大幅な戦力ダウンと、光の力を誇示できる。圧倒的な力を見せつけて、無益な殺戮の続く戦争を終わらすことがナンシーの目的だった…。
結果は失敗に終わり、仲間も部下も失い、出会った悪魔に助けられ…逃がされた…。
私の為に時間をかけて治癒してくれた悪魔が…。
私の為に女と別れてまで治癒してくれた悪魔が…。
私の為に夜通し護っていてくれた悪魔が…。
私の為にフラッグを外してまで逃がしてくれた悪魔が…。
殺されてしまうかも知れない…。
「…シドを…シドを…助けねば」
直ぐ様シドの元へ戻ろうとしたところに、近くで悪魔を薙ぎ払った一人の天使がナンシーの存在に気付いて声を掛けてきた。
「ナンシー様…ご無事でなによりです」
戸惑うナンシーの周りに天使達が集ってきた…。
無事を称える傍らで、他に誰も居ないことに気づいた天使達はナンシーに詳細は深くは訊けず、おそらくは失敗し、全滅したのだろうと理解した…。
近くで巣食っていた悪魔達がナンシーの飛び抜けた神気に慄いて退散して行くのが見えた。
シドの話しなど出来る筈もなく、ナンシーは後ろ髪をひかれる思いで集った天使達と共に天界へと戻って行くしかなかった…。
シドはその間、徹底的にロットンに殴打され続け、もはや虫の息だった…。
息も絶え絶えのシドを足蹴にしているロットンの元へ、先ほど粉々にされた悪魔達が復元を終えて集ってくる。
「…痛ってぇ…。コイツ…大凍戒が使えましたよ…」
「その様だな…。しかもこの愚か者はブラックフラッグを天使に纏わせて逃がした」
その言葉に、先ほど粉々にされた二十人ほどの悪魔達はニヤリと笑みを浮かべ、防御と治癒力を無くしたシドを激しく殴打し始めた。
歯が飛び散り、顔面は陥没し、四肢は折られ、辺りはシドの鮮血で血みどろになった。
小刻みに痙攣する虫の息のシドに人間界から舞い戻った透明化したブラックフラッグが触れると身体に吸収されて消えた。
ゆっくりと治癒しだすシドを見据えたロットンは念を込めた鎖を巻き付ける。
止めに顔面を思い切り蹴り飛ばされたシドは意識を失ってしまった…。
「この戦争のきっかけは…お前だったなヴィジュ…」
「へへへ…すみません」
「果ての森に迷い込んだ子供の天使を慰み…監禁して拷問だったか」
「ロットン様も無茶しましたよね?眼球を抉り取ったり、爪を剥いだり」
(いらぬ事を…。コイツはやはりここで始末するか…)
この殺戮が続く戦争の発端は自分達の上位にいる悪魔とその部下…。殺戮大好き、蹂躙大好き、拷問大好きな悪魔達だったが、二人のやり取りに良心が痛むという事はなかったが、少しばかり唖然としていた…。
ロットンが声高に天使共が我等を征服に来たと宣い、大義は我等にあると宣い、自らこの戦争の陣頭指揮を取ったからだ…。
「ガキを蹂躙するのは俺の趣味だが…滅却し忘れた魂を天界へと逃したのはお前のミスだヴィジュ…」
「え?」
「狼狽えるな…お前の身代わりは…シドになってもらう」
そうですかと安堵したヴィジュを見据えたロットンは掌から凍てつく空気を瞬時に広げた。
「大凍界(ダイトカイ)」
巻き添えにその場に居た悪魔達は一人を除いて氷漬けにされた…。
氷柱の中でまだ意識のあるヴィジュも含めた悪魔達は、なぜですかと、助けてくださいと必死に目で訴えかけている。
「砕粉(サイコ)…滅却(めっきゃく)」
粉々に舞った氷の結晶が舞い散る刹那、滅却と発せられたロットンの言葉に魂諸共そのまま蒸発していった…。
滅却は死の更に向こう側の完全なる消滅…。
肉体の消滅は死…。
霊体の消滅は霊死…。
この二つは魂が残るので転生、或いは蘇生が出来ることに対して滅却は魂の消滅となる為に存在そのものが “ 無 ” になってしまうもの…。
限られた上位の天使~神、限られた上位の悪魔、地獄天使のみが滅却を使える。
瞬く間に滅却された悪魔達を見て、一人だけ取り残された悪魔は震えあがっている。
徹底的だ…この方は自己を護る為の障害は如何なる手段を用いてでもも徹底的に排除する…。
ヴィジュがこの戦争の発端…その事実の漏洩を防ぐ為の徹底的な口封じだと理解した悪魔は畏れ慄き、必死で命乞いをする。
「いいい…言いません!!おお、俺はせぜ、絶対に絶対に口外しません!!」
「わかっている…。信用しているお前には大役を頼みたい」
そう言ったロットンは口から言霊を吐いて一つに纏め気絶しているシドに飲み込ませた…。
「そ…それは」
「呪言(ジュゴン)だ…」
呪言(ジュゴン)とは言霊を飲ませて、必要なタイミングで一度だけ、その飲み込ませた言葉を吐かせる呪い…。
呪印も記されず、発動されたら痕跡すら残らない…。
冤罪を被せる為に悪魔が使う呪いの一つ。
人間界においても悪魔と契約を結んだ者が有利になるように対象となる者に呪言をかけ、有りもしない事実を喋らされ冤罪となってしまう。
権力を持った者が跡目争いなどに用いた例が幾つか在り、歴史の中に埋もれている…。
「お前はシドを連れて天界へ昇り、こいつが戦争の引き金だと突き出して、休戦協定を菩薩に申し出て俺の使いだと面通しをしてこい」
「…わかりました」
これで良い…。これでこの戦争の発端となった真実を知る者は誰も居ない…。目障りな愚弟も処分出来る…。正に一石二鳥だと鎖に拘束されたシドを見下ろしたロットンは不適な笑みを浮かべていた…。
……続く。
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