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『歯車は歪に回りだす』
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拾都戦争が終わり、五年が経つ。
当時の政府は、戦争が終わった今も勢力が強い「九想典」によって解体され、都市は独自の発展を遂げた。
「九想典」は、九人の賢者から成っている。それぞれに得意分野がある。
そして、拾都の革命家としてメキメキと頭角を表すことになる。
貧民街には、新しい仕事を与え、食料の取り合いでの事件、栄養失調で亡くなることもなくなった。
他国から入ってきた未知なる伝染病が流行ったときも、「九想典」がいち早く解決策を見出した。
医療班はもちろんのこと、トップが集まり、流行のルート、症状が顕著に現れる年代、医療現場でどの薬を服用して、どの様に効いたのかデータをひたすら集めた。
医療が担当では無い「九想典」のトップも都市部にある九想典本部で寝ずに、解決策を出し合った。
その甲斐あってか、ほんの数カ月で伝染病は収束を迎えた。他の国では考えられない程のスピードだった。
ネオンが、下品ではない程度にギラつく路地裏を歩いている人がいた。
拾都では、ネオンの光量も決められていた。窓の近くにネオンがあっても、眩しさで眠れないということがない様に、だ。
路地裏にいる黒パーカーを着た伊織が動くと、地面と擦れて、カラカラと音がする。
それは、無骨な大きな鎌を持っているからだった。
その鎌を持っている伊織は、喋っていた。
それも、首だけになった人間に。
「おいおい、簡単に死なれては困るのだがね。つまらないよ、君」
飄々とした口調で両手を腰に当て、上体を少し前に反らせて、地面に転がっている生首に語りかけていた。
ボサボサの黒髪の前髪の隙間からはガーネットの様な真紅の瞳が笑みで弧を描いていた。
「ふむ、では、俺の話を聞いてもらおうかな。馬の耳に念仏、男の生首に世間話。かかか、どっちが滑稽なのだろうかね?最後までに判ると良いのだが。さて、俺は殺しが好きだ。子供の頃の経験がそうさせているのさ。まぁ、トラウマ、心の傷が原因といった所だ。けっ、今でも思い出したくないよ。だから、人を殺す。まるで、桜の枝を折る様に簡単にね。…ああ、他国では桜の枝は折ってはいけないのだったね。ふむ。…おっと、話が脱線したかな。これが俺の悪い癖のひとつさ。いつも、友人の唯一に怒られてばかりだよ。殺しというものは俺にとって最高に楽しいものでね、特に傲慢な奴が嫌いだ。「人類皆平等」を振りかざして、いい気になっている。傲慢は身を滅す、って教わらなかったのかな?俺は学校など行ったことはないが、普通、教えるものだろう?親御さんは怒らなかったのかな?知らずに生きてきて、俺に会って殺されるなんて、不運もいいところだね」
そこで、鎌をくるくると、まるで曲芸の様に廻す。
「ともかく、君の不運は酒場で俺に絡んできたことだね。俺は久しぶりの酒だったから、昨晩からもうわくわくしてたまらなかったのだよ。最初は、ジントニック、次はハイボール、最後はシンデレラで締めようと遠足に行く子供の様に計画を立てていたのさ。そんな有頂天の俺に悪酔いした君がタチの悪い絡み方をしてくるのものだから…。もう、殺すしかないよね?悪酔いってさ、酒という病気に罹って内臓を酔いというものに侵食されて、自我というものがじわじわ衰えていく様だよね。そんな奴、俺は嫌いだなー。まぁ、だから殺したんだけど。酒運と対人運が悪かったみたいだね。さぁ、俺の話はここで終わり。頑張れば、天国行きの船には乗れるかもねー。かかか、いってらっしゃい」
そう言って、美酒に酔った様に、恍惚とした顔の伊織は踵を返して、もう一杯、飲み直すか、もう寝床に帰るか、軽いステップを踏みながら、大鎌を消し、雑多な路地裏を歩き出した。
拾都の路地裏は、他の都市より綺麗だと聞く。ここも「九想典」の息が掛かっていて、清掃で目にみえるゴミは排除され、目にみえないゴミの裏社会の取り引きも割りかし、流血沙汰にならずに済むらしいからだ。産まれてから、一度も拾都を出たことはない伊織には比べる事が出来ないが。
口笛を拭きながら、豆電球がチカチカして頑張って照らしている角を曲がろうとした時だ。
「ぐしゃり」
という音がした。
この音を伊織はよく知っている。
何度も何度も聞いているからである。毎晩見る悪夢でも、毎日見る日常でも。
この音は絶命した人間が崩れ落ちる音だ。
白い煙のような光が辺りを照らし、徐々に右手に物体化させて、先程まで持っていた大鎌「白火」を顕現させる。
「何処の殺し屋だい?ちゃんと「九想典」の許可は取ったのかな?事後承諾だと、彼らはうるさいよ?」
音がするまで、気配に気づかなかった。もしかしたら、自分より格上かもしれない。
恐怖より、興味が勝った。口の端に笑みを浮かべ、道を塞いでいた酒樽を蹴り飛ばして、「白火」を構えて一気に近づく。
そこは、元々、マフィアの取引場だったのだろう。
月が雲に隠れて見にくいが、むき出しの札束や、一目で違法薬物だと判る毒々しい蛍光ピンクのカプセル、裏社会で取引される拳銃などが散らばっていた。それらが転がる中に、その少女は、いた。
伊織よりもボサボサの茶髪に、涙を浮かべた金色の瞳。粗末な麻のワンピースを着て、地面に蹲っていた。年齢は十歳にも満たないだろう。
「何処のガキだ?」
伊織が近づくと、少女の肩がビクッと跳ねる。
最初は判らなかったが、右手の「白火」を見て納得した。そりゃそうだ、こんなに大きな鎌を持っていたら、誰だって怖がる。
しゅん、と「白火」を消して、少女に出来る限り、優しく語り掛ける。
「これで、いいだろう?お互い、丸腰だ。だから、そんなに怯えないでくれるかい?そんなに化け物を見るような眼で見られると、流石の俺でも傷つくのだがねぇ…」
「…近づかないで」
雨に打たれた仔猫のようにカタカタと震えていて、声もため息かと思う程、小さい。
「何故だい?」
「…殺しちゃうから」
その時、地上の状態を見計ったかのように雲の間から月が出た。
照らされた路地裏。
少女の膝の上には前歯が金色に輝く(もう金に価値はないだろう)男の首があった。
「君が、殺したのかい?」
「…イガイは、わざと殺したわけじゃない」
「『イガイ』?」
「自分の名前」
「…もしかして『遺骸』って書くかい?」
字を示したわけでもないのに、少女…遺骸は頷いた。最悪なことに、慣れているのだろう。
「遺骸という名前か…最悪な呪だね」
人間が生まれた時に一番最初にかけられる呪いは『名前』だと、聞いた事がある。
その名前という呪は、一生付き纏う。
例えば、自己紹介をする時に。
例えば、親や友達に呼ばれる時に。
例えば、心ない言葉をかけられる時に。
それは、死ぬまで、いや、死んでもそれはずっと続くだろう。
「…遺骸、どうやって、殺したんだい?俺は、それが一番気になるよ。どうか、この殺人鬼に教えてくれるかい?一体、どうやって年端も行かぬ少女が生首を捥いだ捥いだか味津々でね、飽くなき探究心が求めて仕方ないのさ」
「あのね…」
遺骸は、血に染まった右手を翳した。小さな手だった。
「…触るだけで…殺しちゃうの…」
「触れるだけで…?」
珍しく、伊織は、言葉を切ると、少し考え、
「遺骸、君、ちょっと会って欲しい人がいるのだよ」
「会、う?」
「『九想典』って言ってね、いろんなことを知ってる集団さ。来てくれるかい?」
「…」
「怖いのなら、いいよ。無理強いはしない。『無茶はしていいが、無理はするな』と言っている人もいるくらいだ。無理と言うものは毒物なのだろうね、きっと。それで、どうする?会うかい?会わない?」
「九想典」のことを聞いたことがあるのか、少し躊躇う遺骸。そこに、伊織は、同じ人間の声とは思えない程、柔らかい声で言った。
「優しいよ、彼らは。生きる者にもこの世を旅立つ者にも。犯罪集団なんかじゃない。孤独が辛かったら、彼らを頼ればいい。絶対、助けてくれる」
遺骸は、意を決したように頷くと、立ち上がった。
そして、自分の横に落ちていた赤い蝙蝠傘を持つと、先端を自分が持ち、取手を伊織に向けた。
「…ん?ああ、こうして物を使って手を繋ぐのだね。考えたものだ。頭を撫でてあげたいよ」
伊織は、かかか、と笑うと歩き出した。
自分の寝床のある「九想典」の本部に向かって。
当時の政府は、戦争が終わった今も勢力が強い「九想典」によって解体され、都市は独自の発展を遂げた。
「九想典」は、九人の賢者から成っている。それぞれに得意分野がある。
そして、拾都の革命家としてメキメキと頭角を表すことになる。
貧民街には、新しい仕事を与え、食料の取り合いでの事件、栄養失調で亡くなることもなくなった。
他国から入ってきた未知なる伝染病が流行ったときも、「九想典」がいち早く解決策を見出した。
医療班はもちろんのこと、トップが集まり、流行のルート、症状が顕著に現れる年代、医療現場でどの薬を服用して、どの様に効いたのかデータをひたすら集めた。
医療が担当では無い「九想典」のトップも都市部にある九想典本部で寝ずに、解決策を出し合った。
その甲斐あってか、ほんの数カ月で伝染病は収束を迎えた。他の国では考えられない程のスピードだった。
ネオンが、下品ではない程度にギラつく路地裏を歩いている人がいた。
拾都では、ネオンの光量も決められていた。窓の近くにネオンがあっても、眩しさで眠れないということがない様に、だ。
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それは、無骨な大きな鎌を持っているからだった。
その鎌を持っている伊織は、喋っていた。
それも、首だけになった人間に。
「おいおい、簡単に死なれては困るのだがね。つまらないよ、君」
飄々とした口調で両手を腰に当て、上体を少し前に反らせて、地面に転がっている生首に語りかけていた。
ボサボサの黒髪の前髪の隙間からはガーネットの様な真紅の瞳が笑みで弧を描いていた。
「ふむ、では、俺の話を聞いてもらおうかな。馬の耳に念仏、男の生首に世間話。かかか、どっちが滑稽なのだろうかね?最後までに判ると良いのだが。さて、俺は殺しが好きだ。子供の頃の経験がそうさせているのさ。まぁ、トラウマ、心の傷が原因といった所だ。けっ、今でも思い出したくないよ。だから、人を殺す。まるで、桜の枝を折る様に簡単にね。…ああ、他国では桜の枝は折ってはいけないのだったね。ふむ。…おっと、話が脱線したかな。これが俺の悪い癖のひとつさ。いつも、友人の唯一に怒られてばかりだよ。殺しというものは俺にとって最高に楽しいものでね、特に傲慢な奴が嫌いだ。「人類皆平等」を振りかざして、いい気になっている。傲慢は身を滅す、って教わらなかったのかな?俺は学校など行ったことはないが、普通、教えるものだろう?親御さんは怒らなかったのかな?知らずに生きてきて、俺に会って殺されるなんて、不運もいいところだね」
そこで、鎌をくるくると、まるで曲芸の様に廻す。
「ともかく、君の不運は酒場で俺に絡んできたことだね。俺は久しぶりの酒だったから、昨晩からもうわくわくしてたまらなかったのだよ。最初は、ジントニック、次はハイボール、最後はシンデレラで締めようと遠足に行く子供の様に計画を立てていたのさ。そんな有頂天の俺に悪酔いした君がタチの悪い絡み方をしてくるのものだから…。もう、殺すしかないよね?悪酔いってさ、酒という病気に罹って内臓を酔いというものに侵食されて、自我というものがじわじわ衰えていく様だよね。そんな奴、俺は嫌いだなー。まぁ、だから殺したんだけど。酒運と対人運が悪かったみたいだね。さぁ、俺の話はここで終わり。頑張れば、天国行きの船には乗れるかもねー。かかか、いってらっしゃい」
そう言って、美酒に酔った様に、恍惚とした顔の伊織は踵を返して、もう一杯、飲み直すか、もう寝床に帰るか、軽いステップを踏みながら、大鎌を消し、雑多な路地裏を歩き出した。
拾都の路地裏は、他の都市より綺麗だと聞く。ここも「九想典」の息が掛かっていて、清掃で目にみえるゴミは排除され、目にみえないゴミの裏社会の取り引きも割りかし、流血沙汰にならずに済むらしいからだ。産まれてから、一度も拾都を出たことはない伊織には比べる事が出来ないが。
口笛を拭きながら、豆電球がチカチカして頑張って照らしている角を曲がろうとした時だ。
「ぐしゃり」
という音がした。
この音を伊織はよく知っている。
何度も何度も聞いているからである。毎晩見る悪夢でも、毎日見る日常でも。
この音は絶命した人間が崩れ落ちる音だ。
白い煙のような光が辺りを照らし、徐々に右手に物体化させて、先程まで持っていた大鎌「白火」を顕現させる。
「何処の殺し屋だい?ちゃんと「九想典」の許可は取ったのかな?事後承諾だと、彼らはうるさいよ?」
音がするまで、気配に気づかなかった。もしかしたら、自分より格上かもしれない。
恐怖より、興味が勝った。口の端に笑みを浮かべ、道を塞いでいた酒樽を蹴り飛ばして、「白火」を構えて一気に近づく。
そこは、元々、マフィアの取引場だったのだろう。
月が雲に隠れて見にくいが、むき出しの札束や、一目で違法薬物だと判る毒々しい蛍光ピンクのカプセル、裏社会で取引される拳銃などが散らばっていた。それらが転がる中に、その少女は、いた。
伊織よりもボサボサの茶髪に、涙を浮かべた金色の瞳。粗末な麻のワンピースを着て、地面に蹲っていた。年齢は十歳にも満たないだろう。
「何処のガキだ?」
伊織が近づくと、少女の肩がビクッと跳ねる。
最初は判らなかったが、右手の「白火」を見て納得した。そりゃそうだ、こんなに大きな鎌を持っていたら、誰だって怖がる。
しゅん、と「白火」を消して、少女に出来る限り、優しく語り掛ける。
「これで、いいだろう?お互い、丸腰だ。だから、そんなに怯えないでくれるかい?そんなに化け物を見るような眼で見られると、流石の俺でも傷つくのだがねぇ…」
「…近づかないで」
雨に打たれた仔猫のようにカタカタと震えていて、声もため息かと思う程、小さい。
「何故だい?」
「…殺しちゃうから」
その時、地上の状態を見計ったかのように雲の間から月が出た。
照らされた路地裏。
少女の膝の上には前歯が金色に輝く(もう金に価値はないだろう)男の首があった。
「君が、殺したのかい?」
「…イガイは、わざと殺したわけじゃない」
「『イガイ』?」
「自分の名前」
「…もしかして『遺骸』って書くかい?」
字を示したわけでもないのに、少女…遺骸は頷いた。最悪なことに、慣れているのだろう。
「遺骸という名前か…最悪な呪だね」
人間が生まれた時に一番最初にかけられる呪いは『名前』だと、聞いた事がある。
その名前という呪は、一生付き纏う。
例えば、自己紹介をする時に。
例えば、親や友達に呼ばれる時に。
例えば、心ない言葉をかけられる時に。
それは、死ぬまで、いや、死んでもそれはずっと続くだろう。
「…遺骸、どうやって、殺したんだい?俺は、それが一番気になるよ。どうか、この殺人鬼に教えてくれるかい?一体、どうやって年端も行かぬ少女が生首を捥いだ捥いだか味津々でね、飽くなき探究心が求めて仕方ないのさ」
「あのね…」
遺骸は、血に染まった右手を翳した。小さな手だった。
「…触るだけで…殺しちゃうの…」
「触れるだけで…?」
珍しく、伊織は、言葉を切ると、少し考え、
「遺骸、君、ちょっと会って欲しい人がいるのだよ」
「会、う?」
「『九想典』って言ってね、いろんなことを知ってる集団さ。来てくれるかい?」
「…」
「怖いのなら、いいよ。無理強いはしない。『無茶はしていいが、無理はするな』と言っている人もいるくらいだ。無理と言うものは毒物なのだろうね、きっと。それで、どうする?会うかい?会わない?」
「九想典」のことを聞いたことがあるのか、少し躊躇う遺骸。そこに、伊織は、同じ人間の声とは思えない程、柔らかい声で言った。
「優しいよ、彼らは。生きる者にもこの世を旅立つ者にも。犯罪集団なんかじゃない。孤独が辛かったら、彼らを頼ればいい。絶対、助けてくれる」
遺骸は、意を決したように頷くと、立ち上がった。
そして、自分の横に落ちていた赤い蝙蝠傘を持つと、先端を自分が持ち、取手を伊織に向けた。
「…ん?ああ、こうして物を使って手を繋ぐのだね。考えたものだ。頭を撫でてあげたいよ」
伊織は、かかか、と笑うと歩き出した。
自分の寝床のある「九想典」の本部に向かって。
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